リードメーキング
Reed Making

「優秀なオーボエ奏者は自分でリードを作り悪い楽器でもよい音を出す。駄目な奏者は 良い楽器でも良い音が出せない。」(リンク集2(16))より。
バロックオーボエの演奏はリード次第です。よく研究・実験してよいリードを作りましょう。

 ここでは結果のみ記載します。詳細は他の教科書、リンクなどを参照してください。
ただし、以下の方法をどれほど正確に行ってもObendfeld程度の 腕前にしかなれませんので、普通の方はさらに工夫を重ねてくださいね。

 バロックオーボエはチューブ(staple)も自作する必要があります。一応、素人 (自分のことです)が入手可能な材料と工具を使い、全ての工程を書きました。

 T 準備編

 U チューブ編

 V ケーン処理編

 W 製作編

これらの結果として、私の使用しているリードの写真を載せます。外見は非常に 悪いですね。結果(音)のみを考えていますので・・(言い訳)。 なお、これは2000.2.13 撮影したものですので、既に相当変更されています。 中には削り方を変更したのもありますので、ご参考まで。

中央の物差しの左側がMOECK社製Dennerモデル用、右がMoennig社製Eichentopfモデル用です。
 色々な長さのチューブで試しているところがわかると思います。
(JPGファイルサイズ:41KB)

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T 準備編

はじめに

 リードの製作には何通りかの方法があります。どれも特徴があり、練習時間や音色へも影響する ようです。どの方法を採るかによって材料や工具が異なりますのでそのあたりをうまく選択して 読んでくださいね。
 明るい色の部分が本ページで収録した内容、 濃い色の部分は書く必要の無い(当たり前の)ものです。 その他の部分はどうするか検討中です(^^;。

一体型チューブ 板から製作
購入
ボーカル 板から製作
オーボエチューブから製作
コーラングレのチューブから製作
ボーカルを購入
ボーカル使用のチューブ コーラングレ用を購入
ダモーレ用を購入
ケーン バスオーボエ用舟形ケーン
バロックオーボエ用舟形ケーン
コーラングレ用カマボコ型ケーン

1 材料

 - 真鍮の板 0.5mm厚、教科書的には0.4mm、入手が楽なものが0.3mmと0.5mm
 - 絹糸(差込部分のパッキン) 太(手芸用の80号)と細(40号、微調整用)
 - オーボエリード用の丈夫なスラッド(化繊糸、バロック時代は麻糸使用らしい)
麻糸は手芸店で入手できるが種類は少ない。ある程度種類が揃うのが皮革工芸の材料店の ようです。太いのもあります(但し使いません)。しかし、本当のオリジナル楽器を目指す のであれば欧州の麻(リネン、手芸店にある)が必要かも?
 - マニキュア(好みの色)、麻の場合は蜜蝋
蜜蝋はなかなか入手できまぜんが、ネット上でも売っています。例えば 角館養蜂場などがあります。 通常の蝋燭(パラフィン)で代用できるかは不明。
 - ケーン(バスオーボエ用、以下の説明は舟形ケーンを使用)
 - 真鍮の丸棒、直径 5.0mm、長さは適当、例えば30cm程度(工具用)
 - 角材、サイズはケーンの長さ程度(工具用)

2 道具

(1)通常あるべき道具
 チューブ用:ペンチ、ケガキ(千枚通しで代用可)、物差し、金属用はさみ、金属用平やすり、 同丸やすり(細い)、ラジオペンチ、小型ヤットコ

 ケーン用 :通常のオーボエリード製作用工具一式(ここでは市販の舟形ケーンからスタートします)

(2)あると便利な道具

・ガスバーナー
 理科の実験用。

・早漬け用の真空容器
ポンプ別売の大きなものから100円均一の一体型まで種々あります。私の持っているものはポンプ別売で 1990年代前半に購入したもので、ポリカーボネート製です。この材料は食器に使用 した際にビスフェノールAという、内分泌撹乱物質、所謂環境ホルモンがお湯に溶け出す場合があるようで、 そういう材料らしいです。 厚生省の報道では抗菌剤入りの食器で ビスフェノールAがお湯に溶出した例(厚生省報道資料)があります。リード処理の場合熱い湯は使いませんが、 気になりますね。一般的な結論はでていないようですが・・。

