『俺と僕で何?』
第六拾六話 起動実験
うん・・・。
あ、綾波が見てる。
「おはよう」
「おはよう、碇君・・・ユリ」
・・・
シャワーを浴びて着替え。
綾波と一緒にリツコさんの部屋に行く。
(ガチャ・・・バタン)
「お邪魔しまーす」
みんなを起こさない様に小声で挨拶。
聞こえない様に言うんだから言う必要もないんだけど何となく言ってしまう。
綾波は無言だ。
(パタパタパタ・・・)
キッチンに行く。
今日は綾波と俺が朝飯、弁当当番だ。
「さあ何を作ろうか?」
「焼き魚ね。干物あるわ」
冷蔵庫の中を見ていた綾波が言った。
「わかった。じゃあ俺が魚を焼くから綾波は味噌汁を作ってくれるかな?」
「了解」
各自黙々と作業に専念する。
魚を焼いている間に納豆とサラダの用意をしてしまう。
(パタパタ・・・)
「おはよう、ユリ、レイ。いい匂いね」
「あ、おはようございます、リツコさん」
「おはようございます」
「もうすぐで出来ますから待っててくださいね」
「わかったわ。じゃあフェルとシンジ君を起こしてくるわ」
「お願いします」
・・・
「「「いただきま(〜)す」」」
「「召し上がれ」」
「うん、美味しいよ〜」
「それは良かった。ね、綾波」
「うん」
「シンジ君は無事学校に行けたみたいだけど、ユリちゃんはどうだったの、初登校は?」
「大丈夫でした。リツコさんの薦めでみんなで遊園地に行ってたから自然に溶け込めましたよ。ありがとうございました」
「それは良かったわ」
「はい」
「でもみんなから質問攻めにあったんじゃない?」
「ええ。結構大変でした」
「ユリちゃんは可愛いからこれから大変ね」
「何がですか?」
「うふふ・・・今日にでも分かるわよ」
ん、何だろう?
「ユリちゃんとシンジ君は今日は1530から起動試験だから忘れないでね」
・
・
・
学校の昇降口、下駄箱から上履きを出す。
(カチャ)
(バサバサバサー!)
な、なんだ?
大量の封筒が俺の下駄箱から落ちてきた。
「お〜お〜、凄いね〜、ユリ〜」
「え、何が、フェル?」
「それラブレターだよね、全部〜」
え、ラブレター?
そうなの?
そんなのどうしたらいいんだ?
「ユリ、何呆然としてるのよ?ほら」
あ、アスカ。
アスカが落ちていた手紙を拾って俺に渡してくれた。
「あ、ありがとう」
「ユリもなかなかじゃない」
「そうなの?」
「あたしといい勝負ね」
「何が?」
「ラブレターの数よ」
「・・・」
「何?・・・ユリ、もしかして貰った事ないの?」
あ・・・どうしたらいいんだ?
