『俺と僕で何?』
第伍拾弐話 修学旅行前日
(ピピッ!ピピッ!ピピッ!ピピッ!)
(カチャ)
ああ・・・朝だ、起きなきゃ。
(ガサガサ)
・・・
「おはようございます」
って、俺が一番か・・・。
今日は俺の当番だから朝飯と弁当を作らなきゃ。
(カチャ・・・バタン)
(カタカタ)
(タンタンタン)
(ジュウジュウ)
・・・
「おはよう、シンジ君」
「おはようございます、リツコさん。今朝食作ってますから少し待っててくださいね」
「ありがとう」
「綾波とフェルを起こしてくださいますか?」
「わかったわ」
・・・
「おはよう、碇君。」
「おはよう、シンジ〜」
「じゃあ朝食にしようか」
・・・
「今日はどんな予定でしたっけ、リツコさん?」
「今日は特にないわ。そろそろ修学旅行の用意をしたら?」
「わかりました」
「わたしは準備出来たわ」
「早いね、綾波」
「フェルはまだだよ〜」
フェルは自分一人で準備出来るのかな?
「フェル、何を用意すればいいのかな?」
「綾波もフェルもリツコさんに見てもらったら?いいですよね、リツコさん?」
「いいわよ」
「良かった。自信なかったの」
「フェルも〜」
「しょうかないわね。持ち物のリストは栞にあるでしょうに・・・まあいいわ。後でチェックしてあげるわ」
二人とも初めてだから仕方ないよ。
「ありがと」
「ありがとう〜」
・
・
・
「おはよう、トウジ、ケンスケ!」
「おはようさん、シンジ」
「や、おはよう、碇。修学旅行ももうじきだな」
「ああ。みんな準備は出来たの?」
「大体はな。俺は後カメラの選定だけだ」
ケンスケは写真を撮るのがメインになるのかな?
「トウジは?」
「わしはまだや。そんなん前日にチャチャッと済ませるわい」
「碇はどうなんだ?」
「ああ、大体の用意はしたよ」
俺は泳げないんだけどね・・・。
・
・
・
(キンコンカンコーン・・・)
「さあ待ちに待った飯や飯やー!」
トウジは相変わらずワンパターンだな。
「じゃあまた屋上で」
「はい、弁当」
綾波とフェルとケンスケに弁当を渡す。
「ありがと、碇君。」
「ありがとう、シンジ〜」
「いつも悪いな、碇」
「いいって。今日は俺が作ったから味の保証はしないぜ」
「碇の弁当は折り紙付きだぜ」
そうか?そう言ってくれると嬉しいけど。
・・・
今日も綾波、アスカ、フェル、イスラ、トウジ、ケンスケ、洞木さんと一緒だ。
「美味い、美味い、美味い過ぎるー!相田ケンスケ、いつもながら感激だぁー!」
大袈裟だなぁ・・・。
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
「でも碇君ってホントにマメねぇ。感心しちゃうわ」
「もう習慣になっちゃったからね。大した事ないよ、洞木さん」
「修学旅行、楽しみだね」
洞木さんが言う。
そう言えばアスカとイスラはミサトさんから許可もらったのかな?聞いておかなくちゃ。
「アスカとイスラも修学旅行は行けるの?」
「もち!ミサトが行っていいって、許可がおりたわよ」
「ただし有事の際には途中でも呼び戻す事があり得るんだそうですわ」
イスラはそれで納得してるのか。初めての経験だからそんなもんだと思っているんだろうな。俺達も事情は一緒だからな。
「それは俺も綾波もフェルも同じだよ」
「なんや難儀やのう、エヴァのパイロットっちゅうのも。なあ綾波」
「仕方ないわ。行けるだけまだまし」
「あたしはスクーバ体験教室にだけはなんとか参加したいんだけどね」
「アスカはスクーバが出来るの?」
「ヒカリ、あたしはスクーバの免許持ってるのよ」
「すごいわ。」
確かに・・・俺は泳げもしないのにな。
「シンジはスクーバ出来るのか?」
ケンスケ、ここでわざわざ何て事言うんだよ。
「俺は出来ないよ」
そもそも泳げないんだけどね。
「シンジは出来ないんだ」
「やった事ないよ。て言うか、むしろ中学生でスクーバ出来る方が珍しいんじゃないのかな?他に誰か出来る人いる?」
みんな首を横に振ってる。そうだよな。
「わしはスクーバなんかどうでもええんじゃ。課題さえなければええんじゃがのう」
「修学旅行なんだからちゃんと修学しなきゃダメよ」
「そんな事言うても嫌なもんは嫌やで、委員長」
「課題は『沖縄とセカンド・インパクト』でしたわよね」
「さすがイスラ、良くご存知で」
そんな課題があったんだっけ・・・気が重いなぁ。
「俺はもう課題済ませたぜ」
え?
