第7篇 攻撃「(積極的だが)防御より弱い戦闘方式」

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製作中、断片データーのみ...
二つの戦い方
「攻撃の求心性と防御の離心性」
「攻撃に混入している防御は防御のうちでも最悪の要素である。」
第13章「機動」


「二つの戦い方」

攻撃については、長々と戦争論の解説をやるよりこうやってまとめた方が解りやすいかもしれない。
(ジョミニとリデルハートも混じってしまうため)

二つの戦い方
一つは、
クラウゼヴィッツに代表される(初期の解釈)戦力をぶつけて敵を潰すという。
あたりまえの方法、(この時優位にたつには敵より多くの兵力(戦闘力)を集める)
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もうひとつは、
「敵の士気を消失させる」とか「主力を決勝点に投入(敵の連結部を狙え)」とか表現されている方法
残念ながらこれは、「兵法書」側の説明が不十分で理解しにくい。
これは、当時の軍隊は多数の兵が隊形を組んで初めて戦力として使えたということを考える必要があり...
敵の陣形を崩し、戦力として機能しなくさせるという意味になります。
(追撃戦による敵のせん滅という表現も崩した敵が再集結して戦力を回復する前に攻撃せよという意味)
側面攻撃や敵の弱点を突いて突破分断するのも同じ考え方による。

(側面攻撃は(予備部隊などで塞がれ)対応されると単なる戦闘正面の拡大で終わる危険がある)

敵より多くの兵力を集める=
戦闘地点に空間的に集結して、優勢を得る。(主な戦闘法は突破を図るになる。)
地形などを利用して優勢な兵力を隠蔽し奇襲的に攻撃する。
この場合は奇襲が主ではなくて敵が対応して援軍を送るのを防ぐため

(初期の解釈)=
クラウゼヴィッツの理論には、ばらばらではあるが、機動戦的表現も含まれている。 戦力を集中してひたすら敵と激突させるようなものと思った初期のクラウゼヴィッツ理解は誤りになる。

注、「敵の士気を消失させる」リデルハート 、「主力を決勝点に投入」ジョミニ、
ジョミニ自身、決勝点の正確な説明ができなかった...
リデルハートは決勝点を部隊の連結部分、つまり弱点とした。

「攻撃の求心性と防御の離心性」


第4章 攻撃の求心性と防御の離心性
4.Convergence of Attack and Divergence of Defense
集中攻撃と分岐防御

攻撃軍が防御軍を包囲し集中攻撃をかける場合。
戦術的には有効だが(射撃が届く範囲なら射撃の効果が倍化される)
戦略的には無意味で軍の規模が大きくなればなるほど包囲に参加する攻撃軍の連携が無くなり、それぞれの戦闘は別個の戦いになってしまう。

「兵力が前進しつつ次第に集中する」といっても攻撃側だけでなく防御側も集中してくるため、単純に攻撃側が有利だとは言えない。
攻撃側の優勢は...
1.射撃効果が得られるぐらい接近した場合
2.同一の部隊を複数の方向から攻撃できる場合
3.敵の退路を遮断できる場合(戦術の場合、戦略的には空間が広大でなかなか遮断できない)

攻撃軍が離れている場合は各個撃破される危険がある。
兵力が分散している分だけ脆弱な戦闘方式だと言える。

「攻撃に混入している防御は防御のうちでも最悪の要素である。」
(乱数研究部分に同文あり...)

