初版本(first edition)

マイケル・ハワード&ピーター・パレットの英訳には初版本と再版部分の違いが総て注の形で解るようになっているので簡単に場所を割り出せます。
英訳と岩波版(篠田訳)、中公文庫版(清水訳)の三つを比べてみました。

防御の6篇、1〜3章を比べてみました(この当りの相違が気になったので...)
(まず英訳注より、防御6篇1章〜2章には、第1版と第2版以降の差は無い)

表現が変(弱い)
・・・それは敵の襲撃に抵抗することである。中公(下)P12
防御の概念とは何か。敵の攻撃を「阻止する」ことである。岩波(中)P268
What is the concept of defense? The Parrying of a blow. On War p427

レクラム版と同じ誤植、
×敵がこちらの銃剣に向って突撃してきたり中公(下)P12
○敵がこちらに向って銃剣突撃してきたり、岩波(中)P268
誤植とセットなんだろうか??
×突撃してくる敵に突撃をもって応えるなければならない中公(下)P12
○敵の攻撃に応酬せざる得ない。岩波(中)P268

非常に重要な部分が欠けている...
×後者(攻撃)には現状維持者には無い独自の戦争手段を多様に駆逐する道がある。(消費するという部分無し)中公(下)P13
○攻撃は進んでさまざまな戦争手段を使用せねばならないから、従ってまた防御より遥かに大なる戦力を消費するわけである。岩波(中)P268
The latter increases one's own capacity to wage war;the former does not. On War p427
latter increases 後者は増す former does not.前者は増さない
wage war戦い 賃金? 、戦争する。うむむ...
良く見ると岩波訳じゃないと意味が通らない...こちらの意訳でOKですね。

第3章には、
6.すぐれた精神的諸力の利用。岩波(中)P279、13行
英文注より、この当りの1〜6の主要原理の項目は原版では無く類推された...

岩波(中)P279、15行(中公(清水訳)も「奇襲」のまま)
×防御者が土地および地形の有利を享受し、攻撃者が奇襲の有利を享受することは・・・
○防御者が土地および地形の有利を享受し、攻撃者が先手(主導権)の有利を享受することは・・・
クラウゼヴィッツは一版もそれ以降も同じく、奇襲(Uberfall)という単語を使ったが...
「マイケル・ハワード&ピーター・パレットの英訳版」では主導権(initiative)に変わっている。
つまり新しい解釈...
以下P280、3行目まで奇襲(Uberfall)を主導権(initiative)に入れ替えている。

ちょっと訳して比べてみましたが、中公文庫版(清水訳)のほうが悪そうです...
というよりこいつは使えない。

どうやら、初版本と再版本の違い以外にも変更点が有るようです。
英訳の注を全訳して岩波版を使うしかなさそう...
面倒な作業がまた増えた(V_V)...
2002.6.19...


どうやら、レクラム版も中公文庫(清水訳)も信頼できないので
一番使えそうな岩波版を初版版で読むために翻訳しています。


「戦争論」マイケル・ハワード&ピーター・パレットの英訳

総ての注、翻訳、相違点調査、その1

「序文(著者)」1816〜1818年の間に書かれた戦争理論についての発表されなかった原稿
(日本の訳書(最後の序論)と違い序論の最初に並んでいる。)

注1、On War _P69 クラウゼヴィッツの注、「軍事評論家への批判(理論と観察双方が必要)・・・」
岩波(篠田訳)P20、中公(清水訳)P30とも同じもの


「序文(著者)」起源について書かれた戦争理論の初期原稿(1818ごろ)
(日本の訳書ではマリー婦人の序文の中にあるクラウゼヴィッツの原稿。)

注1、On War _P71 原稿の年代決定についてはP74 のマリー婦人の序文(P74)を見よ。


「序文(刊行者)」マリー・フォン・クラウゼヴィッツの序文

注1、On War _P76 マリー・フォン・クラウゼヴィッツはフリードリヒ・ウィルヘルム王子(後のフリードリッヒ3世)の家庭教師に任命されていた。


第1篇 戦争の本質について(On the Nature of War)

(注)なし...

第2篇 戦争の理論について(On the Theory of War)

第2篇第1章 戦争術の区分(Cassifications of the Art of War)

注1、On War _P146 クラウゼヴィッツは二章も指している。
岩波(上)P142、12行、中公(上)P146、12行、どちらも「第1篇第1章」のみ。

注2、On War _P148 ドイツの注、展開(deployment)の説明
岩波(上)P146、3行目篠田訳のみ注あり、中公(上)P149、16行目、注なし...

