ケルト-Celt

オルフェーシュチ】 ollpheist

  またはウイリェヴェイシュト(uilebheisd)。蛇に似た怪物で、湖沼、海、川などに棲む。竜の一種、または竜がこの名前で呼ばれる事もある。

エポーナ】 Epona

  馬の女神。大地母神の一種であるが、普通、王冠を頂き、長衣をまとって、馬の背に横座りになった形で表される。その手には鍵を持ち、前方を見つめる。また、エポーナの馬は、子馬を伴っている事がある。ローマの騎兵隊に、厩舎の女神として受け入れられ、彼らとともにローマ帝国内に広がった。

ケルヌンノス】 Cernunnos

  「枝角ある神」。月女神の夫。狩猟と多産を司る。獣の主。膝下に獣の大群を従え、三柱の神の中心にあるもの、または三頭の神として表される。すなわち、この姿から、狩りの獲物が豊富であるように鹿の角と皮をかぶって踊った古代の巫師、また森の守護者である神に連なるものと推測されている。
  地下世界とも繋がりがあり、生と死の間の門を開く者でもある。

ゴブリン】 goblin

  意地の悪い霊、あるいは家に取りつく小悪魔。鉱山に棲んでいる場合もある。但し、一所懸命に働いているようであるわりに、何の成果もあげていない。おおむね常に人間を避けるが、可能な場合は家や家人に悪戯をしかける。名前の意味、性格のいずれからも、コボルトの親戚筋にあたる。船造りをしている場合もあり、鉱山での働きと違ってその成果は素晴らしいものであるようだ。時に、気に入った人間にその技術を教える事もあるという。

ブリジット】 Brigit

  ブリギット。スペインの一部、フランスからイギリス諸島を中心に、広く信仰された三相一体の女神。医術、農業、詩的霊感の女神。また、火の女神。他のケルトの女神同様、戦い briga の守護女神であり、戦いの技を戦士達に教えた。また、詩と知識と教養の女神でもあった。ここで戦を学び、女神に仕えた戦士達はブリガンズ brigands と呼ばれている。神殿には男子禁制のものもあり、神官は女に限られ、男はブリジット崇拝から排除されていた。また、神殿には絶やす事が許されない聖なる火が灯されていたとされる。後にキリスト教はこの女神を聖女として迎え入れた。しかもそれはアイルランドとスウェーデンの両方で行われた。
  ブリジッドは、死者を生き返らす力を持ち、また、ブリジッドに触れられた布は、癒しの力を持っていた。特に、この布は、妊婦や出産後の病に悩む婦人に効果が高かった。

モルガン】 Morgan

  妖精、妖精の女王、あるいは地母神であったと思われるもの。すなわち、アーサー王伝説に登場するアーサーの異母姉、モルガン・ル・フェイ Morgan le Fay(妖精のモルガン)、またはイタリアのファタ・モルガナ Fata Morgana(妖精のモルガン)であり、原型はアイルランドのモリガンや古代の女神モドロン Modron 、マートローナ Matrona に求められる。
  アーサー王伝説におけるモルガンはコーンウォール侯爵妃イグレインが夫との間に生んだ娘であり、後に計略を用いて異母弟アーサーとの間にモードレッドを生んだ。周知の通り、モードレッドはアーサーの破滅の元となる。キャヴェンディッシュはアーサーとモードレッドの確執を太陽の化身である聖王の交代劇と解いているが、そのように当てはめるとするなら、モルガンはそれを司式する地母神の神女にあたるかもしれない。これは、アーサーの死に際してモルガンがその姉妹ともども、アヴァロンから小舟で異母弟を迎えに来る事で一層強く示唆される。アヴァロンとは林檎の島を意味し、林檎は死と再生の女神としての地母神の象徴だからである。