第6篇 防御「防御は攻撃より強力な戦闘方式」
資料
19世紀における戦略の学問的発展(防御の優位について)
飛び道具(火器、鉄砲)の火力増大と防御の関係
銃の命中率
「最近の新刊についての愚痴」(この文章を書いた原因)
資料書籍
政治と軍事−ドイツのミリタリズムの問題− 第一巻 古プロセインの伝統 抜粋
ゲルハルト・リッター著 新庄宗雅訳
の中の付録
ルドルフ・フォン・ケメラー (中将)「19世紀における戦略の学問的発展」(P213)
(その抜粋第四章)クラウゼヴィッツ
Die Entwicklung der strategischen Wissenschaft in 19 jahrhundert
ヒュンツェ、リッター、ロートフェルス、ケッセル、パレットなど多くの歴史家が高く評価し参考文献に挙げているもの。出版が1900年で現在ではなかなか見ることのできない文献。
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ドイツの軍人の一般的意見がクラウゼヴィッツの防御についての意見を否定し攻撃を重視していた時代に防御の優位は正しいと書いた。
一般的意見を抜くと...P230
メッケル将軍=「防御への決定は絶望的状態への第一段階である」
フォン・ブルーメ将軍=「戦略的攻勢は、戦争の政治的目的が積極的であろうと消極的であろうと、戦争遂行のより効果的な形態である」
フォン・デア・ゴルツ将軍=「防御のより大きな力という観念は、それにもかかわらず、欺瞞にもとづいている」「戦争遂行はすなわち攻撃である」
ルドルフ中将の意見P230〜231
クラウゼヴィッツの味方をすることはこの際さし迫ってどうしても必要だと考えた・・・防御への信頼を動揺させないことに重要な意味がある・・・いかなる指揮官もつねに攻勢的にふるまう状況にあるわけではない。・・・なぜ人がその問題をクラウゼヴィッツが考えたように正確にその通りに理解するだけの親切を示そうとしないかが私にはよく判らない。
クラウゼヴィッツが攻撃と防御を対立させたそのやり方にはどうかすると進取の精神を麻痺させ、大きな目標を断念するように指揮官をさそう危険があるとされるが、私にはそれを認めることができない。
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第六篇、第二章には失敗部分もある。
火力の増大の結果、地形の防御効果の重要性が増し...
攻撃側の対策として多方面からの集中射撃が重視された。
そのため多方面からの奇襲と攻撃が戦術的防御側のために都合良く働くという状態は消えてしまった。
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火力の増大の結果(19世紀末の兵器)P232〜223
「地形の有利がまったくもっぱら防御側の利益になるということは疑いなく正しい。防御は、火器の作用を充分ならしめ同時に自己の軍隊に可能な最善の防護を得させるように自分の陣地を徹底して調べる。この有利さは19世紀の経過中に、その世紀の初めにはなお全く予想もしなかったほど増大した。クラウゼヴィッツは言っている、「土地と地形の特色はこれまで以上にすべての戦争行動に浸透する」
しかし、いかなる程度に火器の改良がこの命題の真なることを証明するか、これについては彼は知ることができなかった。
今日地形による防護はあらゆる戦いにおいて決定的な役割を果たしている。それは射程の大きな速射火器の徹底的利用を可能にし、弱者にも強者に対抗する能力を与えた。今日どの歩兵小銃手も、彼が優勢な兵力を背後にしてよき防護地形において敵に対して小銃を向けるときいかに強力な利点が自分の側にあるかを心得ている、その時敵は大きな距離を遮蔽物なしに進まねばならず、斬くにして彼らの射撃が小さな目標を狙うところまで到達しても、その射撃は最小の成果を約束するに過ぎないのである。
土地と地形の利点は今日主として防御の側にあり、クラウゼヴィッツの表明した防御の優位という言葉はすでにそれらの利点のみによって正当化されているほどである。」
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側面包囲についての相違点
P253
クラウゼヴィッツは、軍の一部の敵の側面への移動は戦闘配置によっていかなる困難もなしに実現し得ると言ったが...
