2005年07-09月 @ 磁石の小部屋


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ミツミ:カメラ付き携帯電話向け超薄型オートフォーカスアクチュエータを開発

・電波プロダクトニュース 2005年9月30日

 ミツミ電機は、携帯電話用超薄型オートフォーカスアクチュエータを開発した。寸法は14×14×4.9mm、重量1.5g。薄型化の実現により、携帯電話のカメラにAFが搭載されるようになる。

日産自動車:キャビンが回転する電気自動車を出展

・日経Automotive Technology 2005/09/30

 日産自動車は、東京モータショーに、電気自動車のコンセプトカーを出展した。キャビンが回転して前後が逆転する。1台で2軸分の出力を持つ「スーパーモータ」を前後に搭載し、4輪駆動を独立制御する。スーパーモータは、ステータの内側と外側にロータを2個設け、それぞれ独立に回転させることができる。デフの機能を兼用でき、前後輪へ駆動配分もできる。

アルプス電気:EMCを高めるRFIDアンテナ感度増幅用磁性シートを開発

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月30日
・電波プロダクトニュース 2005年9月30日

 アルプス電気は、無線識別(RFID)アンテナ感度を増幅する磁性シートを開発した。東北大学と共同開発した鉄を主成分としたアモルファス金属を使用。RFID用リーダ/ライタなどの感度増幅に適用される。アモルファスの透磁率が高いことを利用しており、電波吸収力が優れている。

コパル:直径4mm×長さ5.5mmのステッピングモータを量産

・日経エレクトロニクス 2005/09/29

 日本電産コパルは、直径4mm×長さ5.5mmのステッピングモータの量産出荷を開始した。従来製品の長さは7.5mm。カメラ付き携帯電話機や現行DVD、次世代光ディスク両再生装置向け。ステッピングモータの小型化競争が激しくなっている。ユーザからの要求もあり、今後も競争は継続していくと考えられる。

FDK:耐熱温度+800℃の熱電材料を開発

・日経エレクトロニクス 2005/09/28

 FDKは、耐熱温度が+800℃の熱電材料を開発した。これにより、自動車排ガスや工場の廃熱を利用した発電に適用する。手のひらサイズで10Wの出力が得られる。材料はスピネル型のフェライトで、熱伝導率が小さくなっている。量子コンピュータへの適用が期待されているように、磁性材料の新しい応用分野が広がってきている。

松下電工:エネルギー消費効率の高い業務用エアコンを発売

・日経エコロジー編集/EMF 2005年09月28日

 松下電工は、冷暖平均エネルギー消費効率:COP=4.72の業務用エアコンを発売する。磁界歪の少ないモータを採用することなどにより、10年前の機種と比較して年間の電気代を約55%削減できる。モータにはNd-Fe-B系磁石を採用して小型化を図り、モータ巻線方式を工夫し磁界歪みを少なくしている。

富士重工:ハイブリッド車のコンセプトカーを出展

・日経Automotive Technology 2005/09/28

 富士重工業は、第39回東京モーターショーにハイブリッド車のコンセプトカーを出展する。排気量2.0Lのエンジンと10kWのモータを組み合わせている。東京モーターショーでも、ハイブリッド車の話題が主流となりそうである。

大和ハウスとニッコー:プロペラ型10kW小型風力発電機を共同開発

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月28日

 大和ハウス工業とニッコーは、プロペラ型で最大出力10kWの小型風力発電機を共同開発した。風車の直径は7mで、モータ駆動の風向き追従制御機能を有し、風速1.5mから回転を始め、風速2.5mから発電できる。これまでは大型の発電機の普及が進んできたが、小型の風力発電機が登場し始めている。

三菱ふそう:ハイブリッドトラックを世界に展開

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月27日

 三菱ふそうトラック・バスは、ハイブリッド型の小型トラックを世界展開する。通常のディーゼルエンジン車と比較して、燃費が最大40%改善される。中国、豪州、米国に輸出する。ハイブリッド車の低燃費効果が、乗用車だけでなく、商用車に展開されている。

