所有しているEL&Pの映像の中で、最も初期のものになると思う。オープニングに彼らの1stアルバム
Emerson,Lake & Palmerのジャケットがバーンと画面に登場して、ロンドとナット・ロッカー
以外はこのアルバムからの曲をライヴで演奏している。この映像はベルギーTV制作のもので、
1972年頃にNHKのヤング・ミュージック・ショーでも放映されたそうだが、私自身は中学生の頃、
大阪フェスティバル・ホールで行なわれたフィルム・コンサートで観た思い出がある。でも確か
ナット・ロッカーの演奏を別ライヴで2回やっていたような気がするが、このビデオでは1回しか演奏されていない。
「石をとれ」の演奏でピアノの弦をじかに鳴らす奏法を、初めて知って感心した記憶がある。
同曲のインプロヴィゼイションの部分で、アルバム収録の「タンク」がほぼ一曲分演奏されて
いるのが興味深い。グレッグ・レイクが超美しいのには驚いてしまうが、
デビュー直後とはいえ3人ともかなり息の合った安定したプレイを見せている。でも映像のメイキングに
関しては、中学生当時でも古臭く感じたな。<2004.5.10>
1977年にロンドンで巻き起こったパンク・ロック旋風を、ドイツ人のヴュルトという
人が8mmカメラに収めて制作されたドキュメンタリー映画。私にとってのこのビデオの目玉は、
ジャン・ジャック・バーネルのインタビューと、クラッシュのライヴ・イン・ミュンヘンの
映像だった。JJのしゃべる映像というのは、実はとても貴重だ。しかも、この中ではとても
合意を得た「インタビュー」とはいえず(隠し撮りに近い)、JJのドイツ人を毛嫌いし言葉を吐き捨てる態度が、
囲りに対してなんとも攻撃的な当時の姿を映し出している。他には100クラブやマーキーでの
バンドの演奏シーンがあるが、ストラングラーズに関しては過去のビデオにも
それがないのだ。どこかに存在するのだろうか?ぜひ発掘してリリースしてほしい。
クラッシュのライヴはファースト・アルバムからの曲を演奏している。インタビューが
曲の途中で入ってくるのが多く、やや不満。他の出演バンドはアドヴァーツ、チェルシー、
ブームタウン・ラッツ、ザ・ジャム、X-レイ・スペクスなど。ジャムの演奏がいい。<2004.2.13>
2000年から2001年にかけて行なわれたSTIFF UPPER LIPツアーでの、ミュンヘン・オリンピア・
スタジアムを舞台としたライヴ。ここでも観客数の膨大さに唖然とする。おまけに
長いキャリアを持つバンドのファンにしては、全体的に年齢層がかなり低いようだ。ライヴ・イン・マドリッド
と並行して鑑賞したところ、彼らが変わらないスタイルを守ってきたバンドだということがよく
わかる。アンガスのストリップやフィナーレの大砲ドッカンなど、ステージでは
お約束らしい。
無数のカメラがアングルを変えてステージ・パフォーマンスを捉えており、
天井吊りや移動カメラを通すと、その都度画質も変わって見えて面白い。音質の方はダイレクトで
悪くはないけれども、これだけの観衆の熱気ももっと音源として伝えてほしいところ。
2曲目のYOU SHOOK ME ALL NIGHT LONGでは、ブライアン・
ジョンソンのヴォーカルに少々辛さを感じた。前作と比べると、アンガスの走行総距離は
多分やや少ない。
このバンドには、何か目に見えない一体感のようなものを感じる。それが長きに渡って
ロックンロールし続ける力であり、年齢を問わずファンを虜にする所以なのか。
バックに巨大アンガスブロンズ像が現れて終始ステージを見下ろしていたとしても、ワンマンバンド
のような印象はない。<2004.2.9>
1996年7月にスペイン・マドリッドで行なわれたAC/DCの
ライヴ・ビデオ。以前にスペインを旅行した時に闘牛見物をしたPlaza De Torosがライヴ・ステージとは、
感慨深いものがある。実はバンドに関してなんの予備知識もなしに観たビデオである。
