琉球・奄美-Ryukyu,Amami

アモリオナグ】 天降女

  奄美諸島の女怪です。ハゴロモマンジョとも呼ばれるようです。大変美しく、白い風呂敷包みを背負い、着物の裾(左褄)を手に持つか帯にはさむなどして、下着(裳)をちらつかせ、男を誘惑します。

イッシャ

  徳之島に住む小人です。破れ傘と短い蓑をつけ、かたちんばで歩きます。また、とうもろこしのような尻尾を持っています。雨上がりの夜には必ず現れるので、とうもろこしをお尻のところで振って、仲間であるように思わせないと、海へ投げ込まれてしまうそうです。
  とはいえ、イッシャはおだてられやすく、漁師がイッシャをおだてて一緒に船に乗ると、すごい速さで船を漕ぎ、たくさんの魚をとります。この時、魚の目玉は全て抜かれていますが、これがイッシャの取り分なのだそうです。たまになまけもののイッシャがいるそうですが、大抵は働き者だという事です。

カタキラウワ】 片耳豚、片身豚

  奄美諸島の豚の怪物です。夕暮れなどに、影のない子豚の形で現れ、人の股ぐらをくぐろうとします。足をXに組み合わせれば大丈夫だと言われていますが、もし股ぐらをくぐられたら、腑抜けになってしまったり、最悪、死ぬ事すらあります。

キジムナー

  ウスクまたはガジュマルの古木のまたに生じる樹精です。ですから、古木のまたには釘を打っておけば、キジムナーは現れないといいます。古今東西の妖精がそうであるように、鉄が苦手なのかもしれませんね。また、一度住居とする樹を定めると、それが切り倒されるまでそこから動かないともいいます。とはいえ、ムーチー(12月8日にふかす餅)の汁をキジムナーが棲む樹のまたにかけたら、そこから去ったという話もありますから、追い払う方法がないわけではないようです。大抵子供の姿で、ぼさぼさの赤毛の少年ですが、顔には老人のように皺があります。袖無しの短い着物を着ています。それぞれ異性の人間を襲う(男のキジムナーは人間の女を、女のキジムナーは人間の男を)襲うとも、キジムナー自身の十二支と一致する人間を襲うとも言われます。生まれ年がある妖怪というのも珍しい話ですね。襲うとはいっても人をとって喰うような凶悪な事はしません。悪戯程度の事が多いようです。たとえば、夜、熱気とともに入ってきて人の体をおさえつけたりします。但し、何かの拍子に人の魂を奪う事もありますので、用心は必要ですね。
  大変に魚釣りがうまく、その漁獲を人間にわけてくれる事もあります。その住居や正体を確かめようとしたり、穿鑿したりしなければ、キジムナーは幸運をもたらしてくれる存在でもあるのです。

キンマモン】 君真物

  海底の宮に住む神で、後に弁財天と同一視されるようになります。琉球の神道は女性上位であり、キンマモンも女神であるようです。神官も男ではなく、女が務めていました。

ケンムン

  奄美大島に住む、河童に似た魔物です。いろいろなものに化けたりします。頭の皿には、水ではなく油が入っていて、それに青い火を点すのだそうです。山の中のがじゅまるや、おほぎという木に住み、夜になると浜辺で貝を拾います。人をばかしたりしますが、へたに敵対すると、殺される事もありますから、要注意ですね。ただ、斧に彫った模様を怖がるといいます。
  ケンムンは、子供の魂をとって、仲間にしてしまう事があるようです。山で迷ってケンムンになってしまった子供は頭にわらで作った鍋ぶたをかぶせ、棒で叩けば元に戻る事があるみたいです。

シーサー】 獅子

  狛犬に似ていますが、神社だけでなく、普通の家でも守ってくれます。陶器あるいは漆喰で作られたシーサーが民家の屋根に蹲っている姿は、今でも探せば見られるのではないでしょうか。魔を祓う霊獣なんですね。魔を威嚇するために、両眼を見開き、口を大きく開けて歯を剥きだしています。

マータンコー

  海の向こうからやってくる蛇。竜宮の主とされる事もあるようです。人を富ませる事もあるが、災厄をもたらす事もあります。