・リードを削る台
木の台(長さ10cm×幅5cm程度)にケーンのR(丸み)にあわせた溝を彫ります。工作には柔らかい 木が簡単で良い。

・電気ドリル
次の3(1)の工具製作のためにはあると良い。無くとも可能なのですがその差は大きい。 手動のドリルでも可能。

・円形用のラジオペンチ
名称のみでは理解できないラジオペンチですが、挟む部分が平面でなく、挟んだ部分が丸く なるように作られた細いペンチです。チューブの差し込み部分の円形を整えるのに使用します。 自作しました(精度を求めないので簡単)。

3 工具の製作

(1)チューブ成型用心棒
 マンドレルのような金属を作り、次のU チューブ編で使用します。
 5-6mmφの真鍮棒を”4(1)の型に合わせた50-62mmの長さで徐々に直線的に3mmφまで 細くなる棒を作ります。便利に使用するには3mm径で止めずに同じテーパーで2mmφ程度まで 延ばすとよいと思います。この長さ、テーパーは楽器によって異なりますので最適な 値をカット&トライによって求めてください。なお、全長は10数センチ必要です。 削らない部分は工具自体の製作やチューブ製作時の柄になります。
 製作にはドリルで棒を回転させながら鑢をあてるのが楽でよいのですが、手回し式ドリルだと 大変です。ムクの真鍮は結構堅かった。手回しでも無いよりはマシか。

【代替品】
 100%替わりにはなりませんが、陶芸用(土に模様を描くのか?)の道具でステンレス製の 棒があります。長さ約20cm、先端径3mm、徐々に太くなり先端から5〜6cmのところで5mm径 という結構合っているサイズです。補助的にこれをよく使っています。
 それから、おそらく、これは硬めの木製または竹製の棒でも可能でしょう。ビジネス街の ややリッチな定食で出てくる竹の箸など使えると考えているのですが、これを持って帰るには 勇気がいるし、わざわざ買う予定もないので実行してしません。実験した方はメールください。

(2)リードを削る台

 上記2(2)のとおりですが、バスオーボエの舟形ケーンを使用するので、それにうまく合せた溝が 必要です。桧の木片など安くころがっているのと比較的柔らかいので工作し易くて便利です。
本当は削る側の刃物または鑢のRも合わせる必要がありますが、これに合う円筒に耐水ペーパ を巻いて削ることで済ませておきます。

(3)円形用ラジオペンチ

 ラジオペンチの自作と書くと大変なことかと思われるかもしれませんが、市販品を改造する だけですので簡単です。基となるのは100円均一のラジオペンチです。100円均一という のは重要な要素です。これは安物であるが故に柔らかい材料を使用しているからです。 よって加工が非常に簡単です。真鍮の円形を整える目的だけに使用する訳ですから柔らかい 鋼で十分です。
 ラジペンの先の片方を平鑢で(これも100円)凸に丸く削り、もう片方の先を丸鑢で凹に 削ります。噛み合わせが丁度良くなるように仕上げれば加工はおしまいです。その時、根元の 刃(ケーブル切断用)が邪魔をして先端が合わなくなることがありますので刃も削ります。 その図です(gif)(NEW! 2000.8.7)
このペンチでチューブの整形(Uの5)がほんとうに楽にできます。 ラジオペンチと鑢2種で合計315円也(税込み)

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U チューブ編

1 型どり

真鍮の板にケガキにて図の台形を書く。円柱を作るので本当は 扇型なのだが、難しいので台形にしていき、最後に鑢で成型します。このサイズも徐々に 変化しているので数値を参考にしたい方は要注意!
鉛筆の類でも書けますが、鉛筆の芯が太いと感じるのはこの時なのです。手芸用の 千枚通し(100円均一でも売ってる)でも入手するのがいいです。
 なお、多くのDennnerまたはStainsbyタイプは少し根元(差込側)が太いようです。 Maennig社製のモデルは根元が細いので各楽器に合せる必要があります。その合せ方 として、重要なのが楽器本体の内径の変化です。同じ傾きでチューブを作ることが基本 だとは思いますが、それより傾きを急にする、即ち短く、細くなるように、また、接続部はチューブ 側が太くなるように、要するに不連続となるように作る(勿論、程度が問題)と よい音になるようで、著者は99年7月〜現在も実験中です。今のところ良好な結果がでています。 昔から、この手のノウハウは蓄積されているらしいです(詳細不明)。