「凄いな、ケンスケ」
「それって反則だわ、相田君」
「嫌な事は先に済ます。それが俺のモットーさ、委員長」
「それにしても行く前にやるのはリスクないか?途中で課題の内容が変わるかも知れないよ」
「大丈夫だって。シンジも先にやっちゃえよ。そうすれば気が楽で思う存分修学旅行が楽しめるぜ」
それはそうかも知れないな・・・。俺もやっちゃおうかな?
・・・
(キンコンカンコーン・・・)
やっと授業が終わった。
「シンジ〜」
「何、フェル?」
「これからショッピングに付き合って〜」
「何を買うの?」
「水着だよ〜」
えー。女の子の水着の買い物なんて付き合えないよ!
「まだ買ってなかったの?」
「うん」
「でも男の俺としては女の子の水着の買い物には付き合えないよ」
「なんで〜?」
「だって恥ずかしいじゃないか。誰か女子に付き合ってもらえよ」
「冷たいなぁ、シンジは〜」
「じゃああたしで良ければ付き合うわよ」
「ありがとう、アスカ〜」
ほっ、良かったぁ。
「シンジは今日もネルフかいな?」
「いや今日は行かなくていいんだ」
「ほんならゲーセンに行かんか?」
あんまりゲームは好きじゃないんだけど・・・久しぶりだから行こうかな。
あ!修学旅行の用意をしなくちゃいけないよ!
「ダメだよ。修学旅行の用意をしなくちゃいけないから」
「さよか。ケンスケはどうや?」
「俺は行くよ」
・
・
・
綾波と下校している。
フェルはアスカとフェルの水着を買い物に行った。
「綾波は修学旅行の準備は終わったの?」
「ええ、終わったわ。碇君は?」
「うん。俺も大体は終わったよ。後は細かい確認だけだよ」
「そう」
・・・
家に着いた。
(ガチャ・・・バタン)
「「ただいま」」
「「「ニャオン!」」」
「お腹が空いたのかしら?」
「じゃあ綾波は猫の世話をお願い」
「わかった。トト、チャチャ、ミミ、いらっしゃい。ご飯をあげるわ」
「「「ニャーン!」」」
トト達は人間の言葉が解るのかな?
「俺は修学旅行の用意をしてるから」
「はーい!」
と言ってもほとんど全部終わってるんだよな。
本当は終わっているから再確認だけど俺って心配症なのかも知れないな。
(ガチャ・・・バタン)
(ゴソゴソ)
大丈夫な筈だけど一応確認しておこう。
ええと・・・。
修学旅行の栞・・・オッケー。
パジャマ・・・オッケー。
着替え・・・オッケー。
水泳用具・・・オッケー。
洗面用具・・・オッケー。
風呂用具・・・オッケー。
筆記用具・・・オッケー。
勉強道具・・・オッケー。
って、こんなもんかな?
(コンコン)
「何、綾波?」
「お風呂を入れたわ。碇君入って」
「わかった。ありがとう」
じゃあ風呂に入るか。
(ガチャ・・・バタン)
「綾波は修学旅行の準備は終わったの?」
「終わったわ。心配しないで大丈夫」
「わかった。」
(ガチャ・・・バタン)
(ジャバジャバジャバ)
(ポチャン)
「・・・ふぅ・・・気持ちいいな」
(チャポチャポ)
「ああ・・・暖まるな」
(ザバァーッ!)
