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「ヘビーレール」から「ライトレール」へ
富山市を始め、地元有力企業が出資した「富山ライトレール」会社がこのほど発足した。ライトレールとはあまり聞き慣れないが、簡単に言えば線路の軽量化であり、「鉄道」という少しだけ敷居の高い乗り物を「路面電車」という誰でも気軽に乗れる乗り物にするプロジェクトというべきか。 例として、銀行ATMとコンビニATMとの比較に似ている。入りにくい銀行より入りやすいコンビニに行くのが人の常であり、旅客の流れもそれに当てはまる。 |
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みんなが幸せになる公共事業 |
富山ライトレールとは、現在の富山港線を軌道化し、駅数・電車本数を増やすなどのフリーケンシー化目指し設立された事業者である。会社形態は富山市や地元有力企業が主体となって出資した株式会社である。現在富山駅北側の牛島地区に設立事務所を設けているが、最終的には現在の城川原駅に本社として移転の予定。また、車庫も城川原駅に設置の予定である。 軌道沿線は現在の富山港線とほぼ同じであるが、途中下奥井-富山口の奥田中学校踏切で折れ、富山駅北口へ直接乗り入れるもの。将来的には既存の富山地鉄の軌道線ともドッキングさせ、相互乗り入れも視野に入れている。 全国初のこの試みは、様々な事業体の枠を超えた事業であり、地方での鉄道経営に一石を投じるものとなりそうだ。 関係の事業体の例として、富山市を例に挙げる。富山市は北陸新幹線の乗り入れを準備するために、駅前とその周辺道路の整備、そして、北陸本線・富山港線・富山地鉄本線の高架化を計画していたが、その費用は高架化費用だけで莫大な額になる。富山港線を高架にせず、軌道化すればその分の高架化費用が不要となる。デメリットとすれば、軌道化計画から外れてしまった富山口駅の廃止である。富山口駅の利用客は1日360人(サーキュレーション資料2000年度版)と富山港線全体の利用者としてはほとんど誤差範囲である。結果として、富山市としてのメリットは「高架化せずに効果絶大」とはいわないが、既存の施設を最大限に利用したアイディアの勝利である。 一方鉄道事業者のJR西日本としては、地方の盲腸線を切り捨てられる格好のチャンスとして、富山市議会が軌道化の決議をして以降、JR西日本側は反対の意見を一切出していない。今回の路線譲渡については、直接固定資産を譲渡できないため、(たぶん商法の規定だと思われる)「地域振興金」名目に10億円を富山市側へ提供する。富山市はそれを元に富山港線を買い入れる予定である。JR西日本としては、10億円を「手切れ金」として、地域住民から反発されずに、円滑に分離(廃止)できるメリットもある。 JR西日本も完全民営化され、不採算路線を1キロでも廃止したいという気持ちは分かるが、この方法はあまりにも生臭いと思うのは私だけであろうか。 なおこの「地域振興金」方式は同社の可部線(広島県)可部−三段峡間を廃止した時にも用いられた。 以上の通り、富山駅高架化事業に伴う富山港線の軌道化工事では、利用者(富山口駅除く)・既存事業者・地方公共団体の中で、誰一人デメリットが出ていない不思議な公共事業であると言えよう。 (写真)岩瀬運河の朝 岩瀬浜−(臨)競輪場前 |
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