2 切り取り・成形
鋏で切り取り、鑢(やすり)を使って各直線をほんとうの直線に。
また、サイズも合わせる。

3 焼き入れ(任意)
 真鍮は焼き入れ(真っ赤になる迄熱して水に浸ける)をすると柔らかくなります。これによって 次の4の工作が楽になるのですが、音にとって良いかどうかは不明。
この工程は省略した場合でも、次の工程でやや力が必要になるのみ。材料が割れたりする ことはまず無いでしょう。
この工程では料理で使う台所のガスコンロでも十分使えますが、やはり、バーナーの太い炎を 使った方が楽になります。

4 筒型に丸める

前記チューブ成型用心棒に台形の板をペンチを使用して巻き付けてきます。まず、折り曲げるよう にしてから、心棒に徐々に巻き付けるようにしていく。
このとき、つなぎめが捻じれないように注意します。

5 形を整える

やすりで角をとり、小型のラジオペンチ、ヤットコで太い側の断面を円形にします。 継ぎ目の隙間はなるべく狭くなるようにしましょう。ここで私は右手の薬指にマメができる のです。きっと高級ペンチを使うと楽なのだろう。
と、本ページを作った際には書いていましたが、今(1999.11)では慣れてマメなど できず、何ともありません。ペンチは相変わらず安物のままです。オーボエの腕はともかく、 真鍮板を丸める時のペンチの使い方は上達したようだ。
台形の材料を使ったので必ず鑢による成形が必要。

5.1 接着

 これまでは、丸めたチューブの上から糸を巻いて隙間を埋めていました。 ところが、当ページ読者から寄せられた情報を元に、また、既製品のチューブを使用した 時の抜けの良い音を考えると、この隙間を塞ぐ工程が必要ではないかと考えています。 要するに隙間を接着するだけなのですが、いろいろな手法を考えたので別ページにしました。 興味のある方は、こちらのページをご覧ください

6 糸巻き、その1

ケーンを取り付ける場所を除いて糸を一重に巻きます。ここで継ぎ目の隙間を無くすように 強く巻きます。絹糸では切れてしまうのでリード用の化繊の強いやつ、または蝋を着けた麻糸 で巻きます。 また、最も太い部分は楽器とつながるので段差ができないようにします。 太い方から数ミリは巻かない部分があります。
化繊の場合は巻いた糸の上からマニキュアで固めます。蝋+麻糸を使用すると自然と隙間が つぶれていくのでそのままで使用できます。

7 糸巻き その2

楽器への挿入部分に図のように糸を巻きます。現代オーボエの リードではコルクのところに絹糸がよいなどと言われて いるので絹糸を一応使っています。そこいらの化繊や木綿の細いものでもよいのではないかなぁ。
まず、(だいたい)80番の太い糸で形を作り、微妙な出し入れの深さを細い40番の糸で仕上げ ます。
この糸の巻き方がうまくいかないと音色にも影響します。

(1)自然な形
この図1のように管からチューブにスムーズにつながる のが理想でしょう、おそらく。しかし、オーボエの構造上不可能に近い(図の黒く塗りつぶした 部分が糸です)。
(2)実際の形
よって、この図2のように必ずチューブとボアのつながり 部分に余計な空間が出来ます。
(3)失敗するケース
私が失敗するのは糸がこの図3ようになってしまう時です。 上(リードを付けた側)から見るとうまく隙間がなくつながっているように見えますが音がおかしい。 皆さんも気をつけましょう。
(4)短い場合
コルク付きボーカルを使用すると(この場合はコーラングレのチューブを使う。本稿では 扱っていない)、この図4のように余計な空間が大きく なります。(3)で説明した失敗はこの空間よりもっともっと悪影響があるようだ。
しかし、最近(99.7以降)この空間に意味があるような気がしてきました。あまりスムーズに つながらない方がよい音がし、吹きやすいことがわかってきました。前記"1.型どり"で示した 短い(50-55mm)チューブを使用するとこのケースにあたると思います。