(当時の火器では比較的簡単な運動で防御側の翼を圧倒できた)
・・・今日では同じ目的のために長時間の煩雑な作戦が必要であり、防御側が全く受動的であって反攻やその戦闘力の側面移動をも考えない場合にしかその成功を当てにすることができないのである。
・・・
今日われわれが彼の説にどうしてもそのまま忠実に従うことができない場合があるとすれば、それはすべての思考の可能性の外にあった新しい発明がその後技術的に実現されたという理由が唯一のものであり、理由としてはただそれだけである。
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戦争論の発行から60〜70年後の状況(今から100年前)火力の強化によって相違点が出てきた様子が良く判る部分です...
その後、衛性面の改善で距離による兵の損耗面や....
内燃機関の発明で軍隊のスピードが上がった第二次世界大戦
航空機の発達による要塞の衰退
産業革命と技術進歩の影響がかなり軍事面にでてきます。
内線作戦と戦力の集中について補足
内線について書くと内燃機関でスピードが上がって欺瞞や奇襲が重視された関係もリデルハート関連から抜いてこないと違ってきてしまいます。
1.内燃機関と無線の発明で、軍の集合離散が簡単にできるようになった。
航空機の攻撃も強力になったため軍は分散して行軍し戦闘時にのみ集結(戦闘時も分散的?)するようになった。
分散機動は敵に攻撃目標を悟らせないために必要な行動になり...
防御側の守備隊を分散させるために必要な方法になった。
戦力の集中より分散機動して敵に攻撃目標を悟らせず防御を分散させるほうが有力になった。
(多数の目標を狙えるように機動し、手薄な目標を襲うのが基本になる。)
例、アメリカ南北戦争のシャーマン将軍
ヨーロッパ式の兵法よりも実際の戦場の状況に合わせて作戦をたてた...
シャーマン将軍は、陣地攻撃の損害があまりに多いため、攻撃を止めてしまった。
つまり、部隊は攻勢機動しながら敵との戦闘は常に急速に陣地を構築して守備に回り
戦術的には敵に攻撃を強要した...
残念ながら流血の東部の戦闘のほうが注目されたため彼の戦法は広まらなかった...
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整理してたら前に書いた文章発見...
重複する部分がでるけどこちらのほうが良く書けてる。
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防御力に対する補正
飛び道具(火器、鉄砲)を使った戦争での防御は、古代戦では盾や重鎧で防げたため、ローマの重装歩兵や中世の騎士(馬まで鎧を着ている)が(ある程度)活躍したが...
近代では歩兵が着用できる装甲で鉄砲を防ぐことができず、騎士も歩兵の鎧も消えてしまった。
戦場で敵の弾を防ぐことができるのは土嚢を積むかざん壕を掘るかして作った防御施設を作るしか無く攻撃側は全身をさらして進んでくるため防御はまるで無くなり死傷率は大変大きくなった。
(命中率は全身の何%を暴露しているかで全然違ってくる)
(防御側が、ざん壕から頭だけ出して敵を撃つのと攻撃側が全身さらして撃ちながら進んでくるのでは10倍近く命中率が違ってくる。
それがそのまま攻撃側の死傷者数増大へ直結する。)
結論、火器の使用される戦場は、(防御施設を使用すれば簡単なものでも)圧倒的に防御側有利になる...
(防御側が隠蔽できる点も有利さを増やす)
第二次世界大戦(WW2)
コンバットのように遮蔽物を利用して攻撃しようとしても遮蔽物から遮蔽物へ走る時点で全身をさらしてしまうのでやはり攻撃側は不利になる、(陣地の前の掃射部分は通常射撃し易いように清掃される。)
戦車などの大型兵器の場合も防御側が隠れ、攻撃側が戦場へ前進移動して来る点から発見されやすく、有利な攻撃方法を防御側が取り易いため防御側が有利になる。(防御側の戦車は射撃に有利な位置に戦車壕などを数箇所作って待ち受けるのが通常の戦法なので有利なのは変わらない。(戦車の性能が互角なら...))
(中世同様強力な装甲は、戦車を無敵騎兵のように使えるように変える。)
2002.04.16...
