世界で最も有名なピアノメーカーといってもよいスタインウエイは、スタインウエイジャパンによる展示でした。 スタインウエイは今年で創業150周年の記念の年に なっています。それを象徴する限定モデルとしてイグナス・ヤン・パデレフスキが1891年から92年に かけて行なった全米ツアーで使用したモデルの復刻版をヒストリカルモデルとして発表しました。
今回展示されていたのは、このヒストリカルモデルと、同じく150周年記念モデルであるシャネルの
デザイナーであるカール・ラガーフェルト氏がデザインした”カール・ラガーフェルト”モデル、さらに
1871年製のスクウエアピアノでした。スタインウエイの歴史と現代性を
強調した展示だったのでしょう。スクウエアピアノは音を鳴らすことはできませんでしたが、
150周年記念モデルは試弾自由でしたのでさわることができました。
以前別の代理店でさわったヒストリカルモデルよりも
やわらかく伸びやかな音でとても心地の良いものでした。やはりピアノは調整がとっても大事なんだということが
よくわかりました。スタイウエイは最も有名なメーカーなので、ここのブースはいつも人が
試弾していて人気の的になっていました。
ベルリンのメーカー、ベヒシュタインは日本総代理店のユーロピアノによる展示でした。ベヒシュタインは今年で150周年を迎えます。 今回は1925製のものと、最近の設計変更にともなって生まれたL型のグランド、アップライトが展示されていました。 (L型とアップライトは写真撮り損ねました)。
1925年のものはやはり現代のものとはちがったコンセプトの楽器だと思いました。
音が軽やかに舞い、重厚さはありませんがサロンコンサートなど至近距離で聴くのにとっても適した楽器だと
思いました。L型は、よりスタインウエイを意識した設計変更だったのでしょうか。艶やかな音は
今までのベヒシュタインと一線を画しているような気がします。
どちらもすばらしい楽器なので、どちらがいいかはもう演奏者の好みでしょう。
私は自分のピアノが1928年製なので、どちらかというと1925年製のものの方が好みではありました。
エラールはフランスの歴史あるメーカーです。今回は京都のピアノ工房、森田ピアノ工房による展示でした。 エラールはピアノの連打を容易にしたダブルエスケープメントのアクションを 発明したこともあってピアノ歴史上その名前は燦然と輝いています。私はこのピアノをずっと 触ってみたいと思っていましたが、やっと今回念願がかないました。
今回展示されていたのは1927年製の90鍵盤からなるコンサートモデルと、1864年製の蝋燭をたてれるように
細工が施されたアップライトピアノです。
実際弾いてみると、その軽やかなタッチは本当に魅力的でした。典雅な雰囲気というんでしょうか。
たしかに大音量はでませんが、その高貴な音は今まで耳にしたことがないものでした。
こういったピアノが消えていってしまうのは本当に残念です。
ドイツの老舗メーカー、グロトリアン。1835年にはすでに初代ゲオルグ・フレデリック・グロトリアンが ピアノの製造を始めていたそうです。現代でもグロトリアン一族が経営するという伝統が守られています。 ちなみに今は6代目クヌート・グロトリアンが社長だとのことでした。
今回の展示は丸一ピアノ・ハープ社によるものです。残念ながら展示は1点のみで最近発表された”フリードリッヒ・グロトリアン”
モデルだけでした。このモデルはコストを落としグロトリアンの普及を目指したものだそうです。
「アップライトはグロトリアンが世界一」ということを以前聞いたことがありました。
今回弾いてみると、たしかにその評価はうなずけるものがあります。実際に弾いてみての感想は、圧倒的なパワーがあるということでした。
弾いていて音が前へ前へとでてくるのです。これには正直ビックリしました。
販売の方にお話を聞くと、国産のピアノに比べてもそんなに高い値段ではありませんでした。アップライトを探すのでしたら
、お勧めのピアノです。
シュタイングレイバーは最も古い歴史をもつメーカーの一つです。1820年にはチューリンゲンのニュースタッドで ピアノつくりが始められていたようです。現在はバイロイトに本拠地を置いています。
生産台数の関係のあってか日本ではあまり知られていないメーカーですよね。私も触るのは今回初めてです。
ただ、その名声は以前から聞いていたので、今回はワクワクしていたところです。
実際弾いてみると、艶やかな音がピアノ全体からあふれてきました。ダイナックレンジの広さとその艶やかな
音色がこのピアノの魅力ではないでしょうか。大きな会場でも十分にその魅力を発揮できると思います。
ピアニストを助けてくれるピアノというのが私の感想でした。また外装もとてもきれいに仕上てあって
見た目も美しい楽器でした。
ドイツ、フランケン地方キッチィンゲンというところに工房をもつピアノメーカーです。創業は1849年ですので
ベヒシュタインやスタインウエイよりも古いメーカーになりますね。ザイラーは
もともと家具メーカーだっとこともあり、ピアノのフォルムがとっても美しいです。
あまり大きなものは造っていないようですが、今回は186Cmのものが展示されていました。
音はとてもやわらかく伸びやかな音です。弾いていて本当に心地よいものでした。
自宅やサロンで弾くにはぴったりの楽器という印象です。
ドイツのピアノメーカーはどれも古いものが多いですが、ザウターはその中でも古いものになるのでは
ないでしょうか。1819年にはすでにシュパイヒンゲンでピアノ工房を設立しているというのですから
驚きですね。私はザウターはなんどか触る機会があったのですが、弾くごとに違った印象を受けます。
これはまさに手作りでの楽器ゆえんなのでしょうか。
最初に触ったときは、重厚で箱全体を鳴らす楽器だな〜という印象でした。また、違う機会に触ったときは
とっても軽やかでカラカラよくしゃべる楽器でした。今回は軽やかさはないが、渋い魅力的な音色だった
ような気がします。また、弾いてみたいピアノの一つですね。
今回も楽器フェアに行ってきました!前回もそうだったのですが、今回は特に電子楽器ブースが 近かったのか、かなりまわりの音が騒がしくせっかく弾いたピアノの音がよくわからなかったのが 少し残念でした。ただ下手に弾いていてもだれも気にしないのは助かりましたが(笑)。 さてさて今回もいろんなメーカーのピアノが出品されていました。 まず入口近くには堂々とスタインウエイジャパンのブース。今回は創業者のハンリッヒが つくったピアノをモデルにしたグランドが展示されていました。

