馬の話は馬に訊け 【05.11.26記】

GT2着ゲッター 横山典弘のお家芸

「ボクの馬が一番強い」 今から15年前、声高に主張し続けた若手ジョッキーがいた。 デビューしてまだ5年目の横山典弘である。当時は折しも競馬ブームの真っ只中。ノリはメジロライアンという最良のパートナーを得て、GT戦線の主役としてスポットライトを浴びていた。しかし、弥生賞を勝ってクラシックの期待がかけられたメジロライアンは、皐月賞3着、ダービー2着、菊花賞3着、有馬記念2着と悉く惜敗を重ねた。「GTで2着、3着の多い騎手」というイメージはこの頃に源流があるのかもしれない。ちなみに、この年は天皇賞秋でもメジロアルダンに騎乗し、ヤエノムテキにクビ差の2着している。

もちろん、ノリは若い頃から幾つもGTの勲章は手にしていた。「1週遅れの18番!キョウエイタップのエリザベス女王杯(90年)、ツメの甘いライアンを思い切って先行させた伝説の宝塚記念(91年)、電撃のトロットサンダーのマイルCS(95年)…。ノリは武豊に次いでGTを15勝もしている名騎手だ。それでも、シルバーコレクターの印象が強烈なのは、1着の倍以上も2着の数があるからだ。その真骨頂ようなレースだったのが今日のジャパンカップダート。シーキングザダイヤでハナ差は、32回目の中央GT2着だった。

本来なら2着が多いということは、1番人気で足下をすくわれたというケースが並んでも良いものだが、1番人気の馬に乗ったのはわずか4度だけ。つまり、能力以上の実力を引き出して2着に持ってきているということだ。ビコーペガサス、クロックワーク、ローズバド、ツルマルボーイ、ハーツクライと連なる「脚をためて爆発」という十八番だけに留まらない。ホオキパウェーブ、アドマイヤジャパンの菊花賞など、騎手の腕が大きな比重を占めると言われる長距離戦の好騎乗も目立つ。今秋のゼンノロブロイのような敗戦もあるが、基本的にはポジティブな2着が2ゲッターノリのお家芸だ。

かつての「もどかしい2着」は、「よく持ってきてくれた2着」へと成長し、今は「狙ってるとしか思えない2着」と昇華した。ゴール板でカネヒキリに交わされたシーキングザダイヤを見ていると、ノリの2着には神の手が介在しているとしか思えない場面もある。人気でも穴でも、短距離でも長距離でも、芝でもダートでも中央でも地方でも、「馬単ノリの2着付け」は買っておくのが鉄則と肝に銘じておきたい。明日のジャパンカップ、ノリはアドマイヤジャパンに騎乗する。まずは四の五を言わず買ってみようか。



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