「Camino de Santiago」への道

大袈裟なタイトルをつけてしまいましたが、サンティアゴ巡礼の道走破までの、私の準備に関するこまごまとした話を、書いてあります。

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ここまでの経過

実際に、巡礼の道を自転車で走ろうと思ったのは、97年の8月位です。ただ、この時は漠然としていて、行ければ良いなぁ、チャンスがあれば行きたいなぁ、という程度の気持ちでした。それが、こうも具体的になったのは、日頃お邪魔しているパソコン通信のフォーラムで、何気なく発したコメントから、スペイン好きの人達に大変熱い応援を受けた事、さらに悪い(?)タイミングで、TV「世界遺産」で巡礼の道の特集が2週にわたって放送された事があげられます。すっかり行く気になってしまいましたからね(笑)。

10月の中旬から、巡礼に関する本を探したり、今まで読んだ本の中で、ヒントになるような記述はないかと資料を集めています。以下、日記のような感覚で書いてみたいと思います。

97/11/24,30

巡礼の道に関する本を探しに、本屋さんへ。所々巡礼の道に関する記述がある本は見かけるが、大きい街(パンプローナ、ブルゴス、レオン)に限られているのが、ほとんど。今一つ、購買意欲が湧かず、結局、中丸明さんの「スペインひるね暮らし」を買ってしまった。手元にあるので、使えそうなのは、スペイン政府観光局からもらった、「EL CAMINO DE SANTIAGO」という小冊子だけ。ただし、全部英語。56ページもあるので、辞書を引いて読む気もしない。写真だけは、チェック。

97/12/5

インターネット上で、自転車で、この道を走破した人のホームページを見つける。英語とフランス語。中身は読めないけれど、街から街までの距離や標高などが載っていて、使えそう。

97/12/7

会社の後輩のK君につきそってもらって、自転車を見てきた。自転車もとにかく奥が深い。ロードレーサーやマウンテンバイク、とにかく走る道路に合わせて、色々な組み合わせができるらしい。困った事には、巡礼の道の道路の状態が良く分からない。日本の道路のようにきちんと舗装されていればいいが、場所はスペイン、街に入れば、もちろん石畳もあるだろうし、時には舗装されていない道路を通るケースもあるだろう。購入する自転車で、まだ悩んでいる・・・。

さらに、自転車屋の人に今回の計画を話すと、渋い顔(@_@)をされてしまう。一日100kmは、やろうと思えばできるけど、それを8日間やり続けるのは、相当厳しいと。当初、ロンセスバーリェスかハカからやろうと思っていたこの旅行も、スタート地点の変更を考えなくてはならないかも知れない。二週間位、会社を休めればなぁ・・・。

97/12/9

スペイン政府観光局で紹介してもらった、池田宗弘さん著「巡礼の道絵巻」を手に入れる。¥7000。パラパラとめくっただけだが、今まで手にした本の中では、一番詳しく書かれている。しかし、¥7000は高いなぁ。日本語でのこの道の情報って、本当に少ないから、まぁ、仕方が無いとは思うけれど・・・。ここは一つ、巡礼の道を走破して、「サンティアゴぶらり自転車旅」なる本でも書いて、一儲けしてやるかぁ(^_^;)!

97/12/13

今日、自転車屋に行って、注文をしてきた。ツーリングタイプのやつ。ロードレーサーか、マウンテンバイクにしようか、色々迷ったが、結局その中間的なのにしてみた。考え出すと、きりがないから、自転車屋さんの薦めるままにしてしまった。ま、いいか。走り辛い事はあるかもしれないが、ちゃんとタイヤが二つついていれば、走れない訳じゃないし・・・。納車は、12/27。う〜ん、着々と今回の旅行への準備が実行されていってる。練習は、年明けからスタートするとして、あとは、現地の情報と、どうやって、会社を休むかだなぁ。(^_^;)

97/12/23

天皇誕生日。午前中は、インターネットで、「巡礼の道」の載ってるホームページを探す。さすがに日本のサイトは皆無。Yahoo!のアメリカで検索すると、かなりの数がヒットしてきた。一件、12/5に見つけたのとは、別のが出てきた。ブラジル人の二人組みで、やはり、自転車で、「巡礼の道」を走破したらしい。この人達は、50km/日の予定で、21日間の行程になってる。英語・ポルトガル語・スペイン語の3ヴァージョン。ちなみにこのホームページは、その日の平均時速も書かれていて、大体10〜15km/h。旅行での平均時速は、12.9km/hだった。先日のホームページの人も、速度に関する記載はないが、大体、50km/日位で走っている。15日間。

