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還って来た、とりつくし法の未来 |
(1)何等分でもできる線分と、分数の概念 1. 9. |
〔単位分数列〕は〔1の1分の1〕に始まる。 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 「いくつ分の1」という分数が順序よく並んでいる。これが〔単位分数列〕です。その一番最初の分数は〔1の1分の1〕です。これは約すと1になる「仮分数」だというので〔1〕と表されるのが普通ですが、私は、1がおのれを1つに分けてみたとき、「1の自分としてある」という意識。これを強調したくて、このように表しています。だいたい〔1〕と表してしまえば、1の気持ちはどうしても「私は数(自然数)なのだ」という意識に傾き、「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、・・・」と数え挙げる行為の端緒をなしてしまいます。〔1分の1〕と表したときに、ようやく「私は分数なのだ」という気分が芽生えて、「〔2分の1〕、〔3分の1〕、・・・」と測り数え挙げる行為の端緒にもなるのではないでしょうか。 〔単位分数列〕は〔1の∞分の1〕に終わる? 自然数は、〔10〕の次も〔11〕〔12〕〔13〕と数え続けて、どこまでも順序よく数え挙げることができます。 ・・・〔100〕・・・〔1,000〕・・・〔10,000〕・・・億、兆、京、・・・。隣に1の差をなして続くその数は果てしなく「限りが無い」。あるいは「無限大(∞)の数が有る」とも言う。 ∞-9..∞-8..∞-7..∞-6..∞-5..∞-4...∞-3..∞-2..∞-1..∞ 単位分数の場合はどうでしょうか。単位分数も、〔10分の1〕の次は〔11分の1〕〔12分の1〕〔13分の1〕と測り数え続けて、どこまでも順序よく数え挙げることができます。 ・・・〔100分の1〕・・・〔1,000分の1〕・・・〔10,000分の1〕・・・〔億分の1〕〔兆分の1〕〔京分の1〕・・・。(分母が)隣に1の差をなして続くその数は果てしなく「限りが無い」。あるいは「〔無限大(∞)分の1〕が有る」とも言う。 .1.....1.....1.....1.....1.....1....,1.....1.....1....1 また落語で「寿限無。寿限無。五劫の擦り切れ。」と言うのはこの時かもしれない。 .1.......1......∞−(∞-1).......1 つまり、〔(∞-1)分の1〕と〔∞分の1〕とが(念のために)背比べをしたとして、身長差の厳正な結果は、やはり分数によって測り数えて表すのが適当なので、そうしたところ、その分数というのが、今までにない恐ろしく小さな単位分数でした。 |
. . 単位分数を棒の長さであらわす。 (マイナスの分数棒も用意しました。)
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この絵は、高く伸びたところは切り落とし、横幅は恐ろしく縮めてあるので、折り畳んだ地図の縁(へり)を横から見ているようなものです。 分数は、限りなく小さな単位分数を産出することによって、もっと豊富な数になり、自然数と次の自然数の間に横たわる空漠を、肌理細かに埋めているといえます。 |
. 〔単位分数列〕は〔1の1分の1〕に終わる。 単位分数は、小さな分数から始めて、大きな分数に向って、どこまでも順序よく数え挙げることができます。〔無限大(∞)分の1〕を初めとして(その数は不定ですが)、・・・〔京分の1〕〔兆分の1〕〔億分の1〕・・・。 ・・・〔10,000分の1〕・・・〔1,000分の1〕・・・〔100分の1〕・・・。〔13分の1〕〔12分の1〕〔11分の1〕。
最初は微塵の大きさもない小さな分数から、徐々に大きな分数になってゆく単位分数の成長過程を辿ってきましたが、こうした見方において、〔単位分数列〕は、〔無限大(∞)分の1〕に始まり、最後の土壇場になって急激な増大ぶりを見せつつ、〔1分の1〕に終わるものになっています。 〔単位分数列〕には、連続的な〔かたちの自己相似性〕がある。 極めてシンプルな数列にも、私たちはひとつの〔かたち〕を見ることが出来ます。たとえば、〔(0)、1、2、3、4、5、・・〕という〔自然数列〕には、大きな数に向って登ってゆく階段を想像します。この階段は、いつでも幅が〔1〕で段差が〔1〕なので、最初の〔1、2、3〕段と、よほど高くなった〔1001、1002、1003〕段を、比べて見たとき、〔かたちとかたちの大きさ〕は何一つ変らない。そういう〔自然数列〕には、連続的な〔かたちの自己同一性〕があるといえます。 ...1....1....1....1....1....1....1....1....1....1 ...1....1....1....1....1....1....1....1....1...1 上の行は、〔1分の1〕から〔10分の1〕までの区間。下の行は、〔10分の1〕から〔100分の1〕までの区間です。各列は単位分数は〔10:1〕の比率で互いに対応しています。このとき、横幅は逆に10倍に広がっているので、かりに下の行の横幅を〔1〕に縮め、背丈を10倍伸ばしてやると、上の行と同じかたちになります。 ...1....1....1....1....1....1....1....1....1....1 横幅を〔1〕に縮め、背丈を100倍伸ばしてやれば、上の行と同じかたちになるはずです。そして終に無限大(∞)に至るなら、〔∞分の10〕から〔∞分の1〕までの区間ですが、 ...10...10...10...10...10...10..10..10...10....1 これも同様のことで、横幅を〔1〕に縮め、背丈を10倍伸ばしてやれば、上の行と同じかたちになるはずです。
