〜はじめて印刷物をつくる人のために〜

<第2回>印刷物の見積り

●印刷物をつくろう

例えば、幼稚園児を持つあるお母さんがいます。手先が器用なので、趣味でビーズの小物やアクセサリーをつくっています。かなり上手くなり、知人に贈ったりして、喜ばれています。作品がたくさんたまったので、月に一度、自宅を開放してミニショップを開くことを思いつきました。家族の了解を得て、リビングを改装しましたが、さて、どうやってお客さんを集めればよいでしょうか。
まずは宣伝しなければいけません。そこでチラシをつくることにしました。どうせならたくさんつくって、新聞の折り込みにも入れようと思います。「でも、いくらかかるのかしら」
たまたま目にした広告で、印刷屋さんに電話をしてみました。

●見積りを出す

印刷物が実際にいくらかかるかは見積りを出してもらえばわかります。
彼女が電話をかけた印刷屋さんも「見積りを出しましょう」と言いました。ところが、その先、印刷屋さんはこう言ったのです。
「では、@色数A大きさB部数C片面か両面かをお知らせください」
何も考えていなかった彼女は面食らってしまいました。でも、これらのことがわからなければ正確な見積りは出せないのです。ひとつひとつ追っていきましょう。

@色数

第1回<単色印刷と4色印刷>で説明した印刷物のインクの数のことです。詳しくは第1回のページをご覧ください。ちなみに印刷料金は、スミ1色の場合と、スミ+マゼンタの2色の場合では、単純に倍になるとは限りません。

A大きさ

印刷物の紙の大きさです。
チラシは折りたたんでいない場合(ペラといいます)、B5かA4が一般的です。B5は182@×257@、A4は210@×297@、この寸法は紙の仕上がり寸法です。
B5が普通の大学ノートの大きさ、A4はそれよりひとまわり大きくなります。
AとBでは紙の縦横の比率が違います。日本では紙は一般に、このAとBのふたつに分かれています。
裁断していないのを全紙といい(B0・A0)その半分の大きさがB1・A1、以下数字が大きいほど寸法が小さくなります。
ちなみにポスターはB2かA2またはそれ以上。

紙の仕上がり寸法

B 列

A 列
列番号

mm

列番号

mm

 B 0

1030×1456
 A 0

841×1189
 B 1

728×1030
 A 1

594×841
 B 2

515×728
 A 2

420×594
 B 3

364×515
 A 3

297×420
 B 4

257×364
 A 4

210×297
 B 5

182×257
 A 5

148×210
 B 6

128×182
 A 6

105×148
 B 7

91×128
 A 7

74×105

その他、書籍や雑誌などに使う新書版・菊判・四六判などがあります。

B部数

文字通り、印刷する部数のことです。
昔は10部や100部などの少部数での印刷はありませんでしたが、現在は印刷機も多様になり、可能になりました。ただし印刷物は、部数が多くなるほど一枚あたりの単価が安くなります。その辺りも考慮に入れた方がいいでしょう。

C片面か両面か

これも文字通り、片面だけの印刷か、それとも裏も印刷する両面印刷かということです。
新聞の折り込みチラシも片面1色だけのものから表も裏も4色といろいろありますね。もちろん表が2色で裏が1色とか、表は4色で裏は2色とか組み合わせは自由です。


さて、言葉の意味がわかったところで、彼女は「(スミ)1色・B5・1000部・片面」と決めました。
見積りを出してもらうと、そこそこ予想したぐらいの値段でした。

●印刷物の値段

同じ条件でも印刷屋さんによって値段はかなり違います。
上記の条件では、「紙代込み」(印刷屋さんが手持ちの一般的な紙を使う場合)で、だいたい1万〜4万くらいでしょうか。もっと安いところもあるかも知れません。

●値段のちがい

同じ紙を使って、同じ条件(1色・B5・1000部・片面)の印刷をするのに、A社とB社で値段がちがうというのはどうしてでしょうか。例えば、次のようなことが考えられます。
・納品までの時間がかかる→けれど、安い
・完全なデータの形で入稿(「データ入稿」については別の項で説明します)しなければならない→けれど、安い
・色校正(これも次回以降説明します)が出ない→けれど、安い
・普通の写真から原稿がつくれる→けれど、高い
・何度も色校正を出してくれる→けれど、高い
・扱えるフォント(フォントについても次回以降説明します)が多い→けれど、高い
・営業の人がいろいろ相談にのってくれる→けれど、高い
このように会社によって特徴がちがいますので、一概に安ければいいとはいえません。自分に合った印刷屋さんを選びましょう。

●紙代

紙代は、印刷代に含まれる場合と、そうでない場合があります。
値段の項でも出てきましたが、「紙代込み」というときには、印刷屋さんが手持ちの常備紙を使用します。どんな紙なのかは問い合わせれば教えてくれます。しかし、それ以外で、特にこれが使いたいという希望があれば、その紙の値段も加算されます。紙といっても何百種類あり、印刷に適したもの、そうでないもの、特殊な効果のあるもの、といろいろありますから、紙についても次回以降に項目を設けます。
「印刷代のみ」という場合は、紙の代金は含まれませんので、見積りのときに確認しましょう。どちらにしても、紙の値段もインクと同じく種類によって、高い安いがあるということを覚えておくと便利です。

●折り

ペラではなく折りがある場合(二つ折り・三つ折り・観音開きなど様々なものがある)、加工料がかかることがあります。これも見積りのときに確認しましょう。

●製本加工

刷り上がった印刷物を綴じることもできます。中綴じ・無線綴じなど。製本代がかかります。


第3回は<印刷物の発注>です。

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