(ゴシゴシゴシ・・・)
(シャカシャカシャカ・・・)
(ザバァー・・・ザバァー・・・)
(カコーン)
(チャプン)
風呂って気持ちいいな。
今日の汚れがみんな洗い流されるみたいだ。
(ザバァーッ!)
(ゴシゴシ・・・)
・・・
(ガチャ・・・バタン)
「綾波、風呂出たよ」
「わかった」
「リツコさんから連絡あった?」
「ええ、今日は定時退社だって」
「そうなんだ。フェルは?」
「まだ帰ってないわ」
「ごめん。夕食の準備手伝うよ」
「大丈夫。碇君は座ってて。わたしがやるから」
「いいの?」
「うん、大丈夫」
「わかった。今日は何にするの?」
「ポークシチューにするわ」
「え?綾波、肉・・・大丈夫なの?」
「大丈夫、ちゃんと自分の事は考えているから・・・心配しないで」
「わかったよ」
修学旅行か・・・水泳がなければいいんだけどな。
・・・
「出来たわ。わたしもお風呂に入るわ」
「ああ、行ってらっしゃい」
綾波が風呂に行ったみたいだ。
修学旅行に行けるのは嬉しいけど・・・次の使徒も気になるよな。
イスラが前線なんだよな。
バックアップは?
どうする積もりなんだろう?
(ピンポーン)
誰だろう?
「はーい!」
(ガチャ・・・バタン)
「ほーい。フェルだよ〜」
なんだ。
「おかえり」
「ただいま〜」
「買い物は無事に済んだの?」
「うん。万事オッケー。完璧だよ〜」
「アスカに付き合ってもらったの?」
「そうだよ〜」
「良かったね」
「あい〜」
「フェルも修学旅行の準備をしなくちゃいけないね」
「うん。大体出来たから後でリツコさんにチェックしてもらうんだ〜」
「まだ帰って来てないけど」
「あ〜い。今日の晩ご飯はなあに?」
「ポークシチューよ。今日はわたしが作るの」
「わ〜い」
フェルっておおらかだなぁ。
「風呂沸いてるから先に入ったら?」
「うん、そうするよ〜。じゃあね〜」
綾波の手伝いでもしようかな。
「綾波、何か手伝うよ」
「いいわ、そんなにやる事ないから。碇君はのんびりしてて」
「わかった。」
(ピンポーン)
(ガチャ)
「ただいま」
(トテトテトテ)
「ニャオン」
「まあ、ミミ。ただいま」
リツコさんだ。
「おかえりなさい」
「ただいま」
「おかえりなさい、リツコさん」
「ただいま、レイ。フェルは?」
「今風呂に入ってます」
「そう。じゃあ先に着替えてくるわね」
「はい」
リツコさん、今日は早かったな。
・・・
「あら、今日はレイが晩ご飯作ってるの?」
「ええ、ポークシチューだそうです」
「美味しそうな匂いだわ」
「そうですね」
「いよいよ明日から修学旅行ね。準備はみんな出来たのかしら?」
「はい。俺は済みました」
「わたしも終わりました」
あ、そうだ。
「フェルが後でリツコさんに用意した物を見て欲しいって言ってましたよ」
「あら。わかったわ」
(ガチャ・・・)
「リツコさん、おかえり〜」
「ただいま、フェル」
「ねえ、後でフェルの荷物を見てくれる〜?足りない物とかあったら困るから・・・」
「いいわよ。じゃあ今見ましょうか?」
「わ〜い、ありがとう〜」
「じゃあ、私もお風呂をいただくわ」
「はい、どうぞ」
綾波の方は大丈夫なのかな?
「綾波、食事の用意は大丈夫?」
「ええ、問題ないわ」
「そっか」
なんか手持ちぶさただな。
俺って貧乏性?
