地方競馬に激震! NAR解散の先にあるものは?
18日、政府の特殊法人等改革推進本部は公営競技に関係する5つの法人に対して、組織の見直しについての方針を固めた。このうち、地方競馬全国協会(NAR)は解散し、地方自治体の共同出資で設立する地方共同法人へと再編されることになった。高コスト体質から地方競馬はほとんどの主催者が赤字に苦しんでおり、農林水産省は地方共同法人をつくることで、各競馬場間の連携とブロック化を進めて経営再建を図る意向だとされる。中央競馬会(JRA)は特殊法人から認可法人へとなるが、大きな変化はない。
農水省は複数の主催者にブロックを形成させて、再編を行うのを基本方針としている。開催日程の調整、従事員・馬資源の共通化、馬券発売施設の共同設置などによって、売り上げ拡大とコスト削減ができると考えているからだ。しかし、現在の地方競馬は各自治体がそれぞれ独立した組織として運営しているため、開催日程が重複するなどしても、主催者間の調整をすることすら難しい。地全協は競走馬の登録、調教師や騎手の免許交付など、開催業務を担ってきたものの、主催者への経営指導などまで踏み込むことはできなかった。そこで直接経営に関与できる地方共同法人を設立しようというのだ。
これまでもブロック化は南関東4場や九州競馬で行われてきたが、これからは全国的な規模、且つ急進的に進められることになる。すぐに手をつけられるのは競走番組の統一化だろうか。各地方ごとの独自の格付けやクラス分けの仕方は廃せられ、共通のルールが定められる。競馬場間の垣根は次第に低くなり、出走したいレースがあれば、馬は柔軟に他場へ遠征することができるようになる。また、開催日程の調整により、同じ日にレースが重なることはなくなり、西日本ブロックでは高知の開催日には佐賀や福山はレースは行わず、場外発売に専念するといったことになろう。馬、人、施設をシェアすれば、コストはグッと低くなる。
ブロック化は馬資源が足りずに魅力的な番組が組めないといった問題は解決してくれるが、一方で地方競馬に大きなリストラを求めることになる。大規模なブロック化は多くの競馬場も人も必要としないからだ。そのため、ある競馬場は場外施設になるかもしれないし、ある競馬場は調教施設として利用されるかもしれない。おそらく、最終的には中央と同じように、馬と人は数カ所のトレセンに集められ、開催される競馬場へ出かけていく形になるのではないか。あるいは完全外厩化の可能性もあるだろう。いずれにせよ、具体的なプランが議論されるのはこれからだが、中央を含めて、競馬界が大改革時代に突入するのだけは間違いない。