最近聴いたモノを紹介します
SUGARHILL GANGは70年代後半にニューヨークで結成された黒人グループで、初めてのラップ・ソングを
レコーディングして世に出したアーティストと言われている。それが1曲目に収録されている
RAPPER'S DELIGHTで、14分間も延々と続くラップが圧巻である。ベース・ラインに注目
すると、元クイーンのジョン・ディーコン作ANOTHER ONE BITES THE DUSTはこのナンバーに
インスパイアされたのではないだろうか。シンプルなHIPHOPというよりも従来のソウルフルな
ナンバーの流れを汲んだようなストリングスやコーラス、ブラス・セクションもふんだんに取り入られて
いて、楽しいポップスとして充分聴きやすい。このベスト・アルバムには彼らが活動した時期である
79年〜85年の代表曲が収められている。<2005.12.11>
PTとカーマイン・アピスとが昨年に組んだプロジェクト"TRAVERS & APPICE"のライヴ・アルバム。2004年11月に
THE HOUSE OF BLUESというライヴ・ハウスで行われた演奏が収録されている。オリジナル・アルバムの
IT TAKES A LOT OF BALLSより数曲と、それぞれの持ちナンバーが披露されているがやや音が良くないのが
不満。ベースで参加しているTMスティーヴンスの、GOTTA HAVE YAの導入部でのインプロヴィゼイションが
圧巻で凄くカッコいい。アピス側のレパートリーはBBAのLIVIN' ALONEと、なんとDA YA THINK I'M SEXY?
が披露されている。ディスコ・ビートは消え、見事にブルース調に変身した「アイム・セクシー」は、
意外だがこの
アルバムの中で一番のオススメ・ナンバーである。<2005.9.16>
コールドプレイはこれまで2003年のライヴDVDを観たのと、昨年のフジテレビF1グランプリのエンディング・テーマで
"CLOCKS"が使われていたことくらいしか馴染みがなかったけど、それらを知る限りでは、ソフトな優しいロック、
というイメージがあった。
この3枚目のアルバムを聴いても同じ印象で、全体的にゆるりとしたテンポが刻むソフトな感覚の
曲がほとんどを占めている。悪くはないんだけどみんな同じといえば同じで、特にときめきを
感じるものがなかった。残念だけど。<2005.9.16>
ブラック・アイド・ピーズは「グラミー・ノミニーズ2005」に収録されてたLET'S GET IT STARTED
が気に入って聴き始めた。基本的にはラップが中心のHIP-HOPなのであるが、ポップな味付けが
実にお洒落にスタイリッシュで、ダンサブルな楽しいノリが魅力なのである。ラストのUNIONという曲では
スティングのENGLISHMAN IN NEWYORKのサンプルが大々的に用いられている。1曲目のPUMP ITは
映画「パルプ・フィクション」のテーマで使われた曲がイントロから引用されている。こういうお遊びはHIP-HOPの
世界ではお馴染みなのであるが、最初はギョッとしてしまうのだ。慣れると楽しい。
DON'T LIEとDON'T PHUNK WITH MY HEARTは耳に馴染みやすい素敵な曲だと思う。ぜひ聴いてみて!
