オーボエ雑感
リード作りの周辺(雑知識)(2000.10.28)
バロックオーボエのリード作りには一定の方法が無いようですね。だから当ページのようなものを
作っている訳ですが・・・。このために色々な材料が必要になり、また、
道具などを捜し、工作方法など捜した結果色々な分野をかじることとなりました。
ここにそれをまとめてみました。
- 刃物
ナイフ(リードナイフ)
リードを削るのにリードナイフより良いものがあるのではないかと考えて探しました。
既成のリードナイフのように刃が厚いものはなかなかありません。
切出し小刀など試みたのですが道具屋には良い(使い易い)物がなかなかみつかりません。
包丁はデカ過ぎます。
そんな中で、結構うまくいっているのが彫刻刀です。
呼び方を知りませんが、切出し小刀を小さくした形のものです。これの左利き用を右手で使用します。
細かい細工がとても楽ですよ。
短いので刃の柔らかさは全く感じませんし、作業する刃先のすぐ近くを持てるので私のような
大きな刃物を持つと作業が大雑把になる人間でも細かいところに神経がいきます。
砥ぎかた
まあ、これは良いリードを作るための基本でもありますが、上手に研ぐのはそれなりに
練習が必要ですね。段々と出来るようになってくると他の刃物も研ぎたくなります。
仕上げ砥を使用するととても良い切れ味になります。
- 繊維
昔の繊維の特徴
バロック楽器の時代に化繊はありませんね。リードのスレッドにナイロンの糸を使用したり
継ぎ目の糸にデンタルフロスを使用したりということは出来なかった筈です(当然)。そこで
当時の糸は何だったのかが知りたくなりませんか。
@植物性: 麻、木綿
A動物性: 絹、羊毛
の可能性がありますが、動物性の糸は濡れると弱くなるそうです。濡れて強くなるのは
麻か木綿ですね。
麻の方が強度はややあるようですが、これも撚り方によって強度に差が出ます。今、木綿の
レース糸を使っていますが、とても強いです。これは撚り方がおそらく当時と異なると想像して
いますが、残念ながら撚糸の歴史に関するデータがありません。
糸はどこで売っている?
こんなに単純なテーマですが、なかなか麻の細い糸を捜すには苦労しました。革製品の
材料として売っているのを見つけました。また、手芸の中には「リネン」と表示している
ものもありました。リネンは聖書にも出てくる西洋の麻ですので、まさにこの糸という感じです。
- 内分泌かく乱物質
どこにあるか
驚いたことにプラスチックの容器、接着剤にも関係することがわかりました。最近、
この分野が取り上げられるようになってからの容器は安全なものになっているとは
思いますが家の中のありあわせのものにはまだ当然のことながら古いものが混じって
います。
接着剤についてはチューブの接着に使用する材料を検討した時に、
エポキシ系の接着剤は「最右翼」といわれてしまいました。
- 蝋(ろう)付け
蝋付けをする
チューブを作る際に最近は蝋付けをするようになりました。蝋付けとは、金属を融点の低い
合金で接着するというもので、身近なものではハンダ付けがこの分類にあたるようです。
ですが、ハンダよりは丈夫な金属を使い、そのため温度が高くなりますので電気ゴテではなく、
バーナーを使います。
チューブの材料は真鍮なのでハンダ(鉛と錫の合金)でも接着できますが、強度を考えると「銀蝋」
と呼ばれる合金が使用されます。蝋付けの練習まですることとなりました。
この蝋付けの教科書はどんな分野の本なのか、探してしまいましたが、結局、彫金、アクセサリー
の自作といった分野にやさしく載っていました。
銀蝋(ろう)
真鍮の蝋付けに使用する銀蝋は一般に売られていますが、指輪などを作る彫金の材料
売り場で見つけた銀蝋の成分表を見て驚きました。
| 銀 | 45% |
| 亜鉛 | 16% |
| 銅 | 15% |
| カドミウム | 24% (@@) |
となっています。カドミウムを使ったチューブでリードをつくり水に浸してから
口に入れると思うとちょっと使うのに躊躇します。
かといって、ハンダも鉛を含んでいますのでやはり考えますね。
色々と悩んで探しているうちに「カドミウム0%」という銀蝋を見つけ、
それを使用することとしました。
- 亜麻仁油
これを求めて探したのは薬局、漢方薬局、料理、健康食品の店、塗料、画材といった
ところで、このうち、画材店の亜麻仁油を使用しています。ここにしか見つからなかった
からです。なお、漢方薬局にも昔は置いてあったそうです。
なぜ、そんなところを探したか、というと、「亜麻仁油紙」という
黄色い紙をご存知ですか。怪我をして、軟膏や包帯とともにこの種の紙を使用した覚えは
ありませんか。この記憶から「消毒」の関連先を探したのでした。
おかげで、リード作りがきっかけで相当幅広い(?)分野の技術や知識を身につけることが
できました(笑)。
チューブの不思議(2000.2.14)
この別ページをご覧ください。
オーボエの色(1999.9.25)
この別ページをご覧ください。
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