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朝からシフトが一緒の「ふしぎちゃん」が休む、と勤務開始時刻に電話をしてくる。
仕方なく一人で開店準備をする。
家庭の事情で休むって、なんだいね。
それってなに?と聞いたら「ちょっといえないっす」と返された。
腑に落ちやしないのでむかっとする。
朝からものすごいペースで忙しい。
やー今日忙しくってよかったぁ。売って売って売りまくるぞー。
一人だけど、がんばる。
お昼にやっと遅番の子がくる。
ねぇーちょっとわたし忙しくしてたのー。午前中、結構成績よいよ?
あれぇ。ところでわたし、ちょっと動悸してるのかも。
お客さんの相手お願いするね、トイレいってくるー。
トイレいったら治るかもと思ったけど変わらないからお昼休憩いってくるねー。
そういった休憩室。食べられもしないあんかけやきそばを前に
信じられない早さで打ち続けている心臓。
死ぬかも、休憩室で?あんまりだ。
よっぽどのことがないと医者にかからないが、さすがに怖くなって
近くのかかりつけにおそるおそる歩いてゆく。
昼休みだった…。
でももうどこにも行けなくて受付の小顔のお嬢さんに
「心臓が早いので、ここで待たせてください…」
っていってぐだっとなっていたら看護師さんがいらして血圧と脈を測ってくれた。
こわごわみると血圧は普通なんだけど脈が180くらいある。
「先生は2時にならないと戻らないので待ってください」
といわれたがまだ1時過ぎなのである。
うぅ…2時までに死んだりしないでしょうか 息も絶え絶え。
それでも2時前には心電図を取ってくれた。
脈拍が聞こえる。じゃきじゃきじゃきじゃきっ、早い!
心電図を取った後は一人で横になっている。横になって10分くらいで脈が落ち着く。
先生がかえって来た音がする。点滴がどうのって聞こえる。
もういちど心電図。こんどはペースが遅い。じゃっきぃ〜じゃっきぃ〜。
胸のはだけたのを直し、先生とやっとご対面。
おたく風である。ジャック・ブラックのようである。割とわかい。
「落ち着いたみたいですね、点滴しなくていいかな」
「それで病名は」
びょ びょうめい そんなもんがつく??
「上室性頻拍」
がーん なにそれわからん
「心臓は電流を流して動かしてるんですが、その電流の本筋のほかに脇道がある人がいて、なにかの刺激でその脇道に電流がながれて信号がぐるぐるまわって頻脈になるんです」
「治療法はですね」
「カテーテルアブレーション!」
必殺技ー。こわいよー。
「手術して入院は二泊三日ですよ♪わたしは毎年40件くらいやってるから大丈夫」
「あのね、手術しなくても命に別条はないの」
へえ!じゃあしなくていい?
「でも、きなこさんの今回みたいに、苦しいでしょ?不安になるでしょ?上室性頻拍は手術で根治できます。不安から逃れられますよ。」
この先生揉み手で手術をすすめてきそう。目が輝いている。しかしこの場で返事ができるわけもなく、家族に相談しますとごにょごにょして診察室から逃れる。
そういえば、この頻脈は生まれつきもっている性質による場合が多いらしいのだが
それに加えて過労や強いストレスが頻脈を起こす要因となるらしい。
あっ!
今朝のことかなー。
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