ただ内部は鉄のフレームや交叉弦など、完全に現代モデルでしたが、 姿形が古風で楽しませてくれました。音は当然スタインウエイ!という 音でした。
スタインウエイの隣りにはベヒシュタインやプレイエルなどの 総代理店で有名なユーロピアノのブースです。今回は ベヒシュタインのフルコンサートグランドを持ち込んでいました。
そしてこれがやはりすばらしい楽器でした。弾力性のあるやわらかいタッチですが、 ひとつひとつの音は独立感があって弾いていてぐんぐん前にすすませてくれる感じ がしました。ユーロピアノブースには他にもプレイエルのグランドや アップライトなどなどたくさん置いてありました。

ユーロピアノの向かい合わせにはグロトリアンやザウターのブースが ありました。 ザウターはいつも弾くたびに印象が変わるのですが、今回は まろやかなでやわらかい音色で弾いていてごつごつしないので とても気持ちが良いものでした。

そしてグロトリアン。実は僕は2回ぐらいしかグロトリアンは 触ったことがないのですが、かなりお気に入りのピアノです。 というのは弾いていてものすごいパワーを感じるのです。 ちょっと弾いた感じはごつごつしてとっつきにくいのですが、 つぼに入るとぐんぐん引きこまれる感じがするのです。

今回、ブースをみるとアップライトは1台だけ置いて
あるので、あれれ、やっぱり前回同様グランドは
ないんだとがっかりしながらしばらく弾かせてもらっていると、
ブースの人が、実はグランドは別の部屋を借りてそこに
展示しているのだというのです。
え〜それを早く言ってよ、
と思いましたが、多分全体の会場はかなりうるさいので
弾きたそうな顔をしている人に静かなところで弾かせようという
配慮だったのでしょう。ともかく早速お願いしてグロトリアンの
新品グランドを弾かせてもらいました。
以前弾いたグランドは再調整品だったので、
新品は初めてです。先程グロトリアンはごつごつして・・・、
と書きましたが、今回のグランドはとてもまろやかでした。
上品ささえ感じさせて、ザイラーと良く似ているな、という
印象でした。
グランドが置いてある別室には
代理店である丸一ハープの社長さんがいらして、
前回の2003年楽器フェアで僕がグロトリアンのグランドが
弾いてみたかったという言葉を覚えていてくださったのが、
すごくうれしかったです。しかしやっぱりお店をされているかたの
記憶力はすごいですね(^^)。
さてさて、メイン会場にもどってヨシカワピアノのシュタイングレーバーを 見に行きます。シュタイングレーバーは素晴らしい楽器なので ブースも大人気です。ひっきりなしがだれかが弾いています。 僕も隙をみて弾かせてもらいました。う〜ん、やっぱりすばらしいです(^^)。 本当に芳醇な響きなんです。スタインウエイ以上にホールが 似合う楽器ではないでしょうか。ぜひ日本のホールにももっともっと設置して欲しいものです。

