種類と特性 @ 磁石の小部屋


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種類と特性

 多くの種類の磁石が存在している。
 現在、量産化されている各種磁石について、その特性、組成、製法などについて、「磁石の種類」、「磁石の組成と製法」および「ボンド磁石」に分けて説明する。

磁石の種類

 磁石にはたくさんの種類があるが、組成で分類するとアルニコ磁石、フェライト磁石と希土類磁石が、製法で分類すると焼結磁石とボンド磁石が多い。

k12.jpg各種磁石の減磁曲線
 各種磁石の減磁曲線を示す。
 アルニコ磁石は、残留磁束密度は高いものの保磁力が低いことが、視覚的に分かる。
 フェライト磁石よりも希土類磁石の方が、ボンド磁石よりも焼結磁石の方が、磁気的には高性能である。


k14.jpg各種磁石の磁気特性
 各種磁石の磁気特性を表にまとめた。
 アルニコ磁石は、残留磁束密度は高いものの保磁力が低い。
 フェライト磁石よりも希土類磁石の方が、ボンド磁石よりも焼結磁石の方が、高性能である。


k16.jpg各種磁石の諸特性
 各種磁石の磁気特性以外の特性を表にまとめた。
 温度係数的には、アルニコ磁石とSm-Co磁石が優れている。
 比抵抗は、フェライト磁石とボンド磁石が高い値を示している。


k22.jpg磁石特性の理論値
 各種磁石の磁気特性を、理論値、ラボ値および量産値で比較した。
 100MGOeを越える特性で期待されているナノコンポジット磁石は、粉末レベルでもその特性は得られていないのが実情である。磁石での特性としてはボンド磁石の10MGOe未満が現状である。


磁石の組成と製法

 磁石の組成と製法による分類について説明する。

k32.jpg磁石の組成と製法
 磁石は組成と製法で分類することができる。
 工業的にある程度の量が量産されている磁石の組成は、アルニコ(鋳造)、フェライト、希土類の3種類である。
 焼結磁石に代表されるフルデンス磁石の製法は、鋳造、焼結、急冷+熱間加工の3種類に限定される。
 それに対し、ボンド磁石はバインダーと製法の組み合わせも多くほとんどの組成に対応しているため種類が多い。


k32a.jpg希土類磁石の組成比
 主な三種類の希土類磁石の組成比をみると、希土類元素はおおよそ全体の1/3〜1/4を占めている。


k32b.jpg磁石の製法
 ボンド磁石以外の磁石を製法で分類すると、溶解・鋳造のままの鋳造磁石、溶解・鋳造した合金を粉末冶金的手法で磁石化した焼結磁石および急冷した急冷薄帯を熱間加工して磁石化した急冷+熱間加工磁石とがある。
 また、ストリップキャスティングのように急冷した合金を焼結する方法もある。


ボンド磁石

 磁石粉末を樹脂などのバインダーで結合させたボンド磁石について説明する。

k42.jpgボンド磁石の基本特性
 希土類ボンド磁石用粉末の基本特性である飽和磁化、異方性磁界、キュリー温度と、最大エネルギー積の理論値および希土類の含有量を示した。
 交換スプリング磁石は、飽和磁化が高いFeなどのソフト相を含むため、飽和磁化が高く、結果として最大エネルギー積の理論値も高くなる。さらに、希土類金属の含有量も少なくなることから、低コスト化が期待される。


k44.jpgボンド磁石粉末の製法
 ボンド磁石は、結合材にて磁石粉末を結合させた磁石であり、結合材と成形方法から分類できる。
 希土類ボンド磁石では、熱硬化性(エポキシ)樹脂+室温圧縮成形および熱可塑性(ナイロン)樹脂+射出成形が主流である。


k46.jpgボンド磁石の製法と結合材
 希土類ボンド磁石用粉末については、その組成と製法の組み合わせから種類が多くなってきている。特に、最近の磁石材料は焼結磁石への適用ができないことから、Sm-Fe-N系磁石も交換スプリング磁石も全てボンド磁石への適用となっている。


k32c.jpgボンド磁石の製法
 ボンド磁石を製法で分類すると、圧縮成形磁石、射出成形磁石および圧延成形によるシート状磁石がある。他にも押出成形磁石などがある。