『俺と僕で何?』


第四拾弐話 歓迎会


「うーん」

あ、朝だ。

今日は忙しいぞ。

みんなへの連絡は昨日のうちにミサトさんとアスカがしてくれたし、俺は洞木さんに買い物付き合ってくれるようお願いしたよね。

綾波も一緒に連れて行こうかな。

「おはようございます」

って誰も起きてないか・・・。

まだ6時だもんな。

とにかく出来るだけでも準備しなくっちゃ。

眠い・・・。

今のうちにお皿の用意とか出来る分だけでもセッティングして下拵えをしておこう。

「碇君・・・おはよう」

「おはよう、綾波。早いね」

「準備あるんでしょ?」

「うん」

「手伝うわ」

「ありがとう。じゃあテーブルクロス敷いてくれるかな?」

「どれがいいの」

「赤いダマスカス織りのやつにしてくれるかな。」

「わかった。テーブルが小さいわ」

「あ、それは両脇から引き延ばせるから全部出しちゃっていいよ」

「了解。これ・・・こんなに大きくなるのね。これなら大丈夫だわ」

「あとテーブルセッティングしてくれる?」

「お皿とか食器とかを並べればいいのね?」

「うん、そうだよ。バイキング形式にするからね」

「・・・・・・出来たけどこれでいいのかしら」

「完璧だよ、綾波。ありがとう」

「良かった。碇君の役に立てた」

「おはよう、シンジ君、レイ。張り切ってるわね」

「おはようございます、リツコさん。なんたって初めての大人数ですから」

「料理はどうするの?」

「またバイキング方式にしますよ。じゃあ買い出しに行ってきます」

「一人で大丈夫?」

「洞木さんとレイも一緒ですから大丈夫ですよ」

「そうだったの。行ってらっしゃい」

「行って来ます」

「フェルは連れて行かないの?」

「フェルはまだ寝てるし、主賓ですからのんびりしててもらいますよ。じゃあ行ってきます」

「大分買ったけど買い過ぎたかな?」

「鈴原がいるから大丈夫でしょ」

「そうだね、洞木さん」

「そろそろ帰らないと料理が間に合わないね」

「帰りましょ」

「うん」

「ただいま」

「おかえりなさい。まあ凄い荷物ねぇ」

「一応16人分ですからね」

あれ?誰を呼ぶんだっけ・・・。

イスラ、フェル、アスカ、レイ、俺、リツコさん、ミサトさん、加持さん、マヤさん、コダマさん、チサトさん、青葉さん、日向さん、洞木さん、トウジ、ケンスケ・・・あ!カヲル君を忘れてた。17人だ!

「カヲル君を呼ぶの忘れてたよ。全部で17人になるね」

「そんなにリビングに入るかしら?」

「何とかなるだろ。カヲル君は俺が誘うよ」

「わかったわ」

・・・

カヲル君に電話しなくちゃ。

「カヲル君?」

「ああ、なんだい、シンジ君」

「今日家でイスラとフェルの歓迎会をやるんだけどカヲル君も来てくれるかな?」

「いいのかい、僕が行っても?」

「もちろんだよ!」

「じゃあお言葉に甘えてお邪魔するよ」

「4時スタートだから遅れないでね。あとプレゼントを二人分忘れないでね」

「わかったよ。じゃあ楽しみにしてるよ」

「うん。じゃあ後で」

・・・

「さあ料理はこんなもんかな。揚げ物はみんなが来てから揚げようかな。あと30分だね」

・・・

『ピンポーン』

「あ、誰か来た!」

(ガチャ)

「いらっしゃい」

「お邪魔するわね」

「いらっしゃい、マヤさん、コダマさん、チサトさん、青葉さん、日向さん」

「何か手伝える事ないかな?」

「とにかく中に入って下さい」

(バタン)

「適当に座っててもらえますか」

・・・

『ピンポーン』

「今度は誰だろ?」

(ガチャ)

「いらっしゃい」

「お邪魔しまーす」

「いらっしゃい、ミサトさん、イスラ、アスカ」

「今日はお招きありがとう」

「まあ中に入って下さい」

(バタン)

・・・

『ピンポーン』

「いらっしゃい」

(ガチャ)

