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6章

中編

 

〜遠い明日〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――「一体どーゆう事なんや!!」

 

ポカリは鼻息を荒くしながらフレッシュ達を問い質した。

「シャランラになにがあったんや?」

彼女は彼女なりに心配している様。

「…さっき男に襲われたって話したよね?それがシャランラの知り合いらしくて…、」

フレッシュは沈痛な声で言った。それを聞いてポカリはハッとした。シャランラは仲間を探していたという話を思い出して…、

「なぁ、まさか…、」ステーキに目を向けた。

「えぇ…そうよ…探していた人に襲われたのよ。シャラちゃんの事一切覚えてないみたいだったけど…。」

ポカリは思わず口を抑えた。

「…あんまりや。」

シャランラはソッケないそぶりで仲間を探していると言っていたがポカリはそれが嘘だと分かっていた。何故か他人の色恋になると鋭くなるのであった。

「…どーゆ事?」

フレッシュはシャランラがステーキを探していた理由を知らなかった。

「だからシャラちゃんがあたしを探していたのは好きな人のためって事よ♪」

ステーキはフレッシュのおでこをこづきながら言った。

 

「え?」

 

それを聞いたフレッシュは胸がズキッと泣き声をあげているのに気付いた。まるで胸が虫歯にでなってしまったかのようにそこはひどく痛んだ。

「…好きな相手に襲われたなんてホンマに不憫や…。」

ポカリはシャランラの居る寝室のドアに目を向けながら小声でつぶやいた。その時何故かシャドーの顔が浮かんだ。ポカリは首を横に振って消去した。

 

「…なんでシャランラの事忘れてんのかな?」

 

フレッシュは疑問に思ったことを素直に口にした。

「んー?なんかプリン姫の式典に出てから人が変わったような事ゆーてたで。」

ポカリはフレッシュに目を戻しながら言った。

「え?」

フレッシュはプリン姫という言葉に反応した。どうやら何か気付いた様。だがポカリはそんな事構わずに話しを続けた。

「あと人が操る植物がどーたらゆうてたな。」

口に指を当てながら言うポカリにフレッシュは、

「ねぇ…確かプリン姫がおかしくなったのって『ピクミン』っていう植物が原因だったよね…?その人もそれが原因なんじゃないの?」と真顔で尋ねた。

ポカリは、フレッシュを見つめ、

 

「……そ、そうや!それや!そのピクミンのせいや!」

まるで今思い出した様な言い方であるそれに気付いたフレッシュは完璧に忘れていたんだと確信した。気を取り直してフレッシュはステーキに尋ねた。

「ステーキさんはそのピクミンっていう植物について何か心辺りないんですか?」

まっすぐな瞳をしながら彼に聞いた。

「俺達は、ピクミンって言う植物が原因でおかしくなった姫を元に戻すよう依頼を受けて、困っていたところを学校の先生からステーキさんが植物に詳しいことを教えて貰って…」と真剣に尋ねるフレッシュに、

