歴史 @ 磁石の小部屋


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歴史

 磁石の歴史は古く、自然界に存在していた磁気を帯びた鉱石の発見に始まる。
 「磁石の歴史」および「近代磁石の歴史」に分けて説明する。

磁石の歴史

 ここでは、人類と磁石の太古の出会いからの古い磁石の歴史について説明する。

h12.jpg磁石の歴史(太古)
 人類と磁石の出会いは、紀元前の羊飼いの持つ杖の先が岩に吸い付けられたという不思議な体験とされる。これは、杖の先端にすり減らないように付けていた鉄片が、雷で磁化した磁鉄鉱に吸い付けられたものと考えられる。英語の「マグネット(magnet)」の語源は、この地名「マグネシア」または発見者「マグネス」であるとの説がある。
 この天然磁石は、ほかにエジプトでは「ホルス(太陽神)の骨」、ギリシャでは「ヘラクレスの石」と呼ばれ、珍重されていた。


h14.jpg磁石の歴史(中国)
 以下の磁石の性質は、数千年前から知られていた。
  ・磁石は鉄を引きつける
  ・鉄を磁石にすりつけると、磁石に変わる
  ・磁石は南北を指す
 3番目の性質は指極性である。「司南之杓」と呼ばれていた方位磁石は、紙、印刷術、火薬と共に中国の4大発明のひとつである。
 昔の中国では慈石(慈しみの石)と書いていた。「慈石が鉄を引くこと、慈母が子を招くが如し」(呂氏春秋)、つまり、ふたつの乳房(N極とS極)を持つ慈母(慈石)に乳児(鉄)が吸い付くさまに例えている。


h16.jpg磁石の歴史(日本)
 日本では、「和銅六年(713年)近江の国より慈石を献ず」(続日本紀)とあり、10世紀には「ジシャク(万葉仮名)」(和名抄)と呼ばれていた。
 他に、歌舞伎の「毛抜」や狂言の「磁石」なども有名である。


近代磁石の歴史

 ここでは、近代以降から最近までの近代磁石の歴史について説明する。

h22.jpg工業磁石の歴史
 古くより用いられてきた磁石だが、工業材料として製造されるようになったのは20世紀以降である。その歴史は、本多によるKS鋼が開発された1917年に始まり、MK鋼(1933年、三島)や新KS鋼(1934年、本多)が続き、アルニコ磁石につながっている。
 フェライト磁石の起源は、1933年の加藤らによるOP磁石である。


h24.jpg希土類磁石の歴史
 希土類磁石の歴史は、1967年のアメリカでのSmCo5の発明に始まり、俵らの発見を経てSm2Co17へ進化した。
 1984年の佐川によるNd2Fe14B磁石は、現在もっとも高性能な磁石であり、比較的廉価なので広く用いられている。


h32.jpg磁石特性の推移
 磁石特性(最大エネルギー積)は、約90年で60倍弱の向上を示している。その間、沢山の研究者によって様々な磁石材料や製造方法が研究・開発され、今日に至っている。その研究者たちの多くが日本人であり、このことが磁石や磁石応用製品に強い日本を支えてきた。