第2篇第2章 戦争理論について (On the Theory of War)

注1、On War _P154 instrument(器具、道具、器械)は、軍隊(armed forces)のこと
岩波(上)P156、2行目(戦闘力)、中公(上)P158、18行目、(軍隊)

注2、On War _P156 策源についての解説はP11の「戦争論の起源」ピーター・パレットを見よ
岩波(上)P159、独自の解説(9行分)有り、中公(上)P162、解説なし

注3、On War _P156 内線についての解説はP10~11の「戦争論の起源」ピーター・パレットを見よ
岩波(上)P160、独自の解説(6行分)有り、中公(上)P163、「内線(策源地と本国を結ぶ諸交通路)」は誤り

「戦争論の起源」ピーター・パレットP11 P10とは...
「戦争論」マイケル・ハワード&ピーター・パレットの英訳には、179(解説)+63(論文)ページの詳細な解説が付属している。


第3篇 戦略一般について(On Strategy in General)

第3篇第1章 戦略 (Strategy)

注1、On War _P207 明確には最初に定義された部分は第2篇1章P146
「戦略の概念は第2篇第2章ですでに確立されている」
岩波(上)P252、「第2篇第2章」のまま、注なし、中公(上)P246、「第2篇1章」と書き換え

第3篇第3章 精神的量 (Moral Factors)

注1、On War _P216 「第2篇第3章で・・・」は第1篇を意味する。
岩波(上)P268、中公(上)P259、どちらも「第2篇2章」としている。


第3篇第6章 勇敢 (Boldness)
注、勇気(courage) 勇敢な(brave)でBoldnessの直訳は、大胆な、恐れを知らない、ずうずうしい。
でも使い難いし、日本語では高貴な部類には入らないので勇敢になってるようです。

注1、On War _P224 格言をフランス語で書いて注で英語訳している
「第二位の権力者は最高位では衰退する?」(フランス語辞書で引きなおす評価保留)
岩波(上)P282、中公(上)P272


第3篇第8章 兵数の優勢 (Superiority of Numbers)

注1、On War _P230 クラウゼイッツの注、モンタランベール、テンペルホフについての若干の説明
岩波(上)P294、中公(上)P281、どちらも同じ

第3篇第9章 奇襲 (Surprise)
注1、On War _P234 クラウゼイッツの注、テンペルホフ著「老練なフリードリヒ大王」参照
もう一つは、(ヤコブ)Jacob de Cogniazo の Gestandnisse eimes ostereichschen Veteranen Breslau 1781-91
Gestandnisse 告白・回顧録
Veteranen 老兵・ベテラン
Breslau ブレスラウ(シュレージエンの都市)
岩波(上)P301、中公(上)P287、どちらも同くテンペルホフ著作の参照のみ

第3篇第16章 軍事行動の停止について (The Suspension Action in War)

注1、On War _P253 第2篇第5章、ここには無く第1篇第1章P91~96を参照せよ
岩波(上)P331、12行目、中公(上)P312、16行目、どちらも第2篇第5章のまま

注2、On War _P255 第2篇第5章、ここには無く第1篇第1章P91~96を参照せよ
岩波(上)P334、17行目、中公(上)P315、12行目、どちらも第2篇第5章のまま

(注、On War _P91~96は、第1篇第1章12〜19のこと、岩波(上)P44〜53、中公(上)P50〜58)

第3篇第17章 近代戦の性格について

注1、On War _P258 訳者注、クラウゼヴィッツは彼自身が1804年にナポレオンはロシアを打ち負かすことはできないと予言している(ピーター・パレットClausewitz and the State P224 (New York 1976)を参照)
岩波(上)P339、7〜9行目、中公(上)P319、2〜3行目、どちらも注なし

第4篇 戦闘 (The Engagement)
Engagement 交戦、戦い、約束、契約

第4篇第4章 戦闘一般について(続き)(The Engagement in General-Continued)

注1、On War _P278 「ベル・アリアンス(Belle-Alliance)」はワーテルローのこと
岩波(中)P91、中公(上)P344、どちらも同じ注

第4篇第6章 戦闘の持続時間

注1、On War _P282 相対的防御はここでは明らかに遅滞アクション(遅滞戦術)文字通りの意味になる。?
(単語が一個訳せない??Vertheidigung??)
岩波(中)P34、中公(上)P349、どちらも注なし、岩波は多少意訳が入っていて解り易い。


前半終了、日本語訳は翻訳年代が古いせいで初版も再版もどちらもけっこう違っているようです。
いまのところ岩波の方が良さそうです。
(岩波は攻撃関係の訳に不満が多少でるようです。)
(中公(清水訳)は防御関係の訳が意味が解らなくなるほど違訳があるので辞めたほうが...)
(改定されていない古いクラウゼヴィッツの2篇〜7篇部分を解析しながら読まなければならない)
(つまり、攻撃表現、絶対戦争賛礼、流血を神聖なものと考える考え方などを削除して読む 必要があることを考えると、岩波の攻撃表現の抑制的な書き方はかえって合っているとも考えられる)
(攻撃部分だけ中公(清水訳)を使おうかと考えましたが、翻訳単語の使い方がそろっていない(文章中であちこちで違う単語を使う傾向がある?)のでやめました...)

