経営者のためのセカンド・オピニオン
―正しい意思決定のために!―
○医療のセカンド・オピニオンを経営にも導入
医療の世界では、ガンなどの場合に患者は主治医以外の医師に治療方針について意見(セカンド・オピニオン)を求めることが徐々に浸透し始めています。これに対して、中小企業では顧問の弁護士や税理士に意見を聞くだけでセカンド・オピニオンを求めることはまだ行なわれていません。
企業経営において、合併や買収、会社分割などは人間に例えれば、大きな手術に当たります。主治医である顧問税理士の診断・治療方針以外に、他の医師の意見を聞いてみることも有益ではないでしょうか。それが企業の存続にかかわる場合には必要ではないでしょうか。
大企業では複数の弁護士や税理士などの専門家を顧問にしていますので、日常的にセカンド・オピニオンを経営に取り込んでいます。これからは、複数の専門家を雇うことができない中小企業でもセカンド・オピニオンが必要になります。
ビジネスの世界での意思決定は、会社の規模にかかわらず、企業の生死を制する場合もあります。人の生き死と同様にセカンド・オピニオンが必要であるといえます。経営者の役割は、絶えず選択することです。選択肢を持たずに選択(意思決定)を行うことはできません。
○複数の専門家の意見を聞くメリット
現在の経済環境はめまぐるしく変化します。景気の変動、為替の動向などだけではなく、企業を取り巻く法制度は毎年改正されています。税法だけでなく商法も毎年改正される状況ではこれらに熟知することはもはや1人の専門家では困難です。
これまでは中小企業では複数の専門家の意見を聞くということは行なわれてきませんでした。 しかし、1人の専門家で対応できない時代にこそセカンド・オピニオンが必要だといえます。
また、、環境変化の影響が販売・購買・財務・人事など複合的に影響してきました。例えば社会保険の総報酬制の導入によって、従業員の処遇と資金繰りが変化しました。消費税の総額表示では、税務だけでなく販売政策やシステムに影響を与えています。
このような状況においては、専門分野に偏った知識だけのアドバイスでは、経営者の経営判断を誤らせることも生じます。例えば適格年金の廃止の及ぼす影響は、人事労務だけでなく、会計・税務・資金繰りに及びます。これを人事労務だけの観点から判断することはできません。
企業経営に熟知した専門家の判断が是非とも必要なのです。経営全般からの視点を持ち、かつ様々規模の企業の有り様を理解して、規模・業種に応じた適切なセカンド・オピニオンを利用できれば中小企業経営者にとって心強いものはないでしょう。
企業のすべての経営者のより良き意思決定のために、新たな選択肢としてのセカンド・オピニオンが必要であるといえるのです。
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