あらためて、テープ収録のメリット・デメリットを考える
 
A.D.2004年03月09日
夢追人 (yumeoibito)
 
実は、一年半前に購入したビクター製のビデオ HM-DH30000 が
あまりの酷使ゆえ不調になり、メーカーへ修理に出しました。
そして、修理完了して返送されてきたビデオの設定をやり直した所、
交換したデジタル基板が次世代の HM-DH35000 の物であることが判明しました。
つまり外見は HM-DH30000 ながら中身は HM-DH35000 用という具合です。
平たく言えば HM-DH30000 MarkII というわけです。
感心したのは、HM-DH35000 用のデジタル基板の内容です。
HM-DH30000 と比較しますと格段の進化を遂げています。
修理に出す前、HM-DH30000 にいだいていた不満がすべて解消されているのです。
まず、ビデオ内部の設定によると思われる「録画ミス」が皆無になったこと。
テープ挿入時のテープ・シミュレーター表示がなくなり、その分録画スタンバイの
時間が短縮されたこと。等々・・・
エンド・ユーザーの声が製品改良の大きな後押しとなっている事を実感致しました。
さて、今回のメンテナンス修理を機会に、使用者である私自身も、
使用に関しての一大転換点となりました。大きな変化です。
すなわち、
(1)S-VHS テープへデジタル記録
(2)LS3 モードの使用      この2点です。
それでは個々に説明を加えます。
(1)S-VHS テープへデジタル記録

かつて述べたことがありますがこの HM-DH30000 というビデオは
MPEG2 エンコーダー/デコーダー機能を搭載しています。

もともとこの機能はアナログをデジタルに変換する役目をもっているのですが
テープの認識においても、S-VHS テープを D-VHS テープと“勘違い”するようなのです。
つまり、アナログ専用テープの S-VHS テープをデジタル対応テープの D-VHS テープと
見なしてしまう・・という風にご理解ください。(ただし i-Link 経由のみの現象)

(テープ自体に検出孔を開け加えるという小細工なしにです)

これは実は、すごいことなのです。コスト・パフォーマンスに大きな差が生じるのです。

現在 D-VHS テープの単価は 300 タイプで安くて一本 700 円強、
これに対して S-VHS テープは 120 分用で一本あたり 230 円ほど。

300 タイプの D-VHS テープで HD(ハイビジョン)放送で 150 分、
SD(普通画質)放送で 300 分録画可能です。一方 120 分用 S-VHS テープは
HD(ハイビジョン)放送で 120 分、SD(普通画質)放送で 240 分録画可能です。

さらに、後述するように LS3 モードを使用すれば 120 分用 S-VHS テープで
なんと最大 720 分( 12 時間)もの長時間デジタル録画が可能になります。

90 分ほどの短い作品ならば8本収録、平均的な長さの 120 分前後の作品ならば
5〜6本ほど収録可能になります。120 分用テープ1本にです。

(もちろん LS3 モードにすることにより、画質はそれなりに先鋭感は失われますが)

最新の S-VHS テープを使用する限り、ブロック・ノイズも見受けられません。
このように対単価(コスト・パフォーマンス)に断然の差異ができてしまいます。

ただし、最新のビクター製ビデオはこの MPEG2 エンコーダー/デコーダー機能が
省略されていることを、ご承知おきください。

(2)LS3 モードの使用

購入してから一年半の間、
正直申しまして私自身 LS3 モードには全く見向きもしませんでした。

HS モード・STD モードに比べると、「長時間」モードという言葉だけで
何かしら“劣っている”という印象を持ち続けていました。

ところがある方から(その人は別なメーカーの LS2 モードを愛用中)
LS モードのすばらしさを説き聞かされ、試しに LS3 モードで収録して、アナログ収録の
S-VHS EP(3倍速)モードと比べますとその先鋭感にびっくりしてしまいました。

S-VHS の LP(標準速)と同等の画質の良さです。
なおかつ S-VHS に見られた輪郭の甘さが全く見受けられません。これは大きな発見でした

もちろん伏線があります。

修理前の状態では、収録機の機能の一つであるダウン・コンバーターを使い
HD(ハイビジョン)放送を STD モードで採ろうとしましてほとんど失敗を繰り返していました。

データ量が多すぎて収まりきれなかったのではないかと自分に言い聞かせていた次第です。

ところが修理後の HM-DH35000 用のデジタル基板を載せ替えた本品においては、
HD(ハイビジョン)放送をLS3モードで収録しても今日現在通算72作品すべて成功しています。

修理前では、とうてい考えられなかったうれしい結果が出たのです。

この結果を受けて、あらためて収録モードを見直しました。

今まで S-VHS EP(3倍速)モードで収録している作品をすべて LS3 モードに撮りなおします。

さらに、今まで S-VHS EP(3倍速)モードで収録を続けていた“映画”以外のコンテンツも
以降は LS3 モードにての収録方法に切り替えます。


福音もあります。
HM-DH30000 購入初期では、当然の様に D-VHS テープのみを使用していました。

300 タイプで標準尺の 120 分物を STD モードにて収録しますと、60 分ほど最後が
ブランク状態で余っていました。
『不経済』と思いつつも 60 分ほどの長さでは中途半端の感を常に感じていたのです。

LS3 モードを使用しますと、この部分にもう1本(うまくいけば2本)収録可能となったのです。

【結論】
このように、バージョン・アップしたデジタル・ビデオにおいては、
DVD レコーダーとの差異は大幅に縮まりました。
DVD が D-VHS との比較での優位点は、
(頭出しが容易)(劣化が少ない)この二点に絞られた感がします。
エンド・ユーザーが既存の「Hi-Fi VHS ビデオ」からの買い換えならば、
DVD 購入という選択肢はもろ手をあげて賛成致します。
しかし現時点では HD(ハイビジョン)放送を録画したいという要求には
転送レートとコスト・パフォーマンスのかね合いから、
答えを即答することはなかなか至難の業と考えています。
 
 
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