ドルトムント最大のDAB(Dortmunder Actien Brauerei=ダブ)は、市の中心部から少しだけ北部に行った所に位置する。周辺はドイツらしくない大型ショッピングセンターや家具センター、DIYショップが建ち並ぶ。

四六時中大型トレーラーが樽を満載して出入りして、ドイツ中のみならずヨーロッパ中、さらには北米方面へ運ばれていく。
ドルトムントビアの歴史は、そのまま統廃合の歴史なのだが、この醸造所も多くの統合を繰り返している。1996年からは、Kronenを(クローネン)も統合し、その社名をDortmunder Actien Brauerei Kronen Allianzとした。
このKronenもHansa(ハンザ)、Stifts(シュティフツ)、Thir(ティア)、Hoevels(ヘーヴェルス)などを吸収している老舗の一つである。
統廃合といっても、それぞれの銘柄のレシピは引き継がれ、生産されている。よって醸造所は様々な銘柄の共同醸造所といった意味合いが強い。

<2006年Dortmunder Union-Ritter Brauereiと合併>

最終訪問 2006年5月


■Actien Brauerei で醸造されるビール■
DAB


ドイツ人が大挙として訪れるスペインはマヨルカ島でのコピーは「ドイツ語が話せ、マルクが使え、DABが飲める島」。それくらいポピュラーなドルトムンダービア。
しかし、市内においてはUnion-Ritterの主力商品である「Brinkhofs No 1」にすっかり押さえ込まれている。

Kronen

U-Bahn(市営地下鉄)Maerkische Strasse近くの大きな醸造所は、今日では稼働せず、Dortmunder Actien Brauereiで生産されている。そして、旧醸造所は醸造博物館として改装され、醸造都市ドルトムントの歴史を見ることができる。
Kronenの代表的な銘柄といえば、「青ラベル」のピルスナーと「赤ラベル」のエクスポートである。

かつてのドルトムンダービアの代表選手であるエクスポートであるが、市内ではあまり消費されていない。もともと輸出の為に開発、生産されたビールであるから、地元で消費されないのは十分に考えうる。
Dortmunder Stift

市南部のDortmunder Stifts Brauereiで醸造されていたが、近年Kronen、そしてDABへと統合されていった。醸造所の跡地も寂しい限りである。
ドルトムント南部に来ると、ほとんどのクナイペは「Stift」の看板を掲げている。かつてはこの地区で醸造されていたこのビールは、またこの地で市民に愛されていたのだ。これこそが本来の地ビールの姿である。
味は苦みがしっかりとしており、色も若干濃いめ。

Stiftsのエクスポート。当然ビン売りのみで市内ではあまりみかけない。売られているので買っていく人はいると思うのであるが、
 このエクスポートの存在自体しらないドルトムント人はたくさんいる。

Thier
市の中央部をぐるりと囲む環状道路の直ぐ内側にある。しかし、この醸造所も多くの小さな醸造所同様に、現在では稼働していない。当時と変わらぬ純白な「Thir」の文字はそのままに、市の機関が入居している。
Kronenとの統合を経て、今日では中心地からわずかに離れた所にあるDortmunder Actien Brauereiにて醸造されている。
街の中心のMarktには、「Thier」の看板を掲げるクナイペ(居酒屋)が営業されている。その重厚なドアがこの醸造所の栄華を感じさせてくれる唯一の遺産か。
Hansa Pils
コースター無し
Hansa Pilsは格安スーパーとしてドイツ中にチェーン展開する「ALDI」をはじめとした量販店向けに生産されているビール。価格は350ml缶で1本1DM以下と格安。(Euro導入前)
古いビールの本をみると、しっかりとコースターもあり、樽売りもされていたようであるが、所長がドルトムントに滞在した約2年間、最後までこのビールを出すクナイペには出会うことはなかった。
2003年1月にドルトムントを訪問した際仕入れた情報によると、現在ではALDIでの扱いはされていなく、「ビン」が市場に出回るようになった。しかし、相変わらず「樽」は流通していない。このビンを買った際に横にいた友人は、「こんなビールまだあるのか?」と驚いていた。それほどマイナーなビール。
Clarissen Alt
ドルトムントのビールといえば、ピルスナー、またはエクスポートだと思ったら、なんとアルトに近いビールも造られていた。アルトといってもデュッセルドルフのそれよりも、弱冠の濁りがある。ラベルに描かれている修道士から、かつての修道院ビールのレシピを引き継いだものと思われる。 

1995年くらいまでは、市の南部でStifts が醸造していたが、今日ではDortmunder Actien Brauereiで醸造されている。
Kronenを扱うクナイペでは、このビールがほぼ販売されている。(ちなみにBrinkhof'sを扱うクナイペでは、Unionと同傘下にあるデュッセルドルフのSchloesser Altが販売されている)
いずれにせよ、まだまだ調査が必要な、おもしろいビールであることには違いない。

究極の地ビールを探せ!!