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V ケーン処理編

 バロックオーボエ用のケーンはなかなか入手できませんでした。そこで、数少ない情報から、 バスオーボエ用の舟形ケーンから製作していました。最近では以下の選択肢を確認しました。

  1. バスオーボエの舟形ケーン
  2. コーラングレ用カマボコ型ケーン
  3. バロックオーボエ用舟形ケーン
 現在、2については特別な工具無しの製作方法を試行中です。3はそのまんまですので とても簡単にまともなリードが作れました。リンク集に 掲載したボナッツァ社のバロックオーボエ用の舟形ケーンを使用しました。(グロタンの バスオーボエ用より安かった!)
 一応、当ページ開設当初からのバスオーボエ用舟形ケーンの方法を以下に残しておきます。

1 水漬け(水に浸す)
 一晩、水に浸けておきます。通常の教科書はここまでで次に移りますが、ここで一工夫の 可能性があります。リンク集の2(8)には水に浸して空気を抜く方法が書かれています。 この文献はPEG(ポリエチレングリコール)に浸すと乾きなど改善されることを結論 つけていますが音への改善は???です。これは試したことはありません。
 元に戻って、空気を抜いて真空(勿論真空度は相当悪い)にすると、漬物なら早く漬かるし ケーンも早く水に漬かります。これに使用するのが早漬け用の真空にする容器です。 およそ1時間でケーン(舟型、バスオーボエ用)から泡が出なくなり、2〜3時間で水分が ほぼ全体に浸透するようです。ただし、私の場合、実際はこの時間で次の工程に移したことは ありません(暇が無くてもっと時間をおいてしまいます)。

2 ケーンのサイズ
バスオーボエ用の舟型ケーンを使います。リンク集2(3)によると、 ケーンを舟形に成形する前のサイズ(生えてるまんま、又はカマボコ型)で直径Rが12mm (これはコーラングレとほぼ同じ)とされていますが、リンク集の2(4)ではコーラングレの ケーンでもRが足りず、14-15mmとしています。 バスオーボエのケーンが最適かどうかわかりませんが、高価な工具を持たない初心者(私)は これを使用するとなぜか楽に仕上がります。

3 厚み調整
市販の舟形ケーンを使用する場合であっても、そのままではサイズが合いません。 少々の細工が必要です。

まずは、厚みを上記の削る台(T準備編の2(2))にのせて耐水ペーパの240番〜400番でやや削ります。測定器がないので 勘でやります。この時、鑢を指などで平らな形(実際よりRが小さい)にしてで削ると凹面の周辺のみ削れてしまうので(結果オーライの 時もあるが)失敗します。丸くして、できればそれに合うRの円筒に巻き付けて削ります。
最後は400〜800番で仕上げをすることも忘れずに。

 この工程が無い場合、リードを削る際に沢山削ることで解決出来るようです。ロングスクレープであれ ば実質的に問題ないように思えます。上級者には違いがわかるかもしれませんが・・・・。しかし、 バスオーボエの舟形ケーンの根元は結構厚いので、糸を巻く位置でのリードの割れが減るように思い、 これをやっています。

4 ケーンの幅
吹く側の幅は舟形ケーンの幅そのままですが、取りつけ側の幅は削って狭くしないと前記チューブに 合いません。図の細くなっていく部分をチューブに合うように削ります。 これは勘が頼り。
次の6でチューブの細端においてケーンが太すぎた場合、ここに戻って削りなおして再挑戦 します。

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W 製作編

1 ケーンの取り付け
UのチューブとVのケーンが揃えばあとは通常のオーボエリードと同じです。一般の 教科書に譲ります。スレッドの色を演奏する曲に合せるという文献がありますが (リンク集の2(7))、物理的には無関係でも 「曲にあった良い音がでる」と自分で納得した時には心理的な面が大きく演奏にも関係 するのでしょう。演奏後の気分も良いかもしれません(アマチュアはこれが重要)。 糸は良い色、適した色を選びましょう(私は赤一色)。
 ここで、Vの幅の成型がうまくいかないとケーンの根元(チューブから2-7mm付近) の空洞が大きくなります。この時は変な音になります。「円錐」は徐々に直線的に、 その断面積が小さくなっていくのが基本です。現代オーボエの既製品リードを見ても およそそのようになっているようです。