午後は、予定を早めて自転車を取りにいった。当初、27日のつもりだったが、すでにお店の方に届いているとの事だったので。夕方、自宅の近くをブラーッと走ってみる。しかし、実際に走ってみると、考えていたのと大きく違うのが良く分かるなぁ。スピードメーター見てたけど、20km/hを超えたのが一回しかなかったもの。結構、真剣にこいだんだけどな。最初の計画では、20km/hで走るとして、一日5時間で100km。それなら、自転車で移動しても、十分観光もできると思ってたのに・・・。(沈黙)・・・やはり、スタート地点をもう少しサンティアゴ寄りに移す事を考えなくてはならないかも知れない。(;_;)

97/12/27

自転車で、住まいのある世田谷から、新宿(正確に言うと、初台の駅付近)まで走ってみる。走行距離11km。時間にして、45分位。平均時速15.4km。一時間、休憩した後、別の道を走って家へ帰る。往復にして、25km、1時間50分。平均時速13.7km。行きに比べて、帰りは距離が長かったが、たどりつけた。しかし、帰りはバテバテ。疲れて走れない状態ではなかったが、ちょっとした上りの坂が、きつく感じる。足もガクガクしている。まぁ、最初だから、こんなもんだろう。今日ので、25kmは、走れるというのが分かっただけでも良しとしなくちゃ。次回は、世田谷〜立川(往復50km)にチャレンジ。

97/12末〜98/1

年末年始の休み中に本を読む。小谷明・粟津則雄著「スペイン巡礼の道」新潮社、鈴木孝壽著「スペイン・ロマネスクの道」筑摩書房、池田宗弘著「巡礼の道絵巻」形文社の計三冊。最初の二冊は、どちらかと言うと、美術からのアプローチ。ロマネスクの魅力が中心となって、書かれている。「巡礼の道」イコール「ロマネスクの道」というわけなんですね。ただ、読むだけでは、どの部分がロマネスクで、どれがゴシックなのか、全然理解できない。これは旅行までの課題としよう。どうせ行くのだから、その違いがわかったほうが、楽しい旅になるだろう。

三冊目の「巡礼の道絵巻」は、実用的。これは、一番、役に立ちそう(特に、歩いてこの道を行く人には、教科書的なガイドとなるのでは?)。何といっても、実際に歩いたその道が文章だけでなく、絵で示されている。さらに、美術的な見方も、かなり詳しく書かれている。オススメ。但し、¥7000で、高いのと、書店での流通がないのが、難点。歩いて、巡礼の道を行く人には、他の本を買うのを止めて、この本だけにしたら?と、言いたい位です。

98/1/5〜1/10

年末年始に本を読んだ後で、中世スペインの歴史に興味が湧き、情報を集める。現在、読んでいるのは、その名もズバリ、「レコンキスタ」(刀水書房、D.W.ローマックス著、林邦夫訳)!。この時代の、イベリア半島のキリスト教各王国って、複雑で、良く分からない。単純にカスティーリャ、アラゴン、ナバーラがキリスト教の国として、協力しあっていたというわけでもないし、外にはイスラム教国家を抱え、中では、お家騒動を抱えてるという、まさに戦国時代のような感じらしい。

それと、もう一冊、漫画の「アルカサル−王城−」(青池保子・秋田書店、全12巻)にはまってしまった。舞台は14世紀のスペインで、ペドロ残酷王が主人公のストーリーなのだが、これは、とにかく面白い。まぁ、漫画だから多少のフィクションがあるんだろうけど、本で読んでいたイメージと大分変わってしまった。セビーリャにもまた行きたいなぁ・・・。

98/1/25

1月の大雪でしばらく自転車に乗っていなかったので、久しぶりに出かける。世田谷〜立川まで。自転車のメーターによると、片道20km。1時間20分程。帰りは別の道を使い、25km。1時間40分。平均時速16km。今までで一番長い距離を走ってみたが、さすがにバテた。下半身はそうでもないが、肩が痛い。考えてみれば、上半身は特に動かすわけでもなく、一定の姿勢で1時間半近く保ってるわけだから、こういう状態になるのも頷ける。

98/2/1

世田谷〜昭島往復。54km。疲れ方もそうひどくない。徐々に自転車に慣れてきた証拠か?

