プリュギア-Phrygia

アティス】 Attis

  キュベレの息子にして夫。すなわち、キュベレの人界での化身である処女ナナが、アーモンド又は柘榴を食べた事によって懐胎した子供。死んではまた再生する植物神。松と関係が深い。伝説によれば、彼をひどく悩ましていた怪物(どんなだ)から逃れるため、自らを去勢してしまい、松に姿を変えられたといいます。優男として描かれるのですが、やる事ぁ凄いです。キュベレとアティスを祀る儀式では雄羊の血が洗礼に使われ、参入者は自ら去勢し、すでに去勢されている祭司達は我と我が身を切り裂いたと伝えられています。
  処女ナナの息子としても、供犠として松の木の十字架に架けられ、その血をもって地上の罪を贖い、またその体はパンとして崇拝者に食べられたと言われます。死せるアティスは埋葬され、三日目に甦って至高の神となるのです。これらの特徴は初期のキリスト教に強い影響を与えたようです。

キュベレ】 Cybele

  プリュギアを中心に小アジアで広く崇められ、204年にローマにもたらされた太女神。小アジアでの信仰中心地はイダ山、シピュロス山、シジクス、サルディス、ガラテヤのペシノスなど。また、その名はメッカのカアバに関連しているとも言われています。その秘儀は ludi と呼ばれ、アティスである雄牛の供犠が中心でした。
  キュベレは山の女神であり、常にライオンを従え、戦いや疫病から人々を守りました。その名は、「洞窟」「頭」と語源的に関連があります。
  キュベレの神体は、もともと、黒い石だったようです。それは、後にローマに送られ、黒い石の頭部を持つ女神像となりました。ローマでは、大地母神として信仰され、後にガリアにも広がって、植民都市リヨンでその信仰が盛んとなりました。キュベレはまた、黒い聖母信仰の直接の祖先とも考えられるようです。