2 糸(スレッド)の巻き方
 現代の楽器用の化繊を使うと相当きつく巻くことが可能です。通常はその上から フィッシュスキンやマニキュアで空気もれを止めますね。
しかし、麻など昔からの材料を使用すると弾力はなく、また弱いのであまりきつくは 巻けません。この場合には糸に蜜蝋を塗り、幾重にも巻きます。 リンク集の2(16)の文献にあります。 糸の隙間は蜜蝋によって塞がれるので、後からマニキュア等の処理は不要です。

(2000.4.25 追加)
 麻糸を用いて強く締める方法がわかってきました。切れない範囲である程度引っ張った時、 そのままの力で数秒待ちます。すると、結構締まってきます。 1回りまたは半回り巻く毎にこれをします。ですから化繊で縛るのに比較して 時間はかかります。 しかし、この方法なら麻糸であっても一重に巻くのみでリードが固定できます。 お試しください。

3 リードのサイズと調整
 リードの削り方は現代楽器と同じようにしていますが、出来上がりサイズの問題があります。

種々の見解やデータがインターネット上に発表されています。私の落ち着いたサイズは Eichentopfモデルの場合、およそ 以下のとおりです。参考図

St=0(楽器内径の最もくびれた所としています)からチューブの先端まで  約78mm
楽器の上端からチューブの先端まで  33-35mm
チューブの先からケーンの先まで 22-25mm
(最近は22-24mmで、やや短くなってきた)
ケーンの先端の幅 9.2-9.5mm
厚み 適当ですが、ある事故により、厚みを測定しました。 この事故にあったのはこのページトップの写真の一番右にあるリードでした。 厚み測定結果(gif)です。
 要するにずんぐりむっくりで、やや三角ぎみ(ファゴットに近い? クルムホルンに近い と言った方が正確か)になります。

4 リード先端の厚み
 リードの先端は極薄く削ります。現代楽器用のリードで先端の薄い部分と厚い部分の境目に 段ができるようにしているものを見かけますが、私の場合はこの方法で削るとサックスの様な音に 聞こえるので、段はつけず、全ての場所で厚さが滑らかに変化するように削っています。

5 音色に影響する要素
 ということを考えてまとめてみました。

(1)リードの削り方
当たり前だが重要。教科書にゆずります。ショートスクレープとロングスクレープの差が 出るかどうかは興味ある所。バロックオーボエについては基本的に後者が使われていると 思っているのだが、最近(1999.10)前者の製品も見つかったし、99年12月に入手したMoeck製 のDennerモデルに付属したいたのはやはりショートでありました(ちょっと使えないシロモノ ではありましたが)。やはり削り方は百者百様ではないだろうか。
(2)空気漏れ
空気が漏れたら、pやppが吹けない、アタックがおかしいなど、音色どころでは無くなるので 問題外のはず。でも、かつて何だかよく鳴らないリードだと思っていたら、ある時、 差し込み方次第で音が突然改善されたりすることがあったので、問題外とも言い切れないようです。 特に私のような万年初心者で不器用な者にとっては。
 もれる場所は、
−ケーンの合わせ目
−ケーンを縛っているスレッド
−チューブを巻いている糸
−チューブと楽器本体とのつなぎ目
があるので注意しましょう。大抵は蜜蝋で塞げば直ります。
(3)チューブのテーパー
Uの1の真鍮板を切り取る段階で勿論関係する。しかし、その他にもケーンを取り付け 場所(縛るあたり)のつぶれ具合が微妙に影響するようです。これはケーンを削って試奏する 段階でやや調整できます。
(4)ケーンの幅
Vの4の幅を合せる際、チューブ径との微妙なずれが音色に関係するようです。
 また、チューブから離れた位置でもケーンの幅の変化の具合(三角に近いか現代オーボエ の平行に近いか等)によって変わります。
(5)特に麻の糸を使用する場合
この場合は化繊の超強力な糸と異なり、相当に緩くしか巻けません。また、麻は水を吸って 引き締まるので、逆に乾燥するとさらに緩んでケーンがずれたりします。また、力を込めて楽器に 差し込んだりねじったりすると即ずれます。だから、最初に水に浸して音を出す時には 前回吹いた時と違った状態となっており、音も異なります。これには時間をかけてケーンの形など 微修正するとともにウォーミングアップを十分やるしかないのでしょう。


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