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■『竹取物語』の夢■ 序章 アイするココロ 第一章 突然現れた 第二章 完全なる拒絶 第三章 原初の感覚 第四章 歌ではなく…… 第五章 かわいいかぐや姫 第六章 滑稽な人間 第七章 モナリザの心 第八章 破滅 第九章 連れ去る力 終章 離れていても…… top page 岩田澄人 古文単語チェック |

そして、帝に贈る歌。最後の歌。
でも、その一瞬後に、その「心」は消えてしまう。
これが平安人が見つけた「愛する心」だ。 現代人のように「愛している」とはっきり言う実体的な「愛」じゃない。 むしろ、生まれたての「心」が引き裂かれたところにこそ、「愛する心」が生まれる。 原初の闇を宿した決定的な距離の中で、ふっと生まれた「愛する心」。 別れの中でこそ、ようやく認識される「愛する心」。 その後、日本文学は、「愛する心」をポジティブに語ることは、基本的にない。いつもそれは、決定的な距離の中でだけ自覚される「愛する心」なんだ。 でも、ぼくは、この瞬間こそ、かぐや姫と帝が、存在ごとほんとうにふれあった瞬間のような気がする。 かぐや姫と帝の、メールも届かない、ひとつの言葉も交わされない、宇宙イチ遠い遠距離恋愛が、今始まったようだ。 |