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鰻は大好物である。 鰻屋の暖簾に平仮名で「うなぎ」と書いてあって、「う」の字が鰻の絵になっているのを見ようものなら、それだけで涎が出てくる。ちなみに、どういうわけか、こうした暖簾の「な」の字は、崩した「奈」の字だ。パッと見ると「うふぎ」と読める。だから、昔から「うふぎ、うふぎ」と言って喜んでいる。この「うふ」というところがいいのである。ためしに声に出してみてほしい。いかにもこれから食う美味しいモノを想って欣喜雀躍するが如くの語感ではないか! 私は元来食い意地が張っているから、鰻は大きい方がいい。脂がのって、何年も溜まっていたようなタレがドロッとかかっているのがいい。それゆえ、しっかり食べる感じの関西風も、サラッとした名古屋のまぶしもいいが、関東風の蒲焼きがいちばん好きだ。
今日ご紹介する「石橋」は、東名静岡インターの近く。インターから市中心部へ行く道が、通称「南幹線」という道と交わる交差点のすぐそばである。 ここのメニューは、「一本焼き」。鰻一本分の蒲焼きである。アタマまでついてくる。連れて行って下さった方が気を遣って「十分おなかを空かせて来るように」とおっしゃっていたが、何、このくらい何でもない、快い満腹感である。タレは、甘みはもちろんあるが、何がどうなっているのか分からないけれど、よくあるドロっとしたのでもないし、サラッとしたのともちがうし、ちょっとゴツゴツした感じの独特のもの。古いお店で、年輪を感じさせる店内の雰囲気もいいし、ご飯は「輪っぱ」で出てくる。 静岡に行く鰻好きにはオススメできるお店である。 うなぎ「石橋」 お財布の目安…2000〜3000円 |