「戦争論」マイケル・ハワード&ピーター・パレットの英訳

総ての注、翻訳、相違点調査、その2

第5篇 戦闘力 (Military Forces)

第5篇第6章 軍の一般的配備(Gneral Disposition of the Army)

注1、On War _P353 フランドル戦史の説明 de Beaurain,Histoire militaire de Flandre(Paris,1755)
岩波(中)P148、同じ注有り(訳者の説明追加あり)、中公(上)P446、注なし
(中公(清水訳)は初版本には注が無かったため消してあるが、こういう説明を削るのはかえって後退しているように感じる)

第5篇第7章 前衛と前哨 (Advance Guard and Outposts)
注1、On War _P364 著者の誤り第3篇5章=>第5篇5章
岩波(中)P168、中公(上)P464、どちらも同じ訂正。

第5篇第9章 野営 (Camps)
注1、On War _P373 「第9篇で詳論する・・・」第9篇は存在しない。
岩波(中)P182、第9篇は存在しないと注有り、中公(上)P464、「第9部(篇)」のまま、訂正なし

第5篇第10章 行軍 (Marches)
注1、On War _P380 著者の誤り第3篇=>第5篇
岩波(中)P168、中公(上)P490、どちらも同じ訂正。

第5篇第12章 行軍 (続き・2)(Marches-Concluded)
注1、On War _P386 これらの数字はシャンブレの著作から引用した、クラウゼヴィッツの注
岩波(中)P203、中公(上)P499、どちらも同じ注。

第5篇第13章 舎営 (Billets)
注1、On War _P391 著者の誤り第3篇=>第8篇
岩波(中)P212、中公(上)P507、どちらも同じ訂正。

第5篇第15章 策源 (Base of Operations)
注1、On War _P409 (which was assumed to a point)これは点と考えられている。
詳しい解説はP10の「戦争論の起源」ピーター・パレットを見よ。
()内は、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ブリュール伯爵の追加
岩波(中)P243〜244、中公(上)P539〜540説明なし
岩波版は、伯爵の追加に加えて訳者の作戦角の説明も有り親切
策源についての前提知識無しにこの部分を理解するのは難しいため岩波の方が良い。
(中公(清水訳)は初版本には注が無かったため消してあるが、こういう説明を削るのはかえって後退しているように感じる)

第6篇 防御 (Defense)

第6篇第3章 攻撃と防御は戦略においてどのように関係するか
(The Relation between Attack and Defense in Strategy)
P434..1 6.すぐれた精神的諸力の利用。岩波(中)P279、13行
英文注より、この当りの1〜6の主要原理の項目は原版では無く類推された...

P435..2 suprise attack=>initiative 1~9 岩波(中)P279、15行〜P280、3行目まで(中公(清水訳)も「奇襲」のまま(中公(下)P25、11行〜P26、1行))
×防御者が土地および地形の有利を享受し、攻撃者が奇襲の有利を享受することは・・・
○防御者が土地および地形の有利を享受し、攻撃者が先手(主導権)の有利を享受することは・・・
クラウゼヴィッツは1版も2版以降も同じく、奇襲(Uberfall)という単語を使ったが...
「マイケル・ハワード&ピーター・パレットの英訳版」では主導権(initiative)に変わっている。
つまり新しい解釈...
以下P280、3行目まで奇襲(Uberfall)を主導権(initiative)に入れ替えている。
戦略は「主導権」、戦術は「奇襲」


第6篇第8章 諸種の抵抗方式(Types of Resistance)
(as at Bunzelwitz, to take another example from the campaigns of the commander we have been referring to)
注1、On War _P455 Frederick the Great. Eds.フリードリヒ大王
岩波(中)P312、(第二の場合と同じくフリードリヒ大王の戦例を挙げればブルンツェルヴィッツ。)
中公(下)P61、(第二の方法と同一の司令官が・・・)
岩波は注がいらないように「フリードリヒ大王」にしてある。
中公は注なし


第6篇第11章 要塞(続き) (Fortresses-Concluded)
注1、On War _P483 クラウゼヴィツの注、フィリップスブルグの要塞について
岩波(中)P363、中公(下)P114、どちらも同じ注。

第6篇第18章 河川防御 (Defense Rivers and Streams)

注1、On War _P528
In 1759 Frederick replaced the commander of the Prussian corps operating against the Russians with Karl Heinrich v Wedle.Since Wedel was junior to other generals in the corps, Frederick wrote a letter that confirmed his supreme suthority;'He, Lieutenant-General V. Wedel, represents in the army what a Dictator represented in Roman times.' Wedel's position at Zullichau prevented the Russians from crosing the Oder there,but they threatened a crossing further north, and when wedel,though outnumbered two to one, attacked tem at Kay on 23 july,he was badly defeated.Eds.