昭和ゴム、ニッコー:砂状磁鉄鉱と顆粒フェライトを高充填させた電波吸収ゴムシートを発売

・日経ものづくり 2005/09/26

 昭和ゴム、ニッコー、石川県工業試験場は、砂状磁鉄鉱と顆粒フェライトを高充填させ、600MHz~12GHzに対応した電波吸収ゴムシートを共同開発した。周波数域により、充填量や厚さを最適化する。2種類の磁性材料を周波数域によって使い分けたり、充填量や厚さを最適化していることが特徴。

三菱重工プラテック:金型温度制御で成形品の外観品質を高めた電動射出成形機を開発

・日経ものづくり 2005/09/26

 三菱重工プラスチックテクノロジーは、金型を急速加熱・冷却できるシステムを搭載し、成形品を鏡面状の表面にできる電動射出成形機を開発した。後工程の塗装工程をなくし、コストを削減できる。電動射出成形機の特長を活かし、新しい付加価値を持つ製品が多数登場してきた。

ダイハツ:ハイブリッド車のコンセプトカーを出展

・日経Automotive Technology 2005/09/26

 ダイハツ工業は、ハイブリッド車のコンセプトカーをフランクフルト・モーターショーに出展した。4輪駆動で、前輪は2モータ方式のハイブリッドシステムで駆動、後輪は1モータを電磁クラッチで左右トルク配分し駆動する。プリウスと同様のハイブリッドシステム。前輪のモータおよび発電機の出力は36kW、後輪用モータは20kW。

三菱重工プラスチックテクノロジー:射出速度が速い電動式射出成形機を発売

・日経ものづくり 2005/09/22
・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月23日

 三菱重工プラスチックテクノロジーは、従来の油圧式と比べ射出速度が1.3倍、立ち上がり速度が3倍の電動式射出成形機を発売する。型締め力は6375kN、最大射出圧力は177MPa。低速/高トルクサーボモータをボールスクリューに直結することにより、高速射出を実現した。

住友重機械工業:厚肉向けおよび薄肉向けの電動射出成形機を発表

・日経ものづくり 2005/09/22

 住友重機械工業は、厚肉製品向けおよび薄肉製品向けの中型電動射出成形機を発表した。ダイレクトドライブ機構を採用することにより、薄肉品を安定して成形できる。電動式の特徴が、従来の省エネルギーや環境性だけでなく、広範囲に展開してきた。

ホンダ:シビックハイブリッドを発売

・日経Automotive Technology 2005/09/22
・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月23日
・FujiSankei Business i. 2005/9/23
・FujiSankei Business i. 2005/9/23

 ホンダは、シビックハイブリッドを全面改良して発売する。排気量1.3L直列4気筒エンジンは70kWで最大トルク123N・m。モータは15kWで最大トルク103N・m。ハイブリッドシステムと無段変速機を組み合わせる。いよいよ、シビックにハイブリッド車が登場。ホンダにとっては、ハイブリッド車ビジネスの試金石となりそうである。

日本ガイシ:スライダー駆動型粗微動2段アクチュエータを実用化

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月22日
・電波プロダクトニュース 2005年9月22日
・日経エレクトロニクス 2005/09/22

 日本ガイシは、スライダー駆動型2段圧電マイクロアクチュエータを実用化した。HDDヘッド駆動用。粗微動アクチュエータのうち、スライダー駆動型を第2世代としている。明記されていないが、電磁式の粗動と圧電式の微動との2段アクチュエータと思われる。従来のHDDヘッド駆動には電磁式のアクチュエータのみが使用されている。

旭化成電子:角度誤差±0.5度の高精度非接触回転角センサを開発

・NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月22日
・電波プロダクトニュース 2005年9月22日

