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ちょっとおもろい、つれづれ話

15.ごはんですよ その1

 わが家は6人家族である。核家族化・少子化の進んだ現代では大家族のうちに入るらしい。わたしは懸賞に応募するのが好きで、景品欲しさにアンケートに答えたりするのだが、この前ネットでのアンケートに、家族の人数を選択する項目があった。選択肢は「1人・2人・3人・4人・5人以上」6人はすでに「たくさん」の部類に入っているのだ。

 そうかなあ、そんなに多いかなあ、とふと考えると、「6人家族」といえば「ちびまる子ちゃん」のうちと同じだ。「サザエさん」のうちとは1人しか違わない。あのサザエさんちと!?そう思うと、なるほど多いかも知れない。

 わたしはもともと大家族の育ちではない。子どもの頃は、両親に子ひとりの3人家族だったし、その後一人暮らしを経て、結婚後は夫婦ふたりの生活。長男が生まれて再び3人家族にもどった。次男が生まれるまでの2年8ヶ月は、夫が仕事に出かけている間は母子ふたりで過ごす生活だった。今どきの家庭では珍しくもないし、「こんなものかな」と何の違和感もなかった。

 その頃に比べたら、今は家の中のあちこちに人がいて、人口密度が高い。食事も、朝はバタバタしているので大人と子ども、別々に取るが、昼食はたいてい長男郎が幼稚園でお弁当を食べるので、他の子ども2人とわたし、それにわたしの父が加わって4人で食べる。休日やお弁当がない日は5人。夕食もだいたい夫は仕事で遅いため5人だが、もちろん6人フルメンバー揃う日もある。たまに夫の弟が顔を出すと7人になる。

 長男とふたりで食べていた同じ食卓とは思えないにぎやかさ。しかも下は2歳から上は76歳までという幅広い年齢層。老若男女そろっている。毎日これだけのメンバーの食事を用意するのは、さぞや大変と思われるだろう。しかし、人間というのは慣れるものだし、急に家族が増殖したわけではない。数年おき数ヶ月おきに、ひとり、またひとりと増えたのだ。はじめは低い竹を飛び越えることから始め、だんだんに竹が成長するにしたがって高く飛べるようになるのと同じで、大家族の食事の支度もどうということもなくなるのである。

 そうは言っても、給食のオバサンみたいに大鍋でカレーを煮込みながら「このアタシがねえ〜」と感慨にふける日もある。何しろわたしは27歳で一人暮らしを始めるまで家事らしい家事をしたことがなかったのだ。実家から通勤していたので、洗濯なども母まかせ。自分の部屋の掃除もごくたまにするだけなので、父から「うわ〜、豚小屋」と言われていた。料理も家に帰ると母がつくって出してくれる。週に1度、休みの日に自分の食べるだけの昼食をつくるくらいしかしない。メニューも簡単なスパゲティやチャーハンばかり。母も無理に料理を教えようとはしなかったから、いい歳して肉じゃがもつくれない。そんなわたしがいかにして「ごはんものがたり」なんてページをつくって料理ができるかのように見せかけるほどになったのか?

 大きな理由は結婚したからである。結婚したとたん、わたしは主婦という立場になった。しかし主婦だから料理ができるかというとそんなわけはなく、結婚当初は、母親を早くに亡くした夫の方ができるくらいだった。こちらは一人暮らしをしていたとはいえ、たいてい仕事で遅く、会社で食べることが多かったので、つきあい始めて夫が来ても、そばを茹でれば茹ですぎるし、スパゲティは固すぎるし、ステーキは塩をふらずに焼いて味がないし、煮魚は半身が黒こげ…というありさま。結婚後しばらくは料理は家にいる方がつくるか外食だった。わたしの料理の腕前はちっとも上達しなかったのである。

 ところが妊娠を機に退職したら、家にずっといるようになった。家事の割合がどっと増えた。自然と料理もわたしがつくるようになった。そして、「わたしがつくらなければ誰もつくってくれない」ということに気が付いたのだ。いくら炊き込みごはんが食べたいと思っても、自分でつくらなければ出て来ない。いくら手作りハンバーグが食べたいと思っても、自分でつくらなければ出て来ないのだ。わたしは食べたい一心で、本を見たり、実家の母に聞いたりしながら少しずつ料理を覚えていった。やはり人はせっぱ詰まらないと力を出せないものである。本当に必死でつくるようになったのは、その後母が他界し、実家で食べればいいやと思っていた煮物などが食べられなくなってからだ。

 もし、今も母が元気で、同居して家事いっさいをやってくれていたとしたらどうだろう。きっとわたしは家事のすべてをやらないであろう。仕事をする他はテレビを観たり本を読んだり、楽器をいじったり、好きなことだけして過ごすだろう。世の中には料理や掃除が好きで好きで、仕事にしたり、頼まれなくてもやりたいという人がいるらしい。頭の下がる思いである。しかし、それはわたしにはまったく当てはまっていないのだ。