「無駄やで。そのおっさんなぁーんも知らへんで。」

ポカリが呆れた口調で言った。

「ひっっどぉーい!そんな言い方しなくてもいいじゃない。第一誰がおっさんよぉ〜?お嬢ちゃんオメメ腐ってんじゃないのぉ〜〜?」

ステーキは頬をぷくっと膨らませた。

「ホンマの事やろ!!」

ポカリはこーゆブリブリしたキャラが嫌いなのかイライラした口調で返した。

「失礼な子ね〜。折角その植物の事教えてあげようと思ったのに〜。」

頬杖を付いてステーキは言った。

「ステーキさん、その植物の事知ってるの?」

すかさずフレッシュは尋ねた。

「まあね♪見直した?惚れた?ときめいた?」

ステーキはクルとフレッシュの方を向いた。

「いや。全く。」

フレッシュは笑顔できっぱりと即答した。フレッシュの返答にさすがのステーキも少しショックを受けているよう。

「ちょっと!おっさん、さっきゆうてた事とちゃうやん!シャランラが聞いた時知らへんってゆうーてたやろ!」

ポカリは口を挟んだ。いまいち話に付いていけないクロアは一人バリバリと煎餅を食べながら3人のやりとりを眺めていた。そんなクロアに、

「あんたも何のん気に食うてんや!」ポカリは八つ当たりをした。

「自分には関係ない事だ。」

またシレッとした態度でクロアは返し煎餅に口を付けた。

「ふぅ〜本当にやかましい子ね〜?」

そんなやりとりを見て呆れながらステーキは言った。ポカリはムッとしたが我慢してステーキの話しに耳を向けた。

「いい?さっきはシャラちゃんの話だけじゃ何とも言えないからああいったの。第一下手な事言って刺激するよりまずは自分の目で見て確かめるのが一番でしょ?」

何げに正論を述べるステーキにポカリはとても悔しそうな表情をした。

「で?そのピクミンってどんな植物なの?」

フレッシュは話を戻した。するといつになく真剣な表情をステーキは浮かべて話し始めた。

「…フレちゃん達は植物にも意志があるって話は知っているかしら?」

逆に質問をされた事に少し戸惑いながらもフレッシュとポカリは顔を見合わせ答えた首を縦に振って…、

「そう…どんな、植物も微弱ながら意志があるの。でねピクミンっていうのは最近発見された珍種でどんな植物よりも意志が強いの…。」ステーキは静かに話した。

「ほなそのピクミンが人の性格を変えたりするんかいな?」ポカリは尋ねた。

「もぉ〜焦っちゃダメ!」

ステーキはポカリのおでこをこづいた。

「大抵のピクミンは人に害はないの!」

大抵と言う言葉をやたらと強調して言い切るステーキにフレッシュはすぐに気付いて、

「そうでないピクミンが居るの?」真剣な瞳をしてステーキに聞いた。

「フレちゃんは、良い質問するわね。そうね…ピクミン自体詳しいことは分かってないんだけど人に害はないってのは実証済みなの。 黒ピクミン以外はね…。」

ステーキは言葉を切った。余韻が静寂となり辺り一面に響いた

バリ…と煎餅を食べる音が小さくなった。フレッシュはその静寂を破った。

「その黒ピクミンには害があるの…?」

まっすぐとステーキを見て尋ねた。彼は一つため息を付いて話し始めた。

「結論から言うわ。黒ピクミンはタチが悪い。それを食したら、その人本人の大切なものを壊さない限り破壊し続けるわ…。」

真剣に話す彼を見て嘘じゃないと言うのは伝わった。それを聞いたポカリは、

「そんなんあんまりや!!ほな、シャランラの彼氏はそれ食うたせいでシャランラを狙っとるわけ?」

テーブルをバン!と叩いてステーキに聞いた。

「…肯定もしないけど否定もしないわ何よりプリン姫が良い例ね。彼女はこの国を心から愛していたわ。そんな彼女が母国を捨ててるんだから…。」ステーキは言った。でも確かに彼が言っている事が事実なら納得できる。明らかにケイという男はシャランラを狙っていた。

暫く沈黙が漂った。

 

 

「…つまりあたしを殺さない限り元には戻れないって事?」

 

 

どこからか綺麗な声がした。誰もがその声のする方に目を向けた。

「シャランラ…。」フレッシュはそう一言つぶやいた。

「…シャラちゃん…まだ起きちゃダメよぉ〜!!!眠れないならママが子守歌を歌ってあげようか?」

ステーキはイスから慌てて立ち上がり彼女に言った。

「…ねぇ…答えて。」

シャランラはステーキが言った事を流し真剣な瞳をし尋ねた。愚かだ…彼女が近くに居るのに

こんな話をするなんて…自分はなんて無神経なんだとフレッシュは思った。

「さっきの話、本当なんでしょう…?」

真剣な瞳をする彼女にステーキはこれ以上ごまかせないと悟り、

「…ええ、そうよ…。」

とても残酷な事実をステーキはシャランラに告げた。シャランラは何も言わなかった。ただ下を向いたまま立ち尽くしていた。

「あっでもちゃんと…、」ステーキは何か話そうとしたが、

「もぅいい。分かった…色々とありがと…。」とつぶやいて部屋を出た。

シャランラが出ていったのを見てフレッシュは、フッとイヤな予感がした。ガタッと席を立ち彼女の後を追った。相当焦っていたのだろう、座ってたイスが勢いよく後ろに倒れた。

