還って来た、とりつくし法の未来
(2)グレゴリーπ公式と、分数のかたち 2008. 2.13.
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(1)何等分でもできる線分と、分数の概念  1. 9.

(3)グレゴリーπ公式と、ワイリス望遠鏡

単位分数列1の1分の1に始まる。

 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―・・・・・・
 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

 「いくつ分の1」という分数が順序よく並んでいる。これが単位分数列です。その一番最初の分数は1の1分の1です。これは約すと1になる「仮分数」だというのでと表されるのが普通ですが、私は、がおのれを1つに分けてみたとき、「の自分としてある」という意識。これを強調したくて、このように表しています。だいたいと表してしまえば、の気持ちはどうしても「私は数(自然数)なのだ」という意識に傾き、「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、・・・」と数え挙げる行為の端緒をなしてしまいます。1分の1と表したときに、ようやく「私は分数なのだ」という気分が芽生えて、「2分の13分の1、・・・」と測り数え挙げる行為の端緒にもなるのではないでしょうか。
 したがって、1分の1なるは、最大の単位分数であり、単位分数列の始まりであるといえます。このページでは、この考えがさらに推し進められ、単位分数の国という1つの領域が構想されます。そこでもは一方の極端に位置しますが、彼あるいは彼女の自己限定的な大きさによって、単位分数の国の秩序が定まってゆくところが見られると思います。

単位分数列1の∞分の1に終わる?

 自然数は、10の次も11〕〔12〕〔13と数え続けて、どこまでも順序よく数え挙げることができます。 ・・・100〕・・・〔1,000〕・・・〔10,000〕・・・億、兆、京、・・・。隣に1の差をなして続くその数は果てしなく「限りが無い」。あるいは「無限大(∞)の数が有る」とも言う。

∞-9..∞-8..∞-7..∞-6..∞-5..∞-4...∞-3..∞-2..∞-1..

 単位分数の場合はどうでしょうか。単位分数も、10分の1の次は11分の1〕〔12分の1〕〔13分の1と測り数え続けて、どこまでも順序よく数え挙げることができます。 ・・・100分の1・・・1,000分の1・・・10,000分の1・・・億分の1〕〔兆分の1〕〔京分の1・・・。(分母が)隣に1の差をなして続くその数は果てしなく「限りが無い」。あるいは「無限大(∞)分の1が有る」とも言う。

.1.....1.....1.....1.....1.....1....,1.....1.....1....1
................――..
∞-9
..∞-8..∞-7..∞-6..∞-5..∞-4...∞-3..∞-2..∞-1..

 また落語で「寿限無。寿限無。五劫の擦り切れ。」と言うのはこの時かもしれない。
 しかし、この無限大(∞)分の1をもって単位分数列の幕は目出度く閉じられたと見るのには一抹の不安があります。その先には、まだまだ小さな単位分数たちが並んでいて、自体の大きさを限りなく零(0)に近づけてゆくからです(・・・・ → 0 )。このことについては、つぎの分数計算をしてみれば納得されると思います。

 .1.......1......∞−(∞-1).......1
 ――
......――
 ∞-1
...........(∞-1)∞.....(∞-1)∞

 つまり、(∞-1)分の1∞分の1とが(念のために)背比べをしたとして、身長差の厳正な結果は、やはり分数によって測り数えて表すのが適当なので、そうしたところ、その分数というのが、今までにない恐ろしく小さな単位分数でした。
 無限大(∞)分の1を「最小の単位分数」とする考えは、これでだいぶ難しくなったような感じです。「限りが無いことにも限りが無い」ということでしょうか。もっともこれは、この国にしかない無限地獄であり、慌てて自然数の総定員の拡大を要求するのは考えものです。やはり無限大(∞)分の1のところで、単位分数列は、端然と切り分けられていると見定めて、後列にある一抹の不安は取るに足りないとするのが良いと思います。これは、トカゲが(身を護るために)安易に切り捨てる尻尾のようなものです。
 無限大(∞)分の1をもって単位分数列の幕は目出度く閉じられている。
この考えには、構造的な理由があり、大きな利用価値があることも、あとでわかります。

