キリスト教-Christianity
【テンプルナイト】 Knights Templar
〈真・女神転生〉に登場したテンプルナイトとは何者か? 宗教団体が武装したグループを抱える事はしばしばあります。日本の僧兵然り、キリスト教の騎士団然り……近くはオウム心理教まで。とはいえ、テンプルナイトという呼称は、キリスト教の騎士団のうちでも有名なテンプル騎士団、すなわち聖堂騎士団(Knights
Templar)を彷彿とさせます。
この騎士団はユーグ・ド・バイヤンというブルゴーニュの騎士によって設立され、聖地へ巡礼におもむいたキリスト教徒を守護し、また、それらの巡礼が故郷に持つ財産を守る事を目的としていました。巡礼が聖地から還らなかった場合は、これらの財産が騎士団の所有となったため、急速に豊かとなって、13世紀には銀行業・金融業に確固たる地位を占めるまでになっていました。ところが、これは財政的に逼迫していた当時のフランス王と法王に狙われる由縁となり、ついに14世紀初頭、異端、偶像崇拝、男色行為、涜神などの疑いをかけられて聖堂騎士団は禁圧され、騎士団の財産は王と法王の認可のもと、略奪の対象となったのです。
また、この時に騎士団が有罪となった有力な証拠は全て拷問によって得られた事から、これは魔女の告発に際して拷問が行われる事の典拠となったのでした。
現在の研究によれば、聖堂騎士団が東洋的なグノーシス派の教義などを一部取り入れていた事は学者の間で意見が一致しているようです。たとえば、イアン・ベッグは「黒い聖母崇拝の博物誌」の中で、テンプル騎士団は巡礼者の保護などを設立趣旨としてかかげてはいたが、軍隊行動には不便で、清貧というモットーにも似合わないソロモン神殿の一部を宿舎としており、本来はソロモン神殿に隠されたもの、たとえば聖櫃の探索を目的としていたのではないかと述べています。男色についてはそれが罪であるのは正しいにしても、聖堂騎士団のみが非難されるべき存在ではありませんでした。むしろ、当時の修道会や騎士団など、男のみの集団では普通に行われていた悪徳であったとみなすべきだと考えられます。
【ブラックマリア】 Black Maria
いわゆる黒い聖母。南欧などに散見されるもので、聖母像ですが黒く彩られているものです。おそらく、本来はエフェソスの黒いディアナや遠くはカーリーのように、黒い女神である地母神の名残ではないかと考えられます。
樹木崇拝とも関係が深く、黒い聖母の像は、しばしば、樹のくぼみやうろに安置されていました。また、その場から意に反して動かそうとすると、極端に重みを増し、動かされる事を拒否しました。
パーシファルの甥であるとされる、伝説的なキリスト教徒の王。エチオピアやインドを領すると言われましたが、実際にはプレスター・ジョンの王国がどこにあったのかは明らかではありません。その国には神の恩寵による様々な、不思議な動植物がいたそうです。
【ペイルライダー】 Pale Rider
『ヨハネの黙示録』で、七つの封印のうち四番目のものが解かれた時に現れる生き物が、青白い馬に乗り、「死」という名を持つ乗手で、「黄泉」という名の従者を従えています。地の四分の一を支配し、「剣と飢饉と死と地の獣によって」人々を殺す権利が与えられています。
【レギオン】 Legion
ゲラサ人に憑依していた不浄な霊。これにとり憑かれていた人は長い間気が狂ったかのようで、昼夜墓場や山野で叫んだり石で自分の体を傷つけたりし、人々が枷や鎖で繋ごうとしてもそれを砕いてしまったという事です。単一の霊ではなく、同じ様なものが複数とり憑いていたようで、それをもってレギオンと自称しました。レギオンとはラテン語で「軍団」「群」を意味します。この挿話はマルコによる福音書に出てきますが、この悪霊が実際に名乗った名前はゲラサ人の言葉(アラム語の方言)で「群」に相当するものだったかもしれません。
悪霊どもはイエスの命令に従って男の体から去り、豚の群に入りましたが、その直後に豚どもは走り出し、二千頭もいたのに全て海に落ちてしまったという事です。ちなみに、豚は、ユダヤ人(イエスもユダヤ人です)の律法では不浄な獣であるとみなされていました。
【ロンギヌス】 Saint Longinus
彼の手にしていた槍の方がむしろ有名ですね。しかしながら、ロンギヌスの槍、ということは勿論持ち主もちゃんといるわけです。伝説によれば、十字架にかけられたイエスの脇腹を槍で突いたローマの百卒長がロンギヌスという名であったといいます。道理にあわない事に、この百卒長は盲目であったと言われ、イエスの血がその目に降りかかると視力を取り戻したので、キリスト教に改宗し、カッパドキアで異教の偶像を破壊する事に生涯を捧げたというのですが、盲目の男が軍人として勤務できるものでしょうか。
ウォーカーは、物語の原型は、逆にイエスの脇腹を突いたために視力が失われたというものではなかったかと推測し、更に、この物語を盲目の神ホズルがロキの策略によってバルデルをヤドリギの投槍で射殺してしまった神話と結びつけています。