仕方ないからテレビでも観てよ。
・・・
「お待たせ。出来たわ」
「わ〜い」
「「「いただきま(〜)す」」」
「美味し〜い」
「本当ね。美味しいわ、レイ」
本当に美味しいや。
「美味しいよ、綾波」
「ありがと」
「ところでレイとシンジ君の用意は出来たのかしら?」
「はい。大丈夫です」
「わたしも」
「じゃあ後はフェルね。明日から修学旅行なのね」
本当に行けるんだ。
「ええ。行かせて貰えて本当に嬉しいです」
「当然の事よ。前回は申し訳なかったわ」
「いいんですよ。今回はこうして行けるんですから」
「使徒、サンダルフォンは早ければ明日にも発見されるかも知れないわよ」
「ええ、分かってます」
「そうしたらあなた達を呼び戻さなきゃいけなくなるわ」
「仕方ないですよ」
「出来るだけ先延ばしするように努力するから許してね」
「いいんですよ。それでサード・インパクトになったら洒落になりませんから」
「悪いわね」
「綾波、ご馳走様」
「「ご馳走様(〜)」」
「お粗末様」
・・・
「じゃあ私はフェルの荷物のチェックをしてくるわね」
「はい。フェル、不安そうでしたから」
「わかったわ」
・・・
「綾波は準備万端なの?」
「完璧だわ」
「そっか。無事に最後まで参加出来るといいね」
「でも使徒が来るわ」
「そうだね。先に延びるといいんだけどな」
リツコさんが戻って来た。
「フェルの荷物どうでしたか?」
「大丈夫。ちゃんと用意出来てたわよ」
「そうですか」
「そうそう。シンジ君、今ちょっとわたしの部屋に来てもらえるかしら?」
「はい、いいですよ」
(カチャ・・・バタン)
何だろう?
「シンジ君。」
「はい、何ですか?」
「今度の使徒、サンダルフォンの事なんだけど・・・シンジ君はどう思う?」
「どうって・・・何ですか?」
「どう扱えばいいのか、と言う事よ」
「俺にはわかりません」
「シンジ君がどうしたいか聞きたいの」
「やっぱり即時殲滅なんじゃないですか」
「そうね。今回はイスラに潜ってもらうわ。それについては何か意見はないの?」
「アスカは前回のアスカとは違いますから、今回のアスカで上手くいく保証はありません。だからリツコさんの判断にお任せしますよ。俺には判断出来ませんよ」
「じゃあ予定通りイスラと参号機に担当してもらいましょう」
「はい。バックアップはどうするんですか?」
「バックアップはレイと零号機、シンジ君と初号機でお願いするわ。後、渚君にもバックアップとして待機してもらうわ。イスラの調子が悪い時の備えとしてね」
「はい」
「後、アスカには弐号機で予備として潜ってもらうわ」
「アスカも潜るんですか?」
「そうよ。D型装備が何とか2台出来たのよ。1機より2機の方が安心でしょう」
「そうですね・・・アスカも潜るのか」
「何か不安?」
「そんな事ないです。俺もその方がいいと思います。で、攻撃方法はどうするんですか?」
「それは前回と同じで熱膨張よ。専用の冷却液射出機を作ったわ。シンジ君にはレイとバックアップをお願いするからその積もりでいてね」
「はい、わかりました」
「じゃあ、明日から修学旅行だから今日は早く寝なさい」
「はい。そうします。フェルの荷物は大丈夫でしたか?」
「ええ、大丈夫だったわよ」
「じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
(ガチャ・・・バタン)
そうか・・・アスカも潜るのか。
今回は即時殲滅だから前回みたいな危ない事はないよな。
・・・修学旅行か。
行けるのは嬉しいけど、どうせ途中で呼び戻されるんだろうな。
前回サンダルフォンが発見されたのは修学旅行の最中だったからな。
アスカ、残念だけど今回もスクーバは無理みたいだよ。マグマの海には入れるみたいだけどね。
明日は空港に8時集合だ。
もう寝よう。
明日は沖縄か。
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