98/2/8〜98/2/15

一通り、巡礼の道に関する本を読み終わり、日程の検討をする。スタートは残念ながら、ブルゴス周辺に決定。どちらかと言うと、ブルゴスまでの方が見所も多いような気がするんだけどね。「周辺」というのは、まだ決めかねているから。というのも、それぞれの資料のサンティアゴまでの距離がまちまちで、一番短いのだと、(ブルゴス〜サンティアゴまでが)475km、長いのだと、548kmとある。その差70km。どうなっとるんじゃ?まぁ、これは旧道と自動車道との違いもあるんだろうけれど・・・。

インターネットで探した、自転車で巡礼の道を走った人のホームページも距離がそれぞれ違う。一つは530km、もう一つは493km。本当に493kmなら今考えている休暇の日程で無理なく行ってこれるんだけどなぁ。

98/2/末

ルートはブルゴスからに決定!これ以上考えていてもきりがない。日程的に無理だったら、途中電車を使ってもいいだろう。マドリッドまで飛行機で行って、そこから電車でブルゴスへ。ブルゴス〜サンティアゴ間は自転車で走り、帰りのサンティアゴからは、飛行機で帰ってくる予定。

98/03/08

今まで黙っていたわけではないけれど、スペインの本と平行して、宗教美術に関する本を読んでいた。しかし、ここ3−4ヶ月、本代がべらぼうにかかっているなぁ。まぁ、生活に困る程、読んではいないけれど、今までの人生の中で、今が一番読書量が多いような気がする(笑)。うん、少なくとも、学生時代よりは、絶対、今の方が多い!断言しちゃおう(爆笑)。

ちなみに読んだ本はと言うと、「マリアのウインク」視覚デザイン研究所編、「ヨーロッパ美術を読む旅」柳沢保雄著・トラベルジャーナル社、「西洋絵画の主題物語」美術出版社の三冊。

今日は世田谷〜羽田空港までを自転車で走ってきた。往復走行距離60km。しかし、羽田空港周辺って、何で、あんなに分かり辛いの〜!(注・もちろん車で行けば、そんな事ないです、念の為)迷った、迷った、しかも行く所、行く所、「関係者以外立ち入り禁止」の看板ばかりだしね(笑)。それに空港周辺って、本当に何もないじゃない、ジュースの自動販売機も見つからないんだもん。あれじゃぁ、ちょっと心細いよ〜。帰り道で、やはり自転車こいでる人がいて、聞かれましたよ、「この先って、空港あるんですか?」って。やっぱり、あの人も不安になったんだろうなぁ。ともかく羽田空港が自転車で行くべき場所じゃないって事がよ〜く分かった(笑)。

98/03/20

旅行の準備が少しずつ出来てきた。ちょっと心配なのが、自転車の輸送。ただ飛行機に預けるだけでは、着いた時にフレームが曲がってたりして、乗れないというケースもあるようだ。日頃顔を出している、パソ通のフォーラムで聞いてみたが、反応は今一つ。当然、自転車ごと飛行機には乗せられないので、前輪・後輪外して、できるだけコンパクトにして積み込みたいけれど、梱包をどうやるかによっても、違うらしい。行きは日本にいるし、時間もあるから、問題ないけれど、問題は帰り。限られた時間の中、しかもスペインで、梱包しなくてはならないのか?と思うと、いい手が思い浮かばない。とりあえず、インターネットの掲示板で聞いてみよう。

98/03/28

掲示板で聞いてみたら、この一週間で、情報が集まってきた。海外ペリカン便で送るというやり方だ。なるほどね、ペリカン便って、何も日本国内に限った事ではないわけね。しかも、マドリッドに営業所がある。帰りはそこに自転車持って行って、日本へ送ってもらえばいいわけですよ。

自転車ネタと並行して、旅行の航空券の予約。ちょっと早い気もするが、善は急げ!というわけで、代理店に問い合わせて、予約だけ入れてもらった。予定としては、7/16夜出発の、7/27帰国。休み取れるかなぁ、まだ、会社に何も言ってないんだけど・・・。

今日は暖かかったので、自転車で、池袋まで行ってみた。往復38km。半袖のTシャツで十分だった。うん、これ位の気候だと、本当に、気分良く走れる。スペインの太陽が恋しいなぁ。

今週は、何か、ものすごい前進したような気がする。今まで、考えるのを先延ばしにしていた事がクリアーになったので。日程にしても、自転車の事にしても、細部はまだきちんと決めてないんだけど、何とかなりそうだ、という手応えが出てきた。

98/04/26

ここ一月、何もしなかった、という訳ではなくて、主に自転車の解体作業をしていた。工具もそれなりに揃えないと駄目なわけね。ペリカン便の話はというと、結局、スペインでの受け渡しがきびしいんだとか・・・スペインに住んでる人へのギフトとして送るなら問題ないけれど、日通のマドリッド支店での受け渡しだと、保証もできないし、通関に手間取って、受け取るのに何日かかるか分からないなんて、嫌な話ばかりするんだもん。本当かなぁ。帰りの方はもう断念。帰りが日曜日にあたっているから、お店休みだろうし。結局、自分と一緒に持っていく方が良さそうだ、という結論に達した。

山口さんとの打ち合わせ(メールモード)。うまく行けば、レオンで落ち合えるかも知れない。山口さんもその気みたいだし。レオンで会えたら、感動しちゃいそうだな。出発まで、ついに残り三ヶ月を切った!

