チューブの接着

 チューブの製作時に丸めた真鍮板をどのような手段で接着し、円錐形の筒(?)に するか、という問題について考えたのがこのページです。すでに 「オーボエ雑感」に概要を書きましたが、ここに少々詳しい記録を作りました。
方法として、およそ以下の分類が考えられます。
 まず、接着しないのはリード作りのページに書いたとおりの方法ですが、 これは蝋引きした糸を上から巻いていくものです。この方法は隙間が出来やすい という問題があります。何回かリードを作っている うちに、なんだか鳴りが悪いと思う時があるのですが、どうも巻いていた糸に隙間が出来ている ような「感じ」です。

 次に、接着する方法について、これらは

ことを考えたものです。しかし、問題を感じたのはこれらの毒性?についてです。 この接着部分は直接口には入りません。しかし、その部分を含めて水に浸して使用する 訳ですので気になりますね。
 まず、2液混合タイプのエポキシ系接着剤は強力、かつ、硬い仕上がりなので考えた 訳ですが、最近流行の環境ホルモン(内分泌かく乱作用が疑われる化学物質)である、 ビスフェノールA(Bisphenol A)がエポキシ樹脂に含まれる、溶出する等、という話を 聞いたのでやめました。
 なお、ビスフェノールAについては東京都立衛生研究所のページの中の 化合物質名一覧(内分泌かく乱作用が疑われる化学物質の生体影響)という ページに詳しくかいてありますが、私にはよくわかりません。


 次に、ハンダ付けですが、これは私にとって小学校時代から遊んでいて十分馴れた方法ですし 多くの方は経験があるかと思いますので もっとも簡単な方法でしょう。が、しかし、ハンダは鉛と錫の合金ですので、 鉛の扱いはやはり心配です。

 と考えていて、このようなことをオーボエ雑感にも書いたところですが、今、 実に無鉛ハンダというのが出回ってきました。 最近は電子機器(中のプリント板は部品がハンダ付けされている) を廃棄したときに鉛が流れ出て環境を汚染しないように、というもので、 これが話題にあがっていますね。 こんなに身近に売られているとは知りませんでした。即入手して試している ところです。可能であればここに記述します。
ちなみに、このハンダは殆どが錫(Sn)でして、銅(Cu)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)が含まれている ものでした。これは錫・鉛のハンダより少々融点が高いのですがハンダ鏝(こて)で作業 することができます。

特に、無鉛ハンダについて



 最後に蝋付けです。この方法は当ページの親切は読者の方から知らされておりました。 しかし、詳細にわたって教えて頂く前に色々と自分で試してしまいました。 これは、基本的にハンダ付けと同じ原理です。融点の低い合金の蝋を用いて 融点の高い金属を接着(?)する方法です。チューブは真鍮を使用しますので 一般的に真鍮を接着するための銀蝋を使用します。これは彫金、指輪作りなどの 分野で多く使用されているようで、簡単に見つかります。基本は銀と銅と亜鉛の合金です (銀と真鍮(銅と亜鉛の合金)の合金とも表現されます)が、なぜかカドミウムが多量に 含まれているようです。やはりイタイイタイ病を思い出しますね。 富山医科薬科大学の
神通川流域:イタイイタイ病の臨床所見など詳しくでています。 怖いですね。
 一方で探してみると、カドミウムの含有0%という銀蝋をみつけました。結局 この銀蝋を用いることとしました。


蝋付け作業

 一般にはなじみのない方法ですのでちょっと書いておきます。
  1. 使用する工具等
  2. 作業
    1. まず、リード作り、チューブ編にて真鍮を丸めた状態まで作ったものを用意します。 蝋付けすべき隙間にペーストを塗ります。
    2. 熱すると形が歪み、丸めたチューブが元に戻ろうとしますので、3箇所ほどを細い針金で 縛って固定します。
    3. 万力にチューブを固定し、バーナーであぶりながら、あとはハンダ付けと同じように しますが、蝋にあまり炎が当たらないようにするのが良いそうです。固定した部分は 蝋付けできないので向きを反対にして残りの部分をやります。
    4. なにしろ、上記ハンダの融点より相当高い温度ですので(750度など)、また、 バーナーの炎はコテのように精密な作業に向いていませんので相当に勝手が違います。 ハンダの熟練者であってもきっと何回か練習する必要がありますね。 ちなみに、私は10本程度試作しましたが、まだ美しく仕上がりません。
    5. 出来あがったら水でよく洗います。そして、盛り上がった銀蝋を鑢で削って形を 整えて終了。簡単です。

  3. 失敗の例
     ハンダの場合、イモハンダとかの失敗がありますが、蝋付けも同じようです。それから、 隙間を埋めて接着しなくてはなりませんので、出来あがり時は盛り上がった状態でうまく 塞がっていても、鑢で形を整えたときに小さな穴が空いたりします。その他、上手く できるまで種々の失敗がありますね。


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