 あゆみ(歩)

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. 単位分数を棒の長さであらわす。

 

 (マイナスの分数棒も用意しました。)

 

 この絵は、高く伸びたところは切り落とし、横幅は恐ろしく縮めてあるので、折り畳んだ地図の縁(へり)を横から見ているようなものです。

 分数は、限りなく小さな単位分数を産出することによって、もっと豊富な数になり、自然数と次の自然数の間に横たわる空漠を、肌理細かに埋めているといえます。

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単位分数列1の1分の1に終わる。

 単位分数は、小さな分数から始めて、大きな分数に向って、どこまでも順序よく数え挙げることができます。無限大(∞)分の1を初めとして(その数は不定ですが)、・・・京分の1〕〔兆分の1〕〔億分の1・・・。 ・・・10,000分の1・・・1,000分の1・・・100分の1・・・。13分の1〕〔12分の1〕〔11分の1
 これから先は、分数棒を見ながら、実際に測り数え挙げてみてください。(左←右)

 最初は微塵の大きさもない小さな分数から、徐々に大きな分数になってゆく単位分数の成長過程を辿ってきましたが、こうした見方において、単位分数列は、無限大(∞)分の1に始まり、最後の土壇場になって急激な増大ぶりを見せつつ、1分の1に終わるものになっています。
 存在しない0分の1との隙間に大きな不安を抱えていることが指摘されますが、そこは得体の知れない仮分数たちの巣窟になればよいので、単位分数列はここでも端然と切り分けられていると見定められます。
 それにしても、最後の単位分数の大きさがであることは、大きく単位分数の国の規模をも簡単明瞭に定めることになり、二重に喜ばしいことです。
 1分の1をもって単位分数列の幕は目出度く閉じられている。 

単位分数列には、連続的なかたちの自己相似性〕がある。

 極めてシンプルな数列にも、私たちはひとつのかたちを見ることが出来ます。たとえば、〔(、1、2、3、4、5、・・という自然数列には、大きな数に向って登ってゆく階段を想像します。この階段は、いつでも幅がで段差がなので、最初の1、2、3段と、よほど高くなった1001、1002、1003段を、比べて見たとき、かたちとかたちの大きさは何一つ変らない。そういう自然数列には、連続的なかたちの自己同一性があるといえます。
 もちろん単位分数列にも、私たちはかたちを見ることが出来るので、小さな分数に向って降りてゆく階段を想像します。ところがこれは、全部でという高低差を細かくわけた分数の階段なので、幅はのまま一定していても、降りてゆくにつれて段差は徐々に小さくなり、かたちは絶えず変わってゆきます。
 しかし、どんなふうに変化しているのか、前後2つの分数列を比べてみます。(ただし、下の行の単位分数は選抜されたものです。)

...1....1....1....1....1....1....1....1....1....1
..─-..─-..─-..─-..―-..―-..―-..―-..―-..―- 上の図
...1....2....3....4....5....6....7....8....9...10

...1....1....1....1....1....1....1....1....1...1
..─-..─-..─-..─-..―-..―-..―-..―-..―-..―-  右の図
..10...20...30...40...50...60...70...80...90..100

 上の行は、1分の1から10分の1までの区間。下の行は、10分の1から〔100分の1までの区間です。各列は単位分数は〔10:1〕の比率で互いに対応しています。このとき、横幅は逆に10倍に広がっているので、かりに下の行の横幅を〔1〕に縮め、背丈を10倍伸ばしてやると、上の行と同じかたちになります。
 つぎの100分の1から1000分の1までの区間は、

...1....1....1....1....1....1....1....1....1....1
..──.──.──.──.―─.―─..―─.―─.―─..――
..100..200..300..400..500..600..700..800..900..1000

 横幅をに縮め、背丈を100倍伸ばしてやれば、上の行と同じかたちになるはずです。そして終に無限大(∞)に至るなら、∞分の10から∞分の1までの区間ですが、

...10...10...10...10...10...10..10..10...10....1
..──.──.──.──.―─.―─.―─.―─.―─..――
.....2∞..3∞..4∞..5∞..6∞..7∞..8∞..9∞...