「うん、こんなに沢山どうしたらいいんだろう?」
「とにかくここでこうしてても仕方ないわ。教室に行きましょ」
「うん」
・・・
「それどうすんの、ユリ?」
アスカが聞いてくる。
「それって・・・さっきの手紙の事?」
「そうよ、決ってるじゃない」
「どうしよう?」
「どうしようって、あたしに聞かれても困るわよ」
「アスカはどうしてるの?」
「あたしは中は見ないけど一応名前だけ見て捨ててるわ」
確かに・・・前回のアスカは名前すら見ずに捨ててたような気がする。
「うん。じゃあそうするよ」
「ふーん」
「起立!」
あ、先生が来たんだ。
(ガタガタガタ・・・)
「礼!・・・着席っ!」
(ガタガタガタ・・・)
・・・
端末のメーラーを起動したら大量のメールが溜っていた。
「はあ・・・」
「どうしたのよ、溜め息なんかついちゃって」
と、アスカ。
「なんかメールもいっぱい来てる」
「当分は仕方いわよ」
「どうしよう」
「速攻削除でいいんじゃない?」
「いいのかな?」
「いいわよ。面と向かって言えない軟弱男なんて無視よ無視!」
「うん」
まさかこんな事になるなんて思ってもいなかったよ。
・
・
・
「飯や飯ー!」
トウジは本当にそればっかりだな。
「今日のお弁当は誰が作ったの?」
と、洞木さん。
「今日はね〜、ユリとレイだよ〜」
「そうなんだ」
「うん。交替番子で作ってるんだよ〜」
「じゃあ明日はフェルさんと碇君なのね」
「うん」
「楽しそうでいいわね」
・
・
・
「今日は二人ともエヴァ実機での起動試験と相互互換試験を行います。始めはユリちゃんが零号機、シンジ君が初号機。で、問題かなければ機体を交換します。零号機のモニターはコダマが、初号機はマヤ。みんないいわね 」
「「はい!」」
「「了解!」」
・・・
初めての零号機のエントリープラグ。
『どうユリちゃん、初めてのエヴァ実機の感想は?』
リツコさん・・・そうか・・・ユリとしてはエヴァに乗るのは初めてなんだよな。
「少しだけ緊張してるみたいです」
『まあ模擬体と体して変わらないからリラックスしてね』
「はい」
『LCL注水!』
・・・
『A10神経接続します!』
・・・
『・・・ボーダーライン突破!エヴァ零号機、起動しました!』
起動さたのか。
コダマさんがモニターしてるんだからフェイクじゃなくて本当に起動しんだろうな。
『シンクロ率41.3パーセント、ハーモニクス58パーセント、シンクロ誤差プラスマイナス0.7パーセントです!』
『良くやったわ、ユリちゃん。成功よ』
「ありがとうございます」
零号機・・・初号機とは違う感じがする。
初号機と違って暖かみがない。
なんだか昔の綾波みたいな・・・虚無。
心がないのか、零号機には?
そう言えば零号機のコアってどうなってるんだろう?
『ユリちゃん?』
「は、はい!」
『大丈夫?』
「はい、大丈夫です」
いけない、ボーっとしてた。
『じゃあ機体を降りて、今度は初号機に乗ってね』
「はい、わかりました。シンジの方はどうだったんですか?」
『シンジ君も成功よ。シンクロ率は78パーセント』
いい数字だな。
・・・
今度は初号機に乗っている。
『LCL注水!』
・・・
『A10神経開始!』
・・・
『・・・ボーダーラインまで後75、62、54、48、34、22、15、2、6・・・3、9・・・ボーダーライン突破しません!エヴァ初号機、起動しません!』
『・・・失敗ね』
そんな・・・失敗なんて。
どうしてなんだ!
『あ、カウントダウンがまた進行してます!・・・45、36、27、14、8、3・・・6、2、ボーダーライン突破!エヴァ零号機、起動しました!シンクロ率85.6 パーセント、ハーモニクス86パーセント、シンクロ誤差プラスマイナス0.2パーセントです!』
『凄い・・・成功だわ』
・
・
・
プリーフィングルーム。
「良くやったわ、ユリちゃん」
「はい。ありがとうございます、リツコさん」
「シンジ君は零号機を起動出来なかったけど初号機のシンクロ率は大変良い数字だわ」
「・・・ありがとうございます」
「シンジ君で零号機が起動しなかったのは零号機のパーソナルパターンがシンジ君に合わなかっただけだからシンジ君が気にする事はないのよ」
「わかりました」
「でも、これでユリちゃんは零号機と初号機のバックアップが出来ますね、先輩!」
「そうね・・・そうなるわね。・・・二人とも着替えが終わったら私の部屋に来てちょうだい、いいわね」
「はい」
「わかりました」
・
・
・
「二人ともご苦労様」
「いえ」
「・・・」
「まずはシンジ君。どうだったかしら、久しぶりのエヴァ初号機は?」
「その・・・特に問題はなかったと思います」
「そう、以前と何か違和感とかはなかったのね?」
「はい。ありませんでした」
「お母さんは感じられたかしら?」
「いいえ・・・特には」
「そう。ならいいわ。じゃあユリちゃん」
「はい」
「ユリちゃんとしての初めての零号機はどんな感じだったかしら?」
「なんて言うか・・・零号機には何もない感じがしました」
「ユリちゃんは前回一度シンジ君として零号機に乗ったわよね。覚えてる?」
「ええ、乗ったのは覚えていますが・・・その時は暴走したんですよね。乗った後の事はあんまり覚えてないんです」
「シンジ君もそうなの?」
「僕も良く覚えてません。僕の記憶は基本的にユリと同じですから・・・」
「そうなのよね」
リツコさん、何か考え込んじゃった。
シンジと顔を見合わせる。
・・・。
「どうかしたんですか?」
俺が堪らずに声を掛けた。
「あ・・・ごめんなさいね。前回の零号機の暴走の事を考えてたのよ」
「リツコさん」
俺は疑問に思っていた事を聞く事にした。
「何、ユリちゃん?」
「零号機のコアってどうなってるんですか?」
「零号機のコア?」
「そうです」
「零号機のコアには何もないわ。初号機のコアは貴方達の知っている通りユイさんがいるわ」
え?
