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今日はアースデイのイベントの日です。 グレたちはギャラネコに来て、わずか3日間の間に、猛練習をして、アカペラのグループとして出場することになりました。 マスターがバス、グレがテノール、カノジョがアルト、チャピーとエミーが一番歌いやすいソプラノを受け持つことになりました。 曲目は「アメージング・グレース」と、ノラーズのオリジナルの「僕たちのほしい物」「クロネコブルース」の3曲です。
イベント会場は以前メルリンケルのコンサートが行われた山の上の野外ステージです。 今日は世界中からミュージシャンが参加するので、夕方から始まって、翌朝まで続きます。
グレたちは朝食を済ませると、さっそく出かけることにしました。 みんな真新しいおそろいの衣装を着ています。メイとクロスケからのプレゼントで、昨日トナカイのトミーが届けてくれたのです。 カノジョ「メイとクロスケにも見に来てもらいたいけど、きっと天国から見ていてくれるわね。」
会場に着くと、まだ午前中にもかかわらず、ミュージシャンたちも何組か来ていて、それぞれのグループごとに、あちこちに散らばって、ギターのチューニングをしたり、発声練習をしたりしていました。 気の早いファンは、もうやってきて、場所を取って座っていました。 係りの人にプログラムをもらって戻ってきたグレが、興奮している様子です。 グレ「すごいぞ、今日はみんなに逢えそうだ。これを見てみろよ。」 みんながプログラムを覗くと、そこには知り合いの名前がずらりと書かれていたのです。
「メルリンケル、バーバラ親子、リスラーズ(リスのコーラスグループ)、子猫の聖歌隊、フクロウグループ、ファンキーネコのロックグループ。。。」 マスター「ジュールのポールたちもいるぞ!!」 カノジョ「本当!!コンサートに出られるようになったんだわ。ああ、風のトロイアを歌うんだわ!!」 チャピー「なんてすごいメンバーでしょう。クロスケの家のクリスマスイヴみたい!!」
5匹が発声練習をはじめて、しばらくすると、笑いながら近寄ってくる1匹のネコがいました。 カノジョ「メルリンケルだわ、ちっとも変わってないわね!!」 チャピー「キャー!!メル様だわ。ステキ!!」 エミー「彼がメルリンケルなの!!うわさどおりのネコだわ。」
メルリンケルは5匹のそばにやってくると、興奮気味に言いました。 「うれしいよ、とても逢いたかった。君たちが出て行ってから、心にぽっかり穴が開いたようで、淋しかったんだ。それに今日は又ノラーズの演奏が聴けるんだね。」 グレ「うん、出演するつもりじゃなかったので、楽器を持ってこなかったんだ。でも、アカペラでコーラスをやるよ。」
しばらくすると、今度はリスラーズ(リスのコーラスグループ)がやってきました。 「ノラーズじゃないか!!帰ってきたんだね。今日は久しぶりに君たちの演奏が聞けるんだね。」 又しばらくすると、今度は見覚えのあるブルーのサムイを着た5匹のネコが通りかかりました。 マスター「もしかしてポールじゃないか?」 その声に、こちらを向いた1匹は、たちまち顔をほころばせました。 「マスターにグレ、カノジョ、逢いたかったなあ!!今日は出演するの?」
思いがけないめぐり合いに、グレたちは興奮していました。
グレ「ジュールのみんなは今、どうしているの?」 ポールは、話し始めました。 「ジュールの街は、あれから復興して、貧しいながら、自分たちで自立できるところまでになったんだ。。君たちがカンパしてくれたお金で、学校も建てられ、農機具も買うことができた。。みんな充実した日々を送れるようになってきた。 それでもいたるところにまだ地雷が埋められていて、毎日のように、犠牲になるネコがいるんだ。地雷は畑の中や、子供たちの遊ぶ広場にも埋まっていて、その場所で、ネコたちは、農作業をしたり、遊んだりしているんだよ。危険だということは、わかっているのだけど、貧しいから、他の土地に引っ越すこともできないんだ。」
カノジョ「戦争が終っても、平和な国に戻るまでには、まだまだ時間がかかりそうね。」
ポール「地雷撤去の作業も進められているのだけど、とても追いつく数ではないんだ。世界中に埋められている地雷がすべて撤去されるには、あと100年もかかるそうだよ。それでこのイベントに参加して、ジュールの街のことを知ってもらいたい、そしてもっと貧しい国の人たちを励ましたいと思って参加することにしたんだ。今日は風のトロイアを歌うよ。」
ポールたちが、「それじゃあ、またあとで」と言って、立ち去ってから、グレたちは、ふっとため息をつきました。 「一度戦争が起こると、平和な国に戻るためには、何年も何年もかかるんだね。 ぼくたちも、いろんな国を垣間見てきたけど、ポールはジュールに永住するつもりかもしれないなあ。」
アースデイは世界中のみんなで地球のことを考えようというイベントです。 ギャラネコの街にも世界中から、たくさんの参加者たちが集まりました。コンサートの収益金はすべて、貧しい国の人たちの救済に使われます。さあ、今夜はどんなコンサートになるでしょうか。
つづく
☆お知らせ 皆さん、毎月この「お話と音楽」を読んでいただいて、ありがとうございます。都合により来月の「お話と音楽」は休ませていただきます。今度は2ヵ月後の10月号でお目にかかりましょう。