バロックオーボエ
のご紹介
楽器の御紹介のページを作りました。やっと普通のホームページらしくなったかなぁ。
バロックオーボエとは。
昔のオーボエです。何といってもオーボエですから2枚のリードを使う管楽器です。
やっと写真ができました!! (2000.3.11)

よく言われるのは、
- ショーム(またはシャルマイ)から発展した楽器。現在のオーボエの前身。
- 1650年頃にパリの奏者・製作者のホッテテール(Jean Hotteterre)による
- バロック時代に使用された楽器
- 指穴が6個、小指用のキーが2個(または左右対称に作って3個)
などでしょうか。ただ、使用された時代については曖昧です。モーツァルト時代(1700年代
後半)においてもバロック時代と同じ2キーまたは3キーの楽器であったようです。ただ、
構造的には内径が細くなっています。これを時代によってクラシックオーボエと呼ばないでも
ありませんが、バロックオーボエの類になりますよね。
音色については、所謂オーボエの音ですが、現代楽器から「もの悲しさを除いた」ようなもの
ですね。粗削りと言えなくもありませんが、当時、ショームやシャルマイしか無かった世界に
これが登場したことを想像すると、人の声のような完璧な楽器と言われたことも納得できます。
バロックオーボエの種類
私の聞いた(読んだ)範囲では以下の種類があります。
- オーボエ(C管)・・・普通のオーボエ
- オーボエ・ダモーレ(A管)
- オーボエ・ダ・カッチア(F管)
- タイユ(F管)
- オーボエ(B管??)
F管の楽器についてはバッハの指定に2種類あります。オーボエダカッチアについては
ラッパの様な金属製のベルを持つ曲がった楽器として理解されていますが、タイユについては
詳細は知りません。でもテノール・オーボエの意味ですので通常の形の楽器で長いもの、
ということかもしれません。
最後のB管についてはバッハのカンタータ(BWV131, Aus der Tiefe rufe ich,....)に登場
しますが他では聞いたことがありません。この曲がバッハの20代前半ミュールハウゼン時代の
曲であることを考えると、単にピッチの問題かもしれません(弦が全音高いピッチで演奏する?)
が楽譜の上では変な楽器に見えます。
調や形態によってこのように大きく分類されていますが、しかし、同じC調の楽器でも時代、
地域等によって種々のモデルが存在します。
ネット上のカタログやCDでよく知られているモデル(当時の製作者)をあげてみます。
- Jacob Denner
- Stanesby, Senior
- Stanesby, Junior
- Eichentopf(上の写真はこのモデルらしい)
- Oberlender
- Grassi(クラシカル・オーボエ)
- Grenser( 〃 )
バロックオーボエ、その後
一応、“バロック”をJ.S.バッハまでとしても、その後、突然楽器が変わる訳はありません。
1700年代後半のモーツァルトやハイドンにおいても同じ楽器が使用されていた筈ですし、
1800年代においては当然モーツァルト時代のような楽器が使われていたはずですね。
ベートーベンの曲もほとんどバロックオーボエで吹けます。
1800年代になると、次第にキーの数が増加してきたようです。半音やオクターブ
をキーで実現しています。
しかし、この時代の楽器はレパートリーが少ないせいか、現代楽器に侵略されているせいか、
あまり復元されていませんね。
材料
- 本体
バロックオーボエは木製です(当然!)。ほとんどの楽器は柘植製のようですが、黒檀製で象牙の
リングの付いたもの等もあります。博物館には全て象牙の楽器もありますがあまりバラエティは
ないようです。この点では各種の木材に
よって様々な音色が楽しめるリコーダーとは少々異なるものでしょう。その代わり(といっては
なんですが)リードによって様々な音になります。
- キー
キーが必ず付いていますがこれは多くは真鍮製、バネは板バネです。希に銀製のキーも使われて
います。穴を塞ぐ部分については革(一枚)が使われているようです。