1759年には、フレデリックが、カール・ヘンリックv Wedle.Since Wedelにロシア人に対して作動するプロシアの団体の指揮者を取り替えました、団体の中の他の将軍に年少だった、フレデリックは、彼の最高のsuthorityを確認した手紙を書きました;「彼、代理一般V.Wedel(Lieutenant-General V. Wedel)は軍隊を中へ表わします、指揮者が古代ローマ時代で表わしたもの。」 ZullichauのWedelの位置は、ロシア人がオーデルをそこにcrosingするのを妨げました、しかし、それらは交差する一層の北を脅かしました、そしていつ、wedel、が、2〜1に数で圧倒した、23の上のケイのtemをjulyに攻撃する、彼はひどく破られました。

ううう・・
つながりが、意味もぐちゃぐちゃだ、機械翻訳はやっぱ駄目...

チュリッヒアウ会戦でロシアに敗北したヴェーデル将軍をフリードリヒ大王は、「まるでローマ時代の独裁者のようだ」と手紙に書き罷免した・・・
という内容です。

岩波(中)P439、チュリッヒアウ会戦とヴェーデルの説明あり
中公(下)P192、ヴェーデルの注のみ

(we need only cite the once famous 'dictator' Wedel at Zullichau in 1759)
私たちは必要とします、単に引用する、その、一度1759年のZullichauの有名な「指揮者」Wedel

岩波(中)P439
(ここでは、1759年にチュリッヒアウの会戦を指揮したかつての有名な全権指揮官ヴェーデルを指摘するにとどめたい。)
中公(下)P192、括弧が外れている?
その例として1759年ツェリッヒアウにおけるかの有名な独裁者、故ヴェーデルのことを思い出してみればおのずとわかることであろう。


第6篇第24章 戦略的側面に対する行動(operations on a Flank)

注1、On War _P565
No such chapter appears in the book.Eds.そのような章は本に在りません。
岩波(下)P43「陽動」に関する章で論じる。岩波注、7篇20章「牽制」のことと思われる
岩波、訳者の牽制に関する説明岩波(下)P231
(Diversion はラテン語のdi+vertereに由来し、引き離して・別の方向へ向ける、従って広義には陽動も含まれる)(注、Diversion英語)
中公(下)P257「威嚇行動の章をもって」 注なし、中公の7篇20章は「遊撃」

英語は、actual attack と demonstrationだが、
岩波、陽動
中公、威嚇行動
軍事用語的には陽動の方が上?...つまり、中公(清水訳)は(他の部分と)単語が統一されていないように感じる、解り難い

On War _P598 Kay see the note on P528above カイの会戦については、P528を見よ
チュリッヒアウ会戦=カイの会戦 P528にチュリッヒアウ会戦の解説あり
l.e.
岩波(下)P99ドーナ将軍とチュリッヒアウ会戦両方の注在り
中公(下)P315ドーナ将軍の注のみ、


第6篇「防御」戦争論中一番長い章
防御は、202ページ、攻撃は60ページ
攻撃と防御は表裏一体で片方に書けばもう片方は省略できる
防御のほうに攻撃と防御両方に作用する要素を数えて両者を対比している部分があり、省略できない重要部分になっている。


第7篇「攻撃」(The Attack)
On War _P639 第7篇5章(The Culminating Point of the Atack)
勝利の限界点についてのマリー婦人の注
岩波(下)P171、中公(下)P387、どちらも同じ

第7篇9章「防御陣地の攻撃」(Attack on Defensive Positions)
On War _P646
The first edition has Gefahr, which makes no sense.
The second edition tries to make sense by inappropriate insertion.
For Gefahr we read Zahl.Eds.
On War _P646 第1の版は意味の通らない部分があったので挿入によって修正された。
岩波(下)P181〜182、中公(下)P398、両方とも第二版の挿入部あり


第7篇11章 「山地攻撃」(Attack on Mountainous Area)
On War _P649 (正解は岩波のみ)
英文の方が誤植のまま、第6篇5章およびこれに続く・・・=>第6篇15章の間違い
岩波(下)P184、注で第6篇15章と訂正してある。
中公(下)P401、第6篇16章に書き換え、しかし間違い。

On War _P651
Although all texts consulted give weniger gesammelten, this paragraph makes sense only on the assumpotion that weniger should read mehr, and we translate accordingly.Eds.