ギターのアンガス・ヤングが学童制服姿で登場してたのは知っていたが。って、今もなのか!会場の熱狂ぶりがとにかく
凄く、少なくともスペインでの彼らの人気が、どれほどのものなのかがわかる。ステージ狭しと、
端から端まで走り回りプレイするアンガスの血気とパワーには、ただただ圧倒させられるばかりだ。
音はストレートで、Back In BlackやHard As A Rockなどのリフは初めて聴いても非常に入りやすい。
曲ごとに用意されているセット(オープニングの鉄球、地獄の鐘、巨大ロジー人形、まだまだ
ある)は大掛かりで仰天させられるが、ライヴとは生きることそのものだということを
示してくれる、まさに体験するためのステージだ。「うちらは聴かせるためのバンドよ」
なんていうのは、ニセモノなんである。
真のロッカーはこうでなくてはならない。ヤング兄もカッコいい!<2004.2.9>
1978年にセックス・ピストルズが空中分解する舞台となるアメリカン・ツアー中の、1月10日テキサス州
ダラスにあるロングホーン・ボールルームでのライヴ映像。4日後のシスコでのラスト・ライヴと比べて
まだ救いがあるように見えるのは、ホールが小さくバンドと観客が密着状態のせいでもあるのだろうか。
最前列のパンク少女たちの熱狂ぶりはすごい。このステージではシド・ヴィシャスが血だらけの
顔面で演奏しているのが有名だが、ビデオを見てもどのような経緯で血だらけになったのかは
わからない。(関連本で「パンク少女にビシバシに殴られた」と読んだような記憶が・・・)
この中では「さらばベルリンの陽」がなかなかいい演奏をしている。終始エネルギーに
満ち溢れた見事なシャウトを
見せるジョン・ロットンに対して、バンドの力量がそれに追いついていないことに、ライヴを見るにつけいつも
もどかしさを感じる。観客とトラブルを起こしたり常に1人目立ったパフォーマンスをしているシドを見て、ジョンが「こいつ
1人サーカスだ」と苦笑いする場面があるが、後のインタビューで、ジョンはシドが自分に成り代わろうとしていた、
と感じていたという。シドはというと「自分はただベースを弾いていただけ」と言っていた。<2004.1.8>
70年代のパンク・シーンを振り返るにおいて絶対はずすことのできないバンド、ザ・クラッシュの
PVやライヴ・コンサートの映像集。ライヴの映像などを見ていると、メンバーが実に多動で
(この表現は合っているのだろうか)躍動感に溢れ、エキサイティングだ。当時は例にもれず
私も一生懸命レコードを聴いていたのに、なぜコンサートに行かなかったのだろう?と
悔やまれる。ルックスも他と比べて彼らは群を抜いていたように思う。バンドのドキュメンタリー・ビデオ"West Way To The World"も見たが、インタビュー
中心の退屈な映像で、やっぱり彼らを物語っているのは演奏自身にある、と思ってしまう。
特典映像には映画「ルード・ボーイ」より I Fought The Law のライヴが収録されている。
ジョー・ストラマー監督のサイレント・ムーヴィーもおまけにあるが、どうも???である。
演奏さえしていればいいのかも。
彼らの長い功績を考えると、収録曲数はちょっと少ないかもしれない。<2003.12.19>
97年6月13日にロイヤル・アルバート・ホールで行なわれたストラングラーズのライヴ。
ヒュー・コーンウェルは90年にグループを脱退しており、ヴォーカルにポール・ロバーツ、
ギターにジョン・エリスを迎えた新生ストラングラーズである。場所も驚きだが、バンドのバックには
女性ばかりのオーケストラが構えており、従来の曲でもぐっと雰囲気が違う。ポールはギターを持たずに
ヴォーカルオンリーで、どうもディナーショーのようなパフォーマンスに思えて仕方がない。
ベースのジャン・ジャック・バーネルはうれしい片足奏法をせっかく披露しているというのに、
映像はポール中心であまり映してくれていない。デイヴ・グリーンフィールドや他の