ナポレオン時代は土嚢を三つ三角に積んで真ん中から銃身を出して射撃した。第二次世界大戦近くになると歩兵使う塹壕や機銃陣地は、歩兵の使う小口径の砲の直接射撃を受けるようになったため隠蔽が重視された(塹壕構築時に掘り出した土は積み上げず(色が違うため目立つ場合は)運び出した)
攻撃と防御の相関関係
実際には、(テクノロジーが上がり)攻撃力(火力)が増すほど防御の重要性が増してきている。
火力が増してきたと書くほうが良い攻撃側も防御側も双方とも使用するものだから攻撃と防御は相対的なもので分けるのは、理論や文章の上だけで実際は一体の物といえる。
たとえ、攻撃をかけていても、防御側から撃たれば、攻撃側の防御(この状態の防御力が一番弱くなる。)が試される。
(「攻撃は最大の防御」というのは、格言だけで現実の戦争には通用しない...)
(実戦では撃てば必ず撃ち返される。機銃の射撃音は位置を暴露し迫撃砲や砲撃は弾道を解析されて正確な応射を浴びる。最近の戦いが二流の敵に対するものでしかないためこの点の誤解が大きい。)
間抜けな、敵をつっついて、堅固な防御陣地から引き出して攻撃させるのが一番防御力を落とす良い方法なのである。
銃砲戦では、甲冑のような装甲では個々の歩兵の防御にはならず。(古代戦では、盾や重甲冑で敵の攻撃を防げた...)歩兵の防御は塹壕などの構造物を作るしか方法が無くなった。(遮蔽物や地面の下に身を隠して射撃にさらす面積を減らせば防御力が増える)そのため、第一次世界大戦(ww1)のような突撃をすると突撃する兵の防御力が突然無くなり...簡単に機関銃の餌食になり壊滅した。
ナポレオン時代でもすでに銃剣突撃する攻撃部隊より待ち受ける守備部隊の方が有利だった。装甲兵員輸送車や戦車は戦場で装甲された馬や重くて使えなくなった甲冑の代用にあたる。
ナポレオン時代の歩兵の密集戦闘隊形は、砲撃に弱い、防御も無く平地に密集して並んでいる歩兵は、前時代的な砲兵部隊で大きな被害を与えることができた。
激しい砲撃の威力に感心するより、砲撃に脆弱な面に気づいて対策を立てた方が優位に立てる...
現代でも、重砲砲撃は、敵が防御施設や塹壕に飛びこんで逃れるのを防ぐために
最初の1回目の着弾量を増やす工夫をしている。(弾道を変えて3制射の着弾を同時になるようにしている。)
(防御設備(塹壕など)潜りこまれると効果がほとんど無くなる。)ナポレオニック系ゲームの楽しみはボーリングのピンのように歩兵が倒れていくのを楽しむ?
ことなのでこのあたりは正確にまとめる必要がある...
「ナポレオン〜アメリカ南北戦争」実戦は...
まともな神経の将軍は、「反吐が出るような仕事で二度とごめんだ...」と言った。
銃の命中率
銃の命中率
良く書いてあるのは、遠距離の命中率が0.2%とか0.5%とか大きな家にも当らないとかいうものばかりですが...
至近距離では、すさまじい数値になることを書き落としている。
十数歩の距離では、歩兵の集団にぶっぱなすのですからほぼ全弾命中に間違い無しだし、(この距離で撃たれると一連射で攻撃軍は壊滅する。)
中距離で3%程度の命中率で2000人の部隊が撃ったとすると10連射で600人の死傷者。撃たれる敵が同数の2000人の部隊だとすれば30%の損害は限界に近い。(通常撤退してもかまわない数値)
(発射速度、一分間に二発、そのため、一斉射撃ではなくて、至近距離に突撃されても撃ち潰せるように発射を数段に分けて切れ目め無く射撃する。)
実際は、「突撃には支援射撃が必要」ではなくて、「砲撃や射撃で敵を撃ち崩してとどめに突撃する」が正解。
(長い間戦いが行われていないとこういった知識が風化してしまい)
(新しい戦いの初めは無茶な突撃で自滅する攻撃軍が続出する。)
こういった至近距離で発生するすさまじい損害を見落としている...