<2005.7.5>
カヴァーではなく、10曲中9曲がPTのオリジナルによる96年発表のアルバム。
基本的にギター(PT)とベース(KEVIN RIAN)、ドラムス(SEAN SHANNON)という3人の
シンプルな編成による演奏で、こぶしをたっぷり効かせたブルースを意識して作られている。
アルバムのコンセプトによってはキーボードを
派手にフィーチャーしたのもあるけど、これはかなりギターを渋く聴かせるのに徹していると思う。
いろいろ好みはあるだろうけど、私は両方好きなのでどちらも聴いてみたい。
でもほとんどの曲がマイナー・コードのミディアム・テンポなせいか、全体的に少々重苦しい印象がある。個々の曲は
いかにもPT節で好きなんだけれども。<2005.7.5>
フランスのエレクトロ・ミュージック・デュオ、
DAFT PUNKの3rdアルバム。テレビ番組のBGMでもよく使われてるし(特に3曲目のROBOT ROCK)、CDショップでも頻繁に
流れていたので少し気になって買ってみた。サンプリングも使用したインストゥルメンタルで、
単調ないわるループ・ミュージックだけれども
、不思議に愛着のわくフレーズである。かつてのテクノ・ポップを思い起こさせる電子音が
満載だけれども、冷たさはなく逆に鼓動のような
温かみさえ感じさせる。HUMAN AFTER ALL〜つまるところ人間、所詮人間(1曲目)、原点回帰(アルバム・タイトル)なのである。
最近では、9曲目のTECHNOLOGICがアップル・コンピュータのCMで使われている。結構好きですこれ。<2005.6.22>
アメリカの5人組バンド、MAROON5の1stアルバムを借りてきて聴いた。以前に購入した
「グラミー・ノミニーズ2005」に収録されていたSHE WIIL BE LOVEDはリム・ショットのボサノヴァ
風のしっとりした曲だったので、バンドの全体的な音楽像というのはつかみにくかったのだけれど、
アルバムを聴いてみるとノリのいい曲やメロディアスなポップスもあって、ジャンルの偏らない、
音楽的スキルのかなり豊かな集団なのだなという印象を持った。車のCMで流れていたのはSUNDAY MORNING
という曲で、歌詞は切ないけどピアノのバッキングのセンスが光った素敵なナンバーだ。
どれも素直にいい曲だし、1stといえども完成度の高いアルバムだと思う。<2005.6.18>
UKの3人組バンド、ステレオフォニックスの通算5枚目のアルバム。ドラマーのSTUART CABLEがクビになり、
代わりに前作でパーカッションを担当していたJAVIER WEYLERが加わっての新作である。
前作のYOU GOTTA GO THERE TO COME BACKを聴いたときは、彼らの音を
UKのグループでありながらアメリカン・テイストたっぷりな「ゴージャスなフォーク・ロック」
だと感じていた。しかし今作は「言葉、セックス、暴力、他に何か?」とクールに問いかけるほどに
かなりワイルドで、UKサウンドが色濃く出ていると思う。ヴォーカルのケリー・ジョーンズの声質から
いってこちらの路線の方が正解とは思うが、少々バタ臭くとも彼らのカラーがはっきりしていた
前作と比べると、ステレオフォニックスであるが故に聴かなければならないものって、別段ないように思う。
<2005.5.13>
ある方とケルト音楽についての話をしていたら、このコアーズのことを思い出し聴いてみたくなった。
アイルランド出身のコアー家の4人兄妹で編成されたこのバンドを初めて見たのは、昨年テレビで
放映された南アフリカでのエイズ撲滅コンサートに出演していたときだった。クイーンを
中心に大勢の大御所アーティストが出ていたが、その中でも彼らのパフォーマンスは
際立っていた。ケルト特有のトラディショナルなサウンドが
キャッチーなメロディと見事に溶け合っていて、そしてまた演奏する姿が非常に美しいバンドだったので最も印象に残っている。
中身はどれも明快なポップスで、それらを包むケルト独特のバイオリンの調べがアイルランドの緑深い
大地を連想させるのだ(行ったことはないけれど)。<2005.4.26>
昨年の12月にBLUES EXPLOSION来日公演のオープニング・アクトを務めたTHE KILLSの2nd アルバム。
タイトルでもある1曲目のNO WOWは、この度私が体験した2度のライヴでオープニングを飾った
曲だ(間違いないと思う)。前作のKEEP ON YOUR MEAN SIDEは多方面のアーティストからの
影響を少なからず見せた作品だと思うのだけれど、今作は彼ら自身の作品により影響を受け、
ますます二人の蜜な世界を作り上げていってると思う。リズム・ボックスの刻むバスドラが、
心臓の鼓動音に聞こえるほどに彼らの生命感が伝わる。<2005.4.15>
現在どこかしらのテレビ局で放映されている、アニメーション・ドラマ「巌窟王」のオリジナル・
サウンドトラック盤。アニメを観たこともないのになぜサントラを買ったかというと、我らが
ストラングラーズのベーシスト、ジャン・ジャック・バーネルが音楽を担当しているからである!