「そんな・・・じゃあ何で零号機に綾波や俺がシンクロ出来るんですか?」
「零号機と初号機はリリスのコピーがベースなの。他の機体はアダムのコピー」
それって・・・。
「リリスとアダムとで何か違いがあるっていう事ですか?」
「レイの魂はリリス。そしてそれはユリちゃんも同じ。だから二人はコアの変換なしで零号機にシンクロ出来るわ。でも他の人間はコアの変換を行わないと零号機にはシンク ロ出来ない。今回は零号機のコアの変換は行わなかったからシンジ君はシンクロ出来なかった。そういう事よ」
「じゃあ初号機はどうなんですか?」
「初号機もコアに何もなければレイとユリちゃんはシンクロ出来るわよ。初号機はリリスベースだから」
「でも実際には母さんがいるんでしょう?」
「そうよ。だからシンジ君はシンクロ出来る。でもユリちゃんには無理だわ」
やっぱり。
「じゃあ俺が今日シンクロしたのはやっぱり直接シンクロだったんですね?」
「そうよ。ユイさんはユリちゃんのリリスの魂は受け入れないもの。ユリちゃんはユイさんにじゃなくて初号機のリリスの魂の欠片にシンクロしているのよ」
リリス、か。
「僕は・・・その・・・僕の場合はどうなんですか?」
「シンジ君の場合は初号機のコアにいらっしゃるユイさんの魂にシンクロしているのよ。今のシンジ君にはリリスの魂の欠片もないから」
「・・・わかりました。じゃあ零号機にシンクロするにはコアの書き換えが必要なんですね」
「そうよ。まあいずれその実験もらなきゃいけなくなるかも知れないけど、今はまだいいわ」
そう言えば・・・。
「アスカとカヲル君はどうなんですか?」
「どう、って・・・シンクロテストの事かしら?」
「ええ」
「アスカはちゃんと弐号機とシンクロしてるわよ。シンクロ率は平均で大体75パーセント。いい数字よ。渚君は弐号機にも参号機にもシンクロ出来てるけど、彼の場合は例 外中の例外ね。シンクロ率も自分の意志で自由に設定しちゃうんだから」
そうなのか・・・。
「あの・・・」
「何、シンジ君?」
「あ、その・・・カヲル君は零号機や初号機にはシンクロ出来ないんですか?」
「それは無理ね」
「どうして?」
「渚君はアダムより産まれし者だから、リリスベースの零号機と初号機にはシンクロは不可能だわ。その代わり、アダムベースの弐号機と参号機や今はまだないけど四号機や 量産機にはシンクロ出来るの。ユリちゃんやレイと反対って事ね。逆にイスラとフェルは渚君と同じなのよ」
「わかりました」
「まだ何かあるかしら?」
「いいえ」
「僕ももうありません」
「じゃあ二人とも上がっていいわ。お疲れ様。あ、私は今晩の夕食はいらないからよろしくね」
「はい」
「わかりました」
・
・
・
もう7時を過ぎていた。
家に電話したら今晩の夕食はフェルとレイで用意してくれているとの事だった。
・
・
・
制服から着替えて隣りに行く。
(ガチャ・・・バタン)
「お邪魔しまーす」
「おかえりなさ〜い、ユリ〜!」
「おかえりなさい、ユリ」
「ただいま、フェル、綾波」
「丁度ご飯の用意が出来たところだよ〜」
食卓に料理が並べられている。
豚肉のショウガ焼だ。
綾波は大丈夫なのかな?