 だから、テレビで料理のできない若い子が、変てこりんな料理をこしらえて笑われたりしているけれど、別にできなくても仕方ないと思う。やったことがないのだから、できるわけがない。やらなくちゃいけない状況になったら、できるようになるから心配ない。(2003.10.13)




16.ごはんですよ その2

 事実かどうだかわからないのだが、昨今のお母さんの中には料理をまったくしない人もいるという。じゃあ、毎日何を食べているかというと、ファーストフードやコンビニ弁当、できあいのお惣菜など、つまり買ってくるらしい。ふと見たテレビでは、小さい子どもがコンビニ弁当のからあげを頬ばっていた。

 やはり少子・核家族の影響で、食事はお母さんと子どもだけで取ることが多い。子どもが小さいとそうたくさん食べないから、少量でいいということになる。でも、少しだけいろいろつくるというのは面倒だし、材料が余ってしまう。少しでいいなら、買った方が安いという。本当なんだろうか。

 確かに、前は、子どもとふたりで昼食を取るときなど、わたしもよくパンや弁当などを買ってきて済ませていた。昼食の時間ぎりぎりまで公園で遊んでいたせいもあるが、ふたり分の食費など大したことないのだ。もし子どもが一人で、まだ小さいとすると、120円の菓子パンが2つもあれば足りる。ハンバーガーだと子どもはひとりで1個も食べない。

 では、一回の食事にひとり240円を使うとしよう。単純に3食分かけると、
 240×3=720円
 ひとり一日720円なり。お母さんと子どもふたりだと、
 720×2=1440円

 帰宅の遅いお父さんは考えないことにして、一日の食費がふたり分、1440円なり。この値段で栄養が取れるかどうかはさて置いて、これを1ヶ月、30日として考えると、

 1440×30=43200円

 となる。これを安いと思うか、高いと思うかは意見の分かれるところ。でも、まあ、普通のサラリーマン家庭では出せない金額ではない。調理しないわけだから、ガス代や水道代はかからないし。

 え〜、それでは同じ計算をわが家に当てはめてみましょう。同じくお父さんを抜かして5人とすると、

 ひとり一日720円だから5人で、
 720×5=3600円
 1ヶ月で3600×30=108000円

 じゅ〜まんはっせんえん〜!?だいたいうちの家族で菓子パン2個じゃあ、足んないよう!

 もっとも「子どもが1人か2人で食事量が少なければ」という前提を無視しているわけだから、こういう結果になってしまうのだ。しかし、これでおわかりのように、家族が多いと、かかる食費も大変なものである。外食したりなんかすると、あっという間に財布に羽が生えて飛んでいってしまう。

 例えばファミリーレストランのランチ、安いでしょう。うちのそばのファミレスも、確か480円で出しているのではなかったかな。独身でひとりで食べると、消費税を入れても504円。千円札でおつりが来る。それを6人で食べた日にゃあ、3024円。ランチにだよ。

 したがって、わたしは今日も安くて多い食材をもとめて、チラシを見ながらスーパーへと走るのだ。幸い、わが家の近辺には安い店が多くて助かっている。

 それではここでわが家の食事1食あたりいくらにかかっているか、みんなの好きなカレーライスを例に計算してみましょう。大鍋で12皿分を一度につくることにします。材料は、いつも使っている量とだいたいの値段です。

 カレールー12皿分=198円
 鶏肉500g(100g98円で購入)=490円
 玉ねぎ4個(1袋)=198円
 じゃがいも7個(1袋半)=297円
 にんじん2本(3本入り1袋のうち2本)=132円
 ナス3本=150円
 ピーマン4個=100円
 にんにく一片=6円
 コンソメ3個=50円
 サラダ油大さじ3=わからないから3円くらい
 合計1624円、プラス消費税=1705円

 水7カップもわからないから10円とする。1715円。

 これを12で割ると142.9。1皿あたりのカレー、約143円なり。

 ごはんは、1ヶ月に米15キロくらい消費する。10キロ約3000円の米だから、月に4500円。これを1日あたりにすると150円。6人で分けると1人あたり1日25円となる。昼食・夕食の2回で食べるとすると25÷2=12.5円。これを1食分として、カレーの143円と足すと155.5円。

 光熱費などは省いて、カレーライス1皿155円となった。レストランで食べるよりはるかに安い。

 しかし、カレーが食べたいときにはレトルトカレーという手もある。レトルトカレーはいくらだろう?ちょっとコンビニに行って見てみた。これも値段にすごく幅があるのだが、主流は250円前後。高いと380円くらいする。もっとも、いかにもレトルトらしい具の少ないカレーだと100円ちょっとで買える。 

 さて、アナタならどうします?(2003.10.14)

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