攻撃側の防御要素の弱点(岩波P164)
「攻撃より戦略的防御が優位を占めるということの根拠...攻撃そのものが防御を交えない限り、しかも一般の防御より遥かに薄弱な防御を交えない限り成立し得ない。(攻撃に混入している防御は防御のうちでも最悪の要素である。)一日の作業を終えて、12時間の休息に就くのは、攻防双方ともまったく同様である、ところがこの休息時間中の状態は攻撃者と防御者とのあいだに雲泥の差がある。防御者は、地形を案じてみずから選定し準備した陣地に就いているのに、攻撃者は、行軍宿営に就きはしたものの勝手が判らずにあたかも盲人のように模索せざるを得ない...防御者の戦闘力が破壊されていなければ極めて困難な状況に陥ることになる。」



第13章「機動」
岩波(下)P191
機動(Manovrieren)はラテン語の(manus)(手)と(opera)(はたらき)とが合成したもの。兵語としては、「技巧を用いて軍を運用する」という意味を含む。
手管を用いて敵に過ちを犯させることによって我が方に有利な結果を生ぜしめる。 機動は、将棋でまず打つところの最初の数手のようなものである。要するに機動は、・・・なんらかの成果を得るための機会を作り出し、得たところの成果を利用して、敵に対し優位を占めようとする将棋の手合わせである。
(機動=戦闘時に兵力の優勢な状態を作り出すために部隊を動かすこと)
こういうのは(戦場の霧を再現できる)コンピューターゲームの方が向いてるはずなのですが?

戦略機動の対立要素
「包囲」対「内線防御」(分散に対する各個撃破機動)
(包囲は完成すれば強力な戦法だが機動中は兵力の分散という欠点がある。)
岩波(下)P193
「攻撃者による敵陣地の包囲」
「(防御者)敵の内線に対して起こす行動」
両項いずれかが他に対して優位を占めるなどと断言できるものではない。・・・
彼我の一方が運動を起こせば、その自然的な対抗物として、換言すれば相手の運動を無効ならしめるいわば解毒剤として、他方もまた運動を起こすことは自然の摂理だからである。・・・
二通りの方式のうち、最も巧みに運用された方が他に対して優位を占める。

機動の項目では、「包囲」対「内線防御」は同列になっている。
将師の腕しだい...

リデルハートの戦略論から相互的な似た部分を引用




孫子
兵力集中は敵が兵力分散していなければ実施できない。
(まず自軍が分散して(複数の目標を狙うと見せて)敵の分散を誘発)

シャーマン
「敵をジレンマの立場に追い込む」
常に複数の目標を狙える位置に自軍を機動し守備軍を分散しなければ目標を守れないように誘導する。

「戦略論」、P147
彼は南軍を誘引して自軍に対する無益な攻撃に駆り立てた。これらの攻撃は、壕および胸墻を迅速に構築する高等技術と攻勢とを併用するシャーマンの方策によって裏をかかれた敵が、彼の機動的防壁の突破に失敗する度に、彼はその戦略的優位を新たに一点づつ高めていった。戦略的防勢に立っている敵に、そのような一連の被害甚大な戦術的攻勢に出ることを強いるやり方は、歴史上希にしか見られない戦略上の芸術の実例であった。
(130マイル前進して一回しか攻勢戦闘をしなかった)
(それさえも撃退されるとすぐ中止してしまった。)

銃の進歩は攻撃側が必ず敗北するほど防御側優位を高めた(簡単な地形防御施設による防御力の差は決定的だった。)

「戦略的攻撃側の北軍」が常に南軍を攻撃に駆り立てそれを陣地で受け止めて砕いてしまう。


リデルハート「戦略論」、P
史実の多くの実例が見られることであるが、直接的勢力の倍増は、倍増を意味するものではなく、「敵の予想すべき路線」を簡単化することによってその効果を半減するものである。
(自軍の兵力を単純に集中して倍加するより敵に予想攻撃地点を)
(悟らせないほうが守備を難しくし敵を分散できる。)


防御者における兵力の集中と国境を守る哨兵陣地に分割配備することにより生じる戦闘力の分散

他より優勢な兵力があれば分割配備しても一向にかまわない。
無駄な機動を減らし兵力の損耗を防げる。
(防御側は守る対象が多く、兵力は分散し易い)
P193
兵力の劣勢な側は、むしろ兵力を集結して、少なくとも劣勢のために被る損害を迅速な運動力によって埋合せねばならない。

WW2、現代版...
機動戦は結局、敵に先んじて、敵の進撃進路上の拠点になる丘や陣地を作り易い良い 場所を確保して...敵に守備陣地の攻撃を強制するというのが基本

注、攻勢で敵を踏み潰した湾岸戦争は、技術的に劣勢な敵を防御しにくい砂漠で 攻撃したという。特殊な条件が重なっているため注意が必要...

