三つの宝物 その2 



 第二の宝物 婚約の喜び

  (二つ目の宝物は婚約式の日の喜びの日記である。教会の友と親兄弟だけの内輪で昭和四十一年一月九日に私たちは婚約式を挙げた。
   日記は式を終えてアパート帰り、一人になったとき私がノートの端に書きとめたものである。
   妻の家族は私たちの結婚に皆反対したが最初に折れたのが姉だった。その辺のこともかすかに日記から読める。
   もちろん日記の中心は喜びの感情である。信仰的純真さも伺える。こんな日記は今となっては宝物だろう。――三六五号から)

   八時一〇分、コタツに落ち着きました。嬉しさでいっぱいです。誰に感謝すべきなのか分かりません。今日集まって下さった人々すべて、ぼくたちを現在まで育ててくださった両親、今日の世話をしてくださった臼田さんや山田君、本宮先生、これら全部を統べたもう神。あらゆる人、ものにただ「ありがとう」と言いたい気持ちです。

 まず君に心からお礼を言います。お母さんやお姉さんのご心配を強い自信でもって乗り越えて、ここまでみんなの気持ちを変えてきた君の努力、愛情はすばらしいものだと思います。人間は普通弱そうに見える肉親の意見に最も強く影響を受けるものです。それなのにあのおばさんやお姉さんをして許す心にしてくれた君の強さ、ありがとう。

 山谷先生の心遣いにも心温まるものを感じました。ぼくは当然二〇分間ぐらい立つつもりでわざわざスリッパを持参したのですが山谷先生はとうとう座ったままで式を挙げて下さいました。ぼくたちの背後から力強い歌が聞こえ、その最前列にちょこんと座っている二人、賛美の途中でどうも笑いがこぼれて困りました。

 山谷先生がおっしゃった言葉の中で「お互いに足らぬところをよく知り、それを補いあって行く」という箇所がぼくには特に心に留まっています。
 もちろん誓ったように二人は神が教会を愛したごとく愛し合いましょう。「あなたがたは真理に従うことによって魂を清め、偽りのない兄弟愛を抱くに至ったのであるから互いに心から熱く愛し合いなさい」(ペテロ第一・1章22)。この言葉を与えられたことに心から喜びを感じます。

 ぼくたちの愛はぼくたちの心や体から生ずるものではなく神に選ばれた二人が神に許されて愛を抱くようになったのです。それはぼくは今まであまり強く意識していなかったように思います。二人は二人だけの魅力や尊敬する心や助け合いだけで結ばれているのではない。もっと大きな神の御旨によって結婚の約束に至ったのです。そういう意味から山口先生がおっしゃったように「結婚ではなくて婚約なのだ」「純潔を尊びなさい」という言葉が生きて来ると思います。あれだけの証人の前で神に誓ったのですからぼくたちは結婚するまでは決して純潔を失うことのないようにしよう。以前にも増して責任をひしひしと感じさせられますね。

 今日は多くの人々のお世話をいただきました。臼田さんが中心になって食事の心配をしてくださいました。繁田さん、宮地さんなどが協力してくれました。山田君や谷内氏、小野氏などは場所を設けてくれました。山田君はレコーディングもやってくれました。黒岩さんには今日になってオルガンの演奏をお願いして困らせてしまいました。芝田長老には池袋までケーキを取りに行っていただきました。これらの人々を覚えておきましょう。
 町田けゑさんというおばあちゃんにはお花と花瓶をいただきました。本宮先生には使徒行伝の注解書をいただきました。

 最後に君の家の人々に心からお礼を言います。あんなにご馳走作っていただいて申し訳ありません。あんなに食べられるものではありませんが、でも鯛など揃えて、心から祝ってくださっている心遣いをうれしく思います。
 お母さん、お父さんはいろいろご心配はおありなのでしょうが、でもあんなに祝ってくださってありがたかったです。

 まだまだ今日の喜びは書き尽くせませんがもうやめます。くれぐれもお家の方々によろしく。

 記念に祝会のプログラムを残しておきましょう。
 祝会プログラム

 1、賛美歌 74
 2、お祈り 本宮先生
 3、二人の紹介 本宮、山口両先生
 4.家族紹介 渋沢家・・・兄 姫野家・・・父
 5、賛美歌 294番 1節 2節
 6、友人のお祝い 山谷先生 谷内長老 松浦さん 宮地さん 黒岩さん 山口(弟)さん
 7.賛美歌 294番 3節 4節
 8、お祈り 山口先生

 

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