すべてのテキストを調べたweniger gesammeltenはのべた、このパラグラフ(節、段落)を作っている感覚は、assumpotionの上ののみ意味をなします、mehr、また、私たちは従って(それゆえに)翻訳します。

辞書に無い単語が多い??
ここで節・段落に打たれている番号は調子をととのえるためのものであまり意味は無い。
という意味だと思います。

岩波(下)P188、番号無し、「しかし・・・」から始まってる。
中公(下)P405、しかしを抜いて「3」番号を付けてある...
英文は、3. but,however,the enemy...


第7篇12章 「哨兵線式防御線の攻撃」(Attack on Cordons)
On War _P652
See above book Five,Chapter Seven,Eds.
前哨線その他の特性・・・については第5篇7章を参照せよ。
岩波(下)P190、中公(下)P406、どちらも注なし


第7篇13章 「機動」(maneuver)
岩波(下)P191、すでに第6篇30章で機動について・・・
中公(下)P407、間違ってる(第6篇13章)


第6篇13章「硬陣地と設ほ陣地」(要塞についてなので機動とは明らかに違う)
第6篇30章「彼我が決戦を求めない場合の戦場防御」を見ると
機動戦について書かれていますが...
積極的意欲を持たない戦争が有り得るか?
目標達成の気迫を欠き...
必要な決戦を強要しなかった...
冷厳な論理的必然性を失脚して値段の安い果実を左右にあさるために・・・戦場を歩き回るような攻撃は、
などなど...文の前半は、機動戦を絶対的形態の変質と表現する(理論解析のまだ不完全な時代の)古いクラウゼヴィッツの文章です。


第7篇16章 「彼我が決戦を求めない場合の戦場攻撃」
(Attack on a Theater of War; Not seeking a Decision)
On War _P664
The first edition is so obscure that we here follow the text of the secomd.Eds.
第1の版が非常に不明瞭なので、私たちは、ここで第2の版のテキストに従います。

On War _P664
of the occupation of strong potitions uncomfortably located for the defender.
(堅固な要塞を占領し、防御者にとって不愉快な地点となすこと。)

岩波(下)P207
第二は、堅固な要塞、即ち攻撃者にとってはとりわけ厄介であり、これに反して防御者には甚だ守り易い要塞の攻略である。(珍しく誤訳??それともこれが不明解な初版?)

中公(下)P423
強力な敵の陣地を占領し、敵の再奪回を不可能にし、敵にとって厄介な地点と化すこと
(同じだか、そうするとこの部分は第2版以降と言うことになる?)


印象が変わるといけないので(この文の頭の部分を比べると)...
岩波(下)P207
攻撃者が決定的戦闘を求めない場合に使用し得る手段は、防御者側の選んだ戦場において防御されねばならなぬ対象に関連している。
中公(下)P423
攻撃者が決戦を敢行することなく用いる手段は、戦場で防御者が擁護すべき利害のうちに潜んでいる。
中公(清水訳)は、どう考えても(判り易い)日本語じゃない...


第7篇19章 「舎営にある敵軍の攻撃」
(Attack on an Enemy Army in Billets)

On War _P677
This translates the word erste,as given in the first editon, Subsequent editions, however give ernste.
'the determined plan of an attacker, etc.' Edc.
第1版と同じくここでは、単語(独)erste(初め、第一)を翻訳します、しかしながら、第二版以降は、単語(独)ernste(重大、断固)になっています。
「攻撃者などの断固とした計画」

独単語 (形容詞+e,esは名詞)
ernst (形容詞)1.まじめな、真剣な、本気の、2.重大な、深刻な、厳しい、厳格な、
erst (形容詞)1.最初の、第一の、初めての、

this was not the kind of campaign that drags feebly on to its conclusion,but the first plan ever made by an attacker bent on the complete destruction of his adversary.
これはその結論上へ微弱に引きずるキャンペーンの種類ではなく、彼の敵の完全な破壊を心に決めていた攻撃者によってかつて作られた(第1の)計画でした。

岩波(下)P228、こちらは第2版以降
この1812年の戦争は、だらだらと長びいていつのまにか終局に達するような戦役ではなくて、敵を飽くまで征服せねばやまない強固な決意を有する攻撃者の(のっぴきならぬ)計画に基づいているのである。

中公(下)P442、こちらは第1版
そしてまた、そもそもこの戦役は単調にずるずると進んで終わるような戦役ではなく、攻撃者の(最初の)計画は全滅にあったはずである。


第7篇第22章 「勝利の限界点について」(The Culmination Point of Victory)
On War _P684
1.Cmpare Chapters Four and Fove above, and note on P639. Eds.
1.4章および5章を参照せよP639に注釈が有ります(P639に注釈、マリー婦人の説明)
岩波(下)P238、中公(下)P451、どちらも同じ

