ここで紹介するには場違いのような感もある作品ですが、一連の「ロッキー・シリーズ」は非常に
たくさんのヒット曲を生みました。その中でもこの「4」は、内容的には一作目のような
名作と呼ぶには程遠いものだけれど、音響的にはなかなか凄いものがありました。
3作目で”アイ・オヴ・ザ・タイガー”のヒットを飛ばしたサヴァイヴァーや、この「4」の
テーマソングともいえるジョン・キャファティーの”ハーツ・オン・ファイヤー”などの曲が、
ただのBGMではなくメインでガンガン鳴ってきて、
このころ全盛期だったMTVさながらの映像の中で歌われています。
いわゆるミュージカルではないけれど、ストーリーの流れをしばしブレイクさせて映像のバックにポップスを
まるまる一曲流すという
作風は、この映画に限らずこの年代のアメリカ映画には、少なからず見られたように思います。
しかし観る前はそんなことを全然知らなかったわけで、ロッキー(シルベスター・スタローン)
の親友である元チャンピオンのアポロ(カール・ウェザース)が旧ソ連の怪物アマチュアボクサーの
ドラゴ(ドルフ・ラングレン)とエキジビション・マッチ<模範試合>を行なうことになり、
その試合会場の舞台が、ラスベガス。で、試合前のド派手なアトラクションで、なんと本物の
ジェームズ・ブラウンが彼自身の役でいきなり現れて、アメリカ賛歌
Living In Americaを歌ったのにはびっくりしてしまいました。映画館で観ていて、
思わず「おおっ!」と声を出してしまった恥ずかしい思い出があります。しかしこのラスベガス
という地でのショーアップされたシーンは、なかなか優秀であると思います。旧ソ連で拳闘マシーン
として鍛え上げられた堅物のドラゴが、突然ライトアップされたリングに立たされ、キラキラネオンに
無数のダンサー達や鳴り響く音楽に
あっけにとられていると、星条旗デザインの派手派手マントとトランクスに身を包んだアポロが、
踊りながら頭上から登場してくる。このノー天気で自国愛に満ちた、ある意味滑稽にも見える
演出は、この後の試合でアポロが死亡につながるKOを受けてしまう事態への伏線としての、
悲劇の前のお祭り騒ぎを暗に予想させるものでした。またそういう読みとは別にしても、
ショー自体はきらびやかで実にアメリカらしいエンターテイメント性に溢れていて、
ヴィジュアル的にも見応えがあります。「ロッキー」に関しては”ロッキーのテーマ”を
バックに流しながらマラソンをして精神の高揚を極めるところや、「エイドリヤーン!」などの
感動的な名シーンが多々あるのですが、ここではあえて私好みの、装飾的で虚栄に満ちた映像を取り上げさせて
もらいました。2004年にはシリーズ6作目が出るという話を聞きましたが、本当なのでしょうか・・・・?
<2003.11.26>