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マイナス×マイナスプラス〕 ?
このわけを説明するために、
自然数の掛合せに限られていた九九表を、
整数(-,+)も掛合せられるようにしてみました。

四面どこでも九九表

 「九九」の数は自然数です。4掛ける3=は「三四、十二」。あるいは、3掛ける4=「四三、十二」によって、1つの答えを見ますが、
右上T面で、C(▲)にB()を掛けた、またはB()にC(▲)を掛けた〔12〕を見てください。

これが整数になると、〔-4〕や〔-3〕もあるので、

この3掛ける4=にも4つのタイプが生じます。

 (-4)×(+3)=-12、 (+4)×(+3)=+12
 U、C(▲)に B() T、C(▲)に B(
 又、B()に C(▲) 又、B()に C(▲)

 (-4)×(-3)=+12、 (+4)×(-3)=-12
 V、C(▼)に B() W、C(▼)に B(
 又、B()に C(▼) 又、B()に C(▼)

 こうして九九の掛算にも4つのタイプがあるのに応じて、私は、九九表を4面に拡張してみました。
 すこし残念なことに、普通の整数掛算には、こんな九九表は必要なさそうです。
 普通のやりかたでは、ひとまず記号と数字とを

分離しておいて、記号の組合せを見て結果の正負を判別するので、裸にされた数字は自然数のように扱われます。
 たとえば(+4)×(-3)=-12では、
記号(+、−)を見合わせて結果(−)を判別するので、数字(4、3)は自然数のように扱われます。
 そこで、九九は「三四、十二」と唱えればよいわけです。この結果は12ですが、判別した記号(−)を着せると、最終的に〔=-12〕の結果が得られます。
 要するに、整数の掛け算にはいっても、九九表は、右上のものが1面あれば十分です。(というより、掛け算を表面的に処理しようとした九九表の意図自体が没収されていますが。→右図) ただ、「記号と数字を分離する掛け算ばかりでは詰まらない」と思う人は、4面の九九表を使ってみてください。

-4-3の答え=12は何処にあるのか? そこへはどうやってゆくのか?

 普通の整数掛け算では、例えば(−3)×(−4)=+12のとき、マイナスの3にマイナスの4を掛けたら、プラスの12になることの理解が容易ではなく、「どうしてそうなるのか」納得のゆく説明がしばしば求められます。たしかに「火の無いところに煙は立たない」ところからすると、マイナスマイナスを掛けたらプラスになるという言い方には、ぼおっとした自然の成行きとは感じられないものがあります。
 普通の整数掛け算は、「どうしてそうなるの」という質問に答えるかわりに、事実として「そうなっている」ことを示そうとします。

 〔
3=6+(-3)、4=8+(-なので、
 〔
3×4=12であれば、{6+(-3)}{8+(-4)}=12〕...(1)であるとして、

  {6+(-3)}{8+(-4)}=48+8(-3)+6(-4)+(-3)(-4)=48+(ー48)+(-3)(-4

 =(-3)(-4)     (1)をかえりみて、  (-3)(-4=12

 これからしても、-3)(-4=12になっている。
 こうして「そうなっている」という事実をしっかり受け止められれば、別にその由まではいらない。
 憶測ですが、だいたいこういうのが平均的な説明だとして、一般に、その理については多く説明するけれども、その由について説明することは少ない。

          あゆみ(歩)

 




(−)  │  (+)

UT
− ─────O───── +
VW

(+)  │  (−)


九九表の意図自体が没収↑されている


-15     │     +15

-16,-12,-8,-4,C,+4,+8,+12,+16

-9     │     +9

-6     │     +6

-3     │     +3
UT
− ─(-)B────0──── B ─ +
VW
+3     │     -3

+6     │     -6

+9     │     -9
(-)
+16,+12,+8,+4,C,-4,-8,-12,-16

+15     │     +15

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 「四面どこでも九九表」の場合は、「どうしてそうなる」という由を多く説明します。
 といっても、「その1個の答えを見せている」というだけのことで、たいしたことではありません。
 4×3は「どうして=12になるの」かというときには、九九表(T)を見せて、「
 C(▲)にB()を掛けて、またはB()にC(▲)を掛けて、〔12〕を見てください。
 ×の答えはここにあります。」と言いましたが、

 (-4)×(-3は「どうして=12になるの」かというときには、九九表(V)を見て、
 C(▼)にB()を掛けて、またはB()にC(▼)を掛けて、〔12〕を見てください。
 〔
(-)×(-の答えはここにあります。


