何故法隆寺は木造建築なのに1300年ももつのか?

法隆寺は再建、非再建かの論争があったが、現在の建物は710年ごろ再建されたと考えられているようなので、建築後1300年経つわけで、木造建築としては世界最古
塔の先端までの高さは32.56mであるが、下の断面図に見られるようにこの塔には一本の太い柱(心柱)が土台から塔の先端に突き出ている相輪まで貫かれているのである。
法隆寺の修復にあたる棟梁の西岡さんによると法隆寺の心柱は樹齢2千年以上、直径2.5mのヒノキの巨木を4つ割りにして使っているそうである。


ヒノキは一千年以上の寿命がある

法隆寺に使われている木材のすべてはヒノキであるそうだ。千年たったヒノキでも表面を削ると新しいヒノキと同じ手触りと香りがするということで伐採されてもその寿命を保持しているということには驚かされる。
2千年生きた木が建材に使われさらに1500年あるいは2千年も寿命があるとすれば、驚異的なことだ。
何故古代の建築家はこのようなことを知っていたのだろうか?

長い間には木はそったり曲がったりすることもあるだろうとおもわれるが、古代の建築家は木の性質をよく見抜き力のかかるところや軸心部にはひねくれて節のあるところを使用するとかそりを逆向きに合わせて使う等ひとつひとつは不揃いでも全体として統一がとれ力強くたくましくまた時にはやさしくも見えるようにしてあると言う。

日本で最初に建てられたお寺は飛鳥寺で587年頃とされ当初の法隆寺はその直後であるので、このような塔の建築は始めてではないかと思われるが、どのようにして設計したのか?技術者は当時の百済帰化人と思われるが、何故朝鮮にも中国にもない日本独自の塔を考えだしたか?疑問はつきない。




五重塔は地震や台風で倒れたことは皆無である

塔の真ん中に一本の心柱があるが、これは塔の構造には直接関わってはおらず、心柱は一番上の相輪をさえているに過ぎないそうである。
五重塔はこれまで地震で倒壊した例はないというが、何故倒壊しないのか?についてはまだ完全には判っていないようである。

一つの想定として、各階が独立した空間を重ね合わせているので外力がかっても一度に五重すべてにかからず、分散して伝わるのではないかと想像される。
また各階の力はちょうどやじろべえ構造となっていて垂木のやじろべえが側柱を支点として一方には屋根の瓦などの重量物の荷重がかかり、他方にはその上の階の重量がかかり、その階ごとに力がバランスしているのではないかと想像される。一番上の階はその上の階がない分心柱を介して相輪で押さえつけられているのではないか?と考えられる.
(「5重塔は何故たおれない」から)