岩波、中公、両方とも...
「戦争論の材料として認めた若干の論文」という包みの中から発見された 部分なので、章は付けずに7篇「攻撃」の最後に追加されている。

英訳では、第7篇は21章までだったが、この発見された論文を第22章としている。


第8篇 戦争計画(War Plans)

第8篇第2章「絶対戦争と現実の戦争」(Absolute War and Real War)

On War _P700 Book Three, Chapter Sixteen.Eds.第3篇16章を指す
岩波(下)P261、中公(下)P474、どちらも同じ注

On War _P702 The German has 1798, which obviously is a misprint. Eds.
ドイツのものは1798を持っています。それは明白にミスプリントです。
岩波(下)P265、1792年に修正済み
中公(下)P478、初版のミスプリントのまま
(なにを考えているのか??こんなものを初版にする必要は無い)
(岩波版は、訳者の付けた1792年度の歴史説明あり)
(訳者は13版と東ドイツの版(初版)を比べて作っているため間違いに気づいたが)
(直すだけでなく説明用にかなり長い1792年度の歴史説明を付けてある。)


第8篇第3章 「戦争の内的関連」(A.Interdependence of Elements of War)
On War _P704_1.See Chapter 1,Book 1,Cl 第1篇第1章を見よ
On War _P704_2.See Chapter 2,Book 1,Cl 第1篇第2章を見よ
On War _P704_3.See Chapter 4,5,Book 7,Cl 第7篇第4、5章を見よ
(いずれもクラウゼヴィッツの注)
岩波(下)P261、中公(下)P474、どちらも同じ注
(中公(清水訳)ミスプリントあり、第7篇第4、5章が第5、6章になってる)

On War _P705 フリードリヒ大王の攻勢についてのクラウゼヴィッツの注
岩波(下)P269、中公(下)P482、いずれも同じ


第8篇第6章B「戦争は政治の道具である。」(B. War is an instrument of Policy)

On War _P735
The first edition has:
'so bleibr...nur ein gutes Mittel ubring, namlich den obersten Feldherm zum Mitglied des Kabinets zu machen,damit dasselbe Theil an den Hauptmomenten seines Handelns nehme.'

In the second edition,which appeared in 1853, the last part of the sentence was changed to;
'damit er in den wichtigsten Momenten an dessen Beratugen und Beschlussen teilnehme.'

In his 1943 translation,based on the secod or on a still later edition, O.J.M.jolles rendered this alteration correctly as;
'that he may take part in its councils and decisions on important occasions.'
That , of course, is a reversal of Clausewitz's original sense. By writing that the com-mander-in-chief must become a member of the cabinet so that the cabinet can share in muilitary decisions, not the soldier's particpation in political decisios. Of the several hundred alterations of the text that were introduced in the second edition of On War, and became generally accepted, this probabiy the most significant change. Eds.

最初の版では、
'so bleibr...nur ein gutes Mittel ubring, namlich den obersten Feldherm zum Mitglied des Kabinets zu machen,damit dasselbe Theil an den Hauptmomenten seines Handelns nehme.'<=ドイツ語。と書かれていて

第2の版(それは1853年に現われた)では、文の最後の部分が変えられました。;
'damit er in den wichtigsten Momenten an dessen Beratugen und Beschlussen teilnehme.'<=ドイツ語。
第2の版あるいはさらに後の版に基づいた彼の1943年の翻訳では、O.J.M.jollesがこの変更を正確に与えました、として;
「彼は、その会議での役割および重要な場合に関する決定をとるかもしれません。」
それはもちろん、クラウゼウイッツのオリジナルの感覚の逆転です。
それを書くことによって、内閣が、政治的なdecisiosの中の兵士のparticpationではなくmuilitary決定を共有することができるように、将師は内閣のメンバーにならなければなりません。 第2の版に導入されたテキストの数百の変更の、戦争上で、また一般に受理されるようになった、このprobabiy、最も重要な変更。

有名な部分...

so that the cabinet can share in the major aspects of his activities.
その結果、内閣は彼(最高の将師)の活動の主な様相を「共有する」ことができます。

岩波(下)P324
最高の将師を内閣の一員に加え、最も重大な時期には内閣の審議および決議に「与らしめる」という制度だけである。

中公(下)P529
最高司令官を内閣の一員として、主要な決議に「参加させる」ことである。

レクラム版P344
内閣は、彼のもっとも重要な決定に「関与する」ことができる。


改変により、軍の影響力を高めようとしたと言われている。
(ケッセルはあまり重要な改変だとは思っていない。)

実際にはこれだけの改変では、クラウゼヴィッツの論旨を替えることはできない。

「良く知られてはいるが僅かしか読まれていない」という戦争論の状況を利用して、 改竄部分を引用使用(部分使用)した場合にのみ有効になる。

数ページにわたる軍事と政治の関係を解説している文章が前にあるため...
P323
・・・戦争の要領は必ず内閣によって、換言すれば軍事当局ではなくて政治当局によってのみ決定されねばならぬことは、あまねく経験の示すところである。