 「この〔12〕プラスである」というところが由の説明ですが、
 これにはまず、
 「九九表とは、数列を〔4、8、12、16〕と縦にも横にも数えてゆけるもの」
という四面九九表を作る基本的な考え方があります。
 したがって、あと3面を継ぎ足した四面九九表も、やはりそのように、
〔-16、-12、-8、-4、0、4、8、12、16〕
と縦にも横にも数えてゆけるものでありさえすればよい。
 九九の数列は、この信条に基づいて、マイナス方面に拡張されます。
 数列が伸びてゆく様子の記録は煩雑なので〔備考1〕に記しておいて、ここでは、実際に(紙の上に)四面九九表を作成する手順を説明します。
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 (九九表V)


(九九表T)
  

〔四つ折紙において四面九九表の作成手順〕
 まっさらな紙を四つ折にした右上面(T)に、九九表が印刷されていて しかもたっぷりのインクで刷られた直後で、インクがまだ乾かずに表面に浮いていたとします。

 紙を左右に分ける折り目にしたがって、左半面(U、V)を閉じ、右半面(T、W)に重ねて、また開く。(このとき、表TのインクがU面に移り、九九表Uが印刷される。)

 紙を上下に分ける折り目にしたがって、下半面(V、W)を閉じ、上半面(U、T)に重ねて、また開く。(このとき、表TのインクがW面に移り、九九表Wが印刷される。また、表UのインクがW面に移り、九九表Wが印刷される。)

〔四面九九表の見方〕
 表Uと表Wの枠の中にある鏡文字はマイナスの数字を意味しています。
 ここはマイナス×プラス=マイナスの掛算をするところなので、これで問題はないのですが、縦横の(互いに掛けられ掛ける)○数字がともに反転したことには微妙な意味があります。

 を掛けた答えがであるように、 を掛けた答えはである。
 そうすると、九九の唱え方は一息に「マイナス五五二十五」という感じでしょうか。

 表Vの枠の中にある転倒した文字はもちろんプラスの数字を意味しています。
 を掛けた答えはだというので、九九の唱え方も「五五二十五」で問題ないと思います。

C掛けるBの回廊

 「C掛けるBの回廊」の様子を階段にして表現しています。

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マイナス×マイナスプラスのわけ。最後は屁理屈に負けます。

 日本では「かける」と言っていますが、中国で「乗」といっているのが元の言葉だと思われます。
 「かける」はなぜ「かけ算・multiply」の意味をもった? - 教えて!goo
 ですが、〔A×B=C〕の2項(A, B)を並立的に見るときには「相乗」といっています。日本でもそんなときには「相い掛ける」と言っていたかどうかわかりませんが、「相乗」とは「相い互に掛け合う」ということですから、〔A×B〕を数え、また〔B×A〕を数えて、1つの答え〔=C〕を得ることになります。
 普通の九九表では、〔掛けられる数(▲)〕と〔掛ける数〕の関係は固定的ですが、逆に〔掛けられる数〕と〔掛ける数(▲)〕の関係をも見ることができます。それで例えば、
C(▲)にB()を掛けて、またはB()にC(▲)を掛けて、1つの答え〔12〕を見ることができる。
 これを見ながら、「四三」と唱え、また「三四」と唱えて、1つの答え〔十二〕を言うことも勧められます。かくして、掛け算とは、当初の意味において、「相乗算」であり、「相い掛け算」であったという私の歴史観を述べましたが、こうした計算にもいくらか用例が必要なので、九章算術にあやかって卑近な例を示しておきます。
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方田以御田疇界域
今有田、広15歩・従16歩。問。為田幾何。答曰「1畝」。
又有田、広12歩・従14歩。問。為田幾何。答曰「168歩」
方田術曰「広従歩数、相乗、得積歩」。
 此積為「田冪」。凡広従相乗謂之「冪」。
.(『九章算術』(第1章)「方田」)
 たとえば「広歩・従歩」の田が有るときその面積はいくらかというと、方田術によれば、「広と従の歩数、とを相い乗せて、積12歩を得る」ことになりますが、このマニュアルでは(どれにどれを乗せるという)順序が指定されていないので、
 を乗せ(四三)、またを乗せて(三四)、「12歩」を得る。 
C(▲)にB()を掛けて、またはB()にC(▲)を掛けて、〔12〕を見てください。
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以上のようなわけで、私は、掛け算というのは、
「前後2つの掛けをおこない、1つの答えを得る」計算の形式だと思うようになりました。
  〔a、b〕 また 〔b、a〕 ⇒ 1つの答え(
前の〔掛けられる数(a)〕が後の〔掛ける数(a)〕になり、後ろの〔掛けられる数(b)〕が前の〔掛ける数(b)〕になる。
この条約はいつまでも健在で、これに違反する者は厳しくとがめられます。