「ちょっと!フレッシュ!イス!」と注意するポカリに、

「ごめん!話し代わりに聞いといて!」と会話がちゃんと噛み合わない程慌てた様子でフレッシュも部屋を後にした。

「うちが!?ちゅーか、イスぐらい直していかんかい!」

倒れたイスを直しながらポカリは言った。あんな慌てた様子のフレッシュを見たのは初めてかもと思いながら…。

 

「若いっていいわね〜。」

 

そんな様子をにこやかに眺めながらがらステーキは言った。

「何がや?それよりおっちゃん心配じゃあらへんの?」ポカリはステーキに目を向けた。

「え?そりゃ〜心配はしてるわよ☆でもフレちゃんがいるから平気よ。」

とまたイスに腰を下ろした。ホンマに心配しとるのか?とポカリは一抹の不安を抱きな抱きながら窓に目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――「待って!シャランラ」

 

フレッシュは走りながら言った。するとシャランラはゆっくりと足を止めた。彼女の背を見てフレッシュは何て声を掛ければ良いのだろうと考え込んだ。

暫く重たい沈黙が流れた。

下手な慰めの言葉や励ましの言葉は逆効果だと思いフレッシュは何も言えなかった。少し肌寒い風が何処からともなく吹いた。

「…あたしのせいだ…。」

突然シャランラがつぶやいた。肩と声を震わせながら…。恐らく泣いているのだろう…。小刻みに震える肩をフレッシュには包むことなどできなかった。ただ黙って彼女の話を聞いていた。

「…あたしがあの時止めていれば…。」

腕を強く強く握りながら言うシャランラを見てフレッシュは胸がとても痛かった。

「…あの時、泣きすがってでも行かないでって言ってれば…、」

悲しみのあまり彼女は言葉に詰まった。どんな心境なんだろう?大切な相手に命を狙われる事なんて…。いくら考えてもフレッシュには、その答えは出てこない。

「…いきさつは良く分からないけどシャランラのせいじゃないよ…。」

フレッシュはありきたりな言葉しか掛けられなかった。

「…やめて!」

悲痛な声でシャランラは彼に言った。フレッシュは言葉を止めた。

 

「…優しくしないで…。」

 

肩を震わせながらそうつぶやく彼女に、

「どうして…そんなに自分を責めるの…?」フレッシュは静かな口調で尋ねた。

「どうして?だって…あたし知ってた!姫の式典が危険だって事…なのに、なのにあたしは止めなかった…!!」

今にも張り裂けるような声でシャランラはフレッシュに言った。

「…だから…こんな事になったんだよ…。ケイはあたしを殺さない限り戻らない…。ならあたしなんて死んじゃえばいいんだ…。」

悲痛な声でつぶやき隠し持っていた短刀を自分の手首に押し当てた。

 

 

ッ…。

 

 

ボタボタ…と大量の血が地面に滴り落ちた。

 

 

 

 

「っ…そんな、…悲しいこと言わないで…。」

 

 

フレッシュは後ろから包むようにシャランラが持っている短刃の刃を握りながら優しく囁いた。フレッシュの手から大量の血が滴り落ちるのを見て、

 

 

「…んで…?なんで!?他人事でそこまで出来るわけ!?」声を張り上げた。

 

「…ない…から、」

フレッシュはシャランラを抱きしめながら囁いた。 

 

「…そんな…悲しそうな君を見たくないから…、」

 

それを聞いたシャランラの手から短刀が地面に滑り落ちた。彼の、言葉に彼女は感極まってフレッシュの胸の中に顔を埋めると声を上げながら泣きだした。まるで子供のように泣きじゃくる彼女の首にフレッシュはぎこちなく手を回した。なるべく触れないようにと気を遣いながら…。するとサラサラの銀の髪から甘い香りがした。ドキッとした反面とても複雑な気持ちになっている事に気付いた。他の男の事で涙する彼女を見てズキっと痛む胸の声を聞きながら、一体何でこんなに痛むんだろう?と悩んだ。がいくら考えてもその痛みの理由が何なのか、フレッシュにはまだ分からなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――「ヒントは絵です。」