グレゴリー級数式は〔単位分数列〕そのものだということ。 分数の無限展開によって円周率を表す無限級数式はたくさんありますが、最もシンプルなものは、グレゴリー級数式(Gregory series)です。 π.........1...1...1...1...1...1...1...1...1 シンプルなのも当然です。記号(+、−)を除けて見るとわかります。(分母が)奇数のものしか並んでいないにしても、素性はまったくの単位分数列です。 π..........1......1...1......1...1......1...1 この式は、前後の分数の差(2/3
2/35 2/99
・)を加えてゆくものになります。 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 この奇数単位分数列の、〔加える分数〕と〔引く分数〕の間に、〔分母が偶数の単位分数〕を挟み込みました。彼らは引いて加えて消え去るので、式の値は変わりません。 .π.........1...1...1...1...1...1...1...1...1...1...1 この式も、前後分数の差(1/2
1/6, 1/30
1/42, 1/90
1/110,
・)を加えてゆきます。 4-π.....1...1...1...1...1...1...1...1...1...1 この式は、前後の分数の差(2/15
2/63 2/143
・)を加えてゆくものにも見られます。 4-π.....1...1...1...1...1...1...1...1...1...1...1...1 この式も、前後分数の差(1/12 1/20, 1/56 1/72, 1/132 1/156, ・)を加えています。 これで全ての単位分数が揃いました。しかし、まだ2つの分数列に綴りわけられた状態ですので、綴り紐をほどいて、最もシンプルな単位分数列に移しかえます。 .............1....1....1....1....1....1....1....1 .........
1.. 1..
1.. 1..
1.. 1..
1.. 1 これらの差(..)はひろさを表すものと看做されます。正方形(面積1)の内に「四角い部屋を丸く掃く」ように配置していったところ、いちおう下の絵が描かれました。
〔単位分数〕たちに、縦と横の幅が、押し付けられています。 あとがき(まとめにかえて) 失敗の教訓によれば(とりつくし法の未来2)、ことの成否は素材の良し悪しで決まるので、素性の良いグレゴリー式をとりつくし法の舞台に招いておおいに展開してみたい。これが最初の願いでしたが、分数の〔かたち〕についてもっと基礎的なことが重要になり この続きは (3)グレゴリーπ公式と、ワイリス望遠鏡。
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単位分数を棒の長さであらわす。
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ルネッサンスは、まったく新しい世界を、ヨーロッパの数学にもたらした。この復興における最初の成果のひとつに、πの数理的公式の出現があげられる。 2/π = (1.3.3.5.5.7. ...)/(2.2.4.4.6.6. ...) その最も有名なものは、 π/4 = 1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + .... この公式はしばしばLeibniz(1646-1716)が考案したいわれる。しかしこれは、James
Gregory(1638-1675)によって最初に発見されたと思われる。 . 〔4分のπ〕というのは、要するに、半径を〔1〕とする円の半周がπですが、πを真直ぐにして半径と比べた長さがわからないので、その〔4分の1〕の長さもわからないということでしょう。
ただし、グレゴリーがオリジナルに示した式は、まだ間口が広くて、〔π/4=〕による円周率表示にのみ活路を求めたものではなかった。 tan-1 x = x - x3/3
+ x5/5 - ... (-1 これなら、半周(π)の〔6分の1〕も利用できるので、
この例はグレゴリー級数式の懐の深さを如実に示しています。しかし、私の見方はすこし異なっていて、「べったりと円周に寄り添って片時も離れないうちは、この式の本領は完全には発揮されていない」と思っています。いずれにしても、この式のパワーの源である単位分数列に戻らなければならない。 これが、底辺を〔π〕、高さを〔2分の1〕とする三角形であることから、直径1の円の面積は〔4分のπ〕になります。この値は外接する正方形の面積(1)に対する比率(円積率)と同じです。 |
〔備考〕 「グレゴリー公式は、長さを追求するものである」と普通に受け止めたときには、分数棒による図解が可能です。
πの追求に偏した右図も、よく見ると、単位分数列の〔π/4+(1−π/4)=1〕というトータルな情勢をぬかりなく表現しているといえます。