中近東-Middle East
【アスタルテ】 Astarte (フェニキア)
中東に於ける最古の太女神の一人。ハトホルやデメテル、アフロディテなどとも同一視されました。フェニキアの首都ビュブロスにあった神殿は新石器時代に既に存在し、青銅器時代に大いに栄えたのです。創造し、維持し、破壊する女神であり、大自然を体現しています。「星の女王」、すなわち明けの明星であり、「天界の女王」として月でもありました。死者の霊は例外なく天界でアスタルテの胸に抱かれたのです。しかしながら、キリスト教の時代が来ると魔界の公爵の一人とされ、アスタロトと名を変えられて性別も男にされてしまいました。
【エキンム】 Ekinmu (アッシリア)
「攫われた者」を意味します。冥府から閉め出された幽霊で、どういう場合になるかというと、きちんと葬式をしてもらわなかった場合ですね。つまり、殺されて屍体が遺棄された場合や砂漠などで行き倒れになった場合、溺死、戦死した場合などです。また、ちゃんと葬式をしてもらったとしても、それが墓地で正式にされたものでなかったり、あるいは生き残っている家族がおらず、供養してもらえなかったりすれば、やはりエキンムになってしまうのです。
エキンムを見る事は死の予兆となるばかりでなく、それにとり憑かれでもしようものなら、一家全員の死を招く事もありました。そんな事をすれば、エキンムが増えるだけかもしれないのだが……。逆に、アッシリア人は祖霊というものはきちんと世話をしなければいけないものだと考えていたわけで、それを怠ると、エキンムとなった霊に祟られるとみなしてたんですね。
【ケモシ】 Chemosh (モアブ)
太陽神。アッカドにおけるシャマシュ。