人間-Mankind
【きょうしんしゃ】 狂信者
何かの宗教や政治的信条、心理療法……いや、何でもいいんですけど。ともかく、何かを盲目的に強く信じている人の事です。え? 何を信じていてもいい? その人の勝手? そりゃそうなんですが、狂信者には困った事があります。つまり、自分が信じているものが世界で最高峰のもの、あるいは唯一絶対のもの、と思っているので、他の人にもそれを広めようとしちゃうんですね。思考が狭窄してしまい、他のものに価値を見いだせないためです。その結果、本人に自覚はなくても大変押しつけがましい行動をとるようになるわけです。
思考が狭窄する事の害は、自分が信奉している団体や人の言う事なら盲目的に従ってしまうところにもあります。度合いがひどくなれば、すなわちマインドコントロールされてしまうという事で、古くは人民寺院、最近ではオウムが起こした数々の事件のような悲劇にも発展する事があります。きっかけは、でも、ほんの些細な事。該当アンケートや音信が途絶えていた友だちからの連絡から始まるのです。あなたもどうぞお気をつけて……。自分だけは大丈夫、と思っている時が一番危険なんですよ(
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【ジャグラー】 Juggler 奇術師
ボールや皿、ナイフ、棒といったものを空中に幾つも投げ上げて手玉とする曲芸を演じる芸人の事です。サーカスに所属するのでなければ、大概は大道芸人でした。つまり、道ばたでその芸を披露して、通行人に小銭を投げてもらうのです。一定の場所に定住する事なく、世の中を流離い歩く職業でもあります。
世界のどこでも、たとえば日本でもそうであったように、中世ヨーロッパでも、このような非定住者は常に不信の目で見られました。領主や共同体の保護のない身ですから、胡散臭く思われるのです。特に、手先の技を持っている奇術師や手品師は、良民の目を眩ませる者として、嫌われる存在でした。そのせいでしょうか、ジャグラーという言葉は、ペテン師をも意味します。
【ジャック・リパー】 Jack the Ripper 切り裂きジャック
1988年8月〜11月にかけてロンドン東部の貧民街で連続して発生した猟奇殺人事件の犯人。被害者はいずれも娼婦で、手術刀のような鋭利な刃物で喉などを切り裂かれていた他、性器や臓器がえぐり出されたり、持ち去られたりしていました。犯人はみつからぬまま、最後に犯人であると自称する者の投書が切り裂きジャックの署名入りで新聞社に送付され、公開されました。現代に至るまで、迷宮入りとなっている有名な連続殺人事件で、さまざまな小説の題材になった他、多数の切り裂きジャック研究家(リパロロジスト)が今でもこれに着目しています。
【スレイヴ】 Slave 奴隷
奴隷とは、一口にいって、心身のいずれか(もしくは双方)が隷属状態にある事、あるいは他者の財産として扱われる人間の事です。時代や国によって奴隷がどのようなものであるかも、様々です。とはいえ、ここでいう奴隷は、悪魔や魔術師の奴隷とされてしまったものを指すと考えるのが良いでしょう。魔術師に奴隷とされる死骸については、ゾンビの項目で語る事にして、悪魔の奴隷という事を考えてみましょうか。
西洋に発したキリスト教世界では、自らの魂を悪魔に売り渡して何らかの見返り……例えば魔力や財力、栄誉などを得る話がいろいろと伝えられています。ところが、魂というのは自分の本質のようなものですから、これは自分自身を奴隷として悪魔に引き渡しているという事になるわけですね。事実、死後、悪魔に魂を売り渡した人は悪魔の奴隷として永遠に働かされる事になるのです。奴隷は自由を持たない存在ですが、これは自らの意志で物事を行えない、という事でもあります。従って、悪魔の奴隷は人間の姿をしていたとしても、悪魔の意志によって動かされているもの、悪魔の肉体の延長のようなものなのです。
このような隷属状態に長い間置かれていると、自分で意志決定を行えない状態になります。アメリカ合衆国で奴隷解放が行われた時、解放された奴隷が、そのために住む場所や職を失った上、自分で自分の意志を決定して行動するという事ができなかったため、かえって不満を表明したという事例があります。また、現代ではカルト的な組織によってマインドコントロールを受けた人がそこから脱出した時に、同じ様な症状が現れるそうです。いわば、自分のかわりに決定を下してくれる存在に心理的にすっかり依存した形になってしまっているのですね。悪魔の奴隷も同じように、悪魔に対して心理的に依存してしまっているかもしれません。