「いただきましょう、ユリ」
「うん。ありがとう、綾波」
あ、綾波が肉を食べた。
綾波、ショウガ焼・・・食べれるようになったんだ。
・
・
・
「あのさ、ユリ」
「ん?何、シンジ?」
「あのさ、その・・・」
どうたのかな?
「どうかしたの?」
「うん・・・ちょっと聞きたい事があって・・・」
「うん。いいよ、何?」
「ユリは今の状態をどう思ってるの?」
「今の状態って?」
「今ってさ次の使徒を待ってる状態だよね」
「うん、そうだね」
「次の使徒ってマトリエルだよね」
「うん、確かそうだったね」
「じゃあまた停電するんじゃないのかな?」
ああ、その事か。
「その辺の事については加持さんとかが考えてくれているんじゃないかな」
「そっか、加持さんか・・・そうだよね」
「何か心配なの?」
「うん・・・いや、みんな余裕があるって言うか・・・その・・・緊張感がないって言うか・・・不安じゃないのかなって思ってさ」
「成程ね。シンジはそんな風に思ってたんだ」
「えっと・・・ごめん・・・何か変かな?」
「いや変じゃないけど」
「だったら何だよ?」
あ、怒ったかな?
「次のマトリエルが来るのは前回通りならまだ先だよ」
「それは解ってるよ」
「マトリエル対策と停電対策は当然するんだろうけど、他に何が出来るのかな?」
「そう言われても・・・」
「だろ」
「・・・うん」
「何か必要ならまたみんなで集まって相談すればいいじゃないか」
「そうだね」
「だからシンジも気になる事があったら気兼ねなく相談してくれればいいんだよ」
「うん・・・そうだね。わかったよ。・・・ありがとう」
「いいって」
あ、綾波とフェルがこっちに来た。
後片付けが終わったんだな。
「二人で何を話してたの?」
「別に何でもないよ」
あ、綾波がムっとしたみたいだ。
最近綾波のちょっとした表情の変化が大分分かる様になってきたよ。
「いや、今度来るマトリエルの時って確か停電があったろう?」
「ええ」
「シンジがその停電対策は大丈夫かって心配してるんだよ」
「それなら加持一尉が対応すると思うわ」
加持さんって一尉なんだっけ?まあいいけど。
「だよね。俺もそう思うんだ。だからそうシンジに言ってたんだよ」
「そう。何か不安なの、碇君?」
「あ、いや、別にないよ」
「ならいいわ」
「へ〜、停電なんて起こるんだ〜。って、ネルフ本部の事だよね〜?」
そうか、フェルは知らないんだな。
「そうだよ」
「誰がやったの〜?」
「はっきりとは聞いてないけど多分加持さんが関係していると思う」
「え!何で加持さんがそんな事するの〜?」
「前回加持さんは三重スパイだったんだよ」
「ええーっ!どこのスパイだったの〜?」
「ネルフとゼーレと、後は多分日本政府だと思う。停電は日本政府からの依頼だったんじゃないかな?」
「ふ〜ん。なんだか複雑なんだね〜」
「でも、今回はゼーレのスパイにはなっていない筈だわ」
「うん。綾波の言う通りの筈だよ」
「でも日本政府のスパイではあるの?」
「多分ね。加持さんはネルフに入る前からおそらくは内閣調査室のエージェントだったと思うんだ」
「じゃあ今回もそこから加持さんに停電工作の依頼が来るのかな〜?」
「そうなるんじゃないかな?」
「それで・・・どうするのかな、加持さん?」
シンジは心配症だな。
「まあ断われないんじゃないかと思うよ」
「そんなぁ・・・」
「でも情報を事前にリークする事は出来るさ、停電を起こす日時とかね」