メンバーに関しても同様で、バック・バンドのような扱いに見えてどうにも不満が残る。このビデオの制作者はあまりストラングラーズを
知らないとみなす。しかしオーケストラによる違和感はほとんどなく、オープニングのワルツ
インブラックからフィットしていて意外だ。<2003.12.19>
SIDE 1:WORKS ORCHESTRAL TOUR / OLYMPIC STADIUM,MONTREAL 1977
1977年8月26日にカナダのモントリオール・スタジアムで行なわれたエマーソン、 レイク&パーマーのフルオーケストラを伴ってのワークス・ツアー・ライヴ。画質があまりクリア ではなく、音の方も渾然としていてせっかくのオーケストラをバックにしての演奏も、それぞれの 音がよく立ち上がらず聴き辛い部分が多い。でも、でもこのビデオは釘付けになって観てしまう。私がEL&Pと出会い、 ステージを見てみたい、来日をしてほしいと渇望していた頃のライヴ・パフォーマンスである。 オーケストラが大所帯のため来日は叶わず、私はラジオ番組で、渋谷陽一氏がライヴレポートに 行った時のバックから漏れ聞こえる音を、耳を凝らして聞いていた。「四部作」ではそれぞれの ソロの作品を発表していたが、このコンサートの中ではオーケストラが一番効果的に使われて いるように思う。特にカール・パーマーの”タンク”は、3人揃っての演奏が聴けるし感激 するしかない。フルオーケストラをバックに控えて一番喜んでいたのはグレッグではないだろうか、 と思うほど気持ちよさそうに、しかし堂々とした歌いっぷりを見せている。何にしても、私は このビデオを涙なくしては観れないのである。
SIDE 2:THE MANTICORE SPECIAL
このDVDには、1998年に発表されたEL&Pの二つのビデオがカップリングで収録されている。 もう一つのこのマンティコア・スペシャルは、1973年のワールド・ツアーの様子を映し出した ドキュメンタリー。画像が随分と傷んでいて古ぼけているが、当時テレビ用に撮られたものらしい。バック・ステージでの様子や3人の プライベートな時間を過ごすシーンなども見られる。でもこういったシーンには ほとんど興味が無いのだと、我ながら気づいた。グレッグはステージ終了後に何かに対して 怒ってたり、病気になったりと、神経質な一面を見せている。リハーサルでは、カールが キースのピアノプレイに合わせてのタイミングを掴もうとドラミングに励んでいるのがよく わかって、面白い。ステージでの演奏が完全収録でないので 残念に思うが、この最盛期といわれた頃の彼らの演奏は、本当に凄い。エマーソンの鍵盤さばきなど とても人間技とは思えないし、3人が3人とも美しすぎるとも言えるほどの、華麗なプレイを見せて いる。<2003.9.30>
ザ・ジャムの活動全期にわたるライヴとPVを中心とした2枚組。私が初めてジャムの映像を目にしたのは
デビューしたての頃の、”イン・ザ・シティ”と”芸術学校”のPVだった。このDVDで
何年かぶりに見て、そう、これこれ!と当時の衝撃と興奮が甦るような気分になった。
早回しフィルムのようなスピード感と身軽なアクションで演奏する彼らの姿は、本当に新鮮で
魅力的だった。こういったスタイルは「初期のフーを彷彿とさせる」などとよく
評されていたが、初期のフーを知らないので、私にとってはジャムはそれまでにない新しさを
持っていた。いつもポール・ウェラーが何かと注目の的だけれど、あの頃はドラムスの
リック・バックラーのユニークな顔立ちの方が印象的だったように思う。いつだったか全く忘れてしまったけど、最初で最後の(だと思う)来日公演に
いって生を見て、とにかくカッコよかった!しかしこのアオさ、若さは永久的なものではなく、
後期のスタイル・カウンシル路線をいくようになってからは興味の対象外となってしまった。
まああのスタイルで続けていくのは不可能だろうけど、ロックに関しては洗練されていくほど