98/05/05

イーヴ・ボティノー著「サンチャゴ巡礼の道」(河出書房新社)を入手。まだ読んでないけれど、どちらかと言うと、歴史書のような感じ。前半は巡礼の歴史とロマネスクの紹介、後半で各地の見所等書かれているが、その内、半分がフランス側に関する事で、フランスからこの道を行く人には良い本かも。そういう意味では、一番標準的な本と言えそう。

自転車で立川まで行ってみる。往復45km。この日は、多摩川沿いの自転車道を走っていったので、時間的にも速かった。何が良いって、信号が全くないから、スピードを緩める事はあっても、停止する必要がないというのが、最高。まぁ、練習用のコースですね。実際のスペインはそんな事はないだろうけど、日本程、信号もあちこちにはないだろうから、そういう点ではスペイン練習用のコースと言えるかな。

98/05/31

多摩川沿いの自転車道を走ってみる。自転車に乗るのも、久しぶりだ。自転車に乗る時は、いつもバルサ(FCバルセロナ)のユニフォームを着て走ってるんだけど、今日、はじめて、同じ物を着た人を見てしまった。多摩川沿いって、結構サッカーをやってる人が多くて、普通はイタリアチームのとか、アルゼンチンのユニフォームを良く見るんだけど、バルサのははじめて。向こうも気がついたみたいで、お互い、目と目を合わせてしまった(笑)。走行距離にして、50km。徐々に慣れてきたせいか、これ位の距離なら、体もそんなに疲れてないし、普通に走れるなぁという自信がついてきた。

98/06/06

5月は本当に、何も進展しなかった。仕事とか、法事とかがあって、土日がほとんど潰れてしまったから。今日もこの後、仕事が入ってるし。準備する事はたくさんあるんだけれど、何からやっていいのか、あまりに漠然としていて、手がつけられない。あと一ヶ月ちょっとだというのに・・・。

98/06/20

今日は、週末にしては、珍しく晴れていたので、自転車屋に行って、輪行袋(自転車をたたんで入れておく袋)とか、ヘルメットとか一式揃えてきた。パンク修理のやり方も教わったし・・・。もう、これで残すは荷造りだけ!荷物もできるだけ少なくしないと、移動が大変だからなぁ。どうせ男の一人旅、下着は裏返しで使い、洗濯すれば、三枚も持っていけば、十分だろう(笑)。

まぁ、これ以上は考えていても、どうにもならない、という所まできてしまったから、あとは、行き当たりばったりで何とかしよう!今までもそうだったし・・・(^^)。

98/06/28

今週は、旅行用の万が一の為に、薬を処方してもらってきた。鎮痛剤と下痢止め。鎮痛剤は足が痛くなった時用に。下痢止めは・・・実はこっちの方が気がかりなんだけど、多分、相当暑いと思うので、ビールを飲み過ぎて、お腹を壊すんじゃないかなぁ、と思ってるから・・・。本当はぬるくても水分をちょこちょこ摂れば問題ないと思うんだけど、多分、飲んじゃうんだろうなぁ、冷たいビール(笑)。

勝川さん(私の友人に紹介してもらった、飛行機輪行に詳しい人)が、6/28からのヨーロッパ旅行の為の自転車のパッキングをやると言うので、見せてもらいに行ってきた。自転車屋さんも、それなりにアドバイスはしてくれたんだけど、やっぱり普通の輪行と飛行機の輪行だと勝手が違うみたい。とにかくバンバン放り投げられるから、袋が破けないように出っ張る部分を極力少なくしなくてはならないし、ダンボールとかで保護も必要。自転車屋さんで見せてもらった解体方法とちょっと違ってたんだけど、勝川さんのやり方の方がスムーズにできそうな感じがする。

まだ慣れていないせいもあるので、時間ばかりかかってしまうが、とにかく、習うより慣れろで、解体してまた元に戻すという作業を繰り返しやってみよう!っと。旅行までに休日があと二回。平日はなかなか自転車にかまってる時間がないので、どうしても休日に旅行の準備をしなくてはならなくなってる。見所も今一つわかってないしなぁ。

98/07/11

旅行前の最後の休日。自転車の梱包をする。三ヶ所程、ダンボールで補強。荷物をできるだけ少なくしたいので、旅行ガイドも必要な所だけをコピーして持っていく。Tシャツ二枚、パンツも二枚、長袖シャツ一枚、自転車用のパンツ二枚、長ズボン一個、ポロシャツ一枚、タオル二本。衣類と言うと、これだけ。その他に自転車工具、ヘルメット、カメラ。これでもう荷物はいっぱい。あとは、現地調達!やれるだけの事はやった!