北極圏-The Arctic
【アニーウェ】
巨大なスカンクの怪物。例のおならをすると、その毒霧は病気をまきちらして人々を悩ませたり殺したりした。このスカンクの死体から、現在の小さなスカンクたちが生まれた。
【ウェンディゴ】 Wendigo (アルゴンキン族、オジブワ族など)
アルゴンキン族によれば、道に迷い、人の肉を喰わざるを得なくなった狩人が悪鬼となったもので、森を彷徨い、遭遇した不運な人間を獲って喰う。
また、オジブワ族によれば、それは人間にとり憑いて家族を喰わせる氷の悪鬼であるという。
同じ地方に入植した白人の間にも、死を予兆する悪霊として近年まで信じられていた。
その姿はおおむね次の通りである;4メートル半ほどの背丈で額の真中が星のように光る真白な生物で、昼夜の別なく、森、草原、沼地などをうろついている。その心臓は氷でできており、人を食う。尤も、ウェンディゴの姿を見る事は難しい。
もしも、一人旅をするなら、常にその背後にはウェンディゴが付き従っていると思わなくてはならない。どれほど素早く振り向いてもウェンディゴの方が速いので、その姿を見る事はできない。夜は野営地のまわり、焚火の光が届かないあたりに浮遊し、夜明けには朝霧にまぎれてしまう。けれども、長く旅するうちに、だんだんとその気配が感じられてくるはずだ。それどころか、ウェンディゴの声を聞く事すらあるかもしれない。
クトゥルー神話にも同名の空と氷の妖神が登場するが、全く同一のものであるとは考えられない。脚色されて別個の存在になっていると考えるべきであろう。
【ガビボニケ】 (ハドソン湾)
冬の精霊。雪のあるところに住み、熱には耐えられない。また、ガビボニケは、常に寒気を伴って現れる。
【キワークー】 (ニューファウンドランド)
人食いの氷の巨人族。魔法を使い、残虐な行為を働く。
【クールキル】
大地を創造した大鴉。クールキルはまず自分自身を創り、自分たちが住むだけの大地を創った後、世界の残りを創造するために、糞を落として大地を、小便を落として水域を、更に何やら固いものをひり出して山々や丘を生み出した。また、その後食事をするために切り刻んだ様々な木の端切れは海まで流れ去り、松からはセイウチ、柏からはアザラシ、ストーンパインからはホッキョクグマ、黒いカンバからはクジラ、その他の木っ端から様々な海の生物が、また、陸に打ち上げられた木っ端からあらゆる猟獣が生まれた。但し、人間だけはクールキルによって創造されたのではなく、男たちが天と地の間の埃から生み出され、女たちは小さな蜘蛛女の腹から、男たちの連れ合いとなるために生み出された事になっている。
【クロスキャップ】 (ニューファウンドランド)
偉大な巨人で魔法使い。動物の祖先たちに人間ではなく別のものを食べるように教え、キワークーやプクジンクスクェスなどと闘った。
【ケレ】 (シベリア・チュクトカ半島)
地下に住む魔物。時々地上に現れて、人間に危害を加える。
【火の主】 (シベリア)
炉の中に住む精霊で、民族によっては、熊の姿を取っている。人間と動物の間を仲介する存在。
【プクジンクスクェス】 (ニューファウンドランド)
黒い雌猫の姿をした邪悪な魔女。人間の男にも女にも姿を変える事ができる。蚊を生み出したもの。また、その眷属は皆夜に生まれ、醜い姿をしている。プクジンクスクェスは、夜に歩き回り、人の子供を盗んで育てる事があるので、子供がもし夜に生まれたら、あたりを明るくしておかなければならない。