 旭化成電子は、角度誤差±0.5度、角度分解能0.1度の高精度非接触回転角センサを開発した。温度範囲は-40℃から125℃。自動車やロボット、工作機械分野を狙う。磁石とホール素子と回転角センサによる磁気式エンコーダ。温度補償アルゴリズムや故障検出機能を搭載している。

東北大と日立:低電流密度でTMR素子の書き込みを実現

・日経エレクトロニクス 2005/09/20

 東北大学電気通信研究所と日立製作所基礎研究所は、8.8×10^5A/cm2と世界一低い電流密度で、高出力金属系TMR素子の電気的磁化反転に成功した。高速書き込みが可能とするGビット級のMRAMの実用化につながる技術。TMR素子の強磁性膜にCo-Fe-Bを採用し、記録層の磁化反転に必要なエネルギーを反転し、磁化反転を容易にした。

フジセラテック:多段式垂直翼風力発電機を開発、発売

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月16日

 フジセラテックは、風速2mから発電可能な多段式垂直翼風力発電機を開発し、発売する。5kW×4段=20kWまで発電可能。発電機は、ステーターとレギュレータの空隙を自動制御して磁束制御し、無風時にプロペラ動力を解放でき、高風速時には空隙コントロールでブレーキをかけられ、ブレーキ装置は不要。空隙コントロールによる磁束制御の仕組みは不明だが、90%の発電効率を実現している。

ソディック:形状精度5nmの新シリーズナノ放電加工機を発売

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月16日

 ソディックは、形状精度が最高5nmのナノ放電加工機を開発し、発売する。形状精度で5nm~100nm、微細細穴加工で4μmの精度を実現。空気浮上式リニアモータの採用により、超高精度、高応答を実現している。

日本製鋼所:型締め力40tonの全電動式中型中空射出成形機を開発

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月16日

 日本製鋼所は、型締め力40tonの全電動式中型中空射出成形機を開発した。油圧式と比較して、消費電力約30%削減、最大騒音値を11%低減した。樹脂焼け焦げや油付着がなくなる。電動式射出成形機は、大容量化、ハイブリッド化など全方位に展開している。

日精樹脂工業:電動式射出成形機をモデルチェンジ

・日経ものづくり 2005/09/15

 日精樹脂工業は、電動式射出成形機をモデルチェンジし、射出速度と射出立ち上がり時間を高速化した。型締め力は147kN~4460kNの10機種。これにより、薄肉成形品を安定して成形できる。電動射出成形機の駆動源に、低慣性のサーボモータを搭載している。

日立製作所ら:高温超電導材料で1.5Tの磁場を長時間安定して発生

・asahi.com 2005年09月15日
・FujiSankei Business i 2005/9/16

 日立製作所と物質・材料研究機構は、二ホウ化マグネシウムを用い、実用的な性能の電磁石を作ることに成功した。1.5Tの安定磁界を実現できるため、医療用MRIやリニアの小型化につながる。二ホウ化マグネシウムは、青山学院大の秋光教授らが発見した高温超電導材料で、実用化に一歩近づいたことになる。

DaimlerChrysler:ガソリンとディーゼルエンジンのマイルドハイブリッド車を発表

・日経Automotive 2005/09/14

 DaimlerChrysler社は、2種類のマイルドハイブリッドのコンセプトカーを発表した。ガソリンエンジンタイプは、最大出力215kWのエンジンと6kWのモータの組み合わせで221kWの出力を、ディーゼルエンジンタイプは、173kWのエンジンと組み合わせて179kWの出力を実現する。欧州には、モータはアシスト程度のマイルドハイブリッドのニーズがあるようだ。

Porsche:ハイブリッド車をVolkswagenと共同開発

・日経Automotive Technology 2005/09/14

 Porsche社は、第61回フランクフルト・モーターショーで、Volkswagen社と共同開発するハイブリッド機構を搭載したハイブリッド車を製造すると発表した。動力性能を確保しつつ、燃費を15%ほど改善する。ハイブリッド車の開発が全面化/本格化している。Porscheのイメージを裏切らない走行性能の実現に期待。