 

ナルシーは人差し指を立てながらシャドーに言った。何がヒントなのか分からないシャドーは、

 

「はぁ?」

 

としか出てこなかった。がナルシーは、

「いや〜良いことを言った。さて、帰ってスキンケアをしなくては。」

自己満足な様子でその場を去ろうとした。

「おい!待てよ。」

シャドーは、そんなナルシーの肩をぐいっとつかみ引き留めた。『ヒントは絵』、流石にそれだけでは何なのか分からない。 

「何です?」

ナルシーは振り向いた仮面から彼の瞳が見えた。ゾクッとする様な冷ややかな目をしていた。

シャドーは思わず手を離した。ナルシーは服を整えながら、

 

「まだ何か?私は言うべき事は言いましたよ?」落ち着いた口調でシャドーに返した。

「…絵が何のヒントなんだよ…?」シャドーは平然を装いながら尋ねた。

「クスクス…それ以上は言えませんよ…」嫌な笑みを浮かべながらナルシーは答えた。

一体こいつは何がしたいんだ?とシャドーは腹の中でつぶやいた。

 

「…まさか絵の中に僕たちが探している植物があるとか言わねぇよな?」シャドーは呆れながら尋ねた。

「クスクス…意外にメルヘンな事を思いつくんですね?」

バカにしたような笑いを浮かべながら返した。今すぐこいつを消したい。シャドーは下を向きながら心底思った。

「…まぁ…あながち間違いじゃありませんけど…。」とナルシーはボソッとつぶやいた。

「あ?」

シャドーは顔を上げた。がもうナルシーの姿はなかった。本っっ当にナルシーは何者何だ?とシャドーは疑問に思った。すると彼の足元に一つの鍵が落ちていた。木製の古めかしい鍵…。シャドーはそれを拾った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――その頃フレッシュの家にいるポカリは、

 

「ほな、パクミンについて話してくれへん?」ステーキに尋ねた。

「…ピクミンよぉ。」

ステーキは頬杖を付きながら気だるそうに指摘をした。どうやらフレッシュが居ないことが気に食わないらしい。

「…ど、どっちでもええねん!!それよりあんたもっとしゃっきりせえ!!」顔を真っ赤にしながらステーキに言った。

「ふぅ〜。だって〜ねぇ〜〜フレちゃんが居ないんだもん〜。」

やる気のないステーキを見て苛立ちを感じたポカリ。ホンマに植物に詳しいんか?という疑問すら抱き始めた。すると、

 

 

「…そういえばこんな話を耳にした事がある。」

 

煎餅を食べていたクロアが突然口を開いた。

「何や?」

ポカリはクロアに目を向けた。

 

「…どんな植物でもを操ることができる精霊の話じゃ。」

言い終わると今度は緑茶が入った湯呑みに口を付けた。

「へぇー…。」

ポカリは一瞬その話し聞き流しそうになった。が、

「ってその話しホンマか?」慌ててクロアに尋ねた。

 

「…うむ、自分の故郷で古くから語り継がれておる…。『草木荒れる時天より舞い降りし精霊浄化の光放たんと…』だが、」

クロアが話しているのにも構わずステーキは口を挟んだ。

「そうだったわ★ポニョッチョが居たわね〜。」何かを謎めいた言葉を言った。

「なんや…?そのパックンチョって…?」ポカリは、眉を潜め彼に質問した。

「知らないの?仕方ないわねお姉さんが教えてあげるわ★ポニョッチョってのは自然を司どる最も高貴な精霊だからどんな植物も操れちゃうわけ☆」

彼の話を聞いたポカリは顔をパッと明るくし、

「ほ、ほんなら即解決やん!!」と言った瞬間、

 

