北欧の民間伝承-Scandinavia
【スクーグスロー】 (スウェーデン)
森の精。狩人の矢や銃に息をふきかけて幸運を与えたり、炭焼きの火を守ったりするが、そのかわりに愛を求めるのです。ところが、全面は美しい女なのに、背中は虚ろになった木なものですから、なかなかうまくはいかないようです。スクーグスローの愛を裏切ると復讐される事もあるようです。難儀だ。
【ドラウグ】 (ノルウェー)
発見されなかった溺死体が化けたもの。もつれた海草でできた顔をして、金切り声をあげるずんぐりした怪物で、疾風の時に現れます。ドラウグを見た者は、早晩、死んでしまいます。また、クリスマス・イブに上陸するドラウグどもに出会った場合、キリスト教の墓地から死人を呼び起こして彼らに立ち向かわせないと、気が狂ってしまうそうです。
ドラウグの名前は、古代ノルド語のドラウグル(墓場で生き続けている死体)から来ています。ドラウグは、墓掘り人や家畜を襲う事もあります。
ドラウグを殺すためには、組み伏せて頭を切り落とし、火葬しなければいけません。
【ハウグボンド】 (ノルウェー)
もともとは祖先の霊で、近くの丘や塚山に住み、ミルク、ビール、鶏のような供物が供えられている限り、子孫の家を守護するものとされていました。後には、家内の仕事を手伝う妖精の一種とみなされるようになりました。
【レンオアム】 lindorm (デンマーク)
口から毒や火を吐く蛇。人(成人男性)の腕くらいの太さで、たいていは3アーレン(約2m)くらいの長さです。時には、大きな建物を一巻きするほどの長さになることもあります。竜の一種ですが翼はないので空を飛ぶ事はできません。
lindは「曲げやすい、しなやかな」という言葉から派生したもので、後半のormともども、蛇類を意味するのですが、シナノキをあらわすlindeと音が似ているので、シナノキの古木に巣くうとされる事もあります。なお、この樹はドイツ・北欧では女神の宿る樹のひとつであることも、注目すべきかもしれません。