 これも同様のことで、横幅をに縮め、背丈を10倍伸ばしてやれば、上の行と同じかたちになるはずです。
 このように観察した結論として、単位分数列には、連続的なかたちの自己相似性〕があるといえます。
 もっとも以上におこなったのは粗雑な観察です。観察の目を細かくして、最初の1/1、1/2、1/3段と、よほど低くなった1/1001、1/1002、1/1003段とを比べて見たとき、あるいは想像を絶する10/∞、10/(∞+1)、10/(∞+2)段とを比べて見たとき、かたちは何一つ変っていないと断言できるのかどうか。
 これから検討する無限級数式の計算結果に、単位分数列かたちの特徴は必ず現されるものと期待しています。

 

グレゴリー級数式は単位分数列そのものだということ。

 分数の無限展開によって円周率を表す無限級数式はたくさんありますが、最もシンプルなものは、グレゴリー級数式(Gregory series)です。

π.........1...1...1...1...1...1...1...1...
..1−―+―−―+―−―+―−―+―−―+−・・・ 
........3...5...7...9..11..13..15..17..19  (→ ∞)

 シンプルなのも当然です。記号(+、−)を除けて見るとわかります。(分母が)奇数のものしか並んでいないにしても、素性はまったくの単位分数列です。
 ところで、半径1で円周角45°の扇形において、だいたいこの式はθ=アークタンジェント(X)の〔X=1〕の場合を求めているので、はっきりいって長さを対象にしているものです。単位分数を引いては加えることを単調に繰り返し。振り子の振動に例えれば、振幅がだんだん狭くなる様子にも例えられますが、
 ところが、面積とりつくし法の立場から見たときには、

π..........1......1...1......1...1......1...
.1−―〕+〔―−―〕+〔―−―〕+〔―−―〕+−・・・ 
.........3......5...7......9..11.....13..15  (→ ∞)

 この式は、前後の分数の差(2/3 2/35 2/99 ・)を加えてゆくものになります。
 私は、こういう〔分数の大きさ〕を〔かたち〕にして見たいと思っています。しかし、この計算のなりゆきを〔かたち〕のなりゆきとして見るには、この分数列をもっとシンプルな分数列の中に置きなおす必要があります。すなわち、最もシンプルな単位分数列というのは、単位分数たちがひとつも欠けずに順序正しく並んでいるものです。

 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―・・・・・→ 0
 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

この奇数単位分数列の、〔加える分数〕と〔引く分数〕の間に、〔分母が偶数の単位分数〕を挟み込みました。彼らは引いて加えて消え去るので、式の値は変わりません。

.π.........1...1...1...1...1...1...1...1...1...1...1
...1−―+―−―+―−―+―−―+―−―+―−―+−・
.........2...2...3...5...6...6...7...9..10..10..11

この式も、前後分数の差(1/2 1/6, 1/30 1/42, 1/90 1/110, ・)を加えてゆきます。
グレゴリー級数式をこうして〔単位分数列〕として捕らえると、これが取り残したを補足する別の式の存在が浮かび上がってきます。(両方合せた差(..)は1になる。)

4-π.....1...1...1...1...1...1...1...1...1...1
――=
.―−―+―−―+―−―+―−―+―−―+−・・・・
......3...5...7...9..11..13..15..17..19..21

この式は、前後の分数の差(2/15 2/63 2/143 ・)を加えてゆくものにも見られます。
補欠奇数単位分数列の、〔加える分数〕と〔引く分数〕の間に、〔分母が偶数の単位分数〕を挟み込みました。やはり引いて加えて消え去るので、式の値は変わりません。

4-π.....1...1...1...1...1...1...1...1...1...1...1...1
――=
.―−―+―−―+―−―+―−―+―−―+―−―+−
......3...4...4...5...7...8...8...9..11..12..12..13

この式も、前後分数の差(1/12 1/20, 1/56 1/72, 1/132 1/156, ・)を加えています。

これで全ての単位分数が揃いました。しかし、まだ2つの分数列に綴りわけられた状態ですので、綴り紐をほどいて、最もシンプルな単位分数列に移しかえます。
双方の単位分数を皆一緒にして、順序よく並べます。

