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強襲 ミドガルド蛇
☆93P
タイトル『強襲 ミドガルド蛇』。『ミドガルド蛇』とは、北欧神話の悪神ロキが生んだ三体の魔物のうちの一体で、世界《ミドガルド》を取り巻いている大蛇。 本名は『ヨルムンガド』といい、ラグナロク(世界の終末)において、雷神トールと相討ちになる。 なお、残りの二体は戦死以外の死者を支配する女神ヘルと、宇宙を食らう魔狼フェンリル。
☆94P 4コマ目の『撃沈王クレチュマー』ことオットー・クレッチマーは実在のUボート・エース。通算44隻、総計26万トンの商船を沈め、宝剣付き騎士十字章を授与されたが、41年3月に連合国側の捕虜となりカナダの収容所に送られた。 密かにUボートと連絡を取り、脱走を企てたのも史実通り。もちろんこんな馬鹿な兵器が迎えに来た記録はないが。
☆96P
4コマ目『阿呆の船《ナレンシフ(“Narrenschiff”)》』とは、中世ドイツの諷刺詩人ゼバスチァン・ブラントの詩『阿呆の船(“Das
Narrenschiff”)』(1494)が元ネタ。 あらゆる時代、あらゆる階層の代表者たる百十二種類のフール(阿呆、愚者、道化)が、一隻の船に乗ってナラゴニア(阿呆の国)に向けて出航するという内容のもので、同時代の悪徳、なかんずくカトリック教会の腐敗を鋭く衝き、宗教改革への道を開いたとも言われている(もっとも彼自身は保守的な人物であったとされているが)。真の意味で最初のベストセラーであるとされ、汎ヨーロッパ的に流布し、その後のアレゴリー風刺文学における原型の一つとなった。 同時代の画家ヒエロニムス・ボスの作品に同じ題の作品があって、やはり教会の腐敗を描いているほか、現代では佐藤史生のSF漫画に、このモチーフを用いた『阿呆船』というのがある。
6コマ目の玩具、左側の物は、水に浮かべてポンプ部分を押すと、足が伸びて泳ぐゴム製の蛙。右側は、篠竹細工で、手に持って振ると身をくねらせる、民芸品の蛇。
☆98P
8コマ目のセリフ『舟底を ガリガリかじる 春のサメ』というのは、演題は忘れたが落語の長屋話の一つに出てくるネタで、『春雨《はるさめ》』という題で一句詠むように言われた男が詠んだ句である。
☆100P
1コマ目のセリフ、『四ツんばいの女が追っかけてくる奴だろ』『婆さんが屋根に乗ってるってのもありますな』。どちらもいわゆる都市伝説で、高速運転中の自動車が遭遇するとされる怪現象。
☆101P
3コマ目『メガノマロカリス・ギガンテウス』は、カンブリア紀の生物『アノマロカリス』に、ギリシャ語で『巨大』を示す接頭詞『メガ』をつけたものに、『巨人の』を意味する『ギガンテウス』を加えて巨大さを強調した学名。少なくとも『メガニューラ』の巨大変異体に『メガギラス』とつけるよりは、理にかなったネーミングである。なお『アノマロカリス』は昆虫ではない。
☆102P
3コマ目のセリフ『ファフニルで足止めッ!』。この武器に、本当にこんな名称が付けられていたのかどうかは知らないが、『ファフニル』というのは、ゲルマン神話の英雄ジークフリートが殺したドラゴンの名前。その血を浴びることによって、ジークフリートは剣を通さない無敵の肉体を手に入れた。
☆102P
4コマ目『海軍精神注入棒』。本来は、日本海軍において、兵隊を殴って気合いを入れる為に使われた木製の角棒のことを言うのだが、こちらのはどこから何を注入するのやら。
5コマ目の『オストアンデル幸せ音頭』自体のネタは不明だが、キャラの姿から、先日死んだ三波春夫が、シベリア抑留時代に『労働音頭』というのを作って仲間達を励ましたというエピソードを思い出した。 なお『着物の柄』に描かれているのは、中世ヨーロッパの図版によく登場する海の怪物たち。扇子の文字『水漬くかばね』は、何度か出てきている大伴家持の和歌から。
☆104P
1コマ目、『ティペラリー』は不明。先任が持っているLP『NHK みんなのうた』に収録されている『オランガ』とは『オランガタン』というのが正しい題名。
2コマ目『ジンギスカン』は、よく覚えていないが、二十世紀末に流行ったディスコサウンドだったと思う。
5コマ目、計器類に混じってパチンコ台、ルーレット、コックリさんの文字盤がある。
6コマ目、潜望鏡が有料なのは、行楽地によくある有料の望遠鏡が元ネタであろう。てるてる坊主やソーセージに混じってぶら下げられているバナナは、乗員に無精髭が生えていないので、まだ黄色くなっていないと思われる。 『ティペラリー』は映画『Uボート』の中で、潜水艦乗組員が聞いていたレコード。『Uボート』で使われているサントラは、なぜか赤軍合唱団が歌っているのだ。
☆105P
5コマ目。洗面器の文字『クロンB』は、後で出てくる毒ガス『チクロンB』。悪名高きアウシュビッツのシャワー室で用いられたのも、このガスである。なお底に薬の名前を書いた洗面器を、宣伝として銭湯に配ったのは『ケロリン』の会社が最初に行った。
☆107P 5コマ目、『喰らえ ハン奴ッ!!』のハンはフン族のこと。アングロ・サクソン系がゲルマン系のドイツ人を罵倒する時のいいまわし。 ちなみにここで発砲しているのはイギリス製の『チャレンジャー』戦車。巡航戦車『クロムウェル』に無理矢理17ポンド砲を載せたのでものすごく不格好。
☆114P
7コマ目のセリフ『砲弾《たま》やぁ!!』は23Pにも紹介した、花火の時の掛声。
☆116P
見開きのコマのセリフ『見よッ! 大空の鉄の顏ッ!!』は不明。最初は『ゴレンジャー』の插入歌かと思ったのだが・・・ 『大鉄人17』のオープニングの歌詞らしいです。
☆118P
6コマ目の書き文字『申告はお早めに』は税務署の広告でよく見るフレーズ。
☆119P
1コマ目のセリフ『耐G防御用意ッ!』。普通『G』は“Gravity ”の頭文字で、急激な運動に伴う加速度を示すのだが、ここでは“Gus”の頭文字だったようだ。
3、4、5コマ目のセリフ『ひるんだところにキーック』『アターック!』『電光パンチ!!』は、『新造人間キャシャーン』の主題歌の一節『噂に聞こえた淒い奴 キック アタック 電光パンチ』から。
☆121P
6コマ目のセリフ『三方一両損』は、いわゆる大岡裁きの一つ。三両の落し物に対し、落とし主と拾い主が共に意地を張って引取を拒んだのを、大岡越前が一両を足すことによって四両として双方に二両ずつ引き取らせ、これで三方が一両ずつ損することになったという逸話による。『双方共倒れ』は、東宝の特撮映画『キングコング対ゴジラ』に、ゴジラとキングコングが『両雄並び立たず、双方共倒れ』になってくれるとよいと言う意味のセリフがあった。
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