BMW:大容量キャパシタ搭載のハイブリッド車を発表

・日経Automotive Technology 2005/09/14

 BWM社は、エネルギーの回生とアシスト用電力貯蔵に大容量キャパシタを搭載したハイブリッド車を発表した。出力密度がNi-MH電池の10倍以上あるが、エネルギー密度は低いため、10秒程度でエネルギーを放出し、再充電または回生されるまでアシストは中断する。3.0Lのエンジンが200N・mに対し、最大出力60kWの同期モータの最大トルクは400N・mで、モータだけでの走行が可能。強力なモータを搭載したハイブリッド車が増えている。

Audi:パラレルハイブリッド車のQ7 hybridを開発

・日経Automotive Technology 2005/09/14

 Audi社は、縦置きV8エンジン、6速自動変速機と32kWモータのパラレルハイブリッド車であるQ7 hybridを、2008年北米市場に投入を予定している。モータの最大トルクは200N・mで、ベース社と比較して、加速も燃費も大幅に改善している。モータトルクが大きいことが特徴で、モータ走行も可能。北米市場を意識した企画が多くなっている。

Mercedes-Benz:2モードハイブリッド車を公開

・日経Automotive Technology 2005/09/14

 Mercedes-Benz社は、第61回フランクフルト・モーターショーで、General Motors社と共同開発している2モードハイブリッド車のパワートレーンを公開した。欧米共に、ハイブリッド車が本格的に市場投入されるようだ。

ファナック:型締め力を高めた電動射出成形機を発売

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月13日

 ファナックは、型締め力が150tonと300tonの電動射出成形機を発売する。大型金型に対応し、型締め力の面圧バラツキを減少させた。医療器、容器、自動車部品向け。射出速度と射出圧力も高めた。射出成形機は、駆動源の油圧式から電動式への移行が進んでいるが、これもその一環。電動式のさらなる大容量化だけでなく、電動式特有のメリットを活かした製品の登場を期待する。

京都大:無秩序スピン磁性体の製造に成功

・(共同通信)9月9日

 中辻知京都大講師らは、磁性を持ち、スピンがバラバラの方向を向いた磁性体を作ることに成功した。Ni、Ga、Sを1:2:4で混合、真空中約900℃で焼結して結晶を合成することにより、スピンの量子液体状態を実現した。磁気素子や量子コンピューターの開発につながる技術であり、今後に期待。

超電導工学研究所:世界記録の2.5倍の高温超電導線材を開発

・毎日新聞 2005年9月5日
・日経マイクロデバイス 2005/09/06

 超電導工学研究所名古屋高温超電導線材開発センターは、245A、212mの高温超電導線材を開発した。Y系の超電導物質で、線材の長さと電流量の積の指標で、これまでの世界記録の2.5倍を実現した。高温とは言え液体窒素温度の-196℃でのみ超電導挙動を示すことは、未だに実用化のネック。ただ、適用するモータが劇的に変化する可能性を秘めていることから、早期の実用化が望まれる。

NEOMAX:小動物用MRIをエム・アール・テクノロジーと共同開発

・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年9月2日

 NEOMAXは、高磁界永久磁石式小動物用コンパクト磁気共鳴画像装置(MRI)をエム・アール・テクノロジーと共同開発した。製品の大きさはW64×H84×D75mmと、従来機種に比べ小型・安価。大日本製薬が、国内独占販売契約を結び、9月から本格販売する。人間用のMRIは、各都道府県の主要病院に配備されると需要が一段落するので、成長しているペット関連市場への参入は妥当な戦略。ただし、人間と違って大人しくしていない動物を、超伝導方式と比べると検査時間がかかる永久磁石式MRIで検査するのは大変ではないだろうか。

