ダゴン 

Dagon 

 

 名作『インスマスの影』において、インスマスの魚人たちの結成する「ダゴン秘密教団」の主神である。魚人たちはダゴンのことをヒドラと併置し、父なるダゴン、母なるヒドラとして崇めている。
 この神について述べている物には、勿論『インスマスの影』もあるが、やはりそのものズバリ『ダゴン』が詳しい。
 それによるとダゴンは単独の存在ではなく、一つの種族の名称であるらしい。その姿は見る者に吐き気を催させるほどおぞましい。水掻きのついた手、分厚く弛んだ唇、突出してどんより濁った目、鱗と粘液に包まれた巨体は忌ま忌ましいほど人間に似ているのである。彼らは深海の都イ・ハ・ンスレイに集い、自分達の似姿を岩に刻みあるいは太古の偶像に祈りを捧げるのである。
 余談になるがここでダゴンと魚人たちの関係について一言述べておきたい。サイズの違いを除けばこの二者は瓜二つである。おそらく両者は同じ生物の亜種であり、恐竜とワニの関係に相当するのではないだろうか。ただしまともな生物ならば後代のものほど進化していると思われるのだが、彼らの場合は古いものほどその存在の本源たる力に近く、より強力なのであろう。
 ところでダゴンというのはラヴクラフトの創造によるものではなく、古代ペリシテの神からの流用であるということは皆様ご存じですね。

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