.............1....1....1....1....1....1....1....1  
.1|..|0=1| |―| |―| |―| |―| |―| |―| |―| |―| |・・
.............2....3....4....5....6....7....8....9

......... 1.. 1.. 1.. 1.. 1.. 1.. 1.. 1  
1|..|0=|―||―||―||―||―||―||―||― ||・・
......... 2.. 6..12..20..30..42..56..72

これらの差(..)はひろさを表すものと看做されます。正方形(面積1)の内に「四角い部屋を丸く掃く」ように配置していったところ、いちおう下の絵が描かれました。

直径100, 点(70.71.., 62.32..)

 〔単位分数〕たちに、縦と横の幅が、押し付けられています。

あとがき(まとめにかえて)

 失敗の教訓によれば(とりつくし法の未来2)、ことの成否は素材の良し悪しで決まるので、素性の良いグレゴリー式をとりつくし法の舞台に招いておおいに展開してみたい。これが最初の願いでしたが、分数の〔かたち〕についてもっと基礎的なことが重要になり
何等分でも出来る線分と分数の概念)、
単位分数列の〔かたち〕についても考えることがあり、遅れて旅立つことになりました。
 〔無限大(∞)分の1〕が〔0〕に収束するにしても、単位分数列の終端にある〔/〕は明確な〔かたち〕をもっている。そうでないと首尾一貫しないという屁理屈です。
 グレゴリー級数式をともかく〔かたち〕にしたとはいえ、この絵のどこに〔円のひろさ〕を表している証拠が見られるのか。そういうことの検討はこれからです。

 この続きは  (3)グレゴリーπ公式と、ワイリス望遠鏡

 

単位分数を棒の長さであらわす。

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(以下、"A history of Pie"より引用) http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/HistTopics/
Pi_through_the_ages.html

ルネッサンスは、まったく新しい世界を、ヨーロッパの数学にもたらした。この復興における最初の成果のひとつに、πの数理的公式の出現があげられる。
その最も早いものは、Wallis(1616-1703)の公式である。

  2/π = (1.3.3.5.5.7. ...)/(2.2.4.4.6.6. ...)

その最も有名なものは、

  π/4 = 1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + ....

この公式はしばしばLeibniz(1646-1716)が考案したいわれる。しかしこれは、James Gregory(1638-1675)によって最初に発見されたと思われる。

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 〔4分のπ〕というのは、要するに、半径を〔1〕とする円の半周がπですが、πを真直ぐにして半径と比べた長さがわからないので、その〔4分の1〕の長さもわからないということでしょう。

 ただし、グレゴリーがオリジナルに示した式は、まだ間口が広くて、〔π/4=〕による円周率表示にのみ活路を求めたものではなかった。

   tan-1 x = x - x3/3 + x5/5 - ... (-1 lte x lte 1)   . . .

これなら、半周(π)の〔6分の1〕も利用できるので、
〔タンジェント(30°)=1/√3〕が〔π/6〕に対応するところで
〔x〕に1/√3〕を代入して、円周率を計算するほうがずっと能率的です。

 この例はグレゴリー級数式の懐の深さを如実に示しています。しかし、私の見方はすこし異なっていて、「べったりと円周に寄り添って片時も離れないうちは、この式の本領は完全には発揮されていない」と思っています。いずれにしても、この式のパワーの源である単位分数列に戻らなければならない。

 これが、底辺を〔π〕、高さを〔2分の1〕とする三角形であることから、直径1の円の面積は〔4分のπ〕になります。この値は外接する正方形の面積(1)に対する比率(円積率)と同じです。
 また、半径が1で円周角が90°の扇形や、
 底辺が〔2分のπ〕で高さ1の三角形の面積も、やはり〔4分のπ〕になります。

 

〔備考〕 「グレゴリー公式は、長さを追求するものである」と普通に受け止めたときには、分数棒による図解が可能です。

πの追求に偏した右図も、よく見ると、単位分数列のπ/+(1−π/)=1というトータルな情勢をぬかりなく表現しているといえます。

 

あゆみ(歩)