つまらないものはないと思う。<2003.7.18>
セックス・ピストルズというグループは、私がロックを聴き始めてすぐの頃にマスメディアに
登場した。”資本主義としてのロック”に対する過激発言や、相次ぐレコード会社の
契約破棄、バッキンガム宮殿前での契約、ロットン襲撃事件などなど、雑誌には毎月のように
スキャンダラスな話題が飛び込んできた。もちろん彼らのステージを見たこともなく、
あっという間に解散。まるで嵐のようだった。その間に出したたった一枚のアルバムが
Never Mind The Bollocks(邦題:勝手にしやがれ)だった。あまり音楽的には評価される
ことのなかった彼らだが、このビデオでは、二年の間に着実に演奏の腕を上げて
いったこと、一流のプロデューサーやエンジニアによって一種こだわりのあるアルバム作りが
されたことなどが語られている。一曲一曲に視点を置いてのエピソードは興味深いし、
スティーヴ・ジョーンズのタイトなギター・プレイや、曲作りのインスピレーション、
ロットンのそれまでの常識を超えた歌い方がかのナンバー達を光らせたことなど、なるほどと思う。
本編ではライヴ映像にスタジオ・ヴァージョンの音が被されているのに対し、特典映像では
同じ映像でも生の音が一曲分ほぼフルで聴ける。完璧な
音ではないけど、”EMI”のロットンのパフォーマンスなどは見もの。初期のグラナダTVの
”アナーキー・イン・ザ・U.K.”は個人的なお気に入りである。<2003.7.8>
「ザ・グレート・ロックンロール・スウィンドル」と同じくジュリアン・テンプル監督による、
1999年度のイギリス映画。日本では2000年に公開された。これは単なる退屈な
ドキュメンタリーではなく、ピストルズのイメージと非常にマッチした映像工夫がされており、
映画作品としても充分に評価できるほどの大傑作である。ピストルズ誕生時から彼らを
撮り続けてきたという、映画人テンプルならではの手法によるものだと思う。最初に見て驚いたのは、
前作では音声しか流していなかった”ビル・グランディ事件”の映像が全て公開されて
いたことである。これを見て、明らかにTVのパーソナリティであるグランディが悪い!
と確信を持ってしまった。元メンバー4人の証言により、そして驚くべきことにシド・
ヴィシャスのインタヴューも交えながら、グループを取り巻く全貌が明らかにされていく。
いちいち前作と比べるのは邪道かもしれないけど、 NO FEELINGSや”ジョニー・B・
グッド”など生の音源が盛りだくさんの前作も、結構捨てたものではない。<2003.7.4>
クイーンの1973年から1980年までのビデオ・クリップ集で、
全22曲が2枚のDVDに収められている。中学生の頃から今まで、一番数多く目にしたPVは
”ボヘミアン・ラプソディ”ではないかと思う。実はフルヴァージョンで所有するのは初めてなのである。
DISC2に収められている”炎のロックン・ロール”は彼らの初のビデオで、「クイーン
栄光の軌跡」のビデオの中には別テイクのものが見られる(これが最も初めのヴァージョン)。
メンバーはこれが気に入らず、撮り直したという。何が良くなかったのだろう?どちらも
素晴らしい映像だ。”バイシクル・レース”は全裸の女性が映るので、発表当時は映像効果が
用いられていたが、このビデオではオリジナルで出ている。これもまた前述のビデオで
初公開されていたので、映像処理されたオリジナル(う〜ん、どちらをオリジナルと言う
べきか?)を見たかったけど残念。それにしてもクイーンはあれだけの人気を
保ちながら、ビデオだけでもよくこれだけの仕事をしたものだ、と思う。
「ビデオ・ヒッツ1」というからには「2」以降もこれから出るのだろうけど、私にとっては
これだけで充分。PV全盛期に入ってからの”RADIO GA GA”や”I WANT TO BREAK FREE”や”IT'S A HARD LIFE”