「お邪魔します」

「いらっしゃい、加持さん、カヲル君」

「今日はお招きありがとう。盛況だね」

「まあ中に入って下さい」

(バタン)

・・・

『ピンポーン』

「いらっしゃい」

(ガチャ)

「お邪魔しまーす」

「いらっしゃい、トウジ、ケンスケ」

「本日はお招きに預かりまして誠にありがとうございます」

「まあそんな堅苦しい挨拶は抜きにして中に入ってよ」

(バタン)

・・・

「これで全員揃ったわね」

司会はやっぱりミサトさんか。

「・・・」

「ではこれよりイスラさんとフェルさんの二人のチルドレンの歓迎会を始めまたいと思います」

「まずはみんなの自己紹介からお願いするわね」

で自己紹介が始まった。

・・・

イスラの番だ。

「わたしは渚イスラと言います。ここにいる渚カヲルの妹で渚フェルの姉になります。事情があって兄とも妹とも別々に暮らしていました。今回エヴァンゲリオンの予備チル ドレンになりましたので色々とお世話になりますが、どうぞよろしくお願いします」

今度はフェルだ。

「渚フェルで〜す。フェルもエヴァのチルドレン予備だよ。よろしくお願いしま〜す。あ!来週からイスラと一緒に学校に行くんだ。みんなと同じクラスだからよろしくね〜」

・・・

マヤさんがフェルと話してる。

「イスラさんとフェルさんってカヲルさんの兄弟姉妹だったんですね」

「そうなんです」

「カヲルがフェルとイスラ姉さんの兄さんだよ〜」

「じゃあフェルさんは末っ子なのね」

「そうなの〜」

「どうしてみんな一緒に暮らしていなかったの?」

「家庭の事情なのだ〜」

「あ、ごめんなさい。立ち入った事聞いちゃって」

「ううん。いいよ」

イスラはリツコさんと話してる。

「どう、もう生活には慣れたかしら?」

「はい。慣れました。皆さんに良くして頂いてますので大丈夫です」

「それは良かったわ。体調とか不都合があったら私に相談してね」

「はい。ありがとうございます」

みんなちゃんと食べてるかな?

「まだまだ料理はありますから、遠慮なく食べて下さいね」

「きっちり食べてるよ」

「相変わらず美味しいわね」

「俺、旨くって幸せっす!」

「これみんなシンジ君が作ったのかい?」

「いえ、リツコさんと洞木さん、それと綾波も作ったんですよ」

「それでも大変だったろう、こんなに沢山作るのは・・・」

「でもみんな当番制で料理し慣れてますから」

ケンスケは相変わらずデジカメの撮影に集中しているな。

トウジは食い専門か・・・。

チサトさんは初めてだったっけ、こういうの?

「チサトさん、楽しんでますか?」

「ええ。ごめんなさい、お料理が美味しいから食べる方に忙しくって」

「ところでチサトさんはどうしてネルフに入ったんですか?」

「わたしは伊吹先輩に誘われたの。自分でもちゃんと調べて納得して入ったのよ」

「いつもサポート頂いて感謝してます」

「わたしはシンジ君担当になる事があまりないけど、シンジ君達に闘わせているんだから自分に出来るだけの事はちゃんとやりたいの」

「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」

トウジとケンスケが話してる。

「なあセンセ最近変わったと思わんか?」

「何がどうだよ?」

「そのーなんか余裕ちゅうか、落ち付いとるっちゅうか、そんな感じや」

「シンジは元々そうだよ」

「そうかいな?」

「そうさ」

「ならええけどな」

俺が落ち着いているって?トウジにはそう見えるのかな?

「それよりも綾波だよ」

「なんや?」

「最近めっきり明るくなったと思わないか?」

「そう言われてみればそうやな」

「特にシンジが来てからだぜ」

「そうかいな」

「そうさ。なんたって表情が出てきたよ。ファインダーから見てると感じるんだ」

「そりゃあ兄貴が、兄妹が出来たからとちゃうか?」

「そうかも知れない。でもそれだけじゃない気もするんだな」

「どう言うこっちゃ?」

「恋する乙女、かな?」

「馬鹿言え、兄妹やろ!」

「でも最初に言ったのはトウジだぞ」

「あれはジョークや。マジで言った訳やあらへんわい」

こっちも変な話題になってるな。

「何話してるの」

「ああ、シンジか」

「綾波が最近明るくなったって話しさ」

「そうなの。俺は別に気が付かなかったけど」

「センセは前の綾波を知らんからや」

「前は無表情で誰とも喋らんかったんやで。シンジが来てからや、今の様に皆と喋るようになったんわ」

「へえ。どうしてだろ?」

「わからんわ」

「まあ、いい事じゃない」

「まあな」

「トウジ、料理食べてる?」

「ああ、ぎょうさん頂いたわ。腹一杯や。それにごっつう旨かったしな」

「良かった」

「しかしシンジは料理上手いのう」

「作る機会が多かったからね。誰でも上手くなるさ。じゃあまたね」

「おう」

綾波は俺が来てからも変わったのか・・・。

その前の綾波の事知らないもんな。

あ、そうだ、マヤさんに聞いてみようかな?

「マヤさん、楽しんでますか?」

「ええ、楽しいわよ。イスラちゃんもフェルちゃんもいい娘ね。お料理も美味しいし」

「マヤさん」

「ん、なあにシンジ君?」

「綾波って最近何か変わったんですか?」

「どうしたの、突然?」

「いや、みんながそんな話しをしてたから。俺は前の綾波を知りませんし」

「うーん・・・そうね。表情が豊かになったって言うか、感じが柔らかくなった気がするわ」

「そうなんですか?」

「でも最近は少し暗い感じはするわね。あ、変な意味じゃないのよ。なんか落ち着いた、って感じかな」

「そんなんだ」

記憶が戻ってからかな?

「すいません。変な事聞いちゃって」

「レイちゃんの事が気になる?」

「あ、いや、そういう意味じゃなくって・・・」

「いいわね。若いって」

「あ、ありがとうございました」

そういえば俺はここに来る前の綾波の事って何も知らないんだよな・・・。

洞木さんにお礼言ってないや。

「洞木さん、今日は色々と手伝ってくれてありがとう」

「あら、いいのよ。楽しんでやってたんだから」

「ありがとう。明日からイスラとフェルが学校に来るけど仲良くしてあげてね」

「もちろんよ。二人ともいい子だし、クラスにもすぐに溶け込めると思うわ」

「そう言ってくれると心強いな」

イスラとフェルはみんなと話しが出来たのかな?

イスラは?

あ、アスカと話ししてる。

フェルはトウジとケンスケと話ししてるのか。

心配ないみたいだな。

俺も料理を頂こう。

気になってあんまり食べてなかったよ。

・・・

「フェル、どう歓迎会は?」

「楽しいよ〜。みんないい人達だし」

「イスラは?」

「わたしも。明日の学校が楽しみですわ」

「二人とも良かったね」

「うん」

「はい」

後はカヲル君と加持さんか・・・。

あれ、アスカは?

あ、ミサトさんと話してるんだ。

「だから、アスカはシンちゃんにラブなんじゃないのー?」

何の話しだぁ?

「シンジにはレイがいるじゃない。だから、あたしの出番はないわ。邪魔しちゃ悪いでしょ」

「レイはシンちゃんの妹よ」

「だって名目だけの妹なんでしょ。知ってるんだから」

「妹は妹よ。シンちゃんはそう思ってると思うわよ。それにイスラやフェルも参戦して大変だわねー。それともシンちゃんより渚君の方がいいのかなぁ?」

あ?アスカが赤くなった?

でもなんか話しが変な方向に行ってるな。

「ミサトさん」

「何、シンちゃん?」

「酔ってません?」

「あら、まだ酔ってなんかいないわよ」

「だったらくだらない話しなんかしないで下さい」

「何がくだらないの?」

「今アスカに話してた事ですよ。レイは俺の妹なんですから、二人とも変な事言わないで下さいね」

「シンちゃんったらムキになっちゃって怪しいな」

「怪しくありません」

「あたしは別にシンジの事は友達だと思ってるんだからね」

「俺もそうだよ。」

今のところはね・・・。

「シンジ君、料理上手なのね。

「マヤさん。ありがとうございます」

「この前の歓迎会も差し入れもそうだったけれど、わたし感激したわ。シンジ君と結婚するお嫁さんは幸せ物よね。わたし立候補しちゃおうかな?」

「あらアスカ、強敵出現よ!」

「だから〜そんなんじゃないってば!」

「どうだかね?」

もう!

「もうこの話題を持ち出した人は料理を食べちゃいけません!」

「ミサトの事よ。あたしは関係ないからね!」

「げ!そりゃ困るわ。からかうのはもうお終いね」

「結局からかってたんですね?」

「まあ、こういう話題って定番じゃない。そんなにカリカリしないでよ。かえって怪しいわよ」

さて、料理の追加を出さなくっちゃだね。

「綾波。」

「何?」

「料理の追加を出すから手伝ってくれるかな?」

「わかったわ」

これで料理はお終いだな。

そろそろお開きだと思うんだけど、どうなるのかな?

「ミサトさん」

「何?」

「そろそろお開きにしませんか?料理も無くなってきたことですし・・・」

「そう?まだいいでしょ。あ、渚くーん!」

「なんですか、葛城さん?」

「渚君はレイとアスカとどっちが本命なの?まさかイスラやフェルって事もあっちゃう訳ぇ?」

「僕はシンジ君一筋ですから関係ないですよ」

「え?シンジ君?は?」

「友達として最高って事ですよ」

「なんだそういう意味。一瞬焦ったわよ」

だからお開きにして!

「ミサトさん、もう時間も遅いですから」

「わかったわ。お開きにしましょう」

「お願いします」

「皆さん!今日は渚イスラさんと渚フェルさんの歓迎会にお越し頂きありがとうございました。二人はチルドレンとして皆さんと一緒に仕事をする事になります。どうぞ仲良くしてあげて下さいね。以上、散会!」

(パチパチパチパチパチ・・・)

終わった・・・。

疲れたよぉ。

あ!カヲル君に話しておかなくっちゃ。

「カヲル君」

「なんだい、シンジ君?」

「少し家に残ってくれるかな?話しがあるんだ」

「今じゃ不味いのかい?」

「うん、そうなんだ」

「わかったよ。残らせてもらうよ」

「ありがとう。じゃあ後で」

「了解したよ」

みんながばらばらと帰って行く。

「今日は楽しかったわ」

「また呼んでね」

「お料理美味しかったわ」

「じゃあイスラもフェルも明日また学校でねー!」

「バイバイ」

あ!加持さんにも残ってもらわなくちゃいけないな。

「加持さん、ちょっと残ってもらっていいですか?」

「なんか複雑な話しかい?」

「ええ・・・まあ」

「わかった」

さあ、みんな帰ったかな?

大丈夫みたいだ。

「加持さん、カヲル君、残ってもらってすみません」

「僕に話しってなんだい、シンジ君?」

「俺も関係あるのかな?」

「ええ、お二人にアスカの事で聞いておきたい事があるんです」

「惣流君の事でかい?」

「アスカは弐号機のコアにアスカのお母さんがいるって事を知ってます。何故知ったかというと夢でお告げがあったんだそうです、ドイツにいた時に。それってカヲル君の仕業じゃないかと思って前から聞きたかったんだ 」

「確かにそれは僕の仕業だよ。僕は弐号機と同じくアダムから産まれし者だからね。シンジ君の望みのままにね」

「俺の望み?」

「そうだよ。惣流君が二度とあのような精神崩壊を起こさないようにね。ある意味彼女の心の保完を行ったのさ」

「でもそれってアスカの心の有り様をを変えてしまったんじゃないのか?前回のアスカはニ度と戻って来ないって事じゃないのか!」

「怒っているのかい?」

「そうじゃないけど・・・真意が知りたかったんだ」

「シンジ君。俺が言う事じゃないかも知れないが、アスカは良い方向に変わったんだ。そうだろ?」

「それはそうかも知れません。でも・・・」

「ならいいじゃないか。今のアスカは輝いている。これはこれでアスカの可能性の一つだったんだよ。それでいいじゃないか」

「そうだよ。シンジ君があの赤いLCLの海で望んだ世界の一つなんだよ。その結果だ」

「俺が望んだ世界?」

「そうさ、シンジ君。惣流君は明るく元気になっただろう?それでいいじゃないか」

「でも・・・アスカの前の記憶は?前のアスカはどうなってしまったんだ?俺の知ってたアスカはどうなってしまったんだ?」

「シンジ君。今のアスカが君のアスカだよ」

「加持さんま・・・」

「心配する事はない、アスカはアスカさ。な、渚君?」

「そうですね。惣流君はいずれ前回の記憶を取り戻すかも知れない」

「え?アスカが?」

「可能性の話しだよ」

「・・・」

どう言う意味だよ?

「そうなろうがそうならなかろうが惣流君が惣流君である事には変わりがないのさ」

「・・・わかったよ。俺の我侭、思い込みがなんだね。トウジやケンスケも同じだし・・・。ありがとう、話してくれて」

「いや、いいんだよ」

「加持さんは知っていたんですか?」

「いや」

「そうですか・・・」

「でも、アスカが良い方向に変わったとは感じていたよ」

「はい」

「一人一人が保完されていく世界、それが今回の世界なんじゃないのかな。シンジ君の望みのままにね」

「カヲル君。最後に聞きたい。アスカは前回の記憶を取り戻すのか?」

「・・・いずれはその機会があるかも知れないね。まあその時の成り行き任せだね」

「そうか・・・アスカの記憶はカヲル君が持っているの?」

「そうだよ」

「いつ渡すの?」

「シンジ君の望みのままに」

「じゃあ今でも?」

「いや、前回のシンジ君の望みのままに、だよ」

「前回の俺の望みって言ったって俺は覚えてないよ」

「それは仕方がないね。今のシンジ君は前回のシンジ君とは違うんだから」

「どういう事なんだよ!」

「そのままだよ」

「?」

「それこそシンジ君の言う『俺』と『僕』の問題だよ」

「カヲル君は知ってるの?」

「綾波レイちゃんが知ってるんだが、生憎レイちゃんは記憶を取り戻していない。今の彼女は知らないよ」

「じゃあカヲル君は?」

「許されていないんだ。ごめんよ、シンジ君」

「綾波が鍵なんだ。」

「それと前回の神たるシンジ君がだね」

やっぱり俺は『僕』にならなきゃいけないのか・・・?

俺の魂、僕の魂。

綾波の魂。

アスカの魂。

トウジの魂。

ケンスケの魂。

洞木さんの魂。

みんなの魂。

どうなってしまうんだ?

これで本当にいいのか?

これが前回の『僕』が望んだ結果なのか?

『僕』が望めばこの世界では全てが許されてしまうのか?

そんなのってない!

俺は『僕』じゃないんだ!

綾波がこの世界の鍵なのかな。

もちろん『僕』もそうなんだろうけど。

いずれにしても綾波が叶えた『僕』の望み、願いって一体何だったんだろうか?

ただ平凡な普通の生活がしたかったと言う事だけなんだろうか?

だったら何故使徒はまだ来る?

使徒の来ない世界を望めば良かったのに・・・。

そうすればエヴァンゲリオンなんていらないし当然チルドレンも必要ない。

アスカだって精神崩壊なんかに追い込まれなかった筈だ。

アルミサエル・・・思い出したくもない。

今のこの状況じゃあ程度は違っても単なるやり直しに過ぎないよ。

前回の苦しみをまた味わえって言うのか?

確かに・・・そうでもない部分もある。

前回の記憶を持った人達がいるし、その人達は記憶を持ってない人達に干渉してしまっている。

例えばリツコさんは綾波に、カヲル君はアスカに。

いや俺だってそうだ。

前回の『僕』とは全然違う対応をしている。

綾波やリツコさんとの関係なんかは前回と全く違うからな。

それに、ミサトさん、リツコさん、加持さん以外の人間は皆ある意味前回とは違う精神を持った人間になってしまったのかも知れない。

この世界に何が望まれたのか?

今回の世界を生きて行く意味はどこにあるって言うのか?

この世界は一体どこに行き着くんだろうか?


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