うれしたのし文学史


■古典文学史

第1章
和歌は平安


第2章
中世、和歌から連歌へ


第3章
万葉・古今・新古今


第4章
一〇世紀の物語群


第5章
『源氏物語』とその前後


第6章
日記の流れ


第7章
歴史の変わり目に歴史物語


第8章
説話文学、現(あらは)る

第9章
戦乱の時代を軍記物語が描く


第10章
ここで、随筆を


第11章
能と歌舞伎と浄瑠璃と


第12章
俳諧の人たち


第13章
江戸の小説



■近代文学史

第1章
近代文学、生まれる


第2章
浪漫主義の時代


第3章
自然主義の時代


第4章
漱石と鴎外


第5章
大正は三つの個性


第6章
昭和はいっぱい


第7章
現代の文学


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岩田澄人


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うれしたのし文学史☆>古典文学史>第11章 能と歌舞伎と浄瑠璃と







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 室町時代に、〈のう〉、そして江戸時代に、歌舞伎〈かぶき〉浄瑠璃〈じょうるり〉といった演劇がはやります。この章は、そいつらの話です。

 で、まずは、。能楽〈のうがく〉ともいいます。あの、ちょっと気味の悪い能面をつけてやるやつですね。室町時代に、観阿弥〈かんあみ〉世阿弥〈ぜあみ〉の親子が大成しました。世阿弥が書いた能楽論『風姿花伝〈(ふうしかでん〉……『花伝書〈かでんしょ〉』ともいうんですが、これは重要ですので、覚えておいてください。

 あと、能といっしょにやる滑稽〈こっけい〉な劇を狂言〈きょうげん〉という。

 で、江戸時代になると、今度は、浄瑠璃と歌舞伎です。

 浄瑠璃は、あやつり人形を使ってやるのです。元禄〈げんろく〉に、語りの竹本義太夫〈たけもとぎだゆう〉と脚本の近松門左衛門〈ちかまつもんざえもん〉のコンビによって大成しました。近松門左衛門の代表作、『曾根崎心中〈そねざきしんじゅう〉『冥途の飛脚〈めいどのひきゃく〉『心中天の網島〈しんじゅうてんのあみしま〉、それから『国性爺合戦〈こくせんやかっせん〉、以上覚えてください。

 それから、近松の芸術論。彼は、芸術とは、虚構と現実のはざまにあるんだと言っています。たとえばテレビで、かっこいい俳優さんが先生役のドラマをやる。すると、「現実にはあんな先生いるわけないやないか」なんて皮肉ったりするやつがいる。しかし、かっこいい俳優さんだから、見てて楽しい、面白いわけで、ひきつけられる。かといって、現実の学校生活とまぁーったく遠い虚構ばかりになると、やっぱつまんない。その両方のビミョーなところで、現実には絶対いっこない先生の中に、自分が現実に考えている何かをふっと見るからこそ、感動するわけです。私たちの心を真にうつのは、そんな虚構と現実のはざまにあるのだ。そう、近松門左衛門さんは、考えています。これを、虚実皮膜論〈きょじつひまくろん〉といいますから、いっちょ覚えてやってください。

 次は、歌舞伎です。顔に色塗って、髪さかだててやるやつですね。化政〈かせい〉鶴屋南北〈つるやなんぼく〉が、有名な『東海道四谷怪談〈とうかいどうよつやかいだん〉を書きました。

 この章は短いですが、これで終わり。


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