FDK:磁気を利用した非接触研磨装置を開発

・日経マイクロデバイス 2005/08/31

 FDKは、磁気を利用し、加工対象物表面を非接触で研磨する装置を、福島大学島田助教授と共同で開発した。永久磁石でできた研磨バイトを回転させ、直径数十nm〜数十μmの磁気粒子を含む研磨液を介して加工対象物を研磨する。加工対象物は、金属、ガラス、セラミックス、プラスチックなど。従来の磁性流体を用いた磁気研磨は、研磨バイトと加工対象物の間の距離が数μmだったが、mm単位に広がり、使い勝手が改善されているようだ。また、MEMSデバイス表面の耐研磨性を向上させることができ、今後に期待される。

FDK:長さ3.9mmのステッピング・モータを試作

・日経エレクトロニクス 2005/08/30

 FDKは、直径4.3mm、長さ3.9mmのステッピング・モータ「SMS4.3」を試作した。従来品は、同社の直径4.3mm、長さ5.15mm。ステップ数は20。カメラ付きケータイのオート・フォーカス機能に適用する。搭載する永久磁石は自社成形品。また、直径3.5mmまで小型化可能としており、今後に期待。

ダイハツ:ハイブリッド軽商用車を発売

・日経Automotive Technology 2005/08/29
・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年8月30日
・FujiSankei Business i. 2005/8/30

 ダイハツ工業は、軽商用車で初となるハイブリッド車を発売する。出力9.4kW/3000rpm、トルク46N・m/1000rpmの薄型の1モータ方式。主体はエンジン走行で、減速・制動・下り坂でのエネルギーの回生と発進・加速時のモータアシストにより、高い走行性と低燃費を実現する。燃費は約30%向上で、約20km/リットル。プリウスに始まったハイブリッド車は、今回の軽商用車への適用により、ほぼ全車種に展開されたと考えられる。軽自動車は小型・低燃費・低価格であることから、ハイブリッド化のメリットが活かされにくいと思われる。今回の2倍強の価格でどれだけ普及できるかが興味のポイント。

内橋エステック:高速・高感度磁気センサ素子「MI素子」および「MIセンサ」を出荷

・電波プロダクトニュース 2005年8月25日

 内橋エステックは、高性能磁気センサ素子「MI素子」および同素子を用いた「MIセンサ」を開発、エンジニアリングサンプルの出荷を始めた。MI素子は、7.8×3.2mmのセラミックス基板にφ30μmのアモルファス線を独自の抵抗溶接法で溶接し、信頼性・耐久性を大幅に向上させた。MIセンサは、磁界強度計や磁界勾配計がある。MI素子は、透磁率の高い磁性アモルファス細線に高周波励磁電流を通電し、外部磁界によってアモルファス線のインピーダンスが変化する磁気インピーダンス効果を有する。今回の製品の特徴は、独自の抵抗溶接法を採用したことのようである。

産総研:バイポーラ型TMR素子でMR比100%を実証

・日経マイクロデバイス 2005/08/24

 産業技術総合研究所は、各々単結晶半導体であるふたつの強磁性電極層とその間のトンネル障壁層で構成されたバイポーラ型TMR(Tunneling MagnetoResistive)素子で、100%と大きな磁気抵抗(MR)比を実証した。強磁性電極層には(Ga,Mn)Asで、低温で強磁性を示す強磁性半導体であるので、2K(-271℃)という低温下でしか大きなMR比は得られていない。今回、バイポーラ構造のTMR素子で大きなMR比が得られたことから、スピン・トランジスタの可能性を示しており、不揮発性磁気メモリの超高集積化につながると期待されている。究極の素子として開発目標とされているスピン・トランジスタの実現に一歩近づけることができたと考えられる成果。室温で強磁性を示す半導体材料が開発されることが望まれる。

三菱自動車:インホイールモータ搭載の電気自動車で四国EVラリーに参加

・日経Automotive Technology 2005/08/24
・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年8月25日

