敬語マスター 編 そのT

 「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」について 敬語の種類確認テスト    誰への敬意かの確認テスト

古典研究受講者必見!

尊敬語
謙譲語
丁寧語
為手(して)
身分の高い人の動作 身分の低い(高い場合もあり)人の動作 筆者や、話している人のせりふ
訳の
パターン
相手の人が「〜なさる」「お〜なる」 身分の高い人に「〜し申しあげる」「お〜する」 読んでいる人や聞いている人に「〜です。ございます」と語る。
かぐや姫、いといたく泣き【給ふ】
(竹取物語)
《頭の中将ハ》かぐや姫をえ戦ひ止めずなりぬること、《帝に》こまごまと【奏す】。(竹取物語) 年ごろ思ひつること果たし【はべり】ぬ。
(徒然草)
かぐや姫はたいそうひどく泣きになる 《頭の中将》さんは、かぐや姫をGETできなかったことを帝に詳細に報告もうしあげた。 長年気にかけていたことを果たしました。
やった人がエライ!
=泣いちゃったかぐや姫がエライ!

やられた人がエライ!
=報告された帝がエライ人!(報告したのは《頭の中将》さんだけど、作者は《帝》にドンっと敬意をプレゼント!
主語じゃないほうの人に対して「えらい!」という気持ちをこめる。「受け手尊敬」なんて言ったりします。動作をやっている人のことは「あなたはえらい!」とわざわざ言わない。

*相手に失礼のないようにていねいに!
仁和寺の僧侶が他の人に語った話。地の文なので、筆者から読者へ丁寧に書いた、ととります。

誰から
「地の文」=作者〈筆者〉から     「会話文」=話者から   
誰へ
動作している(身分の高い)人へ  動作を受ける(身分の高い)人へ 「地の文」=読者へ 
「会話文」=聞き手へ

もう一言、補足説明
尊敬語 謙譲語
尊敬語は動作をしている人が偉い場合・・・。 謙譲語は動作を受ける人が偉い場合・・・。
K様が主語=動作をしている人物 私が主語≠K様=動作を受ける人物
K様↑が私↓にお手紙を【お与えになる】 私↓がK様↑にお返事を【差し上げた。】

と書いたとたんに、矢印のような身分関係ができますね。
つまり、k様が上で、私が下。
「与える」という動作をしたのはK様です。

主語が変わりましたが、身分関係は尊敬語の時と同じですね。
つまり、k様が上で、私が下。 身分は急には変われない。
※ でも偉い人同士の会話だと「互いに偉い人」言葉?で逆転もアリです。

※(中宮様が)清少納言に「香炉峰の雪はどうかしら?」と【おっしゃる】

※「清少納言が中宮に【申し上げる】。」

この【おっしゃる】という言葉だけで、「香炉峰の雪・・・・」は身分の高い人
(中宮)の発言だ!とピンと来るというわけです。

「言う」という動作をしたのは清少納言です。
でも、偉いのは中宮。
やっぱり中宮あなたは偉かった!

これだけは覚えて!   ☆は尊敬語&謙譲語/謙譲語&丁寧語 ダブルであるので注意!