もし、ここに、マイナス×マイナスマイナス〕?が正しいと、固く信じる人がいて、
(-4)×(-3)の結果はどうしても=-12でなくてはいけない」と言って、 

 (-4)を掛け(マイナス四三)、また(-3)を掛け(マイナス三四)、1つの答え-12を得たとします。

これもまた、「前後2つの掛けをおこない、1つの答えを得る」計算の形式と見られます。
  〔a、p〕 また 〔b、q〕  ⇒ 1つの答え(
しかし、後ろの数()をスリカエて()にしているところは見逃しません。すなわち、「相い掛け算」の大切な条約に現に違反したので、この計算は完全な間違いです。完全に間違った計算の順当な結果、-12も完全に間違った答えです。

 ということで、変に誤魔化してはいけません。やはり、マイナス×マイナスプラスが正しい道です。

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あとがき

(−3)掛ける(−4)の結果が=12になっていた。このことについて、誰もが納得する説明は、誰もが信頼を寄せている九九表に拠らずして、どうやっておこなうことが出来るでしょうか。
 そういう私も、既に、〔マイナス×マイナス⇒プラス〕を見てみよう。面積の(不自然な)掛け算 というページを作っています。しかし、まだその域には達していなかったので、長方形の面積が縦×横の掛け算に等しいことに注目して、マイナス×マイナスの面積というものを考え、つぎに、等差数列を(順序を逆にして)数え上げることもしてみましたが、
  (+,+) → -12...-8...-4...0...4...8...12        (-,-) 12...8...4...0...-4...-8...-12  ←
前後の説明が噛み合わず不満を残すことになりました。これに何が足りなかったのかというと、「九九表」が足りなかったようです。
 九九表において、掛け算は(縦と横に走る)2つの等差数列に託され、それらが交差する場所にある数が読まれる。今回はこのことに注目して、
マイナス×マイナスの九九表というものを考えました。

 

〔備考1〕

九九表(T)の
(A_1)
(▲)@〜H行(→)の等差数列は、境界(0)を踏越えて、左向きに(←)伸びてゆき、上向きに(↑)新たな等差数列(:)を形成する。

-81. -72. -63. -54. -45. -36. -27. -18.  -9. H  +9. +18. +27. +36. +45. +54. +63. +72. +81.
U 0: T
-9. -8. -7. -6. -5. -4. -3. -2. -1. @ +1. +2. +3. +4. +5. +6. +7. +8. +9.

 (B_1) また、@〜H行(↑)の等差数列は、境界(0)を踏越えて、下向きに(↓)伸びてゆき、右向きに新たな等差数列(・・)を形成する。

-9. -8. -7. -6. -5. -4. -3. -2. -1. @ +1. +2. +3. +4. +5. +6. +7. +8. +9.
W 0: T
-81. -72. -63. -54. -45. -36. -27. -18.  -9. H  +9. +18. +27. +36. +45. +54. +63. +72. +81.

(注意;ほんとうには表Wを下にして立っています)


(A_2)
U)H〜@行の新たな等差数列(↑)は、境界(0)を踏越えて、下向き(↓)に表Vに伸びてゆく。(A_3)

+81. +72. +63. +54. +45. +36. +27. +18.  +9. -H  -9. -18. -27. -36. -45. -54. -63. -72. -81.
V 0: U
+9. +8. +7. +6. +5. +4. +3. +2. +1. -@ -1. -2. -3. -4. -5. -6. -7. -8. -9.

(注意;ほんとうには表Vを下にして立っています)

 (B_2)  W -@〜-H(▼)行の新たな等差数列(→)は、境界(0)を踏越えて、左向き(←)に表Vに伸びてゆく。(B_3)

+9. +8. +7. +6. +5. +4. +3. +2. +1. -@ -1. -2. -3. -4. -5. -6. -7. -8. -9.
V 0: W
+81. +72. +63. +54. +45. +36. +27. +18.  +9. -H  -9. -18. -27. -36. -45. -54. -63. -72. -81.

 (A_3)=(B_3) 下向き(↓)、左向き(←)、双方の等差数列はぴったり重なる。

 

 

 〔マイナス×マイナス⇒プラス〕を見てみよう。
 
 面積の(不自然な)掛け算       あゆみ(歩)