接近戦では、作戦など考えてる間も無く...
すさまじい消耗で指揮下の部隊があっと言う間に消えてしまう。
レクラム版は省略が多すぎる。
古くなったとはいえ、重要な部分が多い防御部分をバッサリ切っていて(1/5しか無い)
防御を意味を軽くしようと加工してあり、とても良くない...
Book SIX Defense 防御について...
現代やWW2では、ナポレオン時代よりかなり変化している。
(クラウゼヴィッツは、「攻撃より防御のほうが強力な戦争方式である」と言ったが
テクノロジーの進歩による火力の強化はさらにこの傾向を強めた。)
防御についてのさわりの部分とあまり意味の無い哲学的解析
ナポレオンの敗北で有名になったロシア(後退戦)とスペイン(ゲリラ戦)の特殊な守備方法を解説した。
25.国土の内部への後退(25.Retreat to the Interior of the Country)
26.国民総武装(26.The People in Arms)
だけで、一般的な防御については、すべて省略されてしまっている。
(1〜30中、1,7,8,25,26のみ)
しかも、防御がないがしろにされる傾向がある・・
4・8
第6篇「防御」 第1章「攻撃と防御」 1防御の概念
岩波(中)P268
「要するに戦争においては、防御も相対的な意味を持つにすぎない。」
この文章は、「(攻撃も)防御も相対的な意味を持つにすぎない。」という意味で...
P228「レクラム版」
「したがって、戦争において防御は相対的なものでしかあり得ず、」
こう書くと(攻撃も)と言う意味が消えてしまう。
攻撃側と合わせる必要がある...
岩波(下)P162
一般に戦闘における防御・・・決して絶対的な待ち受けや攻撃の阻止ではない、それだから
絶対的受動ではなくて相対的受動であり、多かれ少なかれ攻勢的原理を交えている・・・これと
同様に攻撃もまたその全体がすでに同質ではなくて、常に防御と混じり合っているのである。
「レクラム版」は防御30章中(6分の一)5章しか載ってないため原書と違いが出ると
取り替えしがつかなくなる。
ここもわかり難く誤植を混ぜて書いてある?
岩波(中)P268
かかる場合に我々は、敵が我々に加える銃剣突撃(戦闘における)、或いは我が方の陣営に
加える攻撃(会戦における)、或いは我が方の選んだ戦場に加える攻撃(戦役における)を
それぞれ待ち受けるのを有利とみなすからである。
レクラム版P228
これらの場合いずれの場合でも、待ち受ける、あるいは阻止するという特徴は、防御という
総合的な概念に属し、われわれの銃剣の前への突撃(われわれの前への銃剣突撃)、われわれの
陣地や戦場への攻撃を待ち受けるという利点を見出すことができるので・・・
銃剣突撃するより待ち受けたほうが、有利になる。
陣地を攻撃するより陣地で守備したほうが、有利になる。
敵地に乗り込むより守備側が選んだ戦場で待ち受けたほうが、有利になる。
「銃剣突撃」より「待ち受ける」防御の方が強力という意味をごま化すための誤植...
なんか情けない御本だ??使うの辞めようかな?
大体、第二章「攻撃と防御は戦術においてどのように関係するか?」が省略されているのがそもそも変だ?
名前からして落とせないもののはずなのに?
第二章第三章で「防御は攻撃よりもいっそう強力な戦争形式である」という命題の証明を詳しくしてる。
(WW2や現代戦ではかなり違ってくるために省略されている?しかし、実際には防御は、
外せない重要部分に当たる。(ゲーム用や戦術入門用にも)違ってきた部分を合わせて解説する
ほうが戦争への理解が進む...)
経歴
クラウゼヴィッツの誤用
フランスの将軍の悪例
二種類の戦争(Die deppelte Art des Krieges)
初版本(first edition)
第1篇 戦争の本質について
「戦争とは政治の継続」
用語=>「絶対戦争」
第6篇 防御「防御は攻撃より強力な戦闘方式」
第7篇 攻撃「(積極的だが)防御より弱い戦闘方式」
戦争論とシュミレーションゲーム内の乱数
文章集積
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