「…水を指すようで悪いがそれはただのおとぎ話だ。なんの信憑性もない。」とシレッとクロアは言った。

「そんなぁ〜。」ポカリはがっくりと肩を下ろした。

「あら?おとぎ話しならあそこに居る可能があるんじゃない?」

二人はステーキに目を向けた。

「何やねん?あそこって?」ポカリは呆れた口調で尋ねた。どうせ下らない話だろうと思ったから…。

 

「魔法とおとぎ話しが実在する国ディズニーアイランドよ。」

 

それを聞いたポカリはイスから立ち上がり、

「ちょっとディズニーアイランドってネズミが大統領ちゅーふざけた国やろ!?」声を張り上げた。

「…それに確かその国は何百年も前に霧のごとく消えたと聞いているが…?」冷静な口調でクロアはステーキに聞いた。

 

「消えたんじゃなく世間からその存在を隠したのよ〜。」

ステーキは何か意味深な事を口走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――その頃…。

 

シャランラはスッとフレッシュから離れた。平然を装っていたがまだ泣いている彼女に、

「…平気…?」

フレッシュはとても心配そうな表情を浮かべた。彼女は鼻に手を当てながら静かにうなずいた。

 

「…ありがと…もぅ平気…それより手の方…。」

シャランラはフレッシュの怪我を心配したフレッシュはこんな傷、彼女が受けた傷に比べたら大したことないと思った。

「座って…。」とシャランラは言うとフレッシュは言われたとおりその場にしゃがんだ。彼女は近くに生えていた草を一本摘むと彼の手に当てた。

「応急処置だから…。」と言いながら自分のパレオの裾を破き手際良くフレッシュの手に巻いた。さっき摘んだ草はどうやら薬草の様だ。傷口に当てられスーっとし、微弱だが痛みが引いていくのを感じた。

 

「手慣れてるね。」

 

フレッシュは思った事を口にした。

「…え?あぁ…あたしがよく怪我してて昔ケイ…、」

シャランラは言葉を切った。フレッシュはまずい事を言ったと思った。暫くして、

 

「…昔ケイがこうしてくれたの…。」

懐かしい出来事を切なげに語った。フレッシュはまた胸が痛んだ。…そんな人から命を狙われている彼女の心の痛みはナイフで切った傷なんか比べることはできないだろう…と。

思いながら地面を見つめていた。するとポタッと怪我した手に温かい雨が降り注いだ。 

フレッシュはそれに目を向けた。

「でも…そんな事、もうない…ね…。」

怪我をした手を包みながら彼女は悲痛な声で言った。その手はヒヤッとしていて氷の様に冷たく感じた。フレッシュは何も言わず黙って話を聞いた。耳なりがする様な沈黙が駆け抜けた数秒後、フレッシュは空に目を向けながら優しく話始めた。

 

「…雨はいつか止むよ。そしてまた日の光が大地を明るく照らしてくれるんだ…。人も自然と同じだよ。悲しい事や辛い事もいつかは止んで、きっとまた、嬉しい事や楽しい事がやってくるよ…。」

 

そんなフレッシュをシャランラ何も言わずに見つめた。

 

「きっと絶対ケイさんはシャランラの事思い出す!!ううん、俺が思い出させるから!!だから泣かないで、ね。」

 

と怪我をしている手とは逆の手でシャランラの涙を拭った。そんな彼の行動に少しドキッとした。そしてシャランラは彼の手をそっと握りながら、

「………どうして…?これは君に関係ない事よ?…なのに…何で、そこまでするの?」

真剣な瞳をしながら尋ねた。彼女のひんやりとした手を感じながらフレッシュは、シャランラを見つめた。泣いていたせいで目が赤い。フレッシュは返答に少し戸惑った。確かに彼女の言う通りこれはフレッシュに関係のない事だ。だが、悲しそうなシャランラを見たくない…。少しでも力になりたいと本当に思う。でも、それを言葉に紡ぐ事は何故か恥ずかしかったから、

「何でって…仲間だから。仲間を助けるのは当たり前だよ。」と違う事を彼女に告げた。

 

…フレッシュ…。」

シャランラは一言つぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 TO BE CONTINUED…