などのクリップは「やり過ぎ」という感じがするのである。<2003.7.3>
日本では1986年に公開された、セックス・ピストルズのアメリカン・ツアーを中心にした
ドキュメンタリー映画。「パンク・ロック・ムービー」や「ザ・グレート・ロックンロール・
スウィンドル」と違い、アメリカのファンの視点からパンク・ムーヴメントを映し出して
おり、なんだか揺れ動く若者達の青春映画、という印象を受けた。アメリカ公演でのピストルズのメンバーは、
ファンに対しかなり虚勢を張った様子なのが興味深い。ピストルズの他に、グレン・マトロックが
在籍していたリッチ・キッズやシャム69、デッド・ボーイズ、Xレイ・スペクスなどの
魅力あるバンドの演奏シーンも見られる。リッチ・キッズの演奏はかなりハイ・レヴェルだ。
シド・ヴィシャスとナンシー・スパンゲンのインタヴューも収録されていて、ナンシーはシドに対して
終始母親のような態度で接している。彼女の
言葉からジョン・ロットンとの確執ぶりもうかがえる。<2003.5.19>
1993年11月ロイヤル・アルバート・ホールでのエマーソン、レイク&パーマーの
ライヴ・ビデオ。彼らは一度解散していてこれは再結成後のコンサートなので、特に
初期の頃の曲は、演奏に迫力が欠けてしまっていることは否めない。これを観て勝手な注文を書くと、@”タルカス”をフルヴァージョンで
一気に演ってほしかった。A”フロム・ザ・ビギニング”を歌うのなら、パーカッションを
配置してほしかった。Bこのようなクリアヴィジョンで、若い頃の演奏も見たかった。C
キース・エマーソンの帽子に付けていたバッジが欲しい。キースは演奏中に手首に痛みを
感じていたらしく、よく振ったり押さえたりしていた。”庶民のファンファーレ”誕生
後のコンサートではこの曲から”ロンド”につながり、オルガン引き倒しのスタント・プレイで一番の盛り上がりを見せていた。
いい年をしてたって、キースはあれがやりたいから演っていると思いたい。一度でいいから
目の前で見たかった。<2003.5.15>
1970年12月、ロンドンのライシアムでのコンサートを収録した、EL&Pの歴史的名盤
。私はこの映像を、子供の頃にNHKのヤング・ミュージック・ショーで見た記憶があった。
エレクトーンを習っていたので、キース・エマーソンの電子鍵盤楽器をカッコよく弾く姿に引きつけられたのだと
思う。EL&Pを知ったのは、ずっと後だった。このビデオは年代物のわりには画質がクリアで
見やすいんだけれども、ところどころに色彩を反転させたような映像効果や、アメリカン・
コミックらしき絵が被せられてて、少しならまだしも1曲まるごと素の映像が見えないのもあり、
見ていてすごくフラストレーションがたまる。でも演奏は鳥肌がたつほど素晴らしくて、
特に組曲の”こびと”では3人が絶妙のかけ合いをして見る方にも緊張感を与える。
楽器をする者にとってもコピーをするのにうってつけの、永久的に教則本となり得るビデオだと思う。
<2003.5.4>
デヴィッド・ボウイのおよそ30年間に及ぶヴィジュアル遍歴を綴った、全47曲収録の
2枚組DVD。私はボウイほど音とヴィジュアル両面で優れた音楽表現が出来るアーティストは
いないのだろう、と思っていたが、このビデオを見てちょっと違う気がした。ボウイの持つ
神秘的なイメージと彼の創り出すリリックは、宇宙の果てまでも届くくらいの無限のメッセージ
性を持っている。枠つきの狭い映像空間の中に収まりきれるとは思えない。それと、
ほとんどの曲にパントマイムと音とのズレを、どうしても感じてしまう。いいと思ったのは
初期のミック・ロック制作の演奏シーンや”ジキー・スターダスト”、”ヤング・アメリカンズ”
での鬼気迫るパフォーマンスだった。80年代は特にPV全盛期だったけれども、演出の凝ったものは当時も今も、
好きになれない。音楽家はそれを演じる姿が一番美しい。と私は思う。<2003.4.25>