といっても全曲ではなく20曲中8曲で、他はtengという人が作・編曲をしている。WE WERE
LOVERSという曲は甘い甘いピアノのメロディにのせた叙情的なバラードで、JJがこれを切々と
歌い上げている。ストラングラーズのJJしか知らない人にとってはこれは驚異的なことだが、
彼はソロ作ではかなり耽美的な世界を披露しており、パンク時代に比べると熟練したオトコの
お仕事を感じさせる。かと思えば、ANGERやエンディングのYOU WON'T SEE ME COMINGでは
従来のゴリゴリ・ベースが聴けるのだ。JJならではのワルツも健在。<2005.4.6>
高校生だったという1970年のデビューから今年はなんと35周年、キヨシローさんのロックンロール
魂は衰えるどころか、ここにきてますますパワーアップした感じ。ラストに収録のJUMPはCMでも
使われていたのでお馴染みの方も多いと思う。ブラスやダイナミックなキーボードをフィーチャー
したゴージャス・ロックなんだけれども、ヴォーカルがそれらに負けないほどの存在感を発して
いる。REMEMBER YOUではハイロウズの甲本ヒロトとの相性のいいヴォーカルでデュエット。
やはりCDを聴くだけでは物足りない?!<2005.3.30>
MARS VOLTAはアフロ・ヘアの2人組が中心のバンド。 彼らのことを初めて知ったのは
一昨年にテレビでライヴ映像を見てからなんだけど、ヴォーカルのセドリックはとにかくもう
すごい高音の持ち主で、ボ〜ッと聴いてたら女性の声と間違えそう。ステージではあちこちに
動き回ってアンプの上に乗っかったり、細っこい体からとてつもないパワーを発していたが、
このアルバムもハード・ロックあり、ラテンありプログレッシヴでもあり彼らの音楽的頭脳の
深さを感じさせられる。レコーディングは8ヶ所くらいで行ったそうで、様々なインスピレーションを
求める彼らの音作りに対する貪欲さを表している。聴くだけなら私はどっちかというと苦手だけど、ステージは見てみたい。<2005.3.30>
ヒップ・ホップ界のJAY-Zとロック界のLINKIN PARKとのコラボ企画アルバムということで、
勢い(って何の?)に乗って買って聴いてみたけれども、うーんあまり感じるものはありませんでした。
というか、双方の単独アルバムをもっと聴き込むべきかもしれない。もともとLINKIN PARKは
ヘヴィ・ロックとヒップ・ホップの融合といったスタイルを持っているので、更に
JAY-Zといった濃いバンドを加えたこの企画が
どういった狙いなのかはよくわからない。しかし単調なもったりラップが苦手なので、バンドが
それに生命を吹き込んでくれるのを期待して、こういうのを聴いてしまうわけだ。<2005.3.2>
おおお・・・たちまちトリコになってしまいました。「グラミー・ノミニーズ2005」に収録
されてたDAUGHTERSという曲が気に入って購入した、1977年生まれのアメリカのシンガー・ソングライター、
ジョン・メイヤーの2ndアルバム。ヴォーカルはアート・ガーファンクルのような甘さと
スティングのようなスモーキーさ+憂い・ナイーヴさといったものを併せ持ったような魅力で、メロディー・歌詞とともに心に
ジーンと染み渡ってくるものがあり、ここのところなかったことだが、じっくりと聴き入って
しまった。特にバラード・ナンバーは誰でもイチコロにしてしまうような魔力があるかも。
ギター・プレイヤーとしてもなかなかの腕だと思う。<2005.2.21>
2005年度グラミー賞の各部門にノミネートされた楽曲が勢揃いしたアルバム。どの曲やアルバムが
受賞したとかは全く興味がないのだけれど、こういったアーティストのカラーがいろいろ楽しめるポップス
特集もたまにはいいなと思う。新旧様々なアーティストのナンバーがぎっしり詰まっているが、
中でも昨年故人となったレイ・チャールズやブライアン・ウィルソン、プリンス、エルヴィス・
コステロなどのベテラン勢がまだまだ気合いの入った曲でがんばっているのがうれしいところ。グリーン・デイや
ビースティ・ボーイズなどのすでにお気に入りのナンバーもあるのだが、初めて聴いたのでは
ジョン・メイヤー、エヴァネッセンス、ブラック・アイド・ピーズが良かった。<2005.2.17>
1984年〜1988年にかけてのヒップホップ創世記のナンバーを集めたアルバム。なんのオムニバスかと
いうと、昨年のレビューで紹介したPrivate PressのDJ Shadowがライヴ・ミックスで使用した
曲をフル・レングスで収録したものである。Ultimate 3 MC's, Sweet Trio,
Shawn Brown, The Brothers, MC Price And DJ Troble 他全13アーティストによる楽曲が収録されている。
80年代のヒップホップというのは今のみたいに
バシバシの重低音ではなく、ダンス・ミュージックと呼ぶにふさわしく明快で陽気で血の通ったポップスに近いものがあり、
聴きやすくてなかなか良い。<2005.2.7>