よみもの覚え書き


2004年 2005年 2006年

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少年陰陽師 禍つ鎖を解き放て
結城 光流 著
角川ビーンズ文庫
異邦の妖異を何とか退け、平穏を取り戻しつつある平安京。しかし、昌浩の日常は平和とは程遠く…。昼間は陰陽寮の直丁(雑用係)としてせっせと働き、夜となれば少年陰陽師として京の警備を続けています。毎晩、雑鬼に圧し掛かられても、若返った祖父・安倍清明から可愛さ余ってイジメられても。
成人の儀の加冠役をしてくれた藤原行成が、怨霊に襲われた。それを知った昌浩は、彼を助けるために奔走します。けれど、行成に呪詛をかけたのは怨霊に憑かれた先輩陰陽師・敏次だったのです。行成を救うために呪詛を返せば敏次が死ぬ。どちらの命を選ぶべきか。昌浩は苦悩します。そして、決意を固め、怨霊調伏へ!

彰子が安倍邸に滞在することになって、何だか幼な妻みたいでかわいいです。市に行くと言った彼女を案じるあまり、六合に昌浩が「お願い」するとこは笑えました。後で、青龍から嫌味を言われて「命令? 違うな。お願いされたんだ」と言うところも。六合かっこいいだけでなく、お茶目さんなんですね。若かりし清明が、昌浩のデコを小突くところの絵が素敵でした! 敏次は、力がないくせに勘違いしてるところが何だか憎めないキャラですね。悪者になりきれないとこもイイ人だ。あっはっは!

クロスカディアD 月眠ル地ノ反逆者タチ
神坂 一 著
富士見ファンタジア文庫
5つの月が昇る世界、クロスカディア。分かたれた4つの大陸それぞれに、人間(ヒューム)と鱗王族(ドラグノ)、憑霊族(リワーダー)、魔妖族(ディーヴァ)が独自の生活圏を有していた。人間の青年シンドレッドが偶然出会った一人の少女メイ。彼女が世界に降り立ったことで、彼の平穏は破られる。メイを主人と慕う、犬に半獣化するリワーダーの女戦士ラフラ・リフラ。人間社会に留学していた、ドラグノのレゼルド。そして、何故か彼らの味方をする女ディーヴァ、ギソウル。彼らは理由もわからないまま、追われるメイを守るためにディーヴァと戦い、他族の棲まう大陸へと赴き…。徐々に明かされていくメイの正体。そして、5つの月とは…。

やっとメイの正体もわかり、終着点が見えたクロスカディアですが、終着点は見えてもそこへの道が困難すぎて、達成できるのかが不安。なんでって、主人公たちの戦力が弱すぎだからなんでしょうね。今まで、神坂さんの作品の主人公は、たいがい初期パラメーターがMAXだったので、極悪人だろうが魔王だろうが、木っ端微塵にくだいてしまうだろうという勢いと安心がどこかにあったのですが、このシリーズにはそれがない。まあ、言わば、メイが最強のジョーカーなのかもしれませんが、彼女の力は不安定で信用できないし。運と結束だけで何とか最終ステージへと乗り込んだ彼らがどうなるのかが、とても気になりました。次で終わる…のかな?

少年陰陽師 鏡の檻をつき破れ
結城 光流 著
角川ビーンズ文庫
宿敵・九尾との戦いに敗れ、日本へと逃れてきた異妖・窮奇。恐ろしい妖怪は、戦いで損ねた力を取り戻すため、霊性の高い人間の血肉を求めます。その一人が、内覧・藤原道長の娘である彰子。しかし、彰子は妖の甘言に応えてしまい、その身の呪詛が発動してしまいます。タイムリミットは、彰子の入内の日まで…。彰子を守るため、大陰陽師・安倍清明の孫である昌浩が奮闘する! 彰子を守るために…。

シリーズ第3弾です。
十二神将が少しずつ昌浩に傾いて行ってるのに、顔がニヤけます。特に青龍。
六合かなりカッコよくてクラリときましたよ。
今回は、昌浩と彰子の報われぬ恋の行方が最大のテーマ(?)。切なくって泣けました。御簾越しでのシーンは、涙が止まりませんでした。幼いゆえに素直で純粋な恋心っていいなあ。 

あだし野に眠るもの 篁破幻草子
結城 光流 著
角川ティーンズルビー文庫
怨霊を恐れ、平安の京へ遷都をした桓武帝。その御世より少しだけ後の時代の話。
魑魅魍魎が跋扈する平安京。かの遣隋使で有名な小野妹子の末裔である篁(たかむら)は、容姿端麗で宮中のアイドル。しかし、猫かぶりの二重人格者で、本当は口は悪いし容赦ない。そんな彼の本性を知る友人・橘融は、いつも振り回されっぱなしなのでした。ある日、融は、怨霊に襲われたところを墨染の衣を纏う鬼に助けられます。しかしその正体は……冥府の閻羅王に冥官として任命され、怨霊退治をする小野篁だったのです。

少年陰陽師シリーズの著作を持つ結城光流さんのデビュー作です。
同じく平安時代が舞台ですが、こっちはかなり初期。神代の時代が色濃く漂う世界観が神秘的でした。主人公の小野篁は、百人一首の歌人の一人らしいですが、私ゃそんなこと知っちゃねえです。ひねくれてるけど、本当は優しくて大切なものを失うことに臆病なだけの篁が、かわいかったです。敵の正体がわからずに続くのが悔しかった。
このシリーズ凍結しているという噂を聞くのですが、再会するめどはあるのでしょうか?

レギ伯爵の末娘 〜よかったり悪かったりする魔女〜
野梨原 花南 著
集英社コバルト文庫
見習い魔女のポムグラニットは、故郷のお祭りに行きたい!と師匠にお願いしました。すると師匠のチャコーレアは「魔女らしいことをしたら」と条件を出しました。そこでポムグラニットは、父親が再婚してできた、13人の義姉にいじめられていると噂されるレギ伯爵の末娘・マダーを助けるために訪れます。しかし、マダーは見事な手腕で姉たちをタラシこんでいました。がっかりするポムグラニット。でも、マダーには、とある呪いがかけられていたのです。レギ伯爵は、そんな娘を何とか嫁がせてしまいます。その相手は、放蕩息子として有名なカリプスン侯爵家のアダー。ひねくれまくった彼も巻き込み、護衛役のカイとの4人で、ポムグラニットは、マダーの呪いを解くことを約束します。

「ちょーシリーズ」でおなじみの野梨原さんの新シリーズです。
相変わらず、個性の強いキャラをお書きになります。一辺倒な会話じゃないのが、読めなくておもしろい! 日常では忘れがちな大切なことを思い出させてくれる、そんな優しい文章もあります。あとがきにも書いてあったのですが、「誰と誰がくっつくの?」ってな感じでした。ドキドキさせられますよ。