『俺と僕で何?』
第四拾参話 初登校日
今日はちょっと寝坊したな・・・。
いい天気だ。
良かった。今日はフェルとイスラの初登校日だからな、晴れに越した事はない。
さて・・・。
「おっはよう〜、シンジぃ〜っ!」
わ!?
「あ、おはよう、フェル。・・・今日はまた一段と元気だね。」
「だって初登校だよ!初登校!」
「そんなに嬉しいの?」
「そりゃ嬉しいよ〜。友達いっぱい出来るかなぁ?」
「それだけ明るい性格なら心配しなくても沢山出来るさ」
「碇君、おはよう」
「おはよう、綾波。リツコさん、おはようございます」
「おはよう、シンジ君」
「しかしフェルのテンションが滅茶苦茶高いですね」
「それだけ楽しみなのよ、学校が」
「俺も勉強やテストがなければ好きなんですけどね」
「何も勉強だけじゃないわよ、学校は」
「まあそうですけどね」
「わかってるでしょうけど、ちゃんとフェルとイスラの面倒を見てあげてよ」
「はい、わかってますよ。ね、綾波」
「うん。大丈夫」
「じゃあ朝ご飯にしましょう」
「「「は(〜)い!」」」
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「じゃあ行ってきます」
「行ってきます」
「行ってきま〜す!」
「行ってらっしゃい。今日は1530からテストがあるから本部に来るのよ」
「「「は(〜)い」」」
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・
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「楽しみだな〜」
「ホントに嬉しそうだね、フェル」
「うん」
「学校ってどんなところかわかってるの?」
「レイの記憶があるから分かってるよ〜」
「え、そうなの?」
「うん。記憶だけだけどね。その時のレイの気持ちまでは残ってないから」
「・・・そうなんだ。それはイスラも一緒なのかな?」
「その筈だよ」
そうか、二人とも素体はレイだもんな。
いつまでの記憶なんだろう?
見掛けは違うけどなんか複雑な気分だな・・・。
って事は・・・綾波と一緒で勉強出来るんだろうな。
あんまり考えるのよそ。
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「今日は転入生が二人います」
「「「「おーーっ!」」」」
「渚イスラさんと渚フェルさんです。お二人とも渚カヲル君の妹さんですので、皆さん仲良くしてあげて下さい」
「「「「はーーい!」」」」
「じゃあ自己紹介して下さい。まず渚イスラさんから」
「えっと・・・渚イスラです。渚カヲルの妹で渚フェルの姉になります。右も左も分かりませんがどうぞよろしくお願いします」
「「「「パチパチパチパチ・・・」」」」
「じゃあ次は渚フェルさん、お願いします」
「渚フェルで〜す!イスラが言った通りカヲルとイスラの妹で〜す。皆さんとお友達になりたいので是非々々よろしくお願いしま〜す!」
「「「「パチパチパチパチ・・・」」」」
「じゃあ席はイスラさんが綾波さんの後ろでフェルさんはイスラさんの隣にお願いします」
「「は(〜)い」」
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「さあ飯や飯や!」
トウジってそればっかりだもんな。何しに学校来てるんだろ。
「綾波、フェル、これお弁当」
「ありがと」
「ありがとう〜。どこで食べるの?」
「いつもなら屋上だけど・・・」
「じゃあ屋上に行こうよ〜」
「うん」
・・・
「トウジとケンスケ、それと洞木さん。洞木さんは学級委員長だよ」
「渚フェルです、よろしく〜」
「渚イスラです。よろしくお願いします」
「おう、わしは鈴原トウジや。トウジでええわ。よろしゅうな」
「俺は相田ケンスケ。俺もケンスケって呼んでくれるばいいから、よろしくな」
「わたしはヒカリよ。何かわからない事があったら遠慮なく聞いてね」
「ありがとう〜」
「じゃあはよ食べよ!」
全く・・・。
「全くトウジはお弁当食べるために学校来てるみたいだね」
「シンジ。それ以外何があるっちゅうんや?」
「はいはい」
「それにしてもいいお天気ね。フェルさんは今までどこに住んでたの?」
ギク!