尊敬語 たまふ〈四段活用〉☆ (お与えになる) 与ふ
おはす・おはします・います・いまそかり (いらっしゃる・おいでになる・おられる) あり・をり・来・行く
のたまふ・のたまはす・仰(おぼ)す (おっしゃる) 言ふ
思(おぼ)す・思し召す (お思いになる) 思ふ
召(め)す (着なさる・召し上がる・お呼びになる) 呼ぶ・食ふ・飲む・乗る・着る
御覧(ごらん)ず (ご覧になる) 見る
大殿(おおとの)ごもる (おやすみになる) 寝・寝ぬ
参る☆ (召し上がる・着なさる) 食ふ・飲む・着る
奉(たてまつ)る☆ (召し上がる・お乗りになる・着なさる) 食ふ・飲む・乗る・着る
謙譲語 申す・聞こゆ・聞こえさす (申し上げる) 言ふ
奏(そう)す (天皇・上皇に申し上げる) 言ふ
啓(けい)す (中宮・皇太子・皇太后に申し上げる) 言ふ
奉る・参らす☆ 本動詞:(差し上げる・献上ずる)補助動詞:(・…申し上げる・お…する) 与ふ
参(まゐ)る☆ (参上する・差し上げる) 行く・来・与ふ・す
まかる (退出する・参上する) 出づ・去る・行く
承(うけたまは)る (お聞きする・伺う・いただく) 聞く
たまはる (いただく・頂戴する) 受く
仕(つかうまつ)る (《お仕え》し申し上げる・してさしあげる) 仕ふ・す
侍り・候ふ☆ (お仕え申し上げる・おそばにひかえる) 仕ふ・をり
たまふ〈下二段活用〉☆ 主に「思ふ・見る・聞く」に付いて(させていただく。〜しております) 補助動詞のみ。
丁寧語 侍(はべ)り・候(さぶら)ふ☆ 本動詞……ございます・あります・おります
補助動詞…(デ)ございます…(デ)おります
あり・をり(本動詞)

敬語マスター 編 そのU 「給ふ」

「給ふ」の見分け ※「(給)たま」をとって
ひらがな一文字=「給○」 「給」「給」「給 尊敬 地の文・本動詞はすべて尊敬。
ひらがな二文字=「給○○」 「給ふる」「給ふれ 謙譲 (会話・手紙のみ/補助活用のみ)

※「地(じ)の文」=「会話」や手紙ではない部分。大部分は地の文です。
 ※「本動詞」は自転車の車輪。補助動詞は「補助輪」だと思ってください。補助輪は必ず必要なものではありませんよね。

  「本動詞」は「述語」(「何がどうした」の「どうした」の部分)になるので、省けません。

「本動詞」と「補助動詞」の違い
尊敬 本動詞 大御酒(おほみき)【給ひ】、禄(ろく)【給は】むとて、つかはさざりけり。(伊勢物語・八三) (惟喬親王(これたかのみこ)は男に)お酒をお与えになり、(その上に)ほうびの品をお与えになろうとして、お帰しにならなかった。
謙譲 補助動詞 「命長さの、いとつらう思ひ【給へ】知らるるに、松の思はむことだに、恥づかしう思ひ【給へ】はべれば、・・・」(源氏物語・桐壺) 「長く生きていることがたいそうつらく思い知られます上に、松(高砂《たかさご》の松)がわたしのことをいつまでも未練がましく生きていることだと思うでしょうが、それさえつらく存じますから、…」(桐壺の更衣の死後、更衣の母のせりふ)※給へ(連用形)+動詞

つまり=※会話文・手紙文中の補助動詞の「給へ」だけを見分ければ良い!

活用の種類
基本形
未然形
連用形
終止形
連体形
已然形
命令形
尊敬 四段
給ふ
謙譲 下二段
(給ふ)

「給へ」の見分け
已然形・命令形 尊敬
未然形・連用形 謙譲

「給へ」+「ば」
然形+「ば」(〜ので・〜すると) 尊敬 直前が事実
然形+「ば」(もし〜ならば) 謙譲 直前が仮定(事実ではない)。

会話文中の「給へ」+「ば」 (ほとんどが、地の文で尊敬のパターン)
尊敬 然形+「ば」

この老い人、「いと、あやしく苦しげにのみせさせ 【給へ】ば 、昨日は、この泉河のわたりに泊まりて。…」(源氏物語・宿木)

この老いた女房は「大層妙に、浮舟が苦しそうにばかりなされましたから、昨日は、あの泉川の辺に泊まって・・・。」
謙譲 然形+「ば」 例:検索中(源氏物語にはなさそうです。) ???

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