P322
・・・戦争における重大は事件やかかる事件計画は、純軍事的な裁定にまかせるがよいという主張は、政治と戦争とを 然と区別しようとする許し難い考え方であり、それどころか有害な考え方でもある。

P321
・・・政治的観点を軍事的観点に従属させることは、不合理と言わねばならない・・・
政治は知性であり、戦争はその道具にすぎない、決してその逆ではない・・・
・・・両者の関係としては、けっきょく軍事的観点を政治的観点に従属させるよりほかない。


第8篇第7章 「限定された戦争目標 攻撃的戦争」(The Limited Aim; Offensive War)

On War _P738_1.See Chapter 5,Book 7,Cl 第7篇第5章を見よ
岩波(下)P329、16行「勝利の限界点を論じた章」
中公(下)P533、6行、「勝利の頂点に関する章」
いずれも注なし...
(しかし、「勝利の頂点」じゃなんか気が抜けた表現(何かが足りない)になってしまう)

第8篇第8章 限定された戦争目標 防御(The Limited Aim; Dffensive War)

On War _P743
1.The first edition omits the phrase die Franzosen,dann gegen which appears in later edition and seems necessary to give point to Clausewitz's comment. Eds.

第1の版は句さいFranzosen(後の版に現われて、クラウゼウイッツのコメントにポイントを与えるのに必要に見えるdann gegen)を省略します。

第1版は、「最初にフランスに立ち向かい」が外されている。
この部分とここにかかる注(戦争の説明)はオーストリアへの配慮から書き加えられた。 英文は第二版以降のオーストリアと戦う前にフランスと戦ったことを挿入した文の方を採用している。
岩波(下)P338、第二版のフランスと戦ったことを付け加え、戦争説明の注も有り...
中公(下)P540、フランスを削って注も総て無し...
初版の再現は逆になにか損したような気分になる。英訳版も第2版の表現を採用してるので、 なにが付け加えられたのか解っていれば、岩波の方がお得(英訳には無い戦争説明注が付いてるので)...


On War _P743
2.French author, and confident of Frederich, who resided in Prussia during the Seven Years War. Eds.
フランスの文筆家、フリードリヒ大王の庇護を受け七年戦争の間中プロセインに住んでいた。
岩波(下)P340、中公(下)P541、両者ともアルジャンス候の注あり


第8篇第9章 敵の完全な打倒と目標とする場合の戦争計画
(The Plan of War designed to Lead to the Total Defeat of the Enemy)

On War _P752
1.St. Petersburg. Eds.
第二の首都(second capital)、セント・ペテルスブルグのこと。 岩波(下)P340、17行目「モスクワ」、中公(下)P541、16行目「第二の首都モスクワ」
両者とも間違ってる。
On War _P755
戦略的攻撃の対象を論じた章(in the chapter on the aim of strategic attack)
2.Book 7 Capter 3. Eds. 第7篇3章のこと
岩波(下)P362、同様の注有り、中公(下)P559、注なし

On War _P756
3.The chapter was never written. Eds.これに相当する章は書かれていない。
岩波(下)P364、同様の注有り、中公(下)P561、注なし

On War _P758
4.Here we follow the text of the second edition since that first appears hopelessly corrupt. Eds.
ここに、その第一版が絶望的に汚れているように見えるので、私たちは、第2版のテキストに従います。
In the light of this we cannot believe that concern for a secure and soundly administered theater of operations should go hand in hand with the offensive thrust and in a sense balance it. On the contrary,we regard the disadvantages that attach to the offensive as unavoidable evil that should not merit our attention until the advance promises no further hope.

このような見解から、私たちは、前進攻撃の懸念から軍事行動の安全を十分に確保し協力して行くべきであり ある意味では、それ(軍事行動の安全と前進攻撃)の平衡を保つべきである、と信じることができません。
これに反して、私たちは、進歩が希望をそれ以上約束しないまで私たちの注意に値してはならない避けられない弊害として攻撃に付いている損失を見ます。

岩波(下)P367〜P368、
以上がわれわれの見解である、それだからひたむきな前進を唯一の根本方針としないで、そのほかに「設備のすぐれた戦場」(戦場の安全確保)などというものまで考慮に入れ、いわば徹底的前進と安楽な戦場の兼ね合いを図ろうとする意見には同じ難いのである。攻撃者にとっては、攻撃的前進から生じる不利はとうてい避けることのできない害悪である。そしてこの害悪は、もはや将来に一つの望みをも託し得ないような場合に、初めて考慮されればよいのである。

第二版のようですが駄目訳有り、「設備のすぐれた戦場」=>(戦場の安全確保)