シュタインゲレーバーの近くには日本のメーカーの雄、カワイのブースがありました。
そしてカワイのほこるEXが置いてありました。僕は初体験だったのですが、
今年のショパンコンクールでも使われていた楽器なのでしょう。
弾いてみるとやわらかく、そして艶やかな美しい音をしていました。
僕のカワイの印象はちょっと地味めな感じだったので、だいぶ印象がかわりました。
値段をみるとベヒシュタインのフルコンよりも若干高めでした。
小さいグランドはこれだけ価格差があるのにフルコンは国産の
方が値段が高いというのもどういうことなのだろうと、
少し考えさせれました。
さて、それはともかく最後はザイラーを扱うピアノハウスジャパンのブースです。 今回はグランドピアノ1台のみの展示でしたが、本当に美しいシルエットの ピアノでした。外装の仕上げがほれぼれしてしまうのです。 こんな楽器が家にあったら毎日眺めてしまいます。ザイラーはもともと 家具メーカーだったのがうなづける1品でした。
楽器フェアは2年に1度です。再来年もぜひ開催していただいて 楽しませて欲しいものです。
2年ぶりの楽器フェアです。今年は例年になく混んでいたような気がします。 会場にはいつものようにいろんなピアノが展示されていて,試弾がフリーに 出来たので凄く嬉しかったです。ただ,例年よりも会場が音で充満していて ピアノを弾いても十分に自分の音が聴こえないのが、ちょっと残念でした。 とはいえ今回も楽しく参加させていただきました(^^)。
最初はザウター。
ザウターは実は今までも何台か弾いた事があるのですが、あまり明確なイメージが
できませんでした。しかし、今回弾いてなんとなく自分なりにわかりました。
きっとザウターはすごく伝統的な音にこだわりのあるピアノのようなきがします。
最近のピアノは,ほとんど全部スタインウエイを意識した,きらびやかな音をイメージして
デザインされているのではないかと思います。ベヒシュタインも一連の設計変更で
かなりこの路線になっていると思います。今回ザウターを弾いて、ザウターのイメージしている
音は,きっともっと素朴な音なんだろうと思いました。弾いてみると芳醇な輝きというよりは、
ある意味大きな太鼓をたたいたような、まさに響きのよい大きな木の箱が、ボンと鳴るような
とても心地よい響きをしていました。輝きはありませんが、弾いていて飽きない音、そして
疲れない音、すごくこだわりを感じる音でした。僕の勝手なイメージですが,
伝統的なヨーローッパの音、という感じがしました。
次に弾いたのは、スタインウイエブースです。実は今回、凄く楽しみにしていたピアノが
あったのです。それは「エセックス」。エセックスはボストンピアノと同じで
スタインウエイがデザインして中国と、韓国で製造しているピアノです。
韓国や中国というと完成度を疑問視する方もいらっしゃると思います。僕もそういった
イメージは多少もっていましたが,それにしても
どういったピアノが仕上がってくるのだろうと、すごく興味がありました。
僕の個人的な感想では、すごく楽しいピアノでした。音色がとっても明るいんです。
ボストンピアノと弾き比べてみると、エセックスの明るさがよく分かります。もしかしたらその
単純な明るさが、ちょっと安易な感じがしないでもないですが、弾きながら楽しい気分になりました。
価格から考えるとお買い得なピアノです。一生大事に弾きつづけるには深みが出てくるのか、
心配ですが、ヤマハのCシリーズなどと弾きくらべて自分にあってるかのか考えるのかは,
価格的に十分ありな感じです。
さてさて、次は心から再会を楽しみにしていたシュタイングレーバーです。 シュタイングレーバーは日本の場合、ホールにも納品されているのを見かけることがないので、 僕が弾ける機会は本当にこの楽器フェアのみです。それにしても本当に素晴らしい楽器です。 この楽器が日本の2000人規模のホールに入ったら、きっと誰もが納得するでしょう。 スタインウエイを凌駕する響きだと思います。何故日本のホールに入れないのか疑問です。 シュタイングレーバーと音色の方向性が似ているファツィオリは,少しづつ日本に 入ってきているのに・・・。残念です。シュタイングレーバーでリストなんて 聴いてみたいですね(^^)。
さてさて、楽器フェアは海外組ばかりでなく国内メーカーも当然元気です。
ピアノの場合はやっぱりカワイとヤマハですよね。
今回もヤマハはCFV、カワイもSHIGERUKAWAIを出展していました。
両方とも素晴らしい楽器でした。とはいえ僕が驚嘆したのはカワイです。
本当に素晴らしい!カワイの家庭用のグランドやアップライトというのは
僕はあんまり好きではありません。パチパチと耳に痛い音がする場合が多いからです
(カワイユーザーの方,ごめんなさい!僕の勝手な感想です・・・)。
しかし、今回弾いたフルコンサートグランドなどSHIGERUKAWAIのブランドで出品していた
楽器の数々は本当に素晴らしかったです。弾きながら指に心地よいリアクションがあって
、音の芳醇さもなんともいえませんでした。
そしてヤマハのCFV。こちらも素晴らしかったです。カワイとの違いが
際立っていました。僕は小さい頃からヤマハで育ってきたので、
このピアノを弾いたときの印象は、「ヤマハってこうだよね」でした。
それは大きな驚きはありませんが、なんとも言えない安心感。
幾分地味ではありますが、じっくり落着いた音はヤマハ特有のものでした。
今回ももちろん他にもたくさんのピアノがありました(^^)。 ペトロフの完成度の高さ、グロトリアンのヨーロッパの底力を感じさせる響き。 プレイエルの素晴らしいデザインなど。また再来年が楽しみです。