- チューブ
リードを取り付けるチューブも真鍮ですが、これは現在では奏者が作ることも多いようです。
現在、演奏に使用される場合、コーラングレ等のチューブと2〜3センチ長の非常に短いボーカルの
組合せで使用することもあります。この場合、現代楽器のように銀製なども使われて
いるかと想像できます。
- リード
リードは太古の昔から葦(あし:「あし」という発音は「悪し」と同じなので“よし”とも呼ぶ。
Cane(英)、Rohrholz(独))が使われます。葦を薄く削ってチューブに縛り付けます。
- 糸
糸で縛り付けますが、この糸についても昔は化繊がありませんから現在のオーボエリードの様に
強烈な力で巻くことはできません。木綿、麻、羊毛、絹の何れかが使われた筈です。麻という話が
ありますが、いずれにしても、蜜蝋でコーティングして(要するに糸に蝋をつけて)使用した
ようです。
糸と蝋
先述のとおり、リードのケーンを縛るときに糸と蜜蝋が使用されますが、他にも糸と蝋は役に
立ちます。
- 管の継目
楽器は3分割されます(現代楽器と同じ)。継目は今ではコルクですが、その時代は糸を
巻いていました。現在製造されているバロックオーボエでも両タイプが存在します。
糸を巻きますが、微妙な隙間も許されない継ぎめで、糸の最終端(巻終わり)をどのように
処理したのでしょう。結んでいてはコブが出来てしまいます。蜜蝋でとめる方法があります。
全体にグリスの様な油によって固めてしまう方法もあるようです。
- チューブ
チューブを楽器に差込む部分についても現代ではコルクを使っています。バロックオーボエは
糸を巻いています。これも糸の最終端の処理は結んで蝋で固める、です。
- 調律
といっても、通常演奏家が行うことはあまりありませんが、指穴が大き過ぎるとわかった場合には、
蝋を穴の周囲に塗り、穴を小さくします。これはオーボエに限らず、笛の類は皆この方法ですよね。
- 空気漏れ
リードのケーンを縛った近辺からの空気漏れを防ぐのにも蝋が使えます。現在では水道管を
接続するパッキン用のテープなどを巻くという手もあるようですか・・。
- 蝋燭
勿論、蝋ですから蝋燭にもなる筈です。芯は糸です(毛、絹は不適と思います)。
蜜蝋の蝋燭は結構高価なものですよね。
レパートリー
バロックオーボエですからバロック時代のオーボエの曲、オーケストラや室内楽のオーボエパート
です(当然)。とはいっても、開発されたのが1600年代後半ということから、1750年までを
俗に言われるバロック時代とすれば100年以下の期間がレパートリーということになります。
種類としては、ソナタの類、協奏曲の類、オーケストラ曲、宗教曲など多数あります。
特徴としては、
- 音域がどれも同じ。2オクターブ+1音
リコーダーと同じ幅です。この音域を越える演奏は困難と思います。
- フラット系の曲が多い(移調楽器は移調読みで)
シャープ系の曲はオーボエダモーレが登場します。
特にバッハについて、オーケストラのオーボエパートは種々混じっていますが、
ソロやオブリガートの曲は厳密といってよい程に区別されています。
バロック時代においては、例えばVivaldiの曲などで「ミュゼットフルート、オーボエ、
バイオリントのための・・・・」と書かれているものもありますし、テレマンのメトーディッシェ・
ゾナーテン(Methodische Sonaten)はバイオリン又はフルートの曲ですが、その一部は
オーボエで演奏されたCDもあります。
バッハの晩年の傑作「フーガの技法」についてはオーボエで演奏できる曲もあります。
要するに、楽譜店でオーボエ関係の売り場のみにあるとは限らないということです。
それ以外では、前述の通り、1700年代後半〜1800年代の最初のあたりの曲はこの楽器で演奏
できます。正確にはクラシカル・オーボエという種類になります。
と、まあこんな具合で結構な曲数になりますが、時代的には限られたものですね。
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