中公(下)P564、
こうした見解からして、われわれは、戦場の適当な「配備編制」(安全確保)に対する用心を常に前進運動に伴わせ、ある時はこれの為に前進運動を幾分か抑制しなければならないこともあるといった意見に絶対同意することはできない。むしろわれわれは、ひたすらなる前進から生ずる不利益は、これを不可避の悪と見なし、「配備編制」(安全確保)の問題などは前途に何ら希望も無くなったときに初めて考慮されるべきものなのであると考える。

こちらも同様、「配備編制」=>(安全確保)

駄目な第1版がこうなっているのかと思ったのですが、双方とも同じ部分の訳が変になってます。



On War _P766
5. The capter was never written. Eds.この章は書かれませんでした。
岩波(下)P384、本編の最後に司令権の設定に関する論述のために、特に一章設ける・・・
岩波(下)P384、この章は存在しない。注あり
中公(下)P564、注なし

一応...ひととおり翻訳...
初版本と二版以降の相違点はこれでカバーできます。
全部見るとあまり大した違いは無かったように感じます。
それよりも、翻訳の悪い面のほうが気になって来るようです。

マイケル・ハワード&ピーター・パレットの英訳は、原文総てと百数十ページの解説、論文などが付いて初めて戦争論を理解できるとしているので、日本のように穴だらけの省略型や原文だけの説明の貧弱な状態で販売するのは、戦争論を正しく理解することができないと言えます。
2002.6.30...
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注、戦争論の読み方

絶対戦争概念を放棄する。

第2〜7篇は未修正原稿
筆者の改定方針にあるように、制限戦争と絶対戦争二つの戦争から類推して読む。というより、絶対戦争を(過激な戦闘追求部分を)消去して読むのが正解。


(未修正原稿部分には)リデル・ハートのいう「大軍と相互殺戮の救世主」、との言葉を例証するような言説が随所に出てくる。 レイモン・アロン「戦争を考える」
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追加…(翻訳の悪さの説明。ここに置かないと埋もれてしまうので移動。)


クラウゼヴィッツが1827年以降に行なった改定部分を検討していたのですが...
とんでもないものを発見...

消極的要素重要

岩波(上)P71
(・・・目標とするところは、即ち敵の完全な打倒にほかならない。)次ぎに我が方の戦闘力の維持は消極的目的を有し、その旨とするところは敵の意図の挫折にあり、従って我が方の純粋な抵抗にある。そしてこの種の抵抗の究極目標は、軍事的行動をできるだけ長引かせて敵を次第に疲弊させることにほかならない。

中公(上)P89
(・・・敵の打倒を究極目標とする積極的帰結に至る。)それに反して、味方の戦闘力を維持せんと図ることは、消極的目的にすぎず、したがって単に敵の撃滅意図の壊滅、すなわち純粋な抵抗に終わらざるを得ない。そしてその究極的目的は、行動の持続時間を長引かせ、敵の戦意を失わせるにある。

On war P112
Preserving our own forces has a negative purpose; it frustrates the enemy's intentions - that is ,it amounts to pure resistance, whose ultimate aim can only be to prolong the war unti the enemy is exhausted.
簡易翻訳器
自分の力の保存は否定の目的を持っています; それは敵の意図を妨げます―すなわち、それは純粋な抵抗(その最終の目標は単に戦争untiを延長することでありうる)になります、敵は疲れ果てます。


中公「清水訳」は、(積極的目標)敵戦闘力の壊滅が良いことで(消極的目標)戦闘力の維持、敵の疲弊を目指すが劣っていて良くないことのように語尾を書き換えてある。

それに反して、
(消極的目的)にすぎず
(抵抗)に終わらざるを得ない。

戦争論中のこういった「敵戦闘力の壊滅」が重要で他はだめなものだというような表現こそ(クラウゼヴィッツが改定作業を行ったとすれば)消さなくてはならない表現。

清水訳は調子を改定されていない部分に合わせていてまるで逆の改悪をやっている。
(好戦的な調子にしたかったようです?しかし、これでは正確な翻訳と言えない?)
こんなことをされると1827年以降にクラウゼヴィッツの行った改定部分「第1篇1章、2章、3章」を改定という学説に合わなくなってしまう。
(他にも改悪部分を発見、どうやら多数ありそう。清水訳を使って正確なクラウゼヴィッツに近づくのは不可能なようです。というより、翻訳時の改悪を全部調べ直すような面倒な作業をやりたくない...)
2002.07.07...

カルル・フォン・クラウゼヴィッツ
経歴... クラウゼヴィッツの誤用... フランスの将軍の悪例
二種類の戦争(Die deppelte Art des Krieges)
初版本(first edition)
第1篇 戦争の本質について
「戦争とは政治の継続」
用語=>「絶対戦争」
文章集積

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