 三菱自動車は、アウターロータ式インホイールモータとLiイオン電池を搭載した電気自動車の開発を進めている。アウターロータ式インホイールモータは、出力やトルクを増大できるので減速機が不要となり、軽量化・高効率化が可能となる。また、ブレーキなどをモータの内側に収納でき、モータをホイールハウス部に納めやすいため、スペース効率が良い。電気自動車の開発は、ハイブリッド車と燃料電池車に集中されており、純粋な電気自動車の開発は縮小傾向になる。本電気自動車は、アウターロータ式インホイールモータにより軽量化・高効率化とLiイオン電池の採用によって、これまでの弱点を克服し、実用化を図ろうとしているものと思われる。

日精樹脂工業:電動式と油圧式のハイブリッド射出成形機を開発

・日経ものづくり 2005/08/24
・THE NIKKAN KOGYO SHIMBUN 2005年8月26日

 日精樹脂工業は、サーボモータによる電気駆動式と油圧式を組み合わせた小型精密射出成形機を開発した。必要なときにのみモータを駆動させることにより、消費エネルギーを油圧式射出成形機より約40%低減、電動式射出成形機並みとした。油量も約55%低減できる。高性能磁石の登場によるサーボモータの大容量化と環境問題による市場の要求から、射出成形機の電動式の採用が進んできた。磁石のさらなる高性能化/低コスト化は、このトレンドを加速することになるだろう。両方の特長を兼ね備えることが可能なハイブリッド式射出成形機は、重複による贅肉を持つ恐れもあり、そのバランスが重要となる。

北野精機など:バルク型の超電導モータを試作

・日経エレクトロニクス 2005/07/15

 北野精機、東京海洋大学、福井大学などの産学グループは、液体窒素冷却で駆動可能なGd系バルク型高温超電導モータを試作した。試作モータは、直径400mm長さ500mmで出力60kW。アキシャルギャップ型で、銅コイルの電機子3層とGd系超電導バルク8個を埋め込んだ回転子2層で構成。永久磁石モータに比べ小型化できる魅力があるが、冷却が必要なことが難点。Gd系は90K(-183℃)で超電導となるが、液体窒素という冷媒が必要。船舶用モータを想定していることは、良いことかも知れない。

ウインズ:磁石使った部品搬送装置を開発

・NIKKEI NET 2005/07/15

 半導体製造装置メーカーであるウインズは、磁石を用い非接触で動力を伝える部品搬送装置を開発した。摩擦によるゴミ発生がないため、清浄環境が求められる半導体や液晶製造装置に活用できる。N極とS極を交互に並べた円柱形状の部品を0.5mm間隔で対向させ、歯車のようだが非接触で動力を伝える仕組み。磁石の吸引力は反発力を用いた応用機器のひとつ。
 磁石の吸引力がむき出し状態なので、磁性体の使用には注意が必要である。

NEOMAX:世界最強ネオジム磁石を開発

・NEOMAXホームページ 2005年7月12日
・日刊工業新聞 ビジネスライン 2005年7月13日
・電波プロダクトニュース 2005年7月13日

 NEOMAXは、世界最強のネオジム系焼結磁石を開発した。残留磁束密度(Br)は1.555[T]、最大エネルギー積((BH)max)は474[kJ/m3](59.5[MGOe])、保磁力(HcJ)は653[kA/m](8.20[kOe])。磁気特性の向上率は、Brが従来比0.8%、(BH)maxが1.7%とわずかである。保磁力も低く、実用的な特性とは言えない。つまり、技術力のアピールと考えられる。また、技術にも新規性が見られないことから、生産技術の精進のたまものなのだろう。ネオジム磁石の理論的限界と現状から考えると、やむを得ないことと思われる。2006年度に量産されるらしい新グレードの磁気特性を、現行グレードよりどれだけ高められるかが、今後の注目。