酔 談

ごくごく最近の、酒の席での雑談から。
出席者がすごいよ。
世界的な指揮者、日本で名を知らぬ人がいないくらい有名な吹奏楽指導者(複数)、中学校の音楽の先生(複数)、作曲家、大学の教授連、それに私。
誰なのかは、私の立ち回り先をご存知の方なら推測できるでしょうが、どれが誰の発言かは、伏せておきます(!)


その1

「ドとレの音程は何度?」
「2度」
「ドとミは?」
「3度。あたりまえじゃないか!」
「じゃあ、オクターブは?」
「8度!」
「2オクターブは?」
「16度!!!」
(わが意を得たりとばかり)「数えてみな。」
ドとレが2度だから、指を折って2をつくり、ミ、ファ、と、一本ずつ折っていく。あれれ! 2回目のドになっても、指は15本しか折れてないぞ!

算数のナントカ算の世界。

その2

中学の音楽の先生どうしが、こんな話になった。

ひとつの小節の中で、ある音に臨時記号がつきました。同じ小節の中で、その後に、オクターブ高い音がありますが、特に臨時記号はついていません。この音には臨時記号はつきますか?
「つかない。」
「つく。楽典の本にちゃんと書いてある。」
「おいおい、それじゃ、同じ市の中で、中学が違うと、違うことを子供は教わってることになるぞ」

聞きつけて、みんなが寄ってくる。

「オレはフランスに何年も留学して作曲をやったんだ。つかないに決まってる。必要なら、いちいち臨時記号を書いてる。」
「こういうことは、文科省がちゃんと通達をださなきゃ現場が困る。」
「通達なんか出したってしょうがない。ああそうですかと言って、モーツァルトが生まれ直してシャープをつけ直すわけにもいかないだろ。」
「だいたい、そういう規則がどうのこうのと言うけれど、音を出しゃ、どっちだかわかりそうなもんじゃないか」
「現代曲だったらどうするんだ」
「それにね、困るのは、今の学生は、これが規則だと教えると、多少響きが変だろうが何だろうが、そのまま弾いて直さないんだよ。変だと思わない? って聞くと、変です、でも、書いてある通りだと、こうですから、って。」
「感覚がちがう人種が生まれてるのかもな。ドミソは、かつては天上の幸福とか言ったけど、今、このご時勢、ポンとドミソ弾かれても、不気味といえば不気味だよな。なんか、カマトトぶってて。人間的な暖かさとか安定を感じるといったら、むしろ7thコードじゃない?」
「あと千年くらいすると、ドミソを不協和とか悪魔の音程とか教える時代がくるのかね? 人が一番落ち着くのは増4度とかいう時代が。」

その3


数を数えられない子ってのがいるでしょ。4拍子なら1、2、3、4、で、次の小節が来て、また1、2、3、4、ってヤツができないし、わからない。そういうのを教えようと思ってね、同じ長さの割り箸があったから4本並べて説明しようとしたんだ。まず1だろ。1の長さはここまでだぞ。次が、2だ…。この説明をしたら、先生、質問していいですか。何だって聞いたら、1と示したところを指して、先生、ここから始まるんなら、始まるところだからゼロじゃないですか。どうして1なんですか? だって。

「うーん、深いなあ。予備拍で説明するか。音楽はいきなり始められない。準備の呼吸があるから、そこがゼロだ、とか」
「しかし、こっちも、4と言いながら息を吸って予備拍は出せるけど、ゼロと言いながら息は吸えないぞ」
「ゼロはインドで発見された数学の概念なんだ。そんなものは、ヨーロッパには無いんだ」
「数学がゼロを発見する前から音楽はあったんだ」
「そんないいかげんな話で納得するわけないだろ」
「長さと区切りを一緒にするから話しが混乱するんじゃないか」
「なるほど、序数か」
「でも、拍には長さとか深さとかあるぞ。妙にデジタルに1、2、… と、時間だけに注目されても困る」
「うん。以前、書き込みで、音符の上に数字が書いてるのを見た。1とか2とか4とか、音符のタマの上に書いてあるわけ。たまに1.5とか書いてある。これ何? って聞いたら、長さです、いくつ延ばすか書いておかないと、わからないんです、だって。百歩譲って、1とか2はいいとして、1.5とか3.75とかを見ながら吹いている子がいると思うと、何か、違うよなあ」

さて、「ゼロ」について、いい説明ができる方、ぜひ教えてください。

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