防御側の有利なバルカン半島では米地上軍は使われず、 アフガニスタンでも北部同盟軍を使った。(米地上軍は規格違いになるため)
最近は勝てる敵しか攻撃しないのが基本...


P192
機動の目標と主要事項
a.補給線の遮断、負荷をかけて窮屈にする。
b.敵の集結を妨げる。
c.敵本国との連絡線に脅威を与える。
d.敵の退路に脅威を与える。
e.優勢な兵力を使って主要拠点の攻撃。

機動は、攻撃より防御の方が強力な手段なため発生する。
敵を防御陣地から追い出すか弱体化するため...
「a.補給線の遮断、負荷をかけて窮屈にする」
「c.敵本国との連絡線に脅威を与える。」
「d.敵の退路に脅威を与える」
といった方法が用いられる。

攻撃側のただ一つの優位を得る方法。兵力(兵数)の優勢を得るため...
「b.敵の集結を妨げる。」
「c.敵本国との連絡線に脅威を与える。」
といった方法が用いられる。

間接的手段で優位を増す。
もしくは、敵に奪還を強制し敵を防御陣地か引き出す。
「e優勢な兵力を使って.主要拠点の攻撃。」
といった方法が用いられる。


リデルハートとクラウゼヴィッツ
両者の違いは、徒歩の戦争と内燃機関の発明による機動力の復活
火力の指数的増大と無線通信による同時指揮

機械化と無線通信の発達により部隊の守備範囲が増し集合離散も簡単にできるようになった。

こういった機動力ができて初めて奇襲、牽制、撹乱運動などの 孫子やリデルハ−トの間接アプローチ的な兵法が一般化するようになった。
(もう少し文章改定の余地あり...)

航空機の発達、対地攻撃機
部隊の戦略的集中もなくなり分散行軍するようになった
戦術的にも強力になった火力を受け流すために前線でも軍は分散使用されるようになった。

通信手段の発達で分散集中は簡単に実行できるようになり 分散隊形のまま統一機動ができるようになった。

内線作戦と戦力の集中について補足

内線について書くと内燃機関でスピードが上がって欺瞞や奇襲が重視された関係もリデルハート関連から抜いてこないと違ってきてしまいます。

1.内燃機関と無線の発明で、軍の集合離散が簡単にできるようになった。

航空機の攻撃も強力になったため軍は分散して行軍し戦闘時にのみ集結(戦闘時も分散的?)するようになった。

分散機動は敵に攻撃目標を悟らせないために必要な行動になり...
防御側の守備隊を分散させるために必要な方法になった。

戦力の集中より分散機動して敵に攻撃目標を悟らせず防御を分散させるほうが有力になった。
(多数の目標を狙えるように機動し、手薄な目標を襲うのが基本になる。)

例、アメリカ南北戦争のシャーマン将軍
ヨーロッパ式の兵法よりも実際の戦場の状況に合わせて作戦をたてた...

シャーマン将軍は、陣地攻撃の損害があまりに多いため、攻撃を止めてしまった。つまり、部隊は攻勢機動しながら敵との戦闘は常に急速に陣地を構築して守備に回り戦術的には敵に攻撃を強要した...

残念ながら流血の東部の戦闘のほうが注目されたため彼の戦法は広まらなかった...


経歴
クラウゼヴィッツの誤用
フランスの将軍の悪例
二種類の戦争(Die deppelte Art des Krieges)
初版本(first edition)
第1篇 戦争の本質について
「戦争とは政治の継続」
用語=>「絶対戦争」
第6篇 防御「防御は攻撃より強力な戦闘方式」
第7篇 攻撃「(積極的だが)防御より弱い戦闘方式」
戦争論とシュミレーションゲーム内の乱数
文章集積
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