「そっか」
「停電自体を防いじゃうと加持さんが疑われちゃうから停電が起こった時に備えて対策を立てておけばいいんだよ」
「そうだね。わかったよ」
シンジが納得してくれたみたいだ。
「加持さんスパイ辞めちゃえばいいのに〜」
「それが出来れば一番いいんだけどね。最終戦の事があるからね」
「最終戦って?」
「綾波も知ってるじゃないか」
「何?」
「最後の使徒を倒した後、戦自が本部を攻めて来ただろう」
「うん」
「今回もそうなるかも知れない。だから日本政府側の情報ルートは確保しておきたいと思うんだ。だから加持さんはスパイを辞めないんじゃないかな?」
「そっか〜。色々考えてるんだね〜」
「まああくまでも俺の想像だけどね」
多分合ってると思うけど・・・。
「ユリって凄い!色々考えてるんだね〜」
「そうでもないよ、フェル。さあ、もう遅いからそろそろ帰ろうか、綾波」
「そうね。おやすみなさい」
「じゃあおやすみ、フェル、シンジ」
「おやすみ〜、ユリ、レイ!」
「おやすみなさい」
・
・
・
シャワーも浴びて今はベッドの中・・・後は寝るだけだ。
綾波はもう寝たのかな?
目はつむってるけど。
しかし、シンジはシンジでシンジなりに色々と考えているんだな。
俺はどうだ?
この身体になって焦っちゃって・・・使徒の事なんて忘れてたんじゃないのか?
俺はちょっと弛んでるのかも知れないな。
「碇君、眠れないの?」
二人だけの時だと『碇君』なのか、綾波は。
「うん、ちょっとね」
「何か考え事?」
「うん、俺に今何が出来るのかなとか思ってさ」
「次の使徒はマトリエル。まだ先の事。それにそんなに強くない使徒だわ」
「そうだね。」
「何か不安なの?」
「そういう事じゃないんだ」
「なら何?」
「シンジが実体化した今となっては、俺が今ここにいるの理由とか存在意義は何なんだろうか、って思ってたんだ」
「碇君は碇君、今までと何も変わらないわ」
「そうかも知れない。でも、平行世界の存在だった、しかもその世界でリリスだったと言う俺が何故この世界に呼ばれたのか・・・なんて考える事もあるんだよね」
(バサ!)
え?!
綾波が抱きついてきた!
「綾波!」
「暫くこうさせて・・・」
いきなり・・・どうしたんだ・・・綾波?
「・・・うん、いいけど。・・・どうしたの綾波?」
「ううん、ただこうしていたいの・・・駄目?」
「いや、そんな事はないよ」
俺の言った事を気にしてるのかな?
「ごめんなさい、碇君」
「何を謝るの、綾波?」
「わたしは・・・今は何も覚えていないけど前回みんなに酷い事をしたんでしょ?」
「そんな事ないよ」
「本当にそうなの?」
「そうだよ」
「綾波・・・ごめん、俺が変な事を言ったから気にしてるんだね。でも、綾波は何も気にする事はないんだ」
「・・・うん」
「綾波はみんなにこの世界をくれた。前回は酷い結末だったような気がするけど・・・それだって綾波がいたからあの程度で済んだんだと思うんだ。とにかく今はこの世界を精一杯生きる事を考えようよ 」
「うん」
「綾波は綾波だ。どんな事があろうとも俺は綾波の味方だよ。だから覚えていて欲しい・・・例え世界中の人間全てが綾波の敵になったとしても俺は綾波の側にいるよ」
「うん・・・ありがとう、碇君」
綾波の紅い目から綺麗な雫が零れた。
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