「フェルもイスラも第2東京だよ〜」
あ、シナリオは出来ていたんだ。
「そう。じゃあここは初めて?」
「うん。今日はネルフ本部に行くから初日から早退なんだよね〜」
「あら、フェルさんはチルドレンなの?じゃあイスラさんもチルドレンなの?」
「ええ。一応秘密なんですけど兄さんの予備って事なんです」
「あ、ごめんなさい。余計な事聞いちゃって」
「ううん。別にいいよね〜」
「フェル!」
あ、アスカ?
「あんた早く食べないとお昼休み終っちゃうわよ」
「あ、そうだね〜。美味しいね、お弁当」
「今日はリツコさんが作ってくれたんだよ。当番制で作ってるんだ」
「フェルも当番に入るのかな〜?」
「慣れたらお願いするかもね」
「料理覚えなきゃ〜」
「ゆっくり覚えればいいよ」
「あ〜い!」
そう言えば・・・
「アスカとイスラの今日はお弁当どうしたの?」
「今日はあたしが作ったわよ。時間がある時はあたしが自分で作ってるわ。ミサトは作れないんだからしょうがないでしょ!」
「アスカさん、わたしも覚えて作れるようになりますからね」
「期待してるわよ、イスラ」
「はい」
「アスカもイスラも今日は本部なの?」
「そうよ」
「そっか」
「何、あんた達もでしょうが」
「いや、聞いただけだよ」
「ふーん」
イスラもフェルも何をさせられるんだろう?機体もないのに・・・。
・
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「今日は起動実験をします」
リツコさんがみんなを前に今日する事の説明をする。
「シンジ君は初号機、レイとイスラは零号機、アスカは弐号機、そして渚君とフェルは参号機で実験します」
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「シンジ君、起動成功よ。上がって赤木博士の部屋に行ってね」
マヤさんまた嘘ついてるんだろうな。
「はい、わかりました」
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(コンコン)
「碇です」
「どうぞ、シンジ君」
(カチャ・・・バタン)
「そこに掛けてくれるかしら?」
「はい」
「初号機は直接シンクロで起動したわよ」
「え!ちゃんと起動してたんですか?」
「ええ。シンクロ率も安定してたわよ」
「それっていい事なんですか?」
「一応ね」
なんかひっかかる言い方だな。
「で、今日は何故俺を呼んだんですか?」
(コンコン)
「綾波です」
「どうぞ、レイ」
(カチャ・・・バタン)
「失礼します」
綾波まで呼んで何をするんだろう・・・。
「リツコさん」
「何、シンジ君?」
「イスラとフェルは起動したんですか?」
「ああ、その事?」
「どうだったんですか?」
「フェルは参号機で起動成功したけど、イスラの零号機は失敗だったわ。まあ予測の範囲内だったけどね」
「イスラも参号機なら起動するんですか?」
「多分ね。イスラもフェルもアダムより産まれし者だから」
「なら何故イスラを零号機に載せたんですか?」
「身体はレイの素体だから、起動する可能性はあるのよ」
「そういう事ですか」
「今日は初日だからまずまずの結果だわ」
「弐号機はアスカしか動かせないんですか?」
「弐号機は渚三兄妹が動かせるでしょうね」
あ!そうだった。前回はカヲル君がエントリー無しで起動させたんだったっけ・・・。
イスラもフェルも同じ、か。
「で今日俺と綾波を呼んだ訳は何ですか?」
「別に深い訳はないわよ。ただ今日は私はフェルと一緒に帰るから二人で先に帰ってもらおうと思っただけ。悪いけど今晩の夕飯の用意をよろしくね」
「わかりましたけど」
それだけなのか?
「じゃあ二人とも帰っていいわよ」
「わかりました。じゃあ帰ろう、綾波」
「うん」
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・
「今日は俺が晩飯作る当番だから買い物して帰るからね。悪いけど付き合ってくれるかな」
「いいわ。別に悪くないわ」
「ありがと。」
・・・
いつものスーパーマーケット。
今晩は何にしようかな?
「綾波は何食べたい?」
「麻婆豆腐がいい」
「挽き肉が入っててもいいのか?」
「大丈夫」
「わかった。綾波は辛いの大丈夫なんだっけ?」
「あんまり辛いのはダメ」
「じゃあ普通の辛さにするね」
リツコさんもあんまり辛いの駄目だし丁度いいな。
・・・
買い物を終えての帰り道。
「綾波は今日の起動実験はどうだったの?」
「シンクロ率75%だった」
「すごいじゃないか」
「うん。精神状態が安定してたって言われたわ」
「綾波は今は何故エヴァに乗ってるの?」
「みんなとの絆。そして平穏な世界を作るために」
「前と一緒なの?」
「・・・違うと思う。今のわたしにはエヴァのパイロットじゃないわたしがあるわ。もう道具じゃないと思うの。リツコさんや碇君や他のみんながいるから」
「そうだね。早く使徒の来ない世界が来るといいね」
「ええ。わたしはわたしのやりたい事を見つけるの。まだ見つからないけど・・・」
「そうか」
「碇君は?」
「俺も何か見つけたい。今はまだ見つからないけどね。綾波と一緒だよ」
「今度は浅間山に使徒が来るわ」
「うん。」
「またアスカが潜るのかしら?」
「うーん・・・どうなんだろうね?」
「前回は危機一髪だったわ」
「そうだったね。でも今度はちゃんとリツコさん達が対策を考えくれるよ」
「そうね。問題は碇司令・・・」
「ああ。また捕獲とか何とか言い出しかねないかも知れないからな。でも慎重に準備すれば大丈夫だよ。何か不安なの?」
「アスカ、弐号機パイロットの性格。以前とは変わっているから」
「戦闘力に不安がある、と言う事か?」
「わからない」
「なら俺が潜る。でも初号機ってD型装備仕様だったっけ?」
「多分違うわ。わたしの零号機もD型装備仕様じゃない・・・」
「仕方ないさ。参号機もあるんだし、その話しはリツコさんにしよう。ここで今話し合っても仕方がない。夕飯作ろうぜ」
「うん」
・
・
・
「出来たぞ」
「ありがと」
「でもリツコさんとフェルは遅いな。先に食べるか?」
「いい。待ってる」
「サンダルフォン・・・か。何故あいつはあんなところにいたんだろう?」
「わざと捕獲させるため?」
「で途中で羽化したのか?一種の騙しだよな」
「そうね。わからないわ」
「まあ今回は捕獲じゃなくって殲滅になるだろうな」
「仲間にしないの?」
「あの状況じゃあ難しいだろう。なんたって溶岩の中だからな。参号機が潜るんなら可能かも知れないけどね。参号機はD型装備仕様かも知れないし」
(ピンポーン)
「あ!リツコさんかな?」
(ガチャ)
「おかえりなさい」
「ただいま(〜)」
(バタン)
「「ニャー」」
「ニャン」
「ニャオン」
フェルまで鳴くなよな。
「ただいま、トト、チャチャ、ミミ。いい子にしてたかしら?」
「遅かったですね」
「ごめんなさいね。イスラと話してたもんだから」
「何の話しです?」
「今度の作戦よ」
「って・・・イスラにやらせるんですか?」
「多分そうなるわね」
「参号機で?」
「もしくは弐号機で」
「フェルじゃなくってイスラなの〜?」
「一応その積もりだけど」
「ふ〜ん」
「弐号機の使用、アスカが納得しますかね?」
「使徒殲滅が優先よ」
「やっぱり今回は殲滅優先ですか・・・。参号機はD型装備仕様なんですか?」
「ええ、そうよ。ま、仕方がないわ、状況が状況だもの。余裕はないの」
「はい、わかってます」
「お腹空いたよ〜。」
「それよりご飯にしましょう。フェルがお腹空いてフラフラみたいだし」
「了解」
・
・
・
「レイも大分お肉が食べられるようになったわね」
「はい。碇君のお料理が上手だから」
「ありがとう、綾波」
綾波の頬が少し赤い。
「フェルも美味しいよ〜」
「ありがとう。で、サンダルフォンっていつ発見されるんでしたっけ?」
「あなた達の修学旅行の二日目か三日目だったんじゃなかったかしら?」
「MAGIのデータは?」
「残念ながら今回はデータが見つからなかったのよ」
「わたし、前回より早く見つけて修学旅行に行きたい」
綾波がそんな事言うなんて珍しいな。
「修学旅行行きたいの?」
「行きたい」
「ですって、リツコさん。なんとかして下さいよ」
「うーん・・・難しいわよ、それは」
「そんな事言わないで考えて下さい」
「わかったわ。保証は出来ないけどね」
・・・
(コンコン)
「綾波、入るよ?」
「どうぞ」
(ガチャ・・・バタン)
「今回はどうしたの、修学旅行行きたいなんてさ?」
「みんなとの絆、作りたいの」
「そりゃいい事だね」
「わたしは今迄みんなとの関わり合いを避けてたわ、意識していなかったとしても」
「うん」
「だから今度は少し積極的になるの。そうじゃないと前回と何も変わらないわ」
「綾波も色々と考えているんだ」
「変?」
「いや、そんな事はないよ。むしろいい傾向だと思う。俺も協力するよ」
「ありがと」
「まずはサンダルフォンだな。リツコさんに頼んで浅間山観測所のデータにクラッキングしてもらおう。俺から話ししておくよ」
「うん」
・・・
「リツコさん。」
「何、シンジ君?」
「浅間山観測所のデータにクラッキング出来ませんか?」
「どうしたの?」
「修学旅行前にサンダルフォンを殲滅して綾波を修学旅行に行かせてやりたいんです」
「それはレイの希望?それともシンジ君の希望?」
「綾波の希望です」
「そうなの・・・レイだけ行かせる訳にはいかないものね。難しいわ」
「サンダルフォンを殲滅しても戦闘待機には変わりはないもの。沖縄でしょ、修学旅行って?」
「ジェット戦闘機を使えばドアツウドアで3時間もかからないでしょ?」
「そうね。善処しましょう」
「ありがとうございます!」
・・・
「綾波、リツコさんには一応話したよ」
「ありがと」
「後はサンダルフォンが早く見つかるのを祈るだけかな?」
「うん。祈るわ」
そう言えば前回は修学旅行に行けなくて本部のプールを貸し切ったんだったな。
「綾波は水泳が上手だったよね?」
「上手・・・普通だと思うけど」
「俺は自慢じゃないけど苦手なんだ」
「そうなの?」
「だから修学旅行に行けたら水泳を教えてくれるかな?」
「いいわ」
「ありがとう。」
「水泳、苦手なの?」
「うん」
「・・・泳げないの?」
「・・・う、うん」
「わかった。教えてあげるわ」
「ありがとう、綾波。それ前にサンダルフォンをどうするか決めなくっちゃいけないね。またカヲル君の力を借りなきゃいけないかもだね」
「それはわたしからお願いしておくわ」
「うん、任せたよ」
・
・
・
サンダルフォンはやっぱり殲滅なのかな?
イスラやフェルみたいにはいかないのか?
場所が悪いよな・・・。
カヲル君・・・君だったら何とか出来るんだろうか?
(コンコン)
「はい。」
「私。」
「ああ、リツコさんでしたか。どうぞ」
(カチャ・・・バタン)
「シンジ君、何か悩んでない?」
「ええ、今度のサンダルフォンの事で」
「何を悩んでいるの?」
「また仲間に出来ないかな、と思って」
「サンダルフォンはA-17発令のために仕組まれた存在だと思われるわ。だから今回は捕獲も仲間にするのも無理だと思うの 」
「そうですよね」
「とりあえずMAGIを浅間山観測所に繋いだわ。前より発見は早まる筈よ」
「ありがとうございます」
「だからそんなに暗い顔しないで、ね」
「わかりました」
「じゃあもうお休みなさい」
「はい。お休みなさい」
(カチャ・・・バタン)
今回は仕方ない・・・か。
使徒は殲滅してもこの世界からいなくなるだけで死ぬ訳じゃない、元の世界に還るだけだからな。
そろそろ父さんに会わなくちゃいけないかな・・・。
副司令とも話しをしていないし。
大体俺達に何の干渉もないのがおかしい。
父さんも前回の記憶を持っているのかな?
俺をシンジじゃないって言ってたみたいだけど